児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

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1歳・2歳への強制わいせつ罪(176条後段)(福井地裁r3.7.2)

 デジカメの登場で立件されるようになったんですけど、1歳2歳になると、保護法益からの説明がちょっと難しいですよね。強制わいせつ罪(176条後段)の法文は充たすものの、1歳だと羞恥心感じないでしょうし、こういう行為するかしないかという性的自己決定権も観念できないでしょ。
 

 没収は生成物件(3号)ですよね
 https://okumuraosaka.hatenadiary.jp/entry/2018/06/19/000000

判例番号】 L07650684

       強制わいせつ,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件

【事件番号】 福井地方裁判所判決/令和3年(わ)第38号、令和3年(わ)第55号
【判決日付】 令和3年7月2日
【掲載誌】  LLI/DB 判例秘書登載

       主   文

 被告人を懲役2年4月に処する。
 福井地方検察庁で保管中のスマートフォン1台を没収する。

       理   由

 【罪となるべき事実】
 被告人は,
第1 B(当時1歳)が13歳未満の者であることを知りながら,同人にわいせつな行為をしようと考え,令和2年1月30日午後1時47分頃から同日午後2時6分頃までの間,福井県内の保育園において,同人の紙おむつ等をずらし,その陰部を指で触るなどし,もって13歳未満の者に対し,わいせつな行為をした。
第2 前記第1の日時頃,前記保育園において,Bが18歳に満たない児童であることを知りながら,前記第1のとおりその陰部を露出させた姿態及び被告人がBの陰部を触る行為に係る姿態をとらせ,これを被告人が使用するスマートフォンで動画撮影し,その動画データ4点を同スマートフォンの内蔵記録装置に記録させて保存し,もって衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ性欲を興奮させ又は刺激するもの及び他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第3 B(当時2歳)が13歳未満の者であることを知りながら,同人にわいせつな行為をしようと考え,同年3月23日午後2時35分頃,前記保育園において,同人に対し,その口に自己の陰茎を押し当てるなどし,もって13歳未満の者に対し,わいせつな行為をした。
第4 前記第3の日時頃,前記保育園において,Bが18歳に満たない児童であることを知りながら,前記第3のとおり同人が口で被告人の陰茎を触る行為に係る姿態をとらせ,これを被告人が使用するスマートフォンで動画撮影し,その動画データ1点を同スマートフォンの内蔵記録装置に記録させて保存し,もって児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第5 C(当時5歳)が13歳未満の者であることを知りながら,同人にわいせつな行為をしようと考え,同年10月16日午後1時56分頃,前記保育園において,同人に対し,その下着等をずらして同人の陰部を直接手指で触るなどし,もって13歳未満の者に対し,わいせつな行為をした。
第6 前記第5の日時頃,前記保育園において,Cが18歳に満たない児童であることを知りながら,前記第5のとおりその陰部を露出させた姿態及び被告人がCの陰部を触る行為に係る姿態をとらせ,これを被告人が使用するスマートフォンで動画撮影し,その動画データ1点を同スマートフォンの内蔵記録装置に記録させて保存し,もって衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ性欲を興奮させ又は刺激するもの及び他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
 【証拠の標目】
(記載省略)
 【法令の適用】
1 被告人の各行為は次の各刑罰法規に当たる。
   第1,第3及び第5の各行為 それぞれ刑法176条後段
   第2及び第6の各行為    それぞれ児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項,2条3項2号,3号
   第4の行為         児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項,2条3項2号
2 第2,第4及び第6の各罪について,いずれも定められた刑のうち懲役刑を選択する。
3 以上は刑法45条前段の併合罪であるから刑法47条本文,10条により,犯情の最も重い第3の罪の刑に法定の加重をする。
4 その刑期の範囲内で,主文のとおり刑を定める。
5 福井地方検察庁で保管中のスマートフォン1台は,第2,第4及び第6の各児童ポルノ製造の用に供した物で被告人以外の者に属しないから,刑法19条1項2号,2項本文を適用してこれを没収する。
 【量刑の理由】
 被告人は,保育士という幼児の養護及び教育を責務とする立場にありながら,その立場を利用し,まだ幼くその行為の意味を理解できず抵抗しない担当クラスの幼児2名に対し,合計3回にわたりわいせつな行為をした。このような被害者との関係性,被害者の属性,被害人数及び件数を踏まえれば,本件は極めて卑劣で悪質な犯行であるというべきである。
 将来被害者らが,被告人にされた行為の意味を理解し又は知った時のショックは計り知れず,健全な成育への悪影響も懸念される。被害者らの家族が,峻烈な処罰感情を有しているのも当然のことである。
 一方,本件各犯行の態様は,暴行や脅迫を伴うものではないという点では穏当といえ,被害者らが実際の恐怖心を感じたとは認められない。しかしながら,暴行や脅迫をその要件としない刑法176条後段の罪において,この点を過度に被告人に有利に評価することはできない。
 以上の点に加え,本件各わいせつ行為をスマートフォンで撮影した児童ポルノ製造の罪3件も併せ考えれば,被告人の行為責任は相応に重く,被告人に前科前歴がないことなどを踏まえても刑の執行を猶予できる事案ではない。
 被告人はまだ若く,真摯に反省し,自己の性的嗜好と向き合い,2度と同様の犯行をしないよう,ワークブックの実践やカウンセリングへの通院をしている。さらに,今後は保育士として就労することはせず子供に近寄らない旨を誓約し,母親も監督を誓約している。本件は,再犯可能性が高い犯罪類型には当たるものの,以上の点からすれば,被告人の更生には一定の期待が持てる。しかしながら,前記のとおり,行為責任の観点から実刑はやむを得ないから,これらの点は刑期の面で十分に考慮することとする。その他,Bとの間で,宥恕の意思が示されているわけではないものの示談が成立していること,余罪被害者2名との間でも示談が成立していること,本件は広く報道され,一定の社会的制裁を受けていることなども考慮した上で,主文のとおりの刑を科す。
(求刑 懲役3年6月,主文同旨の没収)
  令和3年7月2日
    福井地方裁判所刑事部
           裁判官  日巻功一朗

罰金では販売収益を収奪できないこと。。「わいせつ動画販売容疑 逮捕 茨城県警など 自ら出演、売り上げ2億数千万円超か」という場合の罰金額

 よく「総売上何億円」という報道がありますが、わいせつ図画の場合は、何本売ったとしても、刑期としては「二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する」ということになります。
 わいせつ頒布・所持は科刑上一罪ですので、販売回数が1件でもでも1万回販売しても、売上が何億円あったとしても、併科の罰金の上限は250万円になります。
 対照的に、非わいせつの児童ポルノの場合は、併合罪ですので、1万回提供すると、併科の罰金の上限は5億円になります。

7条
6児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者も、同様とする。
7前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。

 なお、わいせつかつ児童ポルノの場合には、わいせつ図画罪でかすがいされるので処断刑は「五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」ということになって、1万回提供しても、罰金の上限は500万円になります。
 児童ポルノであるだけでなく、さらにわいせつになると軽くなるという変な話ですが、この解釈は、最決H21.7.7で確認されています。
児童ポルノであり,かつ,刑法175条のわいせつ物である物を,他のわいせつ物である物も含め,不特定又は多数の者に販売して提供するとともに,不特定又は多数の者に販売して提供する目的で所持したという本件のような場合においては,わいせつ物販売と同販売目的所持が包括して一罪を構成すると認められる」

