児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

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約束外のプレイに及んだ場合、欺して児童買春した場合、準強制性交罪か?

欺して児童買春した場合、準強制性交罪か?
 児童は対価をもらって性器接触させるつもりで、買春者は、性交までするつもりだった場合の、性器接触を越える行為を何罪で評価するか?というレベルでも問題になります。
 よくあるのが、大金を払うつもりがないのに払うと欺して対償供与約束して性交等するというパターンですが、これは、準強制性交罪(準強姦罪)にならないとする高裁判例があります。
 風俗嬢の強制性交罪とかもあって、これは性交類似行為までの承諾はあって、それを越える場合で、性交までの承諾はないとされる。
 「買春者が2名になった」とか、「撮影された」など、どの程度事前合意から外れると準強制性交になるのか疑問です。

名古屋高等裁判所金沢支部平成14年3月28日(公刊物未掲載)
第1 控訴趣意中,事実の誤認の論旨(控訴理由第19)について
 所論は,原判決は,原判示第2,第3の1及び第4の各児童買春行為について,対償の供与の約束をしたことを認定したが,証拠によれば,被告人にはこのような高額な対償を支払う意思はなく,詐言であったことが明らかであるとし,このような場合には児童買春処罰法2粂2項にいう代償の供与の約束をしたことには当たらないから,同法4条の児童買春罪(以下,単に「児童買春罪」という。)は成立しないという。
 しかしながら,児童買春は,児童買春の相手方となった児童の心身に有害な影響を与えるのみならず,このような行為が社会に広がるときには,児童を性欲の対象としてとらえる風潮を助長することになるとともに,身体的及び精神的に未熟である児童一般の心身の成長に重大な影響を与えるものであることから規制の対象とされたものであるところ,対償の供与の約束が客観的に認められ,これにより性交等がされた場合にあっては,たとえ被告人ないしはその共犯者において現実にこれを供与する具体的な意思がなかったとしても,児童の心身に与える有害性や社会の風潮に及ぼす影響という点に変わりはない。しかも,規定の文言も「その供与の約束」とされていて被告人らの具体的意思如何によってその成否が左右されるものとして定められたものとは認め難い。対償の供与の約束が客観的に認められれば,「その供与の約束」という要件を満たすものというべきである。関係証拠によれば,原判示第2,第3の1及び第4のいずれにおいてもそのような「対償の供与の約束」があったと認められる。所論は採用できない(なお,所論は,形式的な「対償の供与の約束」でよいというのであれば,準強姦罪で問うべき事案が児童買春罪で処理されるおそれがあるとも主張するが,準強姦罪は「人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ,又は心神を喪失させ,若しくは抗拒不能にさせて姦淫した」ことが要件とされているのに対し,児童買春罪では対償を供与することによって性交等する関係にあることが必要であって,両者は明らかにその構成要件を異にするから,所論を採用することはできない。)。
第2 控訴趣意中,訴訟手続の法令違反の論旨(控訴理由第4及び第23)について
1 所論は,原判示第2ないし第4の各行為は,被害者らの真摯な承諾なく抗拒不能の状態でされたもので,強姦,準強姦,強制わいせつ,準強制わいせつ罪に当たるとし,いずれについても被害者らの告訴はなく,親告罪たる強姦罪等の一部起訴は許されないから,本件起訴は違法であって訴訟手続の法令違反があるという(控訴理由第23)。
 しかしながら,児童買春罪や児童買春処罰法7条2項の児童ポルノ製造罪(以下,単に「児童ポルノ製造罪」という。)は親告罪ではなく,しかも強姦罪等とは構成要件を異にしていて,児童買春罪等が強姦罪等と不可分の一体をなすとはいえず,原判示第2ないし第4が強姦罪等の一部起訴であるとはいえないから,告訴欠如の如何を論ずるまでもなく(最高裁昭和28年12月16日大法廷判決・刑集7巻12号2550貢参照),所論は失当である。なお,被告人の捜査段階及び原審公判の供述,共犯者の捜査段階の供述並びに被害者らの各供述によると,被告人らが被害者らに対して,畏怖させるような脅迫言辞を申し向けたことは認められない上,被害者らが性交等に及ぶ際あるいはその後の被告人らとのやりとりをみると,被害者らが恐怖心もあって買春に応じたと述べる部分もあるものの,他方で,買春行為の後,明日は行かないから,1日目の分だけお金を払って欲しい旨の電子メールを被告人に送信したり(原判示第2),これだけ恥ずかしい思いをしたのだからお金はもらって当然と思い,振込みでなく現金で欲しい旨申し出,受取りのため被告人が説明した場所に赴いたり(同第3の1),2度にわたって性交等に応じ,しかも2度目の際被告人に名刺を要求してこれを受け取り,記載してあった電話番号に電話をかけたり(同第4)していることなどが認められ,これら言動からすると,所論指摘の点を踏まえても,被害者らは対償の供与の約束により買春行為に応じたものと認めるのが相当であり,各被害者が抗拒不能の状況にあったということはできない。

阪高裁平成15年9月18日
平成15年(う)第1号
所論は,原判示第1の事実について,原判決は,対償の供与を約束したことを認定しているが,証拠によれば,被告人にはKに対して携帯電話機を買い与える意思はなく,詐言による約束であって,双方の真意に基づく約束とはいえず,また,携帯電話機本体の価格は通常無料であって,反対給付としての経済的利益には当たらないから,児童買春罪の成立を認めた原判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがあり(控訴理由第15)・・・というものである。
しかしながら,?については,被告人は,捜査段階において,携帯電話機を買ってやる約束をしたが,被告人名義で契約するわけにもいかないし,時間もないので,携帯電話機の代わりに現金を交付するつもりであったとの供述をしており,その内心の意思いかんにかかわらず,被告人がKに対して携帯電話機を買い与える約束をして性交に応じさせたことは関係各証拠に照らして明らかであるから,対償の供与の約束があったというべきであり,また,仮に携帯電話機の本体価格が無料であったとしても,取得するには契約手数料等が必要である上,携帯電話機にはその通信回線利用の権利が伴っているから,経済的価値が認められることもいうまでもないところであって,原判決が対償の供与の約束があったと認定したことに誤りはない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/53bee3d3ea2f74604caab244e348d7166dc50212
再逮捕容疑は共謀のうえ平成31年4月8日ごろ、同県厚木市のホテルの一室で、当時高校3年で17歳だった女性(20)に現金を支払う約束をし、女性に目隠しをして抵抗できない状態にしたうえで、次々とみだらな行為に及び、さらにその様子を携帯電話のカメラで撮影し、児童ポルノを製造したとしている。
同課によると、両容疑者は会員制交流サイト(SNS)を通じて女性と知り合った。女性は容疑者とホテルに入り、途中から容疑者が合流。女性は目隠しをされたため、2人からみだらな行為をされている認識がなかったという。

組織的温泉盗撮の裁判例

組織的温泉盗撮の裁判例
 児童が写ってると、児童ポルノ提供目的製造罪になっと重くなります。

伊香保温泉事件
 横浜地裁H16.1.16 懲役1年10月 実刑
 横浜地裁H16.1.22 懲役3年執行猶予4年
 横浜地裁H16.3.10 懲役2年実刑

 刑集登載ですが、名古屋地裁判決は弁護人がぼーっとしてたので、不告不理で破棄自判されています。

判例番号】 L07351389
児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(児童ポルノ法)違反,わいせつ電磁的記録有償頒布目的保管被告事件
名古屋地方裁判所判決平成30年11月5日
【掲載誌】  最高裁判所刑事判例集73巻5号147頁
       LLI/DB 判例秘書登載
       主   文
 被告人を懲役年に処する。
 この裁判確定の日から年間その刑の執行を猶予し,その猶予の期間中被告人を保護観察に付する。
       理   由

