児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

2020-01-01から1年間の記事一覧

解職請求の署名偽造関係の罰条

解職請求の署名偽造関係の罰条 ちょっと置いときます。 刑法 第百五十九条 行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは…

処断刑期合ってるかなあ~児童福祉法違反,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件 (高松地裁r020917)

児童ポルノの特定も甘い気がします。 h31.2.2の児童淫行罪とr2.2.8の児童淫行罪が包括一罪なら、同時に行われた製造罪も包括一罪になるので、ここまでで併合罪加重して13年、所持罪の1年加えて14年(刑法47条但書) 刑法第四七条(有期の懲役及び禁錮の…

教育職員免許法の欠格事由

教育職員免許法の欠格事由 10年というのは、刑法34条の2の刑の消滅によるものです。消滅した前科というのは、役場に前科照会しても出てこないので調べるのも難しいでしょう。 罰金の執行終了から5年経過して、「前科なし」として採用されている公務員も…

侵入型強制性交事件のうち、強制性交を無罪としたもの(宮崎地裁 R02.10.26)

侵入型強制性交事件のうち、強制性交を無罪としたもの(宮崎地裁 R02.10.26) 建造物侵入,強制わいせつ未遂,住居侵入,強制性交等被告事件 宮崎地方裁判所 令和2年10月26日刑事部判決 判 決 上記の者に対する頭書被告事件について,当裁判所は,検察…

わいせつな行為とは,本条においても,基本的には, 174条, 175条の場合と同様,性欲を刺激,興奮又は満足させ, かつ,普通人の性的差恥心を害し, 善良な性的道義観念に反する行為をいうものと解される。条解刑法第4版

最新版でも「わいせつな行為とは,本条においても,基本的には, 174条, 175条の場合と同様,性欲を刺激,興奮又は満足させ, かつ,普通人の性的差恥心を害し, 善良な性的道義観念に反する行為をいうものと解される。」という定義を置いてますが、それでは…

北海道青少年保護育成条例と刑法との関係

北海道青少年保護育成条例と刑法との関係 青少年条例違反被告事件で、被害者が13歳未満という事件もよくあります 「該当する場合においても、刑法又は児童福祉法その他の法令に正条があるとき」として刑法が優先適用されるのは、刑法犯の構成要件に該当す…

法務省刑事局公安課長松本麗「実在する児童の裸体を撮影した写真を素材として作成したコンピューターグラフィクスにつき,児童ポルノ製造罪及び提供罪の成立を認めた事例(最高裁判所令和2年1月27日決定,裁判所時報1740号3頁)」研修870号

法務省刑事局公安課長松本麗「実在する児童の裸体を撮影した写真を素材として作成したコンピューターグラフィクスにつき,児童ポルノ製造罪及び提供罪の成立を認めた事例(最高裁判所令和2年1月27日決定,裁判所時報1740号3頁)」研修870号 CGの事件なんて…

被告人は、令和2年12月16日午後0時44分ころ、大阪市北区西天満4丁目所在の 甲公園駐車場にいた、灰色のマフラーを巻いて白色コートを着用しピンク色スカート及び白色ストッキングを履いた令和花子(23歳)に、強いてわいせつ行為しようと企て着衣の上から乳房もむなどわいせつ行為をしたものであるという強制わいせつ罪の罪となるべき事実(鹿児島地裁)

数件あります。 実名出しているのに、着衣の説明はいるんでしょうか?

「Cの兄になりすました上,AがCに口淫させたことが犯罪であるなどと因縁を付けて,Aから現金を脅し取ろう」という美人局恐喝・強盗致傷等で、懲役3年6月とした事例(札幌地裁R02.4.9)

「Cの兄になりすました上,AがCに口淫させたことが犯罪であるなどと因縁を付けて,Aから現金を脅し取ろう」という美人局恐喝・強盗致傷等で、懲役3年6月とした事例(札幌地裁R02.4.9) 令和 2年 9月 9日 札幌地裁 恐喝、恐喝未遂、強盗致傷被告事件 主文…

強制わいせつ致傷等3件 求刑6年・宣告刑懲役3年保護観察(姫路支部r02.9.10)

Aに対して300万円,Bに対して70万円,Cに対して150万円をそれぞれ支払い,各被害者との間で示談ないし合意が成立している。 令和 2年 9月10日 神戸地裁姫路支部 強制わいせつ,強制わいせつ致傷被告事件 上記の者に対する強制わいせつ,強制わい…

高松地裁の高橋貞幹裁判官は、香川県青少年保護育成条例違反(猥せつ行為)の罪となるべき事実に法文にない「単に自己の性的欲望を満たす目的で、」を入れるようになった。(高松地裁R2.8.6)

香川県の青少年条例の「猥せつ」というのは、刑法176条の定義を借用して、「いたずらに性欲を刺激したり、露骨な表現によって健全な常識ある一般社会人に性的差恥心や嫌悪の情を起こさせたりする行為をいう。」とされていて、定義に性的意図が盛り込まれてい…