最決平成21年7月7日
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=37814
1 原判決の認定によれば,上記訴因変更に関する事実経過は以下のとおりであ
る。
(1) 本件第1審判示第3の罪に関する当初の公訴事実の概要は,「被告人は,前後11回にわたり,3名の者に対し,児童ポルノでありわいせつ図画であるDVD-R合計11枚及びわいせつ図画であるDVD-R合計25枚を不特定又は多数の者に販売して提供した。」というものであった。
(2) 次に,検察官は,(1)の提供行為を維持したままで,さらに5回の提供行為を追加し,「被告人は,前後16回にわたり,4名の者に対し,児童ポルノでありわいせつ図画であるDVD-R合計21枚及びわいせつ図画であるDVD-R合計67枚を不特定又は多数の者に販売して提供した。」とする訴因変更を請求し,第1審裁判所はこれを許可した。
(3) さらに,検察官は,(2)の提供行為を維持したままで,所持行為を追加し,「被告人は,(ア) 前後16回にわたり,4名の者に対し,児童ポルノでありわいせつ図画であるDVD-R合計21枚及びわいせつ図画であるDVD-R合計67枚を不特定又は多数の者に販売して提供し,(イ) 自宅において,児童ポルノでありわいせつ図画であるDVD-R合計20枚及びわいせつ図画であるDVD-R合計136枚を不特定若しくは多数の者に提供又は販売する目的で所持した。」とする訴因変更を請求し,第1審裁判所は,これを許可した上,最終的にそのとおりの事実を認定した。
児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律2条3項にいう児童ポルノを,不特定又は多数の者に提供するとともに,不特定又は多数の者に提供する目的で所持した場合には,児童の権利を擁護しようとする同法の立法趣旨に照らし,同法7条4項の児童ポルノ提供罪と同条5項の同提供目的所持罪とは併合罪の関係にあると解される。
しかし,児童ポルノであり,かつ,刑法175条のわいせつ物である物を,他のわいせつ物である物も含め,不特定又は多数の者に販売して提供するとともに,不特定又は多数の者に販売して提供する目的で所持したという本件のような場合においては,わいせつ物販売と同販売目的所持が包括して一罪を構成すると認められるところ,

その一部であるわいせつ物販売と児童ポルノ提供,同じくわいせつ物販売目的所持と児童ポルノ提供目的所持は,それぞれ社会的,自然的事象としては同一の行為であって観念的競合の関係に立つから,結局以上の全体が一罪となるものと解することが相当である。所論は,児童ポルノ提供罪と同提供目的所持罪とが本来併合罪の関係にある以上,そのように解するのは相当でない旨いうが,採用できない

第一七五条(わいせつ物頒布等)
1 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
2有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。

https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=16373184043574&fbclid=IwAR3CWakNWfilufo-Zx-HSkwNH7zKAUGpejQHmdaGpxESHZ6f_87sEUKxS2c
逮捕容疑はそれぞれ、昨年12月から今年9月ごろまでの間、海外の動画サイト「FC2」を通じ、わいせつな動画を不特定の人に複数回販売した疑い。

同課によると、2人は自ら動画に出演し、女性とのわいせつ行為を撮影していた。主任研究員は「販売したことは間違いないが、映像を粗くしてアップロードしたので、わいせつの認識はなかった」と容疑を否認。無職の男は「お金を稼ぐためにわいせつ動画を販売していた」と容疑を認めている。

児童ポルノ購入の単純所持事案を起訴猶予へ

① 年齢認識については、黙秘(「弁護士と相談してからにして下さい」とか)してもらって
② 他に年齢情報が出てないことを確認して(出ていても東京地裁判決なんかを持って来て減殺)
③ 警察が使っているタナー判定表を持って来て、第二次成長が出ていることを主張(東京高裁判例持ってくる)
で不起訴、
 全部、奥村が関与した判例で裏付けられた実務。
 

 最近は、児童から画像を買ったと思って居たら、注文後撮影送信された画像が混じっていて、製造になっていて、所持罪+製造罪で逮捕されることもあるので、安易に自白しないように警戒してください。

 このくらいのことができなくて、「児童ポルノに強い」とか宣伝しないこと。

「わいせつ保育士の再登録「最大10年禁止」に厳格化、厚労省が新制度案」と刑の消滅・執行猶予期間終了


 執行猶予期間終了の場合は、刑法27条に従うしかないでしょうね。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b401c0fc26045ee6783a15c9d1845aad592d605b
刑法は禁錮以上の刑の終了後、10年で刑は消滅すると定めている。これに基づき、新制度では、保育士の再登録を禁止する期間を「禁錮以上は10年」「罰金は3年」にのばす。被害者の事情などで刑事事件化を見送った場合でも、都道府県がわいせつ行為を理由に処分した際は、再登録の禁止期間を「3年」とする。

刑法
第二七条(刑の全部の執行猶予の猶予期間経過の効果)
 刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消されることなくその猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。
第三四条の二(刑の消滅)
1 禁錮以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで十年を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで五年を経過したときも、同様とする。
2刑の免除の言渡しを受けた者が、その言渡しが確定した後、罰金以上の刑に処せられないで二年を経過したときは、刑の免除の言渡しは、効力を失う。

現行法 児童福祉法
第十八条の四 この法律で、保育士とは、第十八条の十八第一項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。
第十八条の五 次の各号のいずれかに該当する者は、保育士となることができない。
一 心身の故障により保育士の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
三 この法律の規定その他児童の福祉に関する法律の規定であつて政令で定めるものにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者
四 第十八条の十九第一項第二号又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
五 国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号)第十二条の五第八項において準用する第十八条の十九第一項第二号又は第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者

オンライン性交類似行為? 「児童がその陰部を手で直接触る姿態を取らせて」撮影送信させた行為を、1号ポルノ(性交類似行為)として起訴したが認められなかった事例(某地裁)

「児童がその陰部を手で直接触る姿態を取らせて」撮影送信させた行為を、1号ポルノとして起訴したが認められなかった事例(某地裁)

 大竹依里子検事「オンラインで,児童を裸にさせ,動画撮影させた行為について,強制わいせつ罪で処理した事例」研修(令3.6,第876号)で紹介されていた裁判例ですが、ホンマかいなというので、大竹検事に裁判所を聞いて閲覧してきました。
 その裁判例では「児童がその陰部を手で直接触る姿態を取らせて」撮影送信させた行為を、1号ポルノ(性交類似行為)として起訴していて、弁護人からの抵抗もなく、訴因変更もなく、「『児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態及び』の部分を削除して訂正する。」という扱いになっていて、雑に盛り過ぎな感じがして、研修で取り上げるのにふさわしくない感じです。


某地裁
理由
罪となるべき事実
 令和年月日付起訴状(但し同起訴状記載公訴事実第2の記載中、それぞれについて「児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態及び」の部分を削除して訂正する。) 起訴状に記載された公訴事実と同一であるから、これを引用する
証拠の標目

(法令の適用)
第2
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項 2条3項3号 ※2項記載がない

起訴状
第2 
第1の日時場所において、第1の通りA12に対して
児童であることを知りながら
全裸で陰部等を露出した姿態 陰部を手で直接触る姿態を取らせて
前記LINEのビデオ通話機能を使用して 被告人の携帯に動画配信させ
そのころ、被告人方において、携帯の録画機能を用いて動画データを携帯電話機内の内蔵記録装置に記録させて保存して
もって 
児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為にかかる児童の姿態
及び
衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録にかかる記録媒体である児童ポルノを製造した

罪名及び罰条
第2
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律 7条4項 2条3項第1号 3号

「児童ポルノ頒布等の罪につきましては、これは製造、所持、運搬、輸出入といった流通のすべての過程をカバーしているので、あえてここの行為につきましては未遂罪というものを想定いたしませんでした。」のに、姿態をとらせて製造罪の未遂類型みたいな行為を「要求行為」として青少年条例で規制出来るか?