(罪となるべき事実)
 被告人は,
 第1 分離前相被告人Aと共謀の上,平成28年4月9日,兵庫県小野市(以下略)「△△」北側森林内において,同施設で入浴中の氏名不詳の女児5名がいずれも18歳に満たない児童であることを知りながら,ひそかに,同児童らの全裸の姿態を,望遠レンズを取り付けたビデオカメラで動画撮影し,その電磁的記録である動画データを同ビデオカメラの記録媒体等に記録した上,同年5月1日,被告人方において,同人が前記動画データを前記記録媒体等からパーソナルコンピュータを介して外付けハードディスクに記録して保存し,もってひそかに衣服の全部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した

https://www.yomiuri.co.jp/national/20211203-OYT1T50070/
発表によると、3人は共謀して9月下旬頃、兵庫県内で露天風呂に入浴中の女性を望遠レンズ付きのビデオカメラで盗撮した疑い。認否は明らかにしていない。茨城県の男は、インターネット上などで「盗撮のカリスマ」として知られ、盗撮グループのリーダーを務めていたという。
 岡山市の男が10月、静岡県藤枝市内の駐車場で職務質問を受けた際、車内にあったのこぎりについて、「盗撮に邪魔な木を切っていた」と説明。所持していたビデオカメラから盗撮とみられる動画が見つかり、県警が捜査していた。
 動画は100メートル以上離れて撮影されたものもあり、仲間同士で売買していたという。県警は他にもグループのメンバーがおり、全国で盗撮を繰り返していたとみて調べている。

男子小学生の尻を軽くたたいた行為について無罪とした事例(神戸地裁R03.11.30)

 詳細不明です。

 解説書では
「痴漢行為」、「のぞき見行為」、「盗撮行為又は盗撮目的で写真機等を向ける行為」以外のいやらしく・みだらで性的道義観念に反し、人に不安を覚えさせるような卑わいな言語・動作をいう。具体的には、スカートを捲る、傘の柄等を他人の胸部や臀部に押しつける、耳元等に息を吹きかける、耳元で卑わいな言葉をささやく、女性に声をかけ「おっぱい大きいね。」「おつばい触らせて。」「おじちやんとエッチしよう。」などと言う言動がこれに当たる。
と解説されています。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/146540
アルバイト先のコンビニで勤務中に、客として訪れた男子小学生の尻を軽くたたいたとして、兵庫県迷惑防止条例違反(卑わいな言動)の罪に問われた20代のベトナム人男子留学生に、神戸地裁(安西二郎裁判官)が「卑わいな言動には当たらない」として無罪判決を言い渡していたことが3日、分かった。判決は11月30日付。求刑は罰金30万円だった。
 判決などによると、留学生は3月24日に勤務先の神戸市のコンビニで、当時小4の男児2人の尻を衣類の上から1回ずつたたいたとして逮捕、起訴された。2人はたたかれた後、店を出て付近の交番に被害申告した。

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
制定:昭和38年7月5日条例第66号
(卑わいな行為等の禁止)
第3条の2
1何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
(1) 人に対する、不安を覚えさせるような卑わいな言動

兵庫県公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例の解説
「人」とは、本項により保護される対象者であり、性別、成年、未成年、国籍を問わず、1人であると多数であるとを問わない。
「不安を覚えさせるような卑わいな言動」とは、相手方に「不安を覚えさせるような」「野卑で、みだらな言動」をいう。
「不安を覚えさせるような」とは、いやらしいことをされるのではないかという心配を起こさせるようなという意味であるが、不安を覚えさせる言動かどうかは、個別具体的に認定しなければならない。
また、現に被害者が不安を覚えなくてもよく、被害者が当該行為に気付かない場合でも、もし、気付いたならば不安を覚えることが明らかな場合は本項が成立する。
(1) 痴漢行為
刑法の強制わいせつに至らない行為であり、具体的には、「電車等において、同意を得ていない人の身体に、衣服その他の身に着ける物の上から直接触れる」といった行為である。
(2) のぞき見行為
通常衣服等で隠されている人の下着又は身体をのぞき見するものである。要件として、のぞき見が、一般人をして不安を覚えさせるような卑わいな程度でなされることを必要とする。
具体的には、人のスカート内の下着等を下から積極的にのぞき見たり、手鏡をスカートの下に差し出して下着等を見る行為等をいう。
なお、1段落目の「のぞき見が、一般人をして不安を覚えさせるような卑わいな程度でなされることを必要とする」とは、積極的にのぞき見を行う(故意がある)ことが必要であるとの意味であって、例えば、スカートが風で捲れ上がった際に偶然に下着が見えたというような場合(故意がない)は、当然にして含まれない。
(3) 盗撮行為
通常衣服等で隠されている人の下着又は身体を、その人の承諾なく隠し撮りする行為である。
具体的には、写真機等を使って赤の他人のスカート内を隠し撮る行為、隠し撮る目的で写真機等をスカートに差し入れる行為をいう。
(4) その他卑わいな言動
「痴漢行為」、「のぞき見行為」、「盗撮行為又は盗撮目的で写真機等を向ける行為」以外のいやらしく・みだらで性的道義観念に反し、人に不安を覚えさせるような卑わいな言語・動作をいう。
具体的には、スカートを捲る、傘の柄等を他人の胸部や譽部に押しつける、耳元等に息を吹きかける、耳元で卑わいな言葉をささやく、女性に声をかけ「おっぱい大きいね。」「おつばい触らせて。」「おじちやんとエッチしよう。」などと言う言動がこれに
当たる。
「正当な理由がないのに」とは、社会通念に照らし、客観的に判断して不当であるということを意味する。
住居侵入(刑法第130条等)における「正当な理由がないのに」と同様に違法であることを意味すると解される。正当な理由があるかどうかは、具体的事案に即して、社会通念により決せられるべきである。

交際していたのに東京都青少年の健全な育成に関する条例の「青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為」として罰金(確定)になったという相談

交際していたのに東京都青少年の健全な育成に関する条例の「青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為」として罰金(確定)になったという相談
 典型的な淫行は、ホテルで会ってホテルで分かれるという関係。
 「単に」というのだから、1%でも自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められない」というのを否定するような関係があれば起訴されません。映画・美術館・映画館デートを主張して、起訴猶予になることもあります。

