弁護士奥村徹(大阪弁護士会) 事務所での面談相談・電話・メール・skype・zoom等で対応しています。

実績についてはこちらを参照してください。
www.courts.go.jp


通常態勢
平日は通常態勢
事務所は平日09:30〜17:30です。
それ以外は弁護士が下記の電話で対応します。
必要があれば、事務所で対応します。

弁護士への連絡は、
通常
   TEL 050-5861-8888(弁護士直通)
   FAX 06-6363-2161(外出先でも読んでいます)

   メール hp3@okumura-tanaka-law.com(携帯でチェックしています。パソコンからのメールを受信できるようにしてください。)
   Skype okumura_law

緊急相談用
   050-5861-8888
   hp3@okumura-tanaka-law.com(携帯でチェックしています。パソコンからのメールを受信できるようにしてください。)
となっています。

地図
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児童ポルノ単純所持罪・単純保管罪の対応~女子高生TikToker(tiktok TikTok チックトック チックトッカー)の動画をダウンロードとか販売した人の対応 AiiPeep(アイイピープ)とか動画シェアとか、パンコレとか、アルバムコレクション等も

五月雨式に相談がくるので、まとめておきます

1 ダウンロード者

児童ポルノ単純所持罪が検討される。

7条1項
自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する

 完全削除(できれば物理的破壊)で、刑事責任は回避できる。この罪だけでは逮捕はない。

 捜索を受けた時に備えて、
  ①間違ってダウンロードした場合は、「自己の性的好奇心を満たす目的」に欠けるという弁解
  ②ダウンロード元の情報として、児童(「15歳」とか「17歳」とか)と表示されていない場合には、「児童と知らなかった」という弁解
を用意しておく。弁護士に相談して、最寄り警察に相談しておけば捜索の危険はかなり下がる。

 被害者対応は、警察相談と併行して。
 あちらからの流出経緯・こちらの入手状況・児童性の認識の程度によっては、不法行為責任は小さくなる可能性。
 撮影した者は製造罪になる。出演児童も共犯になりうるという裁判例もある。

リベンジポルノ罪については、普通、画像上はわからないので、そう弁解する。

私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律
(定義)
第二条 この法律において「私事性的画像記録」とは、次の各号のいずれかに掲げる人の姿態が撮影された画像(撮影の対象とされた者(以下「撮影対象者」という。)において、撮影をした者、撮影対象者及び撮影対象者から提供を受けた者以外の者(次条第一項において「第三者」という。)が閲覧することを認識した上で、任意に撮影を承諾し又は撮影をしたものを除く。次項において同じ。)に係る電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。同項において同じ。)その他の記録をいう。
一 性交又は性交類似行為に係る人の姿態
二 他人が人の性器等(性器、肛こう門又は乳首をいう。以下この号及び次号において同じ。)を触る行為又は人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部又は一部を着けない人の姿態であって、殊更に人の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
2 この法律において「私事性的画像記録物」とは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、前項各号のいずれかに掲げる人の姿態が撮影された画像を記録したものをいう。
(私事性的画像記録提供等)
第三条 第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を不特定又は多数の者に提供した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2 前項の方法で、私事性的画像記録物を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者も、同項と同様とする。
3 前二項の行為をさせる目的で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を提供し、又は私事性的画像記録物を提供した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
4 前三項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
5 第一項から第三項までの罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三条の例に従う。

 捜索はあるかないかわからないし、破棄してあれば捜索は空振りに終わるので、捜索を甘受するという選択肢もあるという説明をします。
 どうしても、捜索を回避したい(士業・医師・歯科医・教授・教員・就職活動中の学生等)の場合には、弁護士が対応します。
 弁護士費用としては
  相談料は22000円(確実に支払って頂けるのであれば長期分割可能)
  対応する場合の費用は、220000円程度(士業・教員・公務員は330000円 他に出張日当55000円+交通費 被害者対応をしない場合、報酬金はなし。確実に支払って頂けるのであれば長期分割可能)
と回答しています。
 県警によっては、「捜索差押しない・刑事処分ない」という回答をもらえることがある。


2 販売者・アップロード者
 わいせつ電磁的記録頒布罪・公然陳列罪
 児童ポルノ提供罪・公然陳列罪・提供目的製造罪
 リベンジポルノ公表罪
などが検討されるので、弁護士に相談して、逮捕を回避したい。

7条
6児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者も、同様とする。
7前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。

 弁護士費用は、逮捕危険があるので、応相談としています。分割払は可能。
 中心的な弁護士費用としては
  相談料は22000円
  対応する場合の費用は、
   着手金330000円程度(他に出張日当55000円+交通費 被害者対応をしない場合。確実に支払って頂けるのであれば長期分割可能)
   報酬金220000円程度(逮捕されなかった場合。確実に支払って頂けるのであれば長期分割可能)
と回答しています。