児童ポルノ頒布等の罪につきましては、これは製造、所持、運搬、輸出入といった流通のすべての過程をカバーしているので、あえてここの行為につきましては未遂罪というものを想定いたしませんでした。」のに、姿態をとらせて製造罪の未遂類型みたいな行為を「要求行為」として青少年条例で規制出来るか?
 児童買春罪については、未遂を処罰しない趣旨。
 児童ポルノについても「児童ポルノ頒布等の罪につきましては、これは製造、所持、運搬、輸出入といった流通のすべての過程をカバーしているので、あえてここの行為につきましては未遂罪というものを想定いたしませんでした。」というのだから、未遂処罰しない趣旨だろう。

https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11643611_po_20200305.pdf?contentNo=1&alternativeNo=
論題
Title
SNS の利用に起因する児童の性被害の現状と対策―自画撮
り被害を中心に―
他言語論題
Title in other language
Fighting the Sexual Abuse of Children on Social Networking
Services: Victims of Indecent Selfies
著者 / 所属
Author(s) 髙山 善裕(TAKAYAMA Yoshihiro)/行政法務課
書名
Title of Book
青少年をめぐる課題 総合調査報告書
(Challenges Facing Young People in Japan)
シリーズ
Series 調査資料 2020-3 (Research Materials 2020-3)
編集
Editor 国立国会図書館 調査及び立法考査局
さらに、裁判実務上、児童に自画撮り(児童自身の裸体を撮影)させた後、その画像や動画を犯人のパソコンや携帯電話等に送信させた場合は、児童買春・児童ポルノ法の姿態をとらせ製造罪が成立するが、犯人に画像等が送信されなければ処罰対象とはならないとされている(34)
34) 瀧本 前掲注(24), p.703。裁判実務でこのような処理が行われる理由として、姿態をとらせ製造罪に未遂罪の規定がないことが挙げられる(同, p.703.)。なお、未遂罪を置かなかった理由として、同法制定時の国会答弁において、「児童ポルノ頒布等の罪につきましては、これは製造、所持、運搬、輸出入といった流通のすべての過程をカバーしているので、あえてここの行為につきましては未遂罪というものを想定いたしませんでした。」との提案議員(大森礼子参議院議員(当時))の発言がある(第 145 回国会衆議院法務委員会議録第 12 号 平成11 年 5 月 14 日 p.21.)。

https://kokkai.ndl.go.jp/txt/114505206X01219990514/148
第145回国会 衆議院 法務委員会 第12号 平成11年5月14日
坂上委員 お聞きをいたしておきます。御検討を私は求めておきたいと思います。
 その次に、第八条は未遂罪を罰しておりますが、その他のものについて未遂罪を罰しないのはどういう理由ですか。
○大森参議院議員 児童買春罪につきましては、この構成要件に規定します行為が、性交、性交類似行為だけでなく、性器等への接触等も含み、非常にその行為の範囲が広くなっております。これに未遂規定を設けますとかえって構成要件が不明確になるということで、未遂規定を置いておりません。
 それから、周旋、勧誘等につきましては、周旋目的の勧誘というものは、言ってみれば周旋の未遂的な形態である。この点をとらえまして、あえて未遂を処罰するというのではなく、独立に犯罪として構成いたしました。
 それから、児童ポルノ頒布等の罪につきましては、これは製造、所持、運搬、輸出入といった流通のすべての過程をカバーしているので、あえてここの行為につきましては未遂罪というものを想定いたしませんでした。
坂上委員 刑法のわいせつ関係のところについては未遂は処罰をしておりますが、本件の場合の、特に児童買春の場合などは、例えば、児童に金をやった、児童がその金を親に見つけられた、どうしたんだ、あした相手の人に会うことになっている、とんでもない、行っちゃならぬ、こういうことになって、この行為が未遂に終わる場合があるんです。
 私は、こういうようなことは、やはり未遂罪を処罰することによって防止ができるんじゃなかろうか、こう思っておるわけでございまして、何か、あいまいになるとかなんとかおっしゃいますが、ちょっと私は、御見解が違うんじゃなかろうか、こう思っております。私はこれも、児童買春などは少なくとも未遂の対象にすべきものなんじゃなかろうか、こう思っておりますが、どうでしょうか。
○大森参議院議員 確かに、先生のおっしゃるようなお考えは理解できます。
 例えば、対償とか物を出したときに既に実行の着手を認めるということがありますけれども、ただ刑法上も、未遂罪というものはすべてについて認められておりませんで、重大な法益侵害の場合に未遂罪が設けられております。
 それで、ここの場合でも、要するに、未遂罪を処罰するかどうかということは一つの私たちの判断ということでございまして、お答えになるかどうかわかりませんが、私どもの勉強会の結果、未遂罪はまだ処罰するに及ばない、こういうふうに判断したということでございます。
坂上委員 どうでしょうか、こういう被害者を未然に防ぐというのが目的なんじゃないでしょうか。そうだとすれば、私は、やはり未遂罪というものは大変重要な条文になるんじゃなかろうか、こう思っております。刑法における強制わいせつ罪等は、わいせつ文書頒布は別ですが、全部未遂の処罰をしているのですね。
 そんなような観点からいって、この未遂罪を黙っておるというのは、どうもちょっと片手落ちという感じが私はしているのですが、いかがでしょうか。簡単でいいですよ。
○大森参議院議員 簡単と言われても、繰り返しお尋ねになるからきちっとお答えしなければいけないかなと思うのですが、ここは結局、未遂罪という修正された構成要件というものを設けるかどうか、これは、一つの政策判断と言っていいのか、価値判断の問題であると思います。
 それで、未遂罪の構成要件、実行の着手、このところから犯罪の成立を認める未遂罪、構成要件的結果を惹起する現実的危険性をはらんだ行為をもって実行に着手して、そしてまた法益侵害がすべてに至らない場合までも、これは処罰すべきであるというのが未遂罪でございますけれども、今回の児童買春につきましては、さまざまな態様があるということ、そしてまた、十三歳以下の児童に対しまして行った場合には刑法の方の適用がございます。それで、この児童買春の罪につきましては、さまざまな態様があるということから、刑罰の方も三年以下の懲役それから罰金がありますけれども、このような評価をさせていただいております。
 だから、未遂罪を処罰するかどうか、そうした場合に、実行着手行為を特に設けるかどうかということを検討した結果、この罪については、私たち発議者については未遂罪を設けなかったという、こういう答弁になります。

9歳児童に、裸画像を撮影・送信させる行為は、強制わいせつ罪(176条後段)の「被害者の行為を利用した間接正犯」か


 こういう事例があって、

強制わいせつ罪(176条後段)事案
https://news.yahoo.co.jp/articles/98ac27c6150086df538e1ea09fae010df5520b83
動画共有アプリのティックトックで知り合った当時9歳の女児に、裸の動画などを撮影させ、無料通信アプリのラインで送らせた疑い。黙秘している。12歳の女児を装ってやりとりしていたという。