東京都青少年の健全な育成に関する条例の解説 令和元年8月
(青少年に対する反倫理的な性交等の禁止)
第18条の6
何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行ってはならない。
【要旨】
本条は、すべての者に対し、青少年と反倫理的な目的、手段による性交又は性交類似行為を行うことを禁止する規定である。
【解説】
平成17年の条例改正前の本条は、平成9年の条例改正によって新設され、平成16年の条例改正で法律との異同部分を整理した規定である。
平成9年の条例改正では、情報化や性の商品化が著しく進み、「性」に関する意識が大きく変化する中で、性風俗に安易に係わる青少年と、その相手方となる大人(18歳以上)の行動が、深刻な社会問題となり、性の商品化から青少年を守るため、青少年に対する買春等の禁止が新設され、第18条の2第1項において、「何人も、青少年に対し、金品、職務、役務その他財産上の利益を対象として供与し、又は供与することを約束して性交又は性交類似行為を行ってはならない。」、第2項において、「何人も、性交又は性交類似行為を行うことの周旋を受けて、青少年と性交又は性交類似行為を行ってはならない。」と規定した。
平成16年の条例改正では、平成11年11月1日に児童買春・児童ポルノ禁止法が施行され、児童に対して対償を供与等し、性交等をすることが禁止されたことに伴い、同法との整合性を図るため、いわゆる「金品等の供与等を伴う性交又は性交類似行為」と規定していた条例第18条の2第1項を、すでに効力が失われているため削除した。また、同法の対象とならない対償の供与等を伴わない周旋による性交又は性交類似行為については、条例第18条の3第1項により、「何人も、性交又は性交類似行為を行うことの周旋(対象の供与又は供与の約束を伴うものを除く。)を受けて、青少年と性交又は性交類似行為を行ってはならない。」とし、独立した条文としての改正を行った。
しかし、メディアから性に関する情報が流され、出会い系サイトの利用により青少年が大人との接触の機会が増加するなど、青少年の性を取り巻く環境は、近年大きく変化している。このような中で、青少年が健全に成長する環境づくりのため、大人に対して、青少年との反倫理的な性交又は性交類似行為に対する責任を問い、大人の姿勢を正すことをねらいとして、平成17年の条例改正で淫行処罰規定へと改正した。
「何人も」とは、国籍、住所、年齢、性別を問わず、都内にいる全ての人(自然人)を指す。したがって、青少年が本条に定める行為を行った場合でも、本条の違反に該当するが、条例第30条(青少年についての免責)により罰則は適用されない。
「みだらな性交又は性交類似行為」とは、「淫行」と同義であり、最高裁判例によれば、「広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきではなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺岡し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいうものと解するのが相当である。」とし、例えば、婚約中の青少年又はこれに準ずる真蟄な交際関係にある青少年との間で行われる性交等は含まないとしている。
「性交類似行為」とは、実質的にみて、性交と同視し得る態様における性的な行為をいい、例えば、異性間の性交とその態様を同じくする状況下におけるあるいは性交を模して行われる
手淫・口淫行為・同性愛行為などであり、児童買春・児童ポルノ禁止法における性交類似行為の解釈と同義であり、キスや単なる抱擁、衣服の上から胸をもむ行為や、陰部を触る行為は該当しない。

1歳・2歳への強制わいせつ罪(176条後段)(福井地裁r3.7.2)

 デジカメの登場で立件されるようになったんですけど、1歳2歳になると、保護法益からの説明がちょっと難しいですよね。強制わいせつ罪(176条後段)の法文は充たすものの、1歳だと羞恥心感じないでしょうし、こういう行為するかしないかという性的自己決定権も観念できないでしょ。
 

 没収は生成物件(3号)ですよね
 https://okumuraosaka.hatenadiary.jp/entry/2018/06/19/000000

判例番号】 L07650684

       強制わいせつ,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件

【事件番号】 福井地方裁判所判決/令和3年(わ)第38号、令和3年(わ)第55号
【判決日付】 令和3年7月2日
【掲載誌】  LLI/DB 判例秘書登載

       主   文

 被告人を懲役2年4月に処する。
 福井地方検察庁で保管中のスマートフォン1台を没収する。

       理   由

 【罪となるべき事実】
 被告人は,
第1 B(当時1歳)が13歳未満の者であることを知りながら,同人にわいせつな行為をしようと考え,令和2年1月30日午後1時47分頃から同日午後2時6分頃までの間,福井県内の保育園において,同人の紙おむつ等をずらし,その陰部を指で触るなどし,もって13歳未満の者に対し,わいせつな行為をした。
第2 前記第1の日時頃,前記保育園において,Bが18歳に満たない児童であることを知りながら,前記第1のとおりその陰部を露出させた姿態及び被告人がBの陰部を触る行為に係る姿態をとらせ,これを被告人が使用するスマートフォンで動画撮影し,その動画データ4点を同スマートフォンの内蔵記録装置に記録させて保存し,もって衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ性欲を興奮させ又は刺激するもの及び他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第3 B(当時2歳)が13歳未満の者であることを知りながら,同人にわいせつな行為をしようと考え,同年3月23日午後2時35分頃,前記保育園において,同人に対し,その口に自己の陰茎を押し当てるなどし,もって13歳未満の者に対し,わいせつな行為をした。
第4 前記第3の日時頃,前記保育園において,Bが18歳に満たない児童であることを知りながら,前記第3のとおり同人が口で被告人の陰茎を触る行為に係る姿態をとらせ,これを被告人が使用するスマートフォンで動画撮影し,その動画データ1点を同スマートフォンの内蔵記録装置に記録させて保存し,もって児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第5 C(当時5歳)が13歳未満の者であることを知りながら,同人にわいせつな行為をしようと考え,同年10月16日午後1時56分頃,前記保育園において,同人に対し,その下着等をずらして同人の陰部を直接手指で触るなどし,もって13歳未満の者に対し,わいせつな行為をした。
第6 前記第5の日時頃,前記保育園において,Cが18歳に満たない児童であることを知りながら,前記第5のとおりその陰部を露出させた姿態及び被告人がCの陰部を触る行為に係る姿態をとらせ,これを被告人が使用するスマートフォンで動画撮影し,その動画データ1点を同スマートフォンの内蔵記録装置に記録させて保存し,もって衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ性欲を興奮させ又は刺激するもの及び他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
 【証拠の標目】
(記載省略)
 【法令の適用】
1 被告人の各行為は次の各刑罰法規に当たる。
   第1,第3及び第5の各行為 それぞれ刑法176条後段
   第2及び第6の各行為    それぞれ児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項,2条3項2号,3号
   第4の行為         児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項,2条3項2号
2 第2,第4及び第6の各罪について,いずれも定められた刑のうち懲役刑を選択する。
3 以上は刑法45条前段の併合罪であるから刑法47条本文,10条により,犯情の最も重い第3の罪の刑に法定の加重をする。
4 その刑期の範囲内で,主文のとおり刑を定める。
5 福井地方検察庁で保管中のスマートフォン1台は,第2,第4及び第6の各児童ポルノ製造の用に供した物で被告人以外の者に属しないから,刑法19条1項2号,2項本文を適用してこれを没収する。
 【量刑の理由】
 被告人は,保育士という幼児の養護及び教育を責務とする立場にありながら,その立場を利用し,まだ幼くその行為の意味を理解できず抵抗しない担当クラスの幼児2名に対し,合計3回にわたりわいせつな行為をした。このような被害者との関係性,被害者の属性,被害人数及び件数を踏まえれば,本件は極めて卑劣で悪質な犯行であるというべきである。
 将来被害者らが,被告人にされた行為の意味を理解し又は知った時のショックは計り知れず,健全な成育への悪影響も懸念される。被害者らの家族が,峻烈な処罰感情を有しているのも当然のことである。
 一方,本件各犯行の態様は,暴行や脅迫を伴うものではないという点では穏当といえ,被害者らが実際の恐怖心を感じたとは認められない。しかしながら,暴行や脅迫をその要件としない刑法176条後段の罪において,この点を過度に被告人に有利に評価することはできない。
 以上の点に加え,本件各わいせつ行為をスマートフォンで撮影した児童ポルノ製造の罪3件も併せ考えれば,被告人の行為責任は相応に重く,被告人に前科前歴がないことなどを踏まえても刑の執行を猶予できる事案ではない。
 被告人はまだ若く,真摯に反省し,自己の性的嗜好と向き合い,2度と同様の犯行をしないよう,ワークブックの実践やカウンセリングへの通院をしている。さらに,今後は保育士として就労することはせず子供に近寄らない旨を誓約し,母親も監督を誓約している。本件は,再犯可能性が高い犯罪類型には当たるものの,以上の点からすれば,被告人の更生には一定の期待が持てる。しかしながら,前記のとおり,行為責任の観点から実刑はやむを得ないから,これらの点は刑期の面で十分に考慮することとする。その他,Bとの間で,宥恕の意思が示されているわけではないものの示談が成立していること,余罪被害者2名との間でも示談が成立していること,本件は広く報道され,一定の社会的制裁を受けていることなども考慮した上で,主文のとおりの刑を科す。
(求刑 懲役3年6月,主文同旨の没収)
  令和3年7月2日
    福井地方裁判所刑事部
           裁判官  日巻功一朗