追記2021/08/27
 ダウンロード・購入者の捜索回避の警察相談は各地に数件かかりました。
 いずれはどこかの警察(被害者の住所など)に集中するんじゃないでしょうか。

追記2021/09/17
 児童ポルノ製造罪・提供罪・単純所持罪について捜査している警察(A都道府県警察のB警察署)は判明し、連絡が取れました。
 購入者は地元警察・B警察署へ相談。
 販売者は、B警察署へ。(B警察署名は教えられません。例えば大阪市西天満に済む花子さん(17歳)が、「はなちゃん」という芸名で活動していて、その裸体画像が流出した場合に、「はなちゃんさんが天満警察署に相談した」と公表してしまうと、はなちゃんの児童ポルノであること・天満警察管内に住所があることがバレてしまい、被害者が特定されてしまうからです。)


 所持罪の捜索があったという知恵袋の書き込みがありましたが削除されました。 
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12249473407
推知報道禁止と思われます。

 第一三条(記事等の掲載等の禁止)
 第四条から第八条までの罪に係る事件に係る児童については、その氏名、年齢、職業、就学する学校の名称、住居、容貌ぼう等により当該児童が当該事件に係る者であることを推知することができるような記事若しくは写真又は放送番組を、新聞紙その他の出版物に掲載し、又は放送してはならない。

追記 2022/01/01
AiiPeepの購入者については、
埼玉県警以外の警察による捜索が複数観測されましたので、
埼玉県警からの情報提供を受けて各地の警察が捜査しているものと思います(全国協働方式)

追記 2022/03/31
AiiPeepの購入者については、
埼玉県警以外の警察による捜索が複数観測されましたが、
破棄して警察相談した人は捜索は受けず
捜索を受けて現認された人は、ほぼ罰金という処理になっています。

「男子生徒が15歳の女子高校生に撮らせたわいせつな動画を送信させるなどした」場合に、不同意わいせつ罪(176条3項)・性的姿態撮影罪・16歳未満に対する映像送信要求罪が成立しないわけ

「男子生徒が15歳の女子高校生に撮らせたわいせつな動画を送信させるなどした」場合に、不同意わいせつ罪(176条3項)・性的姿態撮影罪・16歳未満に対する映像送信要求罪が成立しないわけ
 推知報道かもしれないので 条文だけ置いときます。
 5歳以上年上であれば、
   16歳未満に対する映像送信要求罪
   不同意わいせつ罪(176条3項)
   性的姿態撮影罪
   児童ポルノ製造罪(7条4項)
に問われる行為ですが、年齢差が5歳未満なので、児童ポルノ罪だけの送致になったと思われます。
 実質は不同意わいせつ罪の被害じゃないのかという見方もできますし、児童ポルノ製造罪にも5歳差ルールを設けるべきではないかという見方もできます
 

刑法
第一七六条(不同意わいせつ)
 次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、六月以上十年以下の拘禁刑に処する。
3十六歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。

第一八二条(十六歳未満の者に対する面会要求等)
3十六歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為(第二号に掲げる行為については、当該行為をさせることがわいせつなものであるものに限る。)を要求した者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
一 性交、肛門性交又は口腔性交をする姿態をとってその映像を送信すること。
二 前号に掲げるもののほか、膣又は肛門に身体の一部(陰茎を除く。)又は物を挿入し又は挿入される姿態、性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下この号において同じ。)を触り又は触られる姿態、性的な部位を露出した姿態その他の姿態をとってその映像を送信すること

性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律
第二条(性的姿態等撮影)
 次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
四 正当な理由がないのに、十三歳未満の者を対象として、その性的姿態等を撮影し、又は十三歳以上十六歳未満の者を対象として、当該者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者が、その性的姿態等を撮影する行為
2前項の罪の未遂は、罰する。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(H26改正後)
第七条(児童ポルノ所持、提供等)
2児童ポルノを提供した者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を提供した者も、同様とする。
3前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。
4前項に規定するもののほか、児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様とする。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2461986?display=1
東京・町田市の私立高校男子生徒2人を児童ポルノ禁止法違反の疑いで書類送検へ 女子高校生(15)に撮らせたわいせつな動画は数十人規模に拡散か 警視庁
再生する
TBSテレビ
2026年2月12日(木) 05:01
児童ポルノ禁止法違反の疑い 私立高校男子生徒2人を書類送検
15歳の女子高校生に撮らせたわいせつな動画を送信させるなどしたとして、警視庁がきょう、東京・町田市の私立高校の男子生徒2人を書類送検する方針を固めたことが分かりました。動画は数十人規模に拡散された可能性があるということです。
捜査関係者によりますと、児童ポルノ禁止法違反の疑いで書類送検されるのは、東京・町田市の私立高校の▼17歳の男子生徒と▼16歳の男子生徒の2人です。
17歳の男子生徒は去年3月から4月までの間に、3回にわたって15歳の女子高校生に18歳未満と知りながら、わいせつな動画や写真を撮らせて送信させたうえ、その後、動画の一つを16歳の男子生徒に提供した疑いがもたれています。
また、16歳の男子生徒は提供された動画を、去年5月から10月にかけて校内の知人らに送信した疑いがもたれています。