高裁判例があります。
  京都地裁r0230203 観念的競合
  大阪高裁r030714観念的競合

 見逃した論点が、「被害者の行為を利用した間接正犯」です。
 判例は「本件犯行当時,被害者をして,被告人の命令に応じて車ごと海中に飛び込む以外の行為を選択することができない精神状態に陥らせていた」場合には、被害者の行為を利用した殺人未遂の間接正犯になるというのです。
 メール・メッセージでしか接点がない場合、そこまで行かないと思います。





公正証書原本不実記載,同行使,殺人未遂被告事件
【事件番号】 最高裁判所第3小法廷決定/平成14年(あ)第973号
【判決日付】 平成16年1月20日
【判示事項】 自殺させて保険金を取得する目的で被害者に命令して岸壁上から自動車ごと海中に転落させた行為が殺人未遂罪に当たるとされた事例
【判決要旨】 自動車の転落事故を装い被害者を自殺させて保険金を取得する目的で,極度に畏怖して服従していた被害者に対し,暴行,脅迫を交えつつ,岸壁上から車ごと海中に転落して自殺することを執ように要求し,被害者をして,命令に応じて車ごと海中に飛び込む以外の行為を選択することができない精神状態に陥らせていたなど判示の事実関係の下においては,被害者に命令して岸壁上から車ごと海中に転落させた行為は,被害者において,命令に応じて自殺する気持ちがなく,水没前に車内から脱出して死亡を免れた場合でも,殺人未遂罪に当たる。
【参照条文】 刑法38
       刑法199
       刑法202
       刑法203
【掲載誌】  最高裁判所刑事判例集58巻1号1頁
       裁判所時報1356号67頁
       判例タイムズ1146号226頁
       判例時報1850号142頁
【評釈論文】 警察学論集57巻11号181頁
       警察公論59巻8号79頁
       ジュリスト1275号161頁
       ジュリスト1319号175頁
       同志社法学60巻2号747頁
       判例時報1931号205頁
       法学(東北大)69巻2号251頁
       法学教室289号152頁
       法曹時報58巻12号3948頁
       別冊ジュリスト189号148頁

       主   文

 本件上告を棄却する。
 当審における未決勾留日数中520日を本刑に算入する。

       理   由

 弁護人立田廣成の上告趣意は,事実誤認,単なる法令違反の主張であり,被告人本人の上告趣意は,事実誤認の主張であって,いずれも刑訴法405条の上告理由に当たらない。
所論にかんがみ,本件における殺人未遂罪の成否について職権で判断する。
 1 第1審判決が被告人の所為につき殺人未遂罪に当たるとし,原判決がそれを是認したところの事実関係の概要は,次のとおりである。
 被告人は,自己と偽装結婚させた女性(以下「被害者」という。)を被保険者とする5億9800万円の保険金を入手するために,かねてから被告人のことを極度に畏怖していた被害者に対し,事故死に見せ掛けた方法で自殺することを暴行,脅迫を交えて執ように迫っていたが,平成12年1月11日午前2時過ぎころ,愛知県知多半島の漁港において,被害者に対し,乗車した車ごと海に飛び込んで自殺することを命じ,被害者をして,自殺を決意するには至らせなかったものの,被告人の命令に従って車ごと海に飛び込んだ後に車から脱出して被告人の前から姿を隠す以外に助かる方法はないとの心境に至らせて,車ごと海に飛び込む決意をさせ,そのころ,普通乗用自動車を運転して岸壁上から下方の海中に車ごと転落させたが,被害者は水没する車から脱出して死亡を免れた。
 これに対し,弁護人の所論は,仮に被害者が車ごと海に飛び込んだとしても,それは被害者が自らの自由な意思に基づいてしたものであるから,そうするように指示した被告人の行為は,殺人罪の実行行為とはいえず,また,被告人は,被害者に対し,その自由な意思に基づいて自殺させようとの意思を有していたにすぎないから,殺人罪の故意があるとはいえないというものである。
 2 そこで検討すると,原判決及びその是認する第1審判決の認定並びに記録によれば,本件犯行に至る経緯及び犯行の状況は,以下のとおりであると認められる。
 (1) 被告人は,いわゆるホストクラブにおいてホストをしていたが,客であった被害者が数箇月間にたまった遊興費を支払うことができなかったことから,被害者に対し,激しい暴行,脅迫を加えて強い恐怖心を抱かせ,平成10年1月ころから,風俗店などで働くことを強いて,分割でこれを支払わせるようになった。
 (2) しかし,被告人は,被害者の少ない収入から上記のようにしてわずかずつ支払を受けることに飽き足りなくなり,被害者に多額の生命保険を掛けた上で自殺させ,保険金を取得しようと企て,平成10年6月から平成11年8月までの間に,被害者を合計13件の生命保険に加入させた上,同月2日,婚姻意思がないのに被害者と偽装結婚して,保険金の受取人を自己に変更させるなどした。
 (3) 被告人は,自らの借金の返済のため平成12年1月末ころまでにまとまった資金を用意する必要に迫られたことから,生命保険契約の締結から1年を経過した後に被害者を自殺させることにより保険金を取得するという当初の計画を変更し,被害者に対し直ちに自殺を強いる一方,被害者の死亡が自動車の海中転落事故に起因するものであるように見せ掛けて,災害死亡時の金額が合計で5億9800万円となる保険金を早期に取得しようと企てるに至った。そこで被告人は,自己の言いなりになっていた被害者に対し,平成12年1月9日午前零時過ぎころ,まとまった金が用意できなければ,死んで保険金で払えと迫った上,被害者に車を運転させ,それを他の車を運転して追尾する形で,同日午前3時ころ,本件犯行現場の漁港まで行かせたが,付近に人気があったため,当日は被害者を海に飛び込ませることを断念した。
 (4) 被告人は,翌10日午前1時過ぎころ,被害者に対し,事故を装って車ごと海に飛び込むという自殺の方法を具体的に指示し,同日午前1時30分ころ,本件漁港において,被害者を運転席に乗車させて,車ごと海に飛び込むように命じた。被害者は,死の恐怖のため飛び込むことができず,金を用意してもらえるかもしれないので父親の所に連れて行ってほしいなどと話した。被告人は,父親には頼めないとしていた被害者が従前と異なる話を持ち出したことに激怒して,被害者の顔面を平手で殴り,その腕を手拳で殴打するなどの暴行を加え,海に飛び込むように更に迫った。被害者が「明日やるから。」などと言って哀願したところ,被告人は,被害者を助手席に座らせ,自ら運転席に乗車し,車を発進させて岸壁上から転落する直前で停止して見せ,自分の運転で海に飛び込む気勢を示した上,やはり1人で飛び込むようにと命じた。しかし,被害者がなお哀願を繰り返し,夜も明けてきたことから,被告人は,「絶対やれよ。やらなかったらおれがやってやる。」などと申し向けた上,翌日に実行を持ち越した。
 (5) 被害者は,被告人の命令に応じて自殺する気持ちはなく,被告人を殺害して死を免れることも考えたが,それでは家族らに迷惑が掛かる,逃げてもまた探し出されるなどと思い悩み,車ごと海に飛び込んで生き残る可能性にかけ,死亡を装って被告人から身を隠そうと考えるに至った。
 (6) 翌11日午前2時過ぎころ,被告人は,被害者を車に乗せて本件漁港に至り,運転席に乗車させた被害者に対し,「昨日言ったことを覚えているな。」などと申し向け,さらに,ドアをロックすること,窓を閉めること,シートベルトをすることなどを指示した上,車ごと海に飛び込むように命じた。被告人は,被害者の車から距離を置いて監視していたが,その場にいると,前日のように被害者から哀願される可能性があると考え,もはや実行する外ないことを被害者に示すため,現場を離れた。
 (7) それから間もなく,被害者は,脱出に備えて,シートベルトをせず,運転席ドアの窓ガラスを開けるなどした上,普通乗用自動車を運転して,本件漁港の岸壁上から海中に同車もろとも転落したが,車が水没する前に,運転席ドアの窓から脱出し,港内に停泊中の漁船に泳いでたどり着き,はい上がるなどして死亡を免れた。
 (8) 本件現場の海は,当時,岸壁の上端から海面まで約1.9m,水深約3.7m,水温約11度という状況にあり,このような海に車ごと飛び込めば,脱出する意図が運転者にあった場合でも,飛び込んだ際の衝撃で負傷するなどして,車からの脱出に失敗する危険性は高く,また脱出に成功したとしても,冷水に触れて心臓まひを起こし,あるいは心臓や脳の機能障害,運動機能の低下を来して死亡する危険性は極めて高いものであった。
 3 【要旨】上記認定事実によれば,被告人は,事故を装い被害者を自殺させて多額の保険金を取得する目的で,自殺させる方法を考案し,それに使用する車等を準備した上,被告人を極度に畏怖して服従していた被害者に対し,犯行前日に,漁港の現場で,暴行,脅迫を交えつつ,直ちに車ごと海中に転落して自殺することを執ように要求し,猶予を哀願する被害者に翌日に実行することを確約させるなどし,本件犯行当時,被害者をして,被告人の命令に応じて車ごと海中に飛び込む以外の行為を選択することができない精神状態に陥らせていたものということができる。
 被告人は,以上のような精神状態に陥っていた被害者に対して,本件当日,漁港の岸壁上から車ごと海中に転落するように命じ,被害者をして,自らを死亡させる現実的危険性の高い行為に及ばせたものであるから,被害者に命令して車ごと海に転落させた被告人の行為は,殺人罪の実行行為に当たるというべきである。
 また,前記2のとおり,被害者には被告人の命令に応じて自殺する気持ちはなかったものであって,この点は被告人の予期したところに反していたが,被害者に対し死亡の現実的危険性の高い行為を強いたこと自体については,被告人において何ら認識に欠けるところはなかったのであるから,上記の点は,被告人につき殺人罪の故意を否定すべき事情にはならないというべきである。
 したがって,本件が殺人未遂罪に当たるとした原判決の結論は,正当である。
 よって,刑訴法414条,386条1項3号,181条1項ただし書,刑法21条により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 濱田邦夫 裁判官 金谷利廣 裁判官 上田豊三 裁判官 藤田宙靖