罰金では販売収益を収奪できないこと。。「わいせつ動画販売容疑 逮捕 茨城県警など 自ら出演、売り上げ2億数千万円超か」という場合の罰金額

 よく「総売上何億円」という報道がありますが、わいせつ図画の場合は、何本売ったとしても、刑期としては「二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する」ということになります。
 わいせつ頒布・所持は科刑上一罪ですので、販売回数が1件でもでも1万回販売しても、売上が何億円あったとしても、併科の罰金の上限は250万円になります。
 対照的に、非わいせつの児童ポルノの場合は、併合罪ですので、1万回提供すると、併科の罰金の上限は5億円になります。

7条
6児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者も、同様とする。
7前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。

 なお、わいせつかつ児童ポルノの場合には、わいせつ図画罪でかすがいされるので処断刑は「五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」ということになって、1万回提供しても、罰金の上限は500万円になります。
 児童ポルノであるだけでなく、さらにわいせつになると軽くなるという変な話ですが、この解釈は、最決H21.7.7で確認されています。
児童ポルノであり,かつ,刑法175条のわいせつ物である物を,他のわいせつ物である物も含め,不特定又は多数の者に販売して提供するとともに,不特定又は多数の者に販売して提供する目的で所持したという本件のような場合においては,わいせつ物販売と同販売目的所持が包括して一罪を構成すると認められる」

最決平成21年7月7日
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=37814
1 原判決の認定によれば,上記訴因変更に関する事実経過は以下のとおりであ
る。
(1) 本件第1審判示第3の罪に関する当初の公訴事実の概要は,「被告人は,前後11回にわたり,3名の者に対し,児童ポルノでありわいせつ図画であるDVD-R合計11枚及びわいせつ図画であるDVD-R合計25枚を不特定又は多数の者に販売して提供した。」というものであった。
(2) 次に,検察官は,(1)の提供行為を維持したままで,さらに5回の提供行為を追加し,「被告人は,前後16回にわたり,4名の者に対し,児童ポルノでありわいせつ図画であるDVD-R合計21枚及びわいせつ図画であるDVD-R合計67枚を不特定又は多数の者に販売して提供した。」とする訴因変更を請求し,第1審裁判所はこれを許可した。
(3) さらに,検察官は,(2)の提供行為を維持したままで,所持行為を追加し,「被告人は,(ア) 前後16回にわたり,4名の者に対し,児童ポルノでありわいせつ図画であるDVD-R合計21枚及びわいせつ図画であるDVD-R合計67枚を不特定又は多数の者に販売して提供し,(イ) 自宅において,児童ポルノでありわいせつ図画であるDVD-R合計20枚及びわいせつ図画であるDVD-R合計136枚を不特定若しくは多数の者に提供又は販売する目的で所持した。」とする訴因変更を請求し,第1審裁判所は,これを許可した上,最終的にそのとおりの事実を認定した。
児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律2条3項にいう児童ポルノを,不特定又は多数の者に提供するとともに,不特定又は多数の者に提供する目的で所持した場合には,児童の権利を擁護しようとする同法の立法趣旨に照らし,同法7条4項の児童ポルノ提供罪と同条5項の同提供目的所持罪とは併合罪の関係にあると解される。
しかし,児童ポルノであり,かつ,刑法175条のわいせつ物である物を,他のわいせつ物である物も含め,不特定又は多数の者に販売して提供するとともに,不特定又は多数の者に販売して提供する目的で所持したという本件のような場合においては,わいせつ物販売と同販売目的所持が包括して一罪を構成すると認められるところ,

その一部であるわいせつ物販売と児童ポルノ提供,同じくわいせつ物販売目的所持と児童ポルノ提供目的所持は,それぞれ社会的,自然的事象としては同一の行為であって観念的競合の関係に立つから,結局以上の全体が一罪となるものと解することが相当である。所論は,児童ポルノ提供罪と同提供目的所持罪とが本来併合罪の関係にある以上,そのように解するのは相当でない旨いうが,採用できない

第一七五条(わいせつ物頒布等)
1 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
2有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。

https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=16373184043574&fbclid=IwAR3CWakNWfilufo-Zx-HSkwNH7zKAUGpejQHmdaGpxESHZ6f_87sEUKxS2c
逮捕容疑はそれぞれ、昨年12月から今年9月ごろまでの間、海外の動画サイト「FC2」を通じ、わいせつな動画を不特定の人に複数回販売した疑い。

同課によると、2人は自ら動画に出演し、女性とのわいせつ行為を撮影していた。主任研究員は「販売したことは間違いないが、映像を粗くしてアップロードしたので、わいせつの認識はなかった」と容疑を否認。無職の男は「お金を稼ぐためにわいせつ動画を販売していた」と容疑を認めている。

児童ポルノ購入の単純所持事案を起訴猶予へ

① 年齢認識については、黙秘(「弁護士と相談してからにして下さい」とか)してもらって
② 他に年齢情報が出てないことを確認して(出ていても東京地裁判決なんかを持って来て減殺)
③ 警察が使っているタナー判定表を持って来て、第二次成長が出ていることを主張(東京高裁判例持ってくる)
で不起訴、
 全部、奥村が関与した判例で裏付けられた実務。
 

 最近は、児童から画像を買ったと思って居たら、注文後撮影送信された画像が混じっていて、製造になっていて、所持罪+製造罪で逮捕されることもあるので、安易に自白しないように警戒してください。

 このくらいのことができなくて、「児童ポルノに強い」とか宣伝しないこと。

「わいせつ保育士の再登録「最大10年禁止」に厳格化、厚労省が新制度案」と刑の消滅・執行猶予期間終了


 執行猶予期間終了の場合は、刑法27条に従うしかないでしょうね。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b401c0fc26045ee6783a15c9d1845aad592d605b
刑法は禁錮以上の刑の終了後、10年で刑は消滅すると定めている。これに基づき、新制度では、保育士の再登録を禁止する期間を「禁錮以上は10年」「罰金は3年」にのばす。被害者の事情などで刑事事件化を見送った場合でも、都道府県がわいせつ行為を理由に処分した際は、再登録の禁止期間を「3年」とする。

刑法
第二七条(刑の全部の執行猶予の猶予期間経過の効果)
 刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消されることなくその猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。
第三四条の二(刑の消滅)
1 禁錮以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで十年を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで五年を経過したときも、同様とする。
2刑の免除の言渡しを受けた者が、その言渡しが確定した後、罰金以上の刑に処せられないで二年を経過したときは、刑の免除の言渡しは、効力を失う。

現行法 児童福祉法
第十八条の四 この法律で、保育士とは、第十八条の十八第一項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。
第十八条の五 次の各号のいずれかに該当する者は、保育士となることができない。
一 心身の故障により保育士の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
三 この法律の規定その他児童の福祉に関する法律の規定であつて政令で定めるものにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
四 第十八条の十九第一項第二号又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
五 国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号)第十二条の五第八項において準用する第十八条の十九第一項第二号又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者