中学校の教諭であった被告人が,担任クラスの女子生徒(当時13歳)に対し,暴行を加えて失神させた上,わいせつ,殺害目的でした住居侵入,わいせつ,生命身体加害略取,監禁致傷及び銃刀法違反の事案(前橋地裁r01.12.20)

さっき閲覧したけど、ほとんど黒塗りだったよ。 殺意が認定落ち。 住居侵入,わいせつ・生命身体加害略取,監禁致傷,殺人未遂,銃砲刀剣類所持等取締法違反被告事件 【事件番号】 前橋地方裁判所判決/ 【判決日付】 令和元年12月20日 主 文 1 被告人…

実父である被告から,被告宅で暴行を用いてわいせつな行為をされたり,姦淫されたりしたと主張して,被告に対し,不法行為(709条)を理由とする損害賠償請求権に基づき,慰謝料500万円等の合計605万円のうち385万円及びこれに対する不法行為のあった日である平成28年5月14日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案につき、慰謝料350万円が認容された事例(東京地裁r2.3.27)

実父である被告から,平成28年5月14日に被告宅で暴行を用いてわいせつな行為をされたり,姦淫されたりしたと主張して,被告に対し,不法行為(709条)を理由とする損害賠償請求権に基づき,慰謝料500万円,文書費5000円,治療費10万105…

準強制わいせつ2件で執行猶予(神戸地裁r2.7.15)

準強制わいせつ被告事件(神戸地裁r2.7.15) 裁判年月日 裁判所名 神戸地裁 裁判区分 判決 事件番号 令2(わ)232号 ・ 令2(わ)265号 事件名 準強制わいせつ被告事件 文献番号 2020WLJPCA07156003 神戸地裁令和 2年 7月15日 準強制わいせつ被告事…

AVマーケットの管理者3名はわいせつ頒布罪で執行猶予(名古屋地裁R02.11.10、R02.10.22)

AVマーケットの管理者3名はわいせつ頒布罪で執行猶予(名古屋地裁R02.11.10、R02.10.22) 知らなかったということで児童ポルノ罪は逃れて、わいせつ電磁的記録だけで起訴されて、数件あっても包括一罪なので、「懲役2年罰金250万円」を上限として量刑された…

児童ポルノ要求行為(兵庫県青少年愛護条例違反)で罰金60万円(伊丹簡裁r2.11.2)という報道

要求罪の法定刑は30万円ですから、他の青少年条例違反があったと思われます。 検察協議において、「困惑」という要件は意味が無いという検事正のコメントがあります。 兵庫県青少年愛護条例 (児童ポルノ等の提供の求めの禁止) 第21条の3 何人も、青少年…

淫行(京都府青少年の健全な育成に関する条例)容疑について、「性行為はしたが、性欲を満たす目的ではない」と弁解しているという報道。

京都府の青少年条例違反というのも珍しいです。 「青少年に対し、~~~、精神的、知的未熟若しくは情緒的不安定に乗じて、淫行又はわいせつ行為をしてはならない。」という法文なのに、 「淫行」とは、広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきで…

 みだらな性行為又はわいせつな行為(富山県青少年健全育成条例)は、刑法の強制性交・強制わいせつ罪とは、観念的競合になる。

国法の先占とかで、普通は、補充関係になるとかいいませんかね。 富山県青少年健全育成条例の解説 令和元年6月 (みだらな性行為及びわいせつな行為の禁止) 第15条 1何人も、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。 2何人も、…

強制わいせつ罪(176条後段)と同じ機会の児童ポルノ製造罪とで逮捕され、児童ポルノ製造罪で略式命令が確定した後に、強制わいせつ罪について不起訴不当の議決がされた事例

東京高裁h30.1.30に従えば、強制わいせつ罪(176条後段)とその際の製造罪とは観念的競合ですから、略式命令の一事不再理効で、強制わいせつ罪(176条後段)では起訴できない可能性があります。 児童ポルノ製造罪とされた行為のうち、所定の姿態を取らせる行…

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(千葉県)3条2項の定める卑わい行為の対象となった者(以下「A」という。)は,本件犯行により直接の被害を被ったとされる者で刑訴法290条の2所定の被害者に当たる(東京高裁H26.10.30)

青少年条例違反罪ではどうかというので調べました。 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(千葉県)3条2項の定める卑わい行為の対象となった者(以下「A」という。)は,本件犯行により直接の被害を被ったとされる者で刑訴法29…

児童相談所職員による淫行事件につき、青少年条例違反で逮捕されて、児童淫行罪で起訴されて青少年条例違反で有罪となった事例(福岡地裁r2.6.22)

師弟関係の児童淫行罪について実刑率が高いので、慎重に対応しましょう。 この判決が言及している最高裁判所平成28年6月21日決定は児童淫行罪の成否について要件を挙げていますが、それらの要件は量刑要素でもあるので、削って行けば軽くなって、児童淫…

東京都内で深夜青少年と同伴したことについて、青少年が謝罪した話

東京都青少年の健全な育成に関する条例28条によれば、同伴する相手方についての年齢確認義務があって、16歳未満だと過失でも処罰されるし、16歳以上でも条例15条の4第2項違反(罰則がない)となります。 年齢確認の程度としては「年齢確認をした際、当該青少…

被告人方における児童ポルノ画像複製行為を、姿態をとらせて製造罪として有罪とした事例(A地裁H28.9.27)

「姿態をとらせて」は構成要件ですので、それを欠く罪となるべき事実は、理由不備になります。 A地裁H支部h27.2.6でも、当初起訴がそんな記載で、裁判所が気付いて訴因変更させられて有罪になっています。その経緯は控訴審(s高裁a支部H270630)で問題にな…

「条例の各規定に該当する場合においても刑法その他法律に正条があるときは,これらの法律による。」の法的性格について、「刑法の罰条と条例の罰条が補充関係にあることを明らかにするものであって,訴因外の刑法の罰条の構成要件該当事実が条例違反罪の訴因との関係で処罰阻却事由となるものではない」高松地裁R2.9.29

刑法優先という規定は、香川県条例と北海道条例にあります。 青少年条例のわいせつ行為には「性的意図」が必要とされています。 香川県青少年保護育成条例の解説 (淫行又は隈せつ行為等の禁止) 第16条 1何人も、青少年に対し、淫行又は狼せつの行為をして…

「わいせつな行為とは、被害者の立場に立った一般人の性的差恥心の対象となる行為をいう。」刑法Ⅱ各論亀井源太郎、小池信太郎、佐藤拓磨・薮中悠、和田俊憲

「被害者の立場に立った一般人」というのがよくわかりません。 沐浴中の乳児の写真を撮るのは、乳児の立場に立つと、性的羞恥心を覚えるでしょうか。 しっくりくる定義はいつできるのでしょうか p30 強制わいせつ罪は、①相手方の年齢によらず暴行・脅迫を用…

提供目的で姿態をとらせて児童ポルノを製造したことが証拠上明らかであっても、姿態をとらせて製造罪で有罪にできる(大阪高裁r2.10.2)

検事の論稿によると、7条4項(h26改正前の7条3項)は「前項に規定するもののほか、」とされているので、提供目的がある場合を含まないと解釈されていますが、大阪高裁r2.10.2は「児童ポルノ法7条4項の「前項に規定するもののほか」との規定ぶりからして同項…

強制わいせつ罪(176条後段)と児童ポルノ製造罪について「検察官及び弁護人は,いずれも刑法54条1項前段の観念的競合として科刑上一罪の関係にあると主張する。」のに併合罪とされた事例(高崎支部r2.2.26)

東京高裁h30.1.30は、ダビングしてないときは観念的競合としています。 撮影行為を強制わいせつ罪(176条後段)にも挙げていると、訴因上、重ならないのは、媒体に記録する行為になりますが、撮影=媒体に記録する行為で、記録せずして撮影することはできま…

被害者に対し,それぞれ脅迫文言を記載したメッセージを送信するなどして脅迫し,これによって被害者らを畏怖させ,被害者らに裸の姿態をとらせて自らこれを撮影させた上,その画像ないし動画データを被告人の携帯電話機に送信させる行為は~その性質上当然に強制わいせつ罪に当たる行為とみることはできず,その該当性を判断するに当たっては,当該事案における具体的状況等に則して強制わいせつ罪に係る構成要件を充足するに足る事実があるか否かを総合的に考慮する必要がある(大阪高裁R02.10.02)

被害者に対し,それぞれ脅迫文言を記載したメッセージを送信するなどして脅迫し,これによって被害者らを畏怖させ,被害者らに裸の姿態をとらせて自らこれを撮影させた上,その画像ないし動画データを被告人の携帯電話機に送信させる行為は~その性質上当然に強…

名城大学法学部准教授 滝谷英幸「児童の姿態を電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が当該電磁的記録を別の記録媒体に記録させて児童ポルノを製造する行為と児童ポルノ規制法7条5項の児童ポルノ製造罪の成否」刑事法ジャーナル64号

名城大学法学部准教授 滝谷英幸「児童の姿態を電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が当該電磁的記録を別の記録媒体に記録させて児童ポルノを製造する行為と児童ポルノ規制法7条5項の児童ポルノ製造罪の成否」刑事法ジャーナル64号 姿態をとらせて製造罪に…

監護者わいせつ罪の実刑事案(佐賀地裁R2.6.11)

監護者わいせつ罪の科刑状況をみると、1回だけなら執行猶予になるんですが、「自らの性的欲求を優先し,被害者に対して同様の行為を繰り返す中で本件犯行に及んでおり,」ということで、起訴されてない余罪があると考慮されて実刑になります。 ということは…