強制わいせつ罪(176条後段)と児童ポルノ製造罪を観念的競合としたもの(尼崎支部R03.7.5)

 判示第1と第5
 更正決定でダメ押し。

■28293055
令和03年07月05日
神戸地方裁判所尼崎支部
 上記の者に対する強制わいせつ、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、暴行、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反被告事件について、当裁判所は、検察官井出隆行、弁護人竹中らく各出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文
理由
(罪となるべき事実)
 被告人は、
第1 別紙記載のAが13歳未満であることを知りながら、
 1 令和2年3月6日午後1時46分頃、兵庫県(以下略)「●●●」内において、同人の下着等を脱がせて、その陰茎等を露出させている姿態をとらせ、これをスマートフォンの動画撮影機能を用いて撮影し、その動画データを同スマートフォン本体の内蔵記録装置に記録させて保存し、
 2 同日午後3時46分頃、前記教室内において、前記Aの下着等を脱がせて、その陰茎等を露出させる姿態をとらせ、これをスマートフォンの動画撮影機能を用いて撮影し、その動画データを同スマートフォン本体の内蔵記録装置に記録させて保存し、
  もってそれぞれ、13歳未満の者に対しわいせつな行為をするとともに、衣服の全部又は一部を着けない18歳に満たない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第2 前記Aが18歳未満であることを知りながら、同月9日午後1時14分頃、前記教室内において、同人に対し、その陰茎及び臀部等を露出させる姿態をとらせ、これをスマートフォンの動画撮影機能を用いて撮影し、その動画データを同スマートフォン本体の内蔵記録装置に記録させて保存し、もって衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第3 前記Aが18歳未満であることを知りながら、同月27日午後1時25分頃、前記教室内において、同人に対し、その陰茎等を露出させる姿態をとらせ、これをスマートフォンの動画撮影機能を用いて撮影し、その動画データを同スマートフォン本体の内蔵記録装置に記録させて保存し、もって衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第4 前記Aが13歳未満であることを知りながら、同年4月23日午後3時2分頃、前記教室内において、同人に対し、その陰茎の上に置かれていた下着を取り去り、その右足を左手でつかんで同人を持ち上げて開脚させた上、その陰茎及び肛門等を露出させる姿態をとらせ、これをスマートフォンの動画撮影機能を用いて撮影し、その動画データを同スマートフォン本体の内蔵記録装置に記録させて保存し、もって13歳未満の者に対し、強いてわいせつな行為をするとともに、衣服の全部又は一部を着けない18歳未満の児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第5 同年8月28日午後5時34分頃、前記教室内において、前記Aに対し、その頭部を平手でたたき、さらに、その頭部を足の裏で踏む暴行を加えた。
第6 分離前の相被告人Eと共謀の上、別紙記載のBが13歳未満であることを知りながら、同年3月12日午後零時56分頃、前記教室内において、同人に対し、前記Eが、床に仰向けの状態で横たわった自己の上に前記Bを仰向けの状態で横たわらせて、同人の背後から両手で同人の両膝を抱きかかえ、同人の臀部を突き上げた上、被告人が、前記Bのズボン及び下着を捲り上げ、その臀部及び肛門を露出させて、殊更にその臀部及び肛門を強調する姿態をとらせ、もって13歳未満の者に対し、強いてわいせつな行為をした。
第7 前記日時場所において、前記Bの前記姿態をスマートフォンの写真撮影機能を用いて撮影し、その静止画像データを同スマートフォン本体の内蔵記録装置に記録させて保存し、もって衣服の全部又は一部を着けない18歳未満の児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
第8 正当な理由がないのに、同月14日午前10時8分頃、前記教室内のトイレにおいて、その出入口からスマートフォンの動画撮影機能を用いて、同トイレ内で用便中であった別紙記載のCを撮影し、もって人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影した。
第9 同年7月3日午後5時28分頃から同日午後5時35分頃までの間、前記教室内において、別紙記載のDに対し、その顔面を平手で複数回たたく暴行を加えた。
(法令の適用)
1 罰条
 (1) 判示第1の1、2の各所為のうち
  〈1〉 各下着を脱がせる等して撮影した点
  刑法176条後段
  〈2〉 各撮影したデータを記録、保存した点
  児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2項、2条3項3号
  (判示第1の1と同2の各所為は、同じ「●●●」で、同じ児童に対し、約2時間の間隔でほぼ同様な強制わいせつ及び児童ポルノ製造行為に及んだものであるが、関係各証拠によれば、被告人は、当該児童にわいせつ行為等を行おうとかねてから機会を探っていた中でそれら所為に及んだというよりは、当該児童の様子を見てその都度犯意を生じさせて各所為に及んだものと理解することができるので、判示第1の1の所為と同2の所為を包括するのは相当でなく、これらは併合罪関係にあるものと判断した。)
 (2) 判示第2、第3の各所為
  児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2項、2条3項3号
 (3) 判示第4の所為のうち
  〈1〉 下着を取り去る等して撮影した点
  刑法176条前段
  〈2〉 撮影したデータを記録、保存した点
  児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2項、2条3項3号
 (4) 判示第5の所為
  刑法208条
 (5) 判示第6の所為
  刑法60条、176条
 (6) 判示第7の所為
  児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2項、2条3項3号
 (7) 判示第8の所為
  公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和38年兵庫県条例第66号)15条1項、3条の2第3項
 (8) 判示第9の所為
  刑法208条
2 科刑上一罪
  判示第1の1、2、判示第4の各所為についていずれも刑法54条1項前段
  (いずれも重い強制わいせつ罪の刑で処断)
3 刑種選択
  判示第2、第3、第5、第7から第9の各罪につき各所定刑中いずれも懲役刑
4 併合罪
  刑法45条前段、47条本文、10条
  (刑及び犯情の最も重い判示第5の罪の刑に法定の加重)
5 未決勾留日数の算入
  刑法21条
6 訴訟費用
  刑事訴訟法181条1項ただし書(不負担)
(量刑の理由)
刑事部
 (裁判官 佐藤洋幸)
別紙
 A:●●●(当時9歳)
 B:●●●(当時11歳)
 C:●●●(当時7歳)
 D:●●●(当時6歳)
・・・
更正決定
 上記被告人に対する強制わいせつ、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、暴行、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反被告事件につき、当裁判所が令和3年7月5日に言い渡した判決の判決書に明白な誤謬があったので、職権により次のとおり更正決定する。
主文
1 法令の適用の1(3)〈1〉に「刑法176条前段」とあるのを「刑法176条後段」と更正する。
2 法令の適用の2に「刑法54条1項前段」とあるのを「刑法54条1項前段、10条」と更正する。
令和3年7月14日
神戸地方裁判所尼崎支部刑事部
裁判官 佐藤洋