オンライン性交類似行為? 「児童がその陰部を手で直接触る姿態を取らせて」撮影送信させた行為を、1号ポルノ(性交類似行為)として起訴したが認められなかった事例(某地裁)

「児童がその陰部を手で直接触る姿態を取らせて」撮影送信させた行為を、1号ポルノとして起訴したが認められなかった事例(某地裁)

 大竹依里子検事「オンラインで,児童を裸にさせ,動画撮影させた行為について,強制わいせつ罪で処理した事例」研修(令3.6,第876号)で紹介されていた裁判例ですが、ホンマかいなというので、大竹検事に裁判所を聞いて閲覧してきました。
 その裁判例では「児童がその陰部を手で直接触る姿態を取らせて」撮影送信させた行為を、1号ポルノ(性交類似行為)として起訴していて、弁護人からの抵抗もなく、訴因変更もなく、「『児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態及び』の部分を削除して訂正する。」という扱いになっていて、雑に盛り過ぎな感じがして、研修で取り上げるのにふさわしくない感じです。


某地裁
理由
罪となるべき事実
 令和年月日付起訴状(但し同起訴状記載公訴事実第2の記載中、それぞれについて「児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態及び」の部分を削除して訂正する。) 起訴状に記載された公訴事実と同一であるから、これを引用する
証拠の標目

(法令の適用)
第2
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項 2条3項3号 ※2項記載がない

起訴状
第2 
第1の日時場所において、第1の通りA12に対して
児童であることを知りながら
全裸で陰部等を露出した姿態 陰部を手で直接触る姿態を取らせて
前記LINEのビデオ通話機能を使用して 被告人の携帯に動画配信させ
そのころ、被告人方において、携帯の録画機能を用いて動画データを携帯電話機内の内蔵記録装置に記録させて保存して
もって 
児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為にかかる児童の姿態
及び
衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録にかかる記録媒体である児童ポルノを製造した

罪名及び罰条
第2
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律 7条4項 2条3項第1号 3号

「児童ポルノ頒布等の罪につきましては、これは製造、所持、運搬、輸出入といった流通のすべての過程をカバーしているので、あえてここの行為につきましては未遂罪というものを想定いたしませんでした。」のに、姿態をとらせて製造罪の未遂類型みたいな行為を「要求行為」として青少年条例で規制出来るか?

児童ポルノ頒布等の罪につきましては、これは製造、所持、運搬、輸出入といった流通のすべての過程をカバーしているので、あえてここの行為につきましては未遂罪というものを想定いたしませんでした。」のに、姿態をとらせて製造罪の未遂類型みたいな行為を「要求行為」として青少年条例で規制出来るか?
 児童買春罪については、未遂を処罰しない趣旨。
 児童ポルノについても「児童ポルノ頒布等の罪につきましては、これは製造、所持、運搬、輸出入といった流通のすべての過程をカバーしているので、あえてここの行為につきましては未遂罪というものを想定いたしませんでした。」というのだから、未遂処罰しない趣旨だろう。

https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11643611_po_20200305.pdf?contentNo=1&alternativeNo=
論題
Title
SNS の利用に起因する児童の性被害の現状と対策―自画撮
り被害を中心に―
他言語論題
Title in other language
Fighting the Sexual Abuse of Children on Social Networking
Services: Victims of Indecent Selfies
著者 / 所属
Author(s) 髙山 善裕(TAKAYAMA Yoshihiro)/行政法務課
書名
Title of Book
青少年をめぐる課題 総合調査報告書
(Challenges Facing Young People in Japan)
シリーズ
Series 調査資料 2020-3 (Research Materials 2020-3)
編集
Editor 国立国会図書館 調査及び立法考査局
さらに、裁判実務上、児童に自画撮り(児童自身の裸体を撮影)させた後、その画像や動画を犯人のパソコンや携帯電話等に送信させた場合は、児童買春・児童ポルノ法の姿態をとらせ製造罪が成立するが、犯人に画像等が送信されなければ処罰対象とはならないとされている(34)
34) 瀧本 前掲注(24), p.703。裁判実務でこのような処理が行われる理由として、姿態をとらせ製造罪に未遂罪の規定がないことが挙げられる(同, p.703.)。なお、未遂罪を置かなかった理由として、同法制定時の国会答弁において、「児童ポルノ頒布等の罪につきましては、これは製造、所持、運搬、輸出入といった流通のすべての過程をカバーしているので、あえてここの行為につきましては未遂罪というものを想定いたしませんでした。」との提案議員(大森礼子参議院議員(当時))の発言がある(第 145 回国会衆議院法務委員会議録第 12 号 平成11 年 5 月 14 日 p.21.)。

https://kokkai.ndl.go.jp/txt/114505206X01219990514/148
第145回国会 衆議院 法務委員会 第12号 平成11年5月14日
坂上委員 お聞きをいたしておきます。御検討を私は求めておきたいと思います。
 その次に、第八条は未遂罪を罰しておりますが、その他のものについて未遂罪を罰しないのはどういう理由ですか。
○大森参議院議員 児童買春罪につきましては、この構成要件に規定します行為が、性交、性交類似行為だけでなく、性器等への接触等も含み、非常にその行為の範囲が広くなっております。これに未遂規定を設けますとかえって構成要件が不明確になるということで、未遂規定を置いておりません。
 それから、周旋、勧誘等につきましては、周旋目的の勧誘というものは、言ってみれば周旋の未遂的な形態である。この点をとらえまして、あえて未遂を処罰するというのではなく、独立に犯罪として構成いたしました。
 それから、児童ポルノ頒布等の罪につきましては、これは製造、所持、運搬、輸出入といった流通のすべての過程をカバーしているので、あえてここの行為につきましては未遂罪というものを想定いたしませんでした。
坂上委員 刑法のわいせつ関係のところについては未遂は処罰をしておりますが、本件の場合の、特に児童買春の場合などは、例えば、児童に金をやった、児童がその金を親に見つけられた、どうしたんだ、あした相手の人に会うことになっている、とんでもない、行っちゃならぬ、こういうことになって、この行為が未遂に終わる場合があるんです。
 私は、こういうようなことは、やはり未遂罪を処罰することによって防止ができるんじゃなかろうか、こう思っておるわけでございまして、何か、あいまいになるとかなんとかおっしゃいますが、ちょっと私は、御見解が違うんじゃなかろうか、こう思っております。私はこれも、児童買春などは少なくとも未遂の対象にすべきものなんじゃなかろうか、こう思っておりますが、どうでしょうか。
○大森参議院議員 確かに、先生のおっしゃるようなお考えは理解できます。
 例えば、対償とか物を出したときに既に実行の着手を認めるということがありますけれども、ただ刑法上も、未遂罪というものはすべてについて認められておりませんで、重大な法益侵害の場合に未遂罪が設けられております。
 それで、ここの場合でも、要するに、未遂罪を処罰するかどうかということは一つの私たちの判断ということでございまして、お答えになるかどうかわかりませんが、私どもの勉強会の結果、未遂罪はまだ処罰するに及ばない、こういうふうに判断したということでございます。
坂上委員 どうでしょうか、こういう被害者を未然に防ぐというのが目的なんじゃないでしょうか。そうだとすれば、私は、やはり未遂罪というものは大変重要な条文になるんじゃなかろうか、こう思っております。刑法における強制わいせつ罪等は、わいせつ文書頒布は別ですが、全部未遂の処罰をしているのですね。
 そんなような観点からいって、この未遂罪を黙っておるというのは、どうもちょっと片手落ちという感じが私はしているのですが、いかがでしょうか。簡単でいいですよ。
○大森参議院議員 簡単と言われても、繰り返しお尋ねになるからきちっとお答えしなければいけないかなと思うのですが、ここは結局、未遂罪という修正された構成要件というものを設けるかどうか、これは、一つの政策判断と言っていいのか、価値判断の問題であると思います。
 それで、未遂罪の構成要件、実行の着手、このところから犯罪の成立を認める未遂罪、構成要件的結果を惹起する現実的危険性をはらんだ行為をもって実行に着手して、そしてまた法益侵害がすべてに至らない場合までも、これは処罰すべきであるというのが未遂罪でございますけれども、今回の児童買春につきましては、さまざまな態様があるということ、そしてまた、十三歳以下の児童に対しまして行った場合には刑法の方の適用がございます。それで、この児童買春の罪につきましては、さまざまな態様があるということから、刑罰の方も三年以下の懲役それから罰金がありますけれども、このような評価をさせていただいております。
 だから、未遂罪を処罰するかどうか、そうした場合に、実行着手行為を特に設けるかどうかということを検討した結果、この罪については、私たち発議者については未遂罪を設けなかったという、こういう答弁になります。

