児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「わいせつな行為とは、被害者の立場に立った一般人の性的差恥心の対象となる行為をいう。」刑法Ⅱ各論亀井源太郎、小池信太郎、佐藤拓磨・薮中悠、和田俊憲

 「被害者の立場に立った一般人」というのがよくわかりません。
 沐浴中の乳児の写真を撮るのは、乳児の立場に立つと、性的羞恥心を覚えるでしょうか。
 しっくりくる定義はいつできるのでしょうか

p30
強制わいせつ罪は、①相手方の年齢によらず暴行・脅迫を用いてわいせつな行為をする場合と、②13歳未満の者に対して暴行・脅迫を用いずに単にわいせつな行為のみをする場合とが処罰対象である。
13歳という基準は、一般に性的行為に対する同意能力をそなえる年齢と解されているが、被害者の意思いかんにかかわらず性的行為が人格形成に悪影響を及ぼす年齢と位置づける見解もある。いずれにせよ、自己決定の意思を有しない乳児も被害者に含まれる以上、13歳未満に対する本罪は、被害者の健全な性的発達をも保護法益に含むと解するのが妥当であろう。
l わいせつな行為
実行行為であるわいせつな行為とは、被害者の立場に立った一般人の性的差恥心の対象となる行為をいう。公然わいせつ罪(→220頁)では行為を観察する者の蓋恥心が問題なのに対して、本罪では行為の客体となる者の差恥心が問われることから、意思に反する接吻のように公然わいせつ罪を構成しない行為でも、本罪のわいせつ行為にはあたりうる。
身体的接触を伴うものが中心であり、性器への直接的接触をもたらす行為(相手方の陰部を触る行為や自らの陰部を触らせる行為など)や、性器に準ずるものとして女性の乳房を弄ぶ行為や肛門への異物の挿入、さらに接吻などがこれにあたる。接触は着衣の上からでもよいが、一定の執勧さが要求されると解されているため、それに達しない行為は本罪にあたらず、公共の乗り物などにおける場合に各都道府県の迷惑防止条例違反となるにとどまる。
身体的接触がない場合でも、裸にして写真を撮る行為や手淫・射精を見せる行為は、わいせつな行為にあたるとされる。