女子高校生の家族から警視庁に相談 事件が発覚
去年10月、警視庁に女子高校生の家族から「娘のわいせつな動画が拡散されているようで心配だ」と相談があり、事件が発覚したということです。
男子生徒2人は任意の調べに対し、「やってはいけないことをやってしまった。謝罪したい」などと容疑を認めていて、「学校や家族に迷惑をかけてしまった」「もっと強い気持ちを持っていれば、こんなことにはならなかったと後悔している」と話しているということです。
動画は数十人規模に拡散された可能性があるとみられ、警視庁が調べています。

児童ポルノ製造事件に係る児童については、その氏名、年齢、職業、就学する学校の名称、住居、容貌ぼう等により当該児童が当該事件に係る者であることを推知することができるような記事若しくは写真又は放送番組を、新聞紙その他の出版物に掲載し、又は放送してはならない。

児童ポルノ製造事件に係る児童については、その氏名、年齢、職業、就学する学校の名称、住居、容貌ぼう等により当該児童が当該事件に係る者であることを推知することができるような記事若しくは写真又は放送番組を、新聞紙その他の出版物に掲載し、又は放送してはならない。



児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(H26改正後)
第一三条(記事等の掲載等の禁止)
 第四条から第八条までの罪に係る事件に係る児童については、その氏名、年齢、職業、就学する学校の名称、住居、容貌ぼう等により当該児童が当該事件に係る者であることを推知することができるような記事若しくは写真又は放送番組を、新聞紙その他の出版物に掲載し、又は放送してはならない。

よくわかる改正児童買春・児童ポルノ禁止法 - (著)森山真弓
本条は、この法律で処罰される罪に係る事件に関係のある児童については、その氏名等により当該児童が当該事件に関係のある者であることを推知することができるような記事若しくは写真又は放送番組を、新聞紙その他の出版物に掲載し、又は放送してはならないとしています。
この趣旨は、児童買春等の犯罪の対象となった児童について、その氏名等が公表され、当該児童がだれであったかが広く知られることになると、心身に有害な影響を受けた児童に引き続き精神的な悪影響を及ぼすことになりますので、このような児童について、当該事件に関係のある者であることを推知することができるような事項等の出版物への掲載等を禁止することにより、その権利を擁護しようとするものです。
(1) 「第四条から第八条までの罪に係る事件に係る児童」とは、この法律で処罰される犯罪事件に関係する児童のことをいいます。具体例としては、児童買春において性交等の相手方とされた児童、児童ポルノの被写体とされた児童、児童買春等の目的で売買された児童等が挙げられます。
(2) 本条は、児童が当該事件に関係のある者であることを推知する
ことができるような記事等の掲載等を禁止する趣旨ですから氏名、年齢、職業、就学する学校の名称、住居、容貌等は例示であるとともに、これらの事項であっても児童が当該事件に関係のある者であることを推知することができないものなら、記事等の掲載等は禁止されません。例えば、「12 歳の少年を撮影して児童ポルノを製造した業者が逮捕された」 とか「16 歳の少女を相手方として児童買春をした男が逮捕された」 という記事は、被害者である児童の年齢を記載していますが、これだけの記事では、一般的にはある児童が当該事件に関係のある者であることを推知することはできませんので、本条に違反するとは考えられません。
しかし、氏名は記載しなくとも住所、学校名、年齢等で児童が特定できるような記事等は、本条に違反するものです。
(3) 本条に違反した場合でも、罰則はありません。これは、報道の自由を考慮したものですが、報道機関の良識ある対応が期待されます。
参考条文
少年法第61 条
家庭放判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ほう等によりその者が当該事件の本人であることを般知|することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載しではならない。

 姿態をとらせて製造罪(7条4項)と性的姿態撮影罪は観念的競合(名古屋高裁R7.7.2)

 姿態をとらせて製造罪(7条4項)と性的姿態撮影罪は観念的競合(名古屋高裁R7.7.2)
 撮影した点だけが重なります。

性的姿態撮影罪と姿態をとらせて製造罪の重なり合い

不同意性交等、性的姿態等撮影、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件
名古屋高判令和7年7月2日D1-Law.com判例体系〔28333601〕
 上記の者に対する不同意性交等、性的姿態等撮影、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件について、令和7年3月13日岐阜地方裁判所が言い渡した判決に対し、被告人から控訴の申立てがあったので、当裁判所は、検察官玉田康治及び弁護人市橋優一各出席の上審理し、次のとおり判決する。
主文
原判決を破棄する。
被告人を懲役4年に処する。
原審における未決勾留日数中70日をその刑に算入する。