9歳児童に、裸画像を撮影・送信させる行為は、強制わいせつ罪(176条後段)の「被害者の行為を利用した間接正犯」か


 こういう事例があって、

強制わいせつ罪(176条後段)事案
https://news.yahoo.co.jp/articles/98ac27c6150086df538e1ea09fae010df5520b83
動画共有アプリのティックトックで知り合った当時9歳の女児に、裸の動画などを撮影させ、無料通信アプリのラインで送らせた疑い。黙秘している。12歳の女児を装ってやりとりしていたという。

高裁判例があります。
  京都地裁r0230203 観念的競合
  大阪高裁r030714観念的競合

 見逃した論点が、「被害者の行為を利用した間接正犯」です。
 判例は「本件犯行当時,被害者をして,被告人の命令に応じて車ごと海中に飛び込む以外の行為を選択することができない精神状態に陥らせていた」場合には、被害者の行為を利用した殺人未遂の間接正犯になるというのです。
 メール・メッセージでしか接点がない場合、そこまで行かないと思います。





公正証書原本不実記載,同行使,殺人未遂被告事件
【事件番号】 最高裁判所第3小法廷決定/平成14年(あ)第973号
【判決日付】 平成16年1月20日
【判示事項】 自殺させて保険金を取得する目的で被害者に命令して岸壁上から自動車ごと海中に転落させた行為が殺人未遂罪に当たるとされた事例
【判決要旨】 自動車の転落事故を装い被害者を自殺させて保険金を取得する目的で,極度に畏怖して服従していた被害者に対し,暴行,脅迫を交えつつ,岸壁上から車ごと海中に転落して自殺することを執ように要求し,被害者をして,命令に応じて車ごと海中に飛び込む以外の行為を選択することができない精神状態に陥らせていたなど判示の事実関係の下においては,被害者に命令して岸壁上から車ごと海中に転落させた行為は,被害者において,命令に応じて自殺する気持ちがなく,水没前に車内から脱出して死亡を免れた場合でも,殺人未遂罪に当たる。
【参照条文】 刑法38
       刑法199
       刑法202
       刑法203
【掲載誌】  最高裁判所刑事判例集58巻1号1頁
       裁判所時報1356号67頁
       判例タイムズ1146号226頁
       判例時報1850号142頁
【評釈論文】 警察学論集57巻11号181頁
       警察公論59巻8号79頁
       ジュリスト1275号161頁
       ジュリスト1319号175頁
       同志社法学60巻2号747頁
       判例時報1931号205頁
       法学(東北大)69巻2号251頁
       法学教室289号152頁
       法曹時報58巻12号3948頁
       別冊ジュリスト189号148頁