児童ポルノダウンロード販売の略式命令(名古屋簡裁)

児童ポルノダウンロード販売の略式命令(名古屋簡裁)
 たいてい1~2人の買い主への販売で「不特定又は多数の者」を立証してるので罰金50万円になります。警察官1+その他1
 わいせつ電磁的記録を併せて起訴しているので、かすがい現象で科刑上一罪になり、何件あっても処断刑は「五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」になりますが、「45条前段」ということで併合罪加重されています。基本的な判例違反です。
 3号児童ポルノの特定も法文を写しているだけで、具体性に欠け、理由不備です。わいせつ電磁的記録の方は「女性器を露骨に撮影した」と説明されているのに。

刑法第一七五条(わいせつ物頒布等)
 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。

児童ポルノ・児童買春法
第七条(児童ポルノ所持、提供等)
6児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者も、同様とする。

刑法第四五条(併合罪
 確定裁判を経ていない二個以上の罪を併合罪とする。ある罪について禁錮以上の刑に処する確定裁判があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪とに限り、併合罪とする。

名古屋簡裁 略式命令罰金50万円
公訴事実
被告人は
第1 令和3年11月11日、○○incが管理するサーバーコンピュータに予め記録保存させた、衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノでありかつ女性器を露骨に撮影したわいせつな電磁的記録である動画データ1点(商品名×ちゃん)をアダルト動画像データ販売サイトaを利用して 同サーバコンピュータにアクセスした不特定の客である甲が利用する(所在地)Y警察署内に設置されたpcに送信させる方法により、同pcに記録保存させ
第2 令和3年11月13日○○incが管理するサーバーコンピュータに予め記録保存させた、衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノでありかつ 女性器を露骨に撮影したわいせつ電磁的記録である動画データ1点(商品名 ××妹)をアダルト動画像データ販売サイトaを利用して 同サーバコンピュータにアクセスした不特定の客である乙が(住所)同人方において利用するpcに送信させる方法により、同pcに記録保存させ、もって、電気通信回線を通じて児童ポルノを不特定又は多数の者に提供するとともに、電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録を頒布したものである

罪名罰条
児童ポルノ・児童買春法7条6項後段 2条3項3号
わいせつ 刑法175条1項後段

適用した法令
54条1項前段 10条
45条前段 48条2項
刑法18条
刑訴法348条
刑訴法181条1項但

元弁護士はなにをしたのか(さいたま地裁r03.11.5)

 確定したら、児童ポルノの特定とか、罪数処理を見に行きます。
 何したのか(罪名)を報道してくれないと、重い・軽いが判らない。
 報道を総合すると、
①未成年者誘拐
②東京都青少年条例違反(淫行)
児童ポルノ製造
④栃木県迷惑条例(盗撮)
かなあ。
②③は包括一罪になるはずだが。


検察側は冒頭陳述で、被告が少女の親権者に無断で自宅に連れて行ったと指摘。論告では、少女の年齢を明確に認識したにもかかわらず誘拐して裸の動画を撮影するなどしており、「ゆがんだ性的欲望に基づいて行われたことは明らか。再犯の恐れがあると認められる」と述べた。弁護側は少女には判断能力があり、性行為については「暴行や脅迫はしていない。合意があった」と主張した。
 起訴状などによると、被告は家出願望のあった少女を「大丈夫ですか?力になれたらうれしいです」などと誘い出し、6月9~13日に都内の当時の自宅に寝泊まりさせるなどした上で、少女の裸を小型カメラで動画撮影したり、同12日には栃木県内の露天風呂で男女2人の裸を持っていたスマートフォンで撮影したなどとされる。
埼玉新聞社

元弁護士に有罪判決 女子高生誘拐で地裁
2021.11.06 中日新聞
 【埼玉県】十代の女子高生を自宅に寝泊まりさせてみだらな行為をしたなどとして、未成年者誘拐や東京都青少年健全育成条例違反などの罪に問われた、元弁護士被告(29)に対し、さいたま地裁は五日、懲役三年、執行猶予五年(求刑懲役三年)の判決を言い渡した。
 判決によると、被告は六月十三~十六日、会員制交流サイト(SNS)で知り合った県内の女子高生を当時住んでいた都内の自宅マンションに寝泊まりさせ、みだらな行為をするなどした。

青少年にたばこを与えた疑いで逮捕

 淫行等「これらの行為を行わせる目的をもって金品その他の財産上の利益若しくは便宜を供与した」という疑いだと思われます。
 淫行目的の場合は児童買春罪になると思いますが

沖縄県青少年保護育成条例
(有害行為のための場所提供又は周旋の禁止)
第18条 何人も、次に掲げる行為が青少年に対してなされ、又は青少年がこれらの行為を行うことを知って場所を提供し、又はその周旋をしてはならない。
(1) みだらな性行為又はわいせつな行為
(2) 薬品類等を不健全に使用する行為
(3) 大麻、麻薬又は覚せい剤の使用
(4) とばく、飲酒又は喫煙
(5) 入れ墨を施す行為
(6) 暴行、脅迫又は恐喝


(非行助長行為の禁止)
第18条の2
1 何人も、青少年に対し、前条各号に規定する行為、道路交通法昭和35年法律第105号)第68条(共同危険行為等の禁止)に規定する行為若しくは家出を行うよう勧誘し、あおり、そそのかし、若しくは強制し、又はこれらの行為を行わせる目的をもって金品その他の財産上の利益若しくは便宜を供与してはならない。

第22条
1第17条の2第1項の規定に違反した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
2 次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(1) 第18条の2第1項の規定に違反した者(第18条第1号、第2号若しくは第3号に規定する行為、道路交通法第68条に規定する行為又は家出に係る違反をした者に限る。)

5 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
(6) 第18条の2第1項の規定に違反した者(第18条第4号、第5号又は第6号に規定する行為に係る違反をした者に限る。)

沖縄県青少年保護育成条例逐条解説書 平成29年3月
〔要旨〕
本条は、青少年に非行若しくは共同危険行為、家出を行うことを勧誘したり、非行集団に加入すること等を勧誘、強制する等の非行助長行為を禁止することにより、青少年の保護又は非行集団化することを防止しようとする規定である。
〔解説〕
1 本条は、心身とも未熟で成長途上にある青少年に対する非行助長行為を禁止し、刑法その他の関係法令では規制し得ない反社会的行為から青少年を保護しようとするものである。
2 「何人」の意義については、第9条解説参照
3 「勧誘」とは、青少年に対し自己の欲するとおりのある種の行為を行うように勧めることをいう。
4 「あおり」とは、特定の行為を実行させる目的をもって、文書、図画、又は言動によって青少年に対し、その行為を実行する決意を生ぜしめ、又は既に生じている決意を助長させるように勢いのある刺激を与えることをいう。
5 「そそのかし」とは、青少年をして特定の行為を実行させる目的をもって、おだてたり甘言を用いて同人等にその実行の決意を生ぜしめるに足りる行為を行うことをいい、その実行行為にでる危険性がある限り、現に実行の決意を生じたかどうかを問わない。

未成年の女子生徒にわいせつ、たばこを与えた疑い 27歳男を逮捕 沖縄署
11/10(水) 10:04配信
 沖縄署は9日、本島中部に住む未成年の女子生徒にわいせつな行為をし、たばこを買い与えたとして、県青少年保護育成条例違反(わいせつな行為、非行助長行為)の容疑で南城市佐敷の自称型枠作業員の男(27)を逮捕した。同署によると、男は容疑を一部否認している。
琉球新報社

9歳だった女子児童に裸の画像を撮影させて送信させる行為はわいせつ行為(刑法176後段)か?

9歳だった女子児童に裸の画像を撮影させて送信させる行為はわいせつ行為(刑法176後段)か?
 わいせつと評価されるのは「撮影させ」までだそうです。

参考文献
研修(令3.6,第876号)研修の現場から………オンラインで,児童を裸にさせ,動画《撮影させた行為について,強制わいせつ罪で処理した事例
参考判例
 京都地裁r02.2.3
 大阪高裁r3.7.14

9歳女児わいせつ疑い元力士再逮捕 事件当時は「」のしこ名で現役
[2021年11月11日14時47分]
小学4年の9歳だった女子児童に裸の画像を撮影させて送信させたとして、警視庁少年育成課は11日までに、強制わいせつと児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで、元力士の無職容疑者(21)を再逮捕した。事件当時は「」のしこ名で現役の力士だった。
同課によると、容疑者は昨年9月、動画作成アプリを通じ女子児童と知り合った。自身を中学1年の12歳と偽り、LINE(ライン)で裸の画像を送るよう要求したとされる。女子児童は顔が写っていない画像を送ったが「裸の画像を他人に送る。顔が入った画像を送れ」などと脅され、さらに送信したという。
再逮捕容疑は昨年9、10月ごろ、裸の画像を撮影させるなどのわいせつな行為をし、自身のスマートフォンに送信させた疑い。
容疑者は、小学6年の11歳だった別の女子児童に裸の画像を撮影させたなどとして、今年9月に両容疑で逮捕、起訴されている。(共同)

送らせる製造罪の既遂時期について、犯人到達時説

 送らせる製造罪の既遂時期について、犯人到達時説
 今度主張してみる。

星景子「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律2条3項3号に該当する姿態を児童自らに撮影させ、その画像を同児童の携帯メールに添付して・・・」研修720号
3 児童ポルノ製造罪の既遂時期と罪数
(1) 問題の所在
本事例では,被害児童の姿態の画像が視覚により認識可能になる時点として.
1 画像データが被害児童の携帯電話のメモリに記憶された時点
2 プロバイダー会社のサーバーの被告人が使用する領域に画像データが記憶された時点
3 前記サ-バーからダウンロードした画像が被告人のパソコンのハードディスクに記憶された時点
が考えられるところ.法7条3項の児童ポルノ製造罪が既遂に連するのはどの時点であろうか。
既遂時期については事案ごとの証拠関係によっても異なるであろうが.本事例に限って言えば,1の時点では,画像データは被害児童自身の携帯電話のメモリにとどまっている上被告人は被害児童と電話で連絡をとって指示しているだけで.画像データが記憶された携帯電話のメモリがある場所にはいないのであるから・画像データは末だ被告人が視覚で認識可能な状態にはなっておらず,流通する危険が生じたとも言えないので.既遂には至っていないというべきであろう。
しかし,2の時点では,被告人はいつでも画像データを視覚で認識しうるに至っているので・本事例では②の時点で製造罪が既遂に達したととらえるべきである

瀧本京太朗「いわゆる『自画撮り』行為の刑事規制に関する序論的考察(1)―児童ポルノの自画撮りを題材として
第2項 自画撮り規制の早期化に向けた動き
 さらに近時は、自画撮り被害を未然に防ぐための動きも見られる。
 裁判実務上、犯人児童に自画撮りを行わせた後、その画像や動画を犯人のパソコンや携帯電話等に送信させた場合は、犯人には児童ポルノの「姿態をとらせ」製造罪(7条4項)が成立するとされてきた。しかし、同罪には未遂犯処罰規定が存在しないため、実際に犯人の下に画像等が送信されなければ処罰対象とはならない。
そこで、児童の保護を万全なものとするためには、児童に対して自画撮りを行うことを勧誘することをも規制すべきという観点の下で、平成29年2月に開催された第31期東京都青少年問題協議会第1回総会において、東京都知事から「児童ポルノ等被害が深刻化する中での青少年の健全育成について」が諮問された。そこでは、児童ポルノの自画撮り被害が深刻化している現状を踏まえ、自画撮りの悪質な働きかけを条例上規制することなどを検討することが要求されている。そして、数度の専門部会が開催された後、同5月には緊急答申が示され、児童ポルノの自画撮りを一定の態様で勧誘する行為を処罰対象とする、新たな構成要件を設けるべきとの記述が盛り込まれたのである10。

青少年をめぐる課題 総合調査報告書 髙山善裕「SNS の利用に起因する児童の性被害の現状と対策―自画撮」 digidepo_11643611_po_20200305.pdf
(1)現行法上の対応
(ⅰ)児童買春・児童ポルノ
児童買春・児童ポルノ法第7 条では、児童ポルノ(29)やその電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるもの)の所持(保管)、提供、製造等を禁止している(30)。
このうち、自画撮り被害に関連する規定として同条第4 項(姿態をとらせ製造罪)があり、「児童に第2 条第3 項各号(31)のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者」を罰するとしている。「姿態をとらせ」とは、行為者の言動等により、当該児童が当該姿態をとるに至ったものであり、強制によることは要しない。また、「製造」とは児童ポルノを作成することであり、児童買春・児童ポルノ法の立法関係者は、複製が除外されるとする一方(32)、最高裁判所において、複製(二次製造)されたものも児童ポルノの製造に該当すると判示した事例がある(33)。さらに、裁判実務上、児童に自画撮り(児童自身の裸体を撮影)させた後、その画像や動画を犯人のパソコンや携帯電話等に送信させた場合は、児童買春・児童ポルノ法の姿態をとらせ製造罪が成立するが、犯人に画像等が送信されなければ処罰対象とはならないとされている(34)。


 これは間違いと言うことで。。

六訂版生活安全関係事件犯罪事実記載例集生活安全事件捜査研究会編

送らせ製造事犯(被疑者の携帯電話機に当該画像データがない場合)
〔罪名及び罰条] 児童買舂,児菫ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児菫の保護等に関する法律違反
第7条第4項第2項,第2条第3項第3号
被疑者は。○○○○(当時15歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら,令和○年○月○日午後○時○分頃神奈川県内の同児童方において, 同児童にその陰部を露出した姿態をとらせ, これを同児童が使用する撮影機能付き携帯電話機で静止画として撮影させた上, 同静止画像データ1点を同児童の携帯電話機から, アプリケーションソフト「△△△△」を使用し,東京都新宿区新宿○丁目○番○号所在の△△△△株式会社が管理運営する日本国内のいずれかに設置されたサーバコンピュータに送信させ, その頃同所において, 同静止画像データ1点を同サーバコンピュータで受信して記憶・蔵置させ, もって衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識できる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造したものである。
(注l) サーバコンピュータで受信した時点を捉えて特定
(注2) 被害児童の居宅の記載は,被害者保護の観点から「神奈川県内の」と記載している。

「マスク越しのキス」を「わいせつ行為(刑法176条)」とした事例(岐阜地裁R03.11.4)

「マスク越しのキス」をわいせつ行為とした事例(岐阜地裁R03.11.4)
 こういう微妙な事例は、薄井論文を引用して、わいせつ性を説明させる必要があります。
 そもそも「キス」じゃなく「接吻」だ。

薄井真由子「強制わいせつ罪における「性的意図」~植村立郎「刑事事実認定重要判決50選_上_《第3版》」2020立花書房 
 他方で,口腔については,日常生活上,さまざまな物が入る部位であるから,口腔に手指や異物を挿入するとか,直接触るとかいうことだけでは性的性質が明確ということはできない。挿入は侵襲度の高い行為であるが,口腔への挿入の場合には,何を挿入するかによりその性的性質の有無及び程度が大きく変わるものと解される。例えば,行為者の舌を被害者の口腔に挿入する行為は,挿入するものとの関連で性的性質が強く認められるから,①の場合に当たるといえるのではないだろうか。これに対し,直接の接触の場合(この場合は口腔への接触ではなく唇への接触というのが正確かもしれない)には,挿入よりも侵襲度が下がることから,それだけで①の場合に当たるというのは困難であるように思われる 11)。接触の執拗さ(継続性)も踏まえた上で,①の場合に当たるといえることもあろう。

11) 口腔内への舌の挿入を伴わない接吻については,性的性質が明確とまではいえず,行為が行われた際の具体的状況等を総合考慮して判断するものと考えられる。接吻が刑法176条の「わいせつな行為」に当たるかについては,亀山=河村・前掲注l) 67以下参照。

元県立高教諭に有罪判決 教え子へのわいせつ罪 「事後の犯情悪質」 岐阜地裁
2021.11.05 岐阜新聞
 岐阜地裁は4日、教え子の少女=当時(18)=にマスク越しにキスするなどのわいせつな行為をしたとして、強制わいせつの罪に問われた被告に対し、懲役2年、執行猶予4年(求刑懲役2年)の判決を言い渡した。
 笹邉綾子裁判官は判決で「着衣やマスクの上からではあるが、胸に顔をうずめるようにして押し当てた点は、相当な羞恥心、不快感を与え、軽微とは言えない」とし、「被害者が警察に相談したことを知ると、悪質な脅迫で取り下げを迫った。事後の犯情は極めて悪く、被害者が被った精神的被害は非常に大きい」と指摘した。一方で、前科前歴がなく、懲戒免職処分を受けたことなどから執行猶予付き判決とした。
 判決によると、被告は今年4月4日午後8時20分ごろから同50分ごろまでの間に、岐阜市内のコンビニに止めた車内で、少女の両胸に顔を押し当てるなどのわいせつな行為をした。

「亀山=河村 前掲」というのは 大コンメンタール刑法第三版第9巻

コンメンタール刑法第三版第9巻p67
(4) わいせつ行為
(a) 意義本条のわし、せっ行為は, I徒に性欲を興奮または刺激せしめ,且つ,普通人の正常な性的差恥心を害し,善良な性的道徳、観念に反する」行為をいうものとされており(名古屋高金沢交判昭36・5・2下集3巻5= 6号399頁l,174条, 175条における「わいせつ」とほぼ共通の概念であるが,本条は,被害者の性的自由ないし性的感情の保護をもその法益をとするものであるから,おのずからニュアンスを異にするところがあると説かれる(174条III3 ,団藤・注釈(4)[所]293員,大塚・注解797頁,条解刑法466頁等.
本条は,風俗犯的性格もないわけではないが,本質的には個人の性的自由ないし性的感14情の侵害を主たる罪質とする罪と解されるから,端的に人の性的自由を犯し,性的感情を害する性質の行為を対象とすると解すべきである.前掲判例のように解してみても, 174条, 175条の行為は,公然ないしは不特定多数の人をいわば観客として行われることによって違法性が認められるものであるのに対して,本条の行為は,特定個人に対してその意思に反して行われる侵害行為であるところに本質があるのであるから,前者の定義をそのまま本条に当てはめることができない場合がでてくるのは当然である(東京両判昭40・3・18高検速報1337号参照).
このような見地から,接吻が174条のわいせつ行為に当たらないとしても,本条のわいせっ行為たり得ることは当然である(広烏高松江支判附27・9・24特報20号187頁〔長島敦・研修54号87頁],東京高判日{i32・1・22高集10巻l号10頁〔尚橋幹男・判タ78サ16頁],仙台高判昭32・4・18高集10巻6号491頁,高松高判昭33・2・24裁特日巻2-~}57Yi , 名凸屋高金沢支判昭36 ・5 ・2 -f集3巻5= 6号399頁,東京高判平20・7・9高検速報〔平20) 121頁.ただし,反対説もある柏木・各論312頁,小野ら・註釈416頁参照l.


コンメンタール刑法第三版第9巻p68
20 【接吻】接吻については,前掲諸判例のほか,大阪高裁昭和41年9月7日判決(判タ199号187頁),仙台高裁昭和49年12月10日判決(高検速報(昭49) 9号)及びこの判決に対する上告審決定(最決昭50・6・19裁判集〔刑事J196号653頁),東京地裁昭和56年4月30日判決〔判時1028号145頁) (頬に接吻しようとした事例 
 男性間の接吻につき大阪地裁昭和43年2月6日判決(判タ221号237瓦) (35歳の男が11歳の男の子に強いて接吻したのを強制わいせつと認めた事例)参照.