理由
理由
 本件控訴の趣意は、弁護人(原審弁護人と同じ)作成の控訴趣意書及び控訴趣意補充書に記載のとおりである。論旨は、量刑不当の主張であり、要するに、被告人を懲役5年に処した原判決の量刑は重過ぎて不当であるから、酌量減軽の上、その刑の執行を全部猶予するのが相当である、というのである。
 そこで、原審記録を調査し、当審における事実取調べの結果を併せて検討する。
 本件は、被告人が、16歳未満であり、かつ、自身と5歳以上の年齢差があることを知りながら、4回にわたり、当時14歳の被害者と性交し、それぞれの性交の際に、性交する姿態等をとらせて撮影するとともにデータを保存して児童ポルノを製造し(原判示第1)、18歳に満たない児童であることを知りながら、6回にわたり、当時17歳の被害者に性交する姿態等をとらせて撮影したデータを保存して児童ポルノを製造した(原判示第2)、という事案である。
 原判決は、量刑の中心となる不同意性交等について、被害者が中学生であることを認識したにもかかわらず、思いとどまることなく性交に及び、その後も性交を複数回重ねたもので、被害者の好意や未熟さに乗じて性欲のはけ口として扱うような犯行であり、繰り返している点の悪質さも看過できないとし、児童ポルノ製造等について、常習性が認められ、流通させる意図がないことや被害者らが撮影されていることを認識していることなどを考慮しても、被害者らの未熟さに乗じて性交等の姿態を撮影すること自体が児童を性的に搾取する行為に当たり、製造された児童ポルノのわいせつ性も高いとし、さらに、警察官の職にあったにもかかわらず、被害者らの心身や将来に与える悪影響を顧みることなく自身の欲求を優先して犯行に及んだものといえ、強い非難は免れないから、本件は、同種事案の中で軽いものではなく、酌量減軽すべき事案ではないが、他方で、性交に当たり暴行脅迫は用いていないこと、前科前歴が見当たらず、懲戒免職となるなど社会的制裁を受けていること、父親が出廷して監督を誓っていることなどの酌むことができる事情や同種事案の量刑傾向等も考慮して、被告人を懲役5年に処した。
 原判決の量刑事情の認定及び評価に誤りはなく、酌量減軽すべき事案ではないとした点を含め、その量刑判断は相当として是認することができる。
 所論は、原判決について、不同意性交等は本来的に好意や未熟さに乗じて被害者を性欲のはけ口として扱う犯罪類型であり、児童ポルノ製造も本来的に未熟さに乗じて児童を性的に搾取する犯罪類型であるから、これらの点を不利な犯情として考慮するのは相当でなく、いずれも勤務時間外に純粋な私人として行った犯罪であり、警察官の職にあった点を不利な情状として考慮するのは職業差別の一種というべきであって許されない、という。しかしながら、原判決の不同意性交等や児童ポルノ製造等に関する説示は、本件各犯行がまさにそれぞれの犯罪が想定している類型に当たるという当然のことを指摘したまでで何ら不当なものではない。また、原判決の被告人が警察官の職にあったことに関する説示についても、被告人の規範意識の低さを指摘しようとしたものと解されるところ、本件各犯行が職務とは無関係に行われたものであったとしても、職業柄法の遵守が強く求められる警察官があえて犯罪行為に及べば、社会的に強い非難を受けることは免れないというべきであって、原判決は上記のような趣旨で上記説示をしたものと解されるから、相当性を欠くとはいえない。
 所論は、原判決について、被告人が深く反省していることや被害弁償に至らなかった原因が専ら被害者側の事情にあることを考慮した様子がない、という。確かに、原判決は、明示的にはこの点について説示していないものの、量刑した刑期が処断刑の下限にとどまっていることからすると、一般情状ともいうべき被告人の反省状況や被害弁償に至らなかった経緯についても適切に考慮したものと解される。
 以上検討したとおり、所論を踏まえて改めて検討しても、被告人を懲役5年に処した原判決の量刑は、その宣告時点では重過ぎて不当なものとはいえない。
 論旨は理由がない。
 もっとも、当審における事実取調べの結果によると、原判決後、被告人と原判示第1の被害者との間で解決金400万円の支払を約する合意が成立し、同被害者からは被告人に対する刑の執行が全部猶予されても異論はないという意向が示されていること、解決金の支払は未了であるが、確実な支払を担保する手段が講じられていることが認められる。これらの原判決後に生じた事情を原判決時点の事情に併せて考慮すれば、本件犯情の悪質さからして、なお実刑は免れないものの、原判決の量刑は刑期の点でいささか重きに失することになったというべきである。
 そこで、刑訴法397条2項により原判決を破棄し、同法400条ただし書を適用して更に次のとおり判決する。
 原判決が適法に認定した罪となるべき事実に法令を適用すると、被告人の原判示第1の1、3、5及び7の各所為はいずれも刑法177条3項、1項、令和5年法律第66号附則3条に該当し、原判示第1の2、4、6及び8の各所為のうち、性的姿態等撮影の点はいずれも性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律2条1項4号(1号イ、ロ)、附則2条に該当し、児童ポルノ製造の点はいずれも令和4年法律第68号(以下「整理法」という。)441条1項により同法による改正前の児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2項、2条3項1号、2号、3号に該当し、原判示第2別表番号1、3ないし6の各所為はいずれも同法7条4項、2項、2条3項1号、3号に該当し、原判示第2別表番号2の所為は同法7条4項、2項、2条3項3号に該当するところ、原判示第1の2、4、6及び8は1個の行為が2個の罪名に触れる場合であるから、刑法54条1項前段、10条(ただし、同条1項は整理法441条1項により令和4年法律第67号2条による改正前の刑法(以下「旧刑法」という。))によりいずれも1罪として犯情の重い児童ポルノ製造の罪の刑で処断し、
原判示第1の2、4、6及び8並びに原判示第2の各罪についていずれも懲役刑を選択し、以上は旧刑法45条前段の併合罪であるから、同法47条本文、刑法10条(ただし、同条1項は旧刑法)により最も重い原判示第1の1の罪の刑に法定の加重をし、
なお犯情を考慮し刑法66条、71条、旧刑法68条3号を適用して酌量減軽した刑期の範囲内で被告人を懲役4年に処し、刑法21条を適用して原審における未決勾留日数中70日をその刑に算入することとして、主文のとおり判決する。
(原審検察官の求刑:懲役7年)