       主   文

 本件上告を棄却する。
 当審における未決勾留日数中520日を本刑に算入する。

       理   由

 弁護人立田廣成の上告趣意は,事実誤認,単なる法令違反の主張であり,被告人本人の上告趣意は,事実誤認の主張であって,いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。
所論にかんがみ,本件における殺人未遂罪の成否について職権で判断する。
 1 第1審判決が被告人の所為につき殺人未遂罪に当たるとし,原判決がそれを是認したところの事実関係の概要は,次のとおりである。
 被告人は,自己と偽装結婚させた女性(以下「被害者」という。)を被保険者とする5億9800万円の保険金を入手するために,かねてから被告人のことを極度に畏怖していた被害者に対し,事故死に見せ掛けた方法で自殺することを暴行,脅迫を交えて執ように迫っていたが,平成12年1月11日午前2時過ぎころ,愛知県知多半島の漁港において,被害者に対し,乗車した車ごと海に飛び込んで自殺することを命じ,被害者をして,自殺を決意するには至らせなかったものの,被告人の命令に従って車ごと海に飛び込んだ後に車から脱出して被告人の前から姿を隠す以外に助かる方法はないとの心境に至らせて,車ごと海に飛び込む決意をさせ,そのころ,普通乗用自動車を運転して岸壁上から下方の海中に車ごと転落させたが,被害者は水没する車から脱出して死亡を免れた。
 これに対し,弁護人の所論は,仮に被害者が車ごと海に飛び込んだとしても,それは被害者が自らの自由な意思に基づいてしたものであるから,そうするように指示した被告人の行為は,殺人罪の実行行為とはいえず,また,被告人は,被害者に対し,その自由な意思に基づいて自殺させようとの意思を有していたにすぎないから,殺人罪の故意があるとはいえないというものである。
 2 そこで検討すると,原判決及びその是認する第1審判決の認定並びに記録によれば,本件犯行に至る経緯及び犯行の状況は,以下のとおりであると認められる。
 (1) 被告人は,いわゆるホストクラブにおいてホストをしていたが,客であった被害者が数箇月間にたまった遊興費を支払うことができなかったことから,被害者に対し,激しい暴行,脅迫を加えて強い恐怖心を抱かせ,平成10年1月ころから,風俗店などで働くことを強いて,分割でこれを支払わせるようになった。
 (2) しかし,被告人は,被害者の少ない収入から上記のようにしてわずかずつ支払を受けることに飽き足りなくなり,被害者に多額の生命保険を掛けた上で自殺させ,保険金を取得しようと企て,平成10年6月から平成11年8月までの間に,被害者を合計13件の生命保険に加入させた上,同月2日,婚姻意思がないのに被害者と偽装結婚して,保険金の受取人を自己に変更させるなどした。
 (3) 被告人は,自らの借金の返済のため平成12年1月末ころまでにまとまった資金を用意する必要に迫られたことから,生命保険契約の締結から1年を経過した後に被害者を自殺させることにより保険金を取得するという当初の計画を変更し,被害者に対し直ちに自殺を強いる一方,被害者の死亡が自動車の海中転落事故に起因するものであるように見せ掛けて,災害死亡時の金額が合計で5億9800万円となる保険金を早期に取得しようと企てるに至った。そこで被告人は,自己の言いなりになっていた被害者に対し,平成12年1月9日午前零時過ぎころ,まとまった金が用意できなければ,死んで保険金で払えと迫った上,被害者に車を運転させ,それを他の車を運転して追尾する形で,同日午前3時ころ,本件犯行現場の漁港まで行かせたが,付近に人気があったため,当日は被害者を海に飛び込ませることを断念した。
 (4) 被告人は,翌10日午前1時過ぎころ,被害者に対し,事故を装って車ごと海に飛び込むという自殺の方法を具体的に指示し,同日午前1時30分ころ,本件漁港において,被害者を運転席に乗車させて,車ごと海に飛び込むように命じた。被害者は,死の恐怖のため飛び込むことができず,金を用意してもらえるかもしれないので父親の所に連れて行ってほしいなどと話した。被告人は,父親には頼めないとしていた被害者が従前と異なる話を持ち出したことに激怒して,被害者の顔面を平手で殴り,その腕を手拳で殴打するなどの暴行を加え,海に飛び込むように更に迫った。被害者が「明日やるから。」などと言って哀願したところ,被告人は,被害者を助手席に座らせ,自ら運転席に乗車し,車を発進させて岸壁上から転落する直前で停止して見せ,自分の運転で海に飛び込む気勢を示した上,やはり1人で飛び込むようにと命じた。しかし,被害者がなお哀願を繰り返し,夜も明けてきたことから,被告人は,「絶対やれよ。やらなかったらおれがやってやる。」などと申し向けた上,翌日に実行を持ち越した。
 (5) 被害者は,被告人の命令に応じて自殺する気持ちはなく,被告人を殺害して死を免れることも考えたが,それでは家族らに迷惑が掛かる,逃げてもまた探し出されるなどと思い悩み,車ごと海に飛び込んで生き残る可能性にかけ,死亡を装って被告人から身を隠そうと考えるに至った。
 (6) 翌11日午前2時過ぎころ,被告人は,被害者を車に乗せて本件漁港に至り,運転席に乗車させた被害者に対し,「昨日言ったことを覚えているな。」などと申し向け,さらに,ドアをロックすること,窓を閉めること,シートベルトをすることなどを指示した上,車ごと海に飛び込むように命じた。被告人は,被害者の車から距離を置いて監視していたが,その場にいると,前日のように被害者から哀願される可能性があると考え,もはや実行する外ないことを被害者に示すため,現場を離れた。
 (7) それから間もなく,被害者は,脱出に備えて,シートベルトをせず,運転席ドアの窓ガラスを開けるなどした上,普通乗用自動車を運転して,本件漁港の岸壁上から海中に同車もろとも転落したが,車が水没する前に,運転席ドアの窓から脱出し,港内に停泊中の漁船に泳いでたどり着き,はい上がるなどして死亡を免れた。
 (8) 本件現場の海は,当時,岸壁の上端から海面まで約1.9m,水深約3.7m,水温約11度という状況にあり,このような海に車ごと飛び込めば,脱出する意図が運転者にあった場合でも,飛び込んだ際の衝撃で負傷するなどして,車からの脱出に失敗する危険性は高く,また脱出に成功したとしても,冷水に触れて心臓まひを起こし,あるいは心臓や脳の機能障害,運動機能の低下を来して死亡する危険性は極めて高いものであった。
 3 【要旨】上記認定事実によれば,被告人は,事故を装い被害者を自殺させて多額の保険金を取得する目的で,自殺させる方法を考案し,それに使用する車等を準備した上,被告人を極度に畏怖して服従していた被害者に対し,犯行前日に,漁港の現場で,暴行,脅迫を交えつつ,直ちに車ごと海中に転落して自殺することを執ように要求し,猶予を哀願する被害者に翌日に実行することを確約させるなどし,本件犯行当時,被害者をして,被告人の命令に応じて車ごと海中に飛び込む以外の行為を選択することができない精神状態に陥らせていたものということができる。
 被告人は,以上のような精神状態に陥っていた被害者に対して,本件当日,漁港の岸壁上から車ごと海中に転落するように命じ,被害者をして,自らを死亡させる現実的危険性の高い行為に及ばせたものであるから,被害者に命令して車ごと海に転落させた被告人の行為は,殺人罪の実行行為に当たるというべきである。
 また,前記2のとおり,被害者には被告人の命令に応じて自殺する気持ちはなかったものであって,この点は被告人の予期したところに反していたが,被害者に対し死亡の現実的危険性の高い行為を強いたこと自体については,被告人において何ら認識に欠けるところはなかったのであるから,上記の点は,被告人につき殺人罪の故意を否定すべき事情にはならないというべきである。
 したがって,本件が殺人未遂罪に当たるとした原判決の結論は,正当である。
 よって,刑訴法414条,386条1項3号,181条1項ただし書,刑法21条により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 濱田邦夫 裁判官 金谷利廣 裁判官 上田豊三 裁判官 藤田宙靖

強制わいせつ罪(176条後段)と児童ポルノ製造罪を観念的競合としたもの(尼崎支部R03.7.5)

