児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ひそかに姿態をとらせて製造した場合、最判r6.5.21はひそかに製造罪でもいいというが、どっこい、姿態をとらせて製造罪で起訴されていると思われる事例(徳島地裁)

「病院に心エコー検査に来た16歳未満の女子生徒にわいせつな姿勢をとらせ、」というのは、盗撮でも姿態をとらせて製造罪。 法文上当然 第七条(児童ポルノ所持、提供等) 3前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、…

性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律施行前の盗撮画像について

提供罪の客体は、 性的影像記録(前条第一項各号に掲げる行為若しくは第六条第一項の行為により生成された電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供…

児童に2条3項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これをひそかに撮影するなどして児童ポルノを製造したという事実について、当該行為が同法7条4項の児童ポルノ製造罪にも該当するときに、同条5項を適用することの可否(最判令和6年5月21日)

強制わいせつ罪・強制性交に伴う撮影行為の罪名が争点になりました。 児童ポルノ製造罪の法文はこういう構成になっていて、4項は「前項に規定するもののほか、児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ」という法文で、5項は「前二項に規定する…

住居侵入+強制わいせつ罪(176条後段)は牽連犯、住居侵入+姿態をとらせて製造罪は牽連犯、住居侵入+強制わいせつ罪(176条後段)+姿態をとらせて製造罪はかすがい現象で科刑上一罪(東京高裁r5.10.12)

控訴理由は被告人に有利な構成になっています。 東京高裁令和5年10月12日 判 決 上記の者に対する、住居侵入、強制わいせつ、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、「児童ポルノ法」という。)違反、…

「性的行為をしたことは間違いないが、相手は18歳と話して、現金を渡す約束もしていない」という弁解

児童買春罪は、故意犯なので、「18歳未満と知りながら」が要件。対償供与約束+児童と知らなかったで犯罪不成立。 「対償供与約束がなかった」と言ってしまうと青少年条例違反になって、過失でも処罰される 新潟県青少年健全育成条例 (みだらな性行為及びわ…

子ども家庭庁によれば、3号ポルノは「こどもの性的な部位(※)を含む画像等」のようです。

子ども家庭庁によれば、3号ポルノは「こどもの性的な部位(※)を含む画像等」のようです。 3号ポルノの定義は、「こどもの性的な部位(※)を含む画像等」ではなく、「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しく…

わいせつ電磁的記録記録媒体陳列被告事件、性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律違反被告事件東京地裁令和5年9月14日

わいせつ電磁的記録記録媒体陳列被告事件、性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物への出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律違反被告事件東京地裁令和5年9…

児童買春・児童ポルノ被害児童の 保護施策に関する検証・評価専門委員会の動き。

児童ポルノ・児童買春独自の害悪というのがあるということで児童ポルノ・児童買春法ができて、その害悪を後から調査する条項ができたんですが、調査研究してみても、児童ポルノ・児童買春独自の害悪というのはよくわからなくて、「性犯罪被害」に含めて検討する…

被害者をして裸体を撮影させる行為は「わいせつ行為」にあたらない。という主張

古い未公開判例をチェックしていたら強要被告事件の高裁判例に、「(撮影させ・送信させる行為について)このような行為がその性質上当然に強制わいせつ罪に当たる行為とみることはできず,」というのがあったので、判例違反も主張してみる。多分「事案を異に…

テレビ会議ソフトのビデオ通話機能により被告人が視聴できる状態で、性器を露出させる姿態をとらせた行為は「わいせつ」行為に当たらないという主張

これは4つ強要被告事件の高裁判例を4つ並べておけば十分。 地裁レベルでも、自慰行為させ+送信させでないとわいせつ行為と評価されていない。 ①広島高裁岡山支部H22.12.15*72 69 ②東京高裁H27.12.22 69 ③大阪高裁r2.10.2*73(奈良地裁葛城支部R02.3.30*74)…