刑事第1部

 (裁判長裁判官 山田耕司 裁判官 大村泰平 裁判官 松田克之)

2016年10月6日の強制わいせつ罪が2026年2月に逮捕される理由

2016年10月6日の強制わいせつ罪が2026年2月に逮捕される理由


 強制わいせつ罪(176条後段)の公訴時効は、行為当時は7年で、いまは、(18-児童の年齢)+12年に延長されている。

改正前刑事訴訟法第二五〇条[公訴時効の期間]
②時効は、人を死亡させた罪であつて拘禁刑以上の刑に当たるもの以外の罪については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。
四 長期十五年未満の拘禁刑に当たる罪については七年
五 長期十年未満の拘禁刑に当たる罪については五年
↓↓
改正後の刑事訴訟法第二五〇条[公訴時効の期間]
③前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる罪についての時効は、当該各号に定める期間を経過することによつて完成する。
三 刑法第百七十六条若しくは第百七十九条第一項の罪若しくはこれらの罪の未遂罪又は児童福祉法第六十条第一項の罪(自己を相手方として淫行をさせる行為に係るものに限る。) 十二年
④前二項の規定にかかわらず、前項各号に掲げる罪について、その被害者が犯罪行為が終わつた時に十八歳未満である場合における時効は、当該各号に定める期間に当該犯罪行為が終わつた時から当該被害者が十八歳に達する日までの期間に相当する期間を加算した期間を経過することによつて完成する。〔本条改正の施行は、令四法六七施行日〕
。。。
刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案
(※令和5年5月30日衆議院において修正議決)
可決成立日 令和5年6月16日
公布日    令和5年6月23日(法律第66号)
官報掲載日 令和5年6月23日(号外第132号)
施行日    公布の日から起算して20日を経過した日。

 時効延長規定が適用されるのは、改正法の公布(r5.6.23=2023.6.23)時点で公訴時効(7年)に係っていない事件(刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律5条1項2項)。
 公訴時効の延長だけは、改正法附則2条1号により「公布の日」=R5.6.23から施行されている。

刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律
第二条 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の一部を次のように改正する。第二百五十条に次の二項を加える。
 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる罪についての時効は、当該各号に定める期間を経過することによつて完成する。
三 刑法第百七十六条若しくは第百七十九条第一項の罪若しくはこれらの罪の未遂罪又は児童福祉法第六十条第一項の罪(自己を相手方として淫行をさせる行為に係るものに限る。) 十二年
 前二項の規定にかかわらず、前項各号に掲げる罪について、その被害者が犯罪行為が終わつた時に十八歳未満である場合における時効は、当該各号に定める期間に当該犯罪行為が終わつた時から当該被害者が十八歳に達する日までの期間に相当する期間を加算した期間を経過することによつて完成する。〔本条改正の施行は、令四法六七施行日〕