 判示第1と第5
 更正決定でダメ押し。

■28293055
令和03年07月05日
神戸地方裁判所尼崎支部
 上記の者に対する強制わいせつ、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、暴行、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反被告事件について、当裁判所は、検察官井出隆行、弁護人竹中らく各出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文
理由
(罪となるべき事実)
 被告人は、
第1 別紙記載のAが13歳未満であることを知りながら、
 1 令和2年3月6日午後1時46分頃、兵庫県(以下略)「●●●」内において、同人の下着等を脱がせて、その陰茎等を露出させている姿態をとらせ、これをスマートフォンの動画撮影機能を用いて撮影し、その動画データを同スマートフォン本体の内蔵記録装置に記録させて保存し、
 2 同日午後3時46分頃、前記教室内において、前記Aの下着等を脱がせて、その陰茎等を露出させる姿態をとらせ、これをスマートフォンの動画撮影機能を用いて撮影し、その動画データを同スマートフォン本体の内蔵記録装置に記録させて保存し、
  もってそれぞれ、13歳未満の者に対しわいせつな行為をするとともに、衣服の全部又は一部を着けない18歳に満たない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第2 前記Aが18歳未満であることを知りながら、同月9日午後1時14分頃、前記教室内において、同人に対し、その陰茎及び臀部等を露出させる姿態をとらせ、これをスマートフォンの動画撮影機能を用いて撮影し、その動画データを同スマートフォン本体の内蔵記録装置に記録させて保存し、もって衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第3 前記Aが18歳未満であることを知りながら、同月27日午後1時25分頃、前記教室内において、同人に対し、その陰茎等を露出させる姿態をとらせ、これをスマートフォンの動画撮影機能を用いて撮影し、その動画データを同スマートフォン本体の内蔵記録装置に記録させて保存し、もって衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第4 前記Aが13歳未満であることを知りながら、同年4月23日午後3時2分頃、前記教室内において、同人に対し、その陰茎の上に置かれていた下着を取り去り、その右足を左手でつかんで同人を持ち上げて開脚させた上、その陰茎及び肛門等を露出させる姿態をとらせ、これをスマートフォンの動画撮影機能を用いて撮影し、その動画データを同スマートフォン本体の内蔵記録装置に記録させて保存し、もって13歳未満の者に対し、強いてわいせつな行為をするとともに、衣服の全部又は一部を着けない18歳未満の児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第5 同年8月28日午後5時34分頃、前記教室内において、前記Aに対し、その頭部を平手でたたき、さらに、その頭部を足の裏で踏む暴行を加えた。
第6 分離前の相被告人Eと共謀の上、別紙記載のBが13歳未満であることを知りながら、同年3月12日午後零時56分頃、前記教室内において、同人に対し、前記Eが、床に仰向けの状態で横たわった自己の上に前記Bを仰向けの状態で横たわらせて、同人の背後から両手で同人の両膝を抱きかかえ、同人の臀部を突き上げた上、被告人が、前記Bのズボン及び下着を捲り上げ、その臀部及び肛門を露出させて、殊更にその臀部及び肛門を強調する姿態をとらせ、もって13歳未満の者に対し、強いてわいせつな行為をした。
第7 前記日時場所において、前記Bの前記姿態をスマートフォンの写真撮影機能を用いて撮影し、その静止画像データを同スマートフォン本体の内蔵記録装置に記録させて保存し、もって衣服の全部又は一部を着けない18歳未満の児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第8 正当な理由がないのに、同月14日午前10時8分頃、前記教室内のトイレにおいて、その出入口からスマートフォンの動画撮影機能を用いて、同トイレ内で用便中であった別紙記載のCを撮影し、もって人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影した。
第9 同年7月3日午後5時28分頃から同日午後5時35分頃までの間、前記教室内において、別紙記載のDに対し、その顔面を平手で複数回たたく暴行を加えた。
(法令の適用)
1 罰条
 (1) 判示第1の1、2の各所為のうち
  〈1〉 各下着を脱がせる等して撮影した点
  刑法176条後段
  〈2〉 各撮影したデータを記録、保存した点
  児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2項、2条3項3号
  (判示第1の1と同2の各所為は、同じ「●●●」で、同じ児童に対し、約2時間の間隔でほぼ同様な強制わいせつ及び児童ポルノ製造行為に及んだものであるが、関係各証拠によれば、被告人は、当該児童にわいせつ行為等を行おうとかねてから機会を探っていた中でそれら所為に及んだというよりは、当該児童の様子を見てその都度犯意を生じさせて各所為に及んだものと理解することができるので、判示第1の1の所為と同2の所為を包括するのは相当でなく、これらは併合罪関係にあるものと判断した。)
 (2) 判示第2、第3の各所為
  児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2項、2条3項3号
 (3) 判示第4の所為のうち
  〈1〉 下着を取り去る等して撮影した点
  刑法176条前段
  〈2〉 撮影したデータを記録、保存した点
  児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2項、2条3項3号
 (4) 判示第5の所為
  刑法208条
 (5) 判示第6の所為
  刑法60条、176条
 (6) 判示第7の所為
  児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2項、2条3項3号
 (7) 判示第8の所為
  公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和38年兵庫県条例第66号)15条1項、3条の2第3項
 (8) 判示第9の所為
  刑法208条
2 科刑上一罪
  判示第1の1、2、判示第4の各所為についていずれも刑法54条1項前段
  (いずれも重い強制わいせつ罪の刑で処断)
3 刑種選択
  判示第2、第3、第5、第7から第9の各罪につき各所定刑中いずれも懲役刑
4 併合罪
  刑法45条前段、47条本文、10条
  (刑及び犯情の最も重い判示第5の罪の刑に法定の加重)
5 未決勾留日数の算入
  刑法21条
6 訴訟費用
  刑事訴訟法181条1項ただし書(不負担)
(量刑の理由)
刑事部
 (裁判官 佐藤洋幸)
別紙
 A:●●●(当時9歳)
 B:●●●(当時11歳)
 C:●●●(当時7歳)
 D:●●●(当時6歳)
・・・
更正決定
 上記被告人に対する強制わいせつ、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、暴行、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反被告事件につき、当裁判所が令和3年7月5日に言い渡した判決の判決書に明白な誤謬があったので、職権により次のとおり更正決定する。
主文
1 法令の適用の1(3)〈1〉に「刑法176条前段」とあるのを「刑法176条後段」と更正する。
2 法令の適用の2に「刑法54条1項前段」とあるのを「刑法54条1項前段、10条」と更正する。
令和3年7月14日
神戸地方裁判所尼崎支部刑事部
裁判官 佐藤洋

児童ポルノダウンロード販売の略式命令(名古屋簡裁)

児童ポルノダウンロード販売の略式命令(名古屋簡裁)
 たいてい1~2人の買い主への販売で「不特定又は多数の者」を立証してるので罰金50万円になります。警察官1+その他1
 わいせつ電磁的記録を併せて起訴しているので、かすがい現象で科刑上一罪になり、何件あっても処断刑は「五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」になりますが、「45条前段」ということで併合罪加重されています。基本的な判例違反です。
 3号児童ポルノの特定も法文を写しているだけで、具体性に欠け、理由不備です。わいせつ電磁的記録の方は「女性器を露骨に撮影した」と説明されているのに。

刑法第一七五条(わいせつ物頒布等)
 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。

児童ポルノ・児童買春法
第七条(児童ポルノ所持、提供等)
6児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者も、同様とする。

刑法第四五条(併合罪
 確定裁判を経ていない二個以上の罪を併合罪とする。ある罪について禁錮以上の刑に処する確定裁判があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪とに限り、併合罪とする。

名古屋簡裁 略式命令罰金50万円
公訴事実
被告人は
第1 令和3年11月11日、○○incが管理するサーバーコンピュータに予め記録保存させた、衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノでありかつ女性器を露骨に撮影したわいせつな電磁的記録である動画データ1点(商品名×ちゃん)をアダルト動画像データ販売サイトaを利用して 同サーバコンピュータにアクセスした不特定の客である甲が利用する(所在地)Y警察署内に設置されたpcに送信させる方法により、同pcに記録保存させ
第2 令和3年11月13日○○incが管理するサーバーコンピュータに予め記録保存させた、衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノでありかつ 女性器を露骨に撮影したわいせつ電磁的記録である動画データ1点(商品名 ××妹)をアダルト動画像データ販売サイトaを利用して 同サーバコンピュータにアクセスした不特定の客である乙が(住所)同人方において利用するpcに送信させる方法により、同pcに記録保存させ、もって、電気通信回線を通じて児童ポルノを不特定又は多数の者に提供するとともに、電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録を頒布したものである

罪名罰条
児童ポルノ・児童買春法7条6項後段 2条3項3号
わいせつ 刑法175条1項後段

適用した法令
54条1項前段 10条
45条前段 48条2項
刑法18条
刑訴法348条
刑訴法181条1項但

元弁護士はなにをしたのか(さいたま地裁r03.11.5)

 確定したら、児童ポルノの特定とか、罪数処理を見に行きます。
 何したのか(罪名)を報道してくれないと、重い・軽いが判らない。
 報道を総合すると、
①未成年者誘拐
②東京都青少年条例違反(淫行)
児童ポルノ製造
④栃木県迷惑条例(盗撮)
かなあ。
②③は包括一罪になるはずだが。


検察側は冒頭陳述で、被告が少女の親権者に無断で自宅に連れて行ったと指摘。論告では、少女の年齢を明確に認識したにもかかわらず誘拐して裸の動画を撮影するなどしており、「ゆがんだ性的欲望に基づいて行われたことは明らか。再犯の恐れがあると認められる」と述べた。弁護側は少女には判断能力があり、性行為については「暴行や脅迫はしていない。合意があった」と主張した。
 起訴状などによると、被告は家出願望のあった少女を「大丈夫ですか?力になれたらうれしいです」などと誘い出し、6月9~13日に都内の当時の自宅に寝泊まりさせるなどした上で、少女の裸を小型カメラで動画撮影したり、同12日には栃木県内の露天風呂で男女2人の裸を持っていたスマートフォンで撮影したなどとされる。
埼玉新聞社

元弁護士に有罪判決 女子高生誘拐で地裁
2021.11.06 中日新聞
 【埼玉県】十代の女子高生を自宅に寝泊まりさせてみだらな行為をしたなどとして、未成年者誘拐や東京都青少年健全育成条例違反などの罪に問われた、元弁護士被告(29)に対し、さいたま地裁は五日、懲役三年、執行猶予五年(求刑懲役三年)の判決を言い渡した。
 判決によると、被告は六月十三~十六日、会員制交流サイト(SNS)で知り合った県内の女子高生を当時住んでいた都内の自宅マンションに寝泊まりさせ、みだらな行為をするなどした。