......
(公訴時効に関する経過措置)
第五条 
1第二条改正後刑事訴訟法第二百五十条第三項及び第四項の規定は、第二条の規定の施行の際既にその公訴の時効が完成している罪については、適用しない。
2 第二条改正後刑事訴訟法(施行日以後においては新刑事訴訟法)第二百五十条第三項及び第四項の規定は、刑法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百五十六号)附則第三条第二項の規定にかかわらず、第二条の規定の施行の際その公訴の時効が完成していない罪についても、適用する。
附 則 (令和五年六月二三日法律第六六号)
 (施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 一 第二条の規定並びに附則第四条第一項及び第五条の規定 公布の日

 ということで、2016年10月6日(平成28年)の事件は、2023年6月23日時点では7年経過していないので、時効は、(18-児童の年齢)+12年に延長されていることになる。



https://news.yahoo.co.jp/articles/60973d33c7f0c69432c6be98540ae664686b0075#:~:text=10%E5%B9%B4%E5%89%8D%E3%81%AE,%C2%A9%20LY%20Corporation
10年前の『未解決事件』が終結 当時10歳未満の女児へ強制わいせつ容疑などで30歳男を逮捕 時効直前の法改正で公訴時効が延長
2/5(木) 18:35配信
10年間、未解決だった北海道帯広市の住宅で発生した当時10歳未満の女児への強制わいせつ・強盗事件。帯広市に住む無職の男(30)が関与したとして逮捕されました。
男は、10年前の2016年10月6日午後4時ごろ、帯広市内の住居に侵入し、当時10歳未満の女児に対し、身体に危害を与える旨の脅迫をして、下半身を触るなどわいせつな行為をした上、下着を奪った疑いが持たれています。

■時効直前に法改正 解決の糸口に
そんな中、事件から7年が経った2023年6月に法律が改正され、悪質な性犯罪事件に関する公訴時効が延びました。
この時、強制わいせつ事件の時効も7年から12年に延長。
事件の時効を迎える4か月前のことでした。
強盗容疑については、時効が10年と定められていて、発生から10年が経過する2026年10月6日がその期日でした。
そんな中、今年1月14日、事態が大きく動きます。
■別事件で逮捕された30歳の男 当時の手口と酷似
容疑者が帯広市内の住宅に侵入し、10代の少女に「殺すぞ」などと脅した上で、下半身を触るなどのわいせつな行為をし、下着を奪ったとして逮捕されました。
警察が聞き込みや鑑識捜査などから容疑者を特定し、逮捕。
少女の家族が出かけていて、1人で帰宅した少女を襲うという手口が10年前の事件と類似していました。
調べに対し容疑者(30)は、今年1月の事件の容疑を認めた上で、10年前の事件についても「私のやったことです」と容疑を認めているということです。
北海道放送

児童を脱がせて撮影する行為について、不同意わいせつ罪(176条3項)と児童ポルノ製造罪(7条4項)で起訴した変更前訴因に、訴因変更によって性的姿態撮影罪を追加することは許される(東京高裁R7.6.18)

児童を脱がせて撮影する行為について、不同意わいせつ罪(176条3項)と児童ポルノ製造罪(7条4項)で起訴した変更前訴因に、訴因変更によって性的姿態撮影罪を追加することは許される(東京高裁R7.6.18)

 3罪の重なり合いはこんな感じです。性的姿態撮影罪は撮影のみをピンポイントに捉えますので、他罪とは点と線の関係になります。

 併合罪じゃないのかという主張は不利益主張で回避されることが多いのですが、訴因変更がある場合には判断が出ます。
 この裁判長は、大阪高裁でも観念的競合としていて、東京高裁に転勤しても観念的競合にしています。

東京高裁r7.6.18
  また、原判示第3の事実は、児童の性器等に触るなどの身体にじかに接するわいせつな行為をするとともに、当該行為に係る児童の姿態を撮影して記録・保存するという態様ではなく、Aに胸部及び陰部を露出した姿態をとらせて、これを撮影して記録・保存したというものである。このような事案において、被告人のした行為を社会的見解上一個のものと評価し、不同意わいせつ罪と4項製造罪とがいわゆる観念的競合として科刑上一罪の関係にあるとした原判決の判断が誤っているとはいえない。
  よって、訴因の不特定をいう論旨は、いずれもその前提を欠いており、不法な公訴受理には当たらない。
・・・・・・
8 不告不理の主張について
(1) 論旨:原判示第3について、当初の公訴事実は、不同意わいせつ及び児童ポルノ製造罪に当たる事実を訴因とするものであったところ、検察官は、これに性的姿態等撮影罪の訴因及び罰条を追加する訴因等変更請求をなし、原審裁判所はこれを許可した。しかし、不同意わいせつ罪と性的姿態等撮影罪とは、撮影の点が重なるものの、陰部・胸部を露出する姿態をとらせる点は、前者の実行行為であるが後者の実行行為ではないため重ならないし、両罪に触れる行為が通常伴う関係にあるともいえず、保護法益や性質も相当異なることなどから、併合罪の関係にある。性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(以下「性的姿態撮影処罰法」という。)2条3項が設けられた趣旨からしても、そのように解すべきである。また、4項製造罪と性的姿態等撮影罪とは、撮影の点が重なるものの、性的姿態等撮影罪は媒体への記録行為や複製行為に及ばないため、重なりは一部であるし、両罪に触れる行為が通常伴う関係にあるともいえず、保護法益や性質も相当異なることなどから、やはり併合罪の関係にある。そうすると、上記訴因等変更請求に係る公訴事実は当初の公訴事実との同一性を欠くから、その許可は違法無効である。それゆえ、性的姿態等撮影罪について判断した原判決は、審判の請求を受けない事件について判決をしたものであり、刑訴法378条3号の破棄事由がある。
(2) 判断:不同意わいせつ罪や4項製造罪と性的姿態等撮影罪とで保護法益が異なることは、それぞれの罪が成立する根拠となっても、いわゆる観念的競合となり得ない理由にはならない。原判示第3の事実について、その行為の態様は5(2)第2段落のとおりであり、このような事案において、被告人のした行為を社会的見解上一個のものと評価し、不同意わいせつ罪及び4項製造罪と性的姿態等撮影罪がいわゆる観念的競合として科刑上一罪の関係にあるとした原判決の判断が誤っているとはいえない。なお、そのような判断が性的姿態撮影処罰法2条3項の規定によって妨げられるともいえない。
  よって、当初の訴因と訴因等変更請求に係る訴因とで公訴事実の同一性を欠くとして訴因等変更許可の違法をいう論旨は、その前提を欠いており、刑訴法378条3号には当たらない

原判決
第3 正当な理由がないのに、前記A(当時13歳未満)が13歳未満の者であることを知りながら、令和年月日時分頃、前記方において、前記Aにその胸部及び陰部を露出する姿態をとらせ、これを被告人が使用する携帯電話機で撮影し、その画像データ1点を同携帯電話機の内蔵記録装置に記録して保存し、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をし、前記Aの性的姿態等を撮影するとともに、衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る記録媒体である児童ポルノを製造し

法令適用
罰条
判示第3の行為のうち
不同意わいせつの点   
刑法176条3項、1項、令和5年法律第66号附則3条

性的姿態等の撮影の点  
性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律2条1項4号、1号イ、令和5年法律第67号附則2条

児童ポルノ製造の点   
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2項、2条3項3号


科刑上の一罪の処理
判示第3の罪について
刑法54条1項前段、10条(最も重い不同意わいせつの罪の刑で処断)

変更前訴因
第2 前記(当時歳)が13歳未満の者であることを知りながら、同月日午後時分頃、前記方において、前記にその胸部及び陰部を露出する姿態をとらせ、これを被告人が使用する携帯電話機で撮影し、その画像データ1点を同携帯電話機の内蔵記録装置に記録して保存し、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をするとともに、衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る記録媒体である児童ポルノを製造し
たものである。
罪 名 及 び 罰 条
第2 不同意わいせつ、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反
    刑法176条3項、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2条3項3号

変更後訴因
1 公訴事実第2を次のとおり改める。
  正当な理由がないのに、前記(当時歳)が13歳未満の者であることを知りながら、同月日午後時分頃、前記方において、前記にその胸部及び陰部を露出する姿態をとらせ、これを被告人が使用する携帯電話機で撮影し、その画像データ1点を同携帯電話機の内蔵記録装置に記録して保存し、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をし、前記の性的姿態等を撮影するとともに、衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る記録媒体である児童ポルノを製造し
2 罪名及び罰条第2を次のとおり改める。
  不同意わいせつ、性的姿態等撮影、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反
    刑法176条3項、性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律2条1項4号、1号イ、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2条3項3号

相手方に性器や胸部等を露出した姿態をとらせ、これを自撮りさせる行為はわいせつ行為(刑法176条3項)である 岡山支部r08,1,28

相手方に性器や胸部等を露出した姿態をとらせ、これを自撮りさせる行為はわいせつ行為(刑法176条3項)である
①③にはわいせつと言えない部分があるそうです。

第3 控訴理由第5~第8について
 1 弁護人の主張
 弁護人は、原判示第3~の各行為について、被告人が
①LINEのメッセージにより被害者に働き掛ける行為、
②遠隔で被害者をして裸体を撮影させる行為、
③被害者をして裸体の画像を送信させて記録させる行為
はいずれも「わいせつな行為」に該当しないから、被告人に不同意わいせつ(強制わいせつ)罪が成立するとした原判決には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがあると主張する。
 2 当裁判所の判断
 原判示第3~の各行為のうち②の行為、すなわち、相手方に性器や胸部等を露出した姿態をとらせ、これを自撮りさせる行為は、強い性的な意味を持ち得るものであって、被告人が、被害者と直接の面識はなく、被害者と同年代の女児に成り済ましてSNS上でやり取りをしていたにすぎないなどといった本件の具体的事実関係に基づけば、「わいせつな行為」に該当するというべきである。そうすると、その前後の行為に「わいせつな行為」に該当しない部分があるとしても、原判示第3~の各行為については不同意わいせつ(強制わいせつ)罪が成立するから、原判決に法令適用の誤りはなく、弁護人の①及び③の主張は原判決の判断を左右するものではない。
 したがって、弁護人の主張はいずれも理由がない。

東京高裁は「別の場所にいる被害児童に対し、陰茎を露出した姿態をとらせてその姿態を撮影させて被告人が使用する携帯電話機宛てに送信させ、被告人において閲覧するなどの利用が可能な状態に置いたものであることを指摘し、一連の行為がわいせつ行為に当たる」としていて、岡山支判は謙抑的です。

東京高裁r7.7.4
(2)論旨(弁護人)は、次に、原判決が原判示第2の不同意わいせつ罪及び性的姿態等撮影罪の成立を認めたことに関し、データを送信させ記録保存する行為はわいせつ行為ではなく性的姿態等撮影罪の成立範囲は、撮影に着手してから撮影するまでであって、記録保存までは含まないのに、原判決は、画像データを被告人が使用する携帯電話機宛てにLINEアプリを使用して送信させ、事業者のサーバコンピュータ内に記録させて保存した行為を含めて両罪の成立を認めており、法令適用の誤りがある、という。
このうち、不同意わいせつ罪については、原判決は、所論と同趣旨をいう原審弁護人の主張に対し、被告人は、別の場所にいる被害児童に対し、陰茎を露出した姿態をとらせてその姿態を撮影させて被告人が使用する携帯電話機宛てに送信させ、被告人において閲覧するなどの利用が可能な状態に置いたものであることを指摘し、一連の行為がわいせつ行為に当たる旨判示している。
行為者が、性的な部位を露出した姿態をとらせ、自身が所持するカメラ等の機器で撮影した場合、その画像は直ちに記録保存されて閲覧するなどの利用が可能となるのに対し、㋐別の場所にいる者に撮影させた上で、㋑その画像を送信させて事業者のサーバコンピュータ内に記録させて保存した本件では、㋑の行為が加わることで被告人において閲覧鑑賞するなどの利用が可能な状態となったのであるから、その一連の行為全体が性的な意味合いを有し、被害児童に対するわいせつ行為に当たるとした原判決の判断は、相当である。

次に、性的姿態等撮影罪は、「撮影する行為」を対象とするものであるから、本件のように撮影対象者を利用して行う場合についても上記㋑の行為はその要素ではない。
原判決も、㋑の行為が性的姿態等撮影罪に該当する旨の判示をしたものではなく、被害児童に原判示の撮影をさせた行為が同罪に当たるとしたものと理解され、したがって、法令適用の誤りはない。

 不同意わいせつ罪及び4項製造罪と性的姿態等撮影罪がいわゆる観念的競合として科刑上一罪の関係にある(東京高裁r7.6.18)

 控訴趣意書提出後に観念的競合説の部長が転勤して来て、観念的競合になりました。

 

  3罪の重なり合いはこれくらいです。

 

東京高等裁判所令和7年6月18日 

 強制わいせつ、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、不同意わいせつ、性的姿態等撮影被告事件(上告棄却)
4 強制わいせつ罪等と別に児童ポルノ製造罪の成立を認めたことに係る法令適用の誤りの主張について
(1) 論旨:原判示第1及び第2の各事実について、原判決は、強制わいせつ罪と児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下「児童ポルノ法」という。)7条3項の児童ポルノ製造罪(以下「3項製造罪」という。)が成立するとした。しかし、3項製造罪となるのは撮影行為と記録保存行為であるところ、撮影行為は、強制わいせつ罪となるわいせつ行為であり、保護法益が重複し、3項製造罪の法定刑は軽いから、同罪は強制わいせつ罪に吸収されて成立しない。原判決が3項製造罪も成立するとしたことには、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがある。
(2) 判断:3項製造罪は、児童ポルノを製造し、提供する行為は、描写された児童の心身に有害な影響を与え続けるだけでなく、そのような行為が社会に広がるときには、児童を性欲の対象として捉える風潮を助長し、身体的及び精神的に未熟である児童一般の心身の成長に重大な影響を与えることから、提供目的での児童ポルノ製造行為を処罰することとしたものと解される。3項製造罪の保護法益が個人の性的自由を保護法益とする強制わいせつ罪のそれと重複し、同罪に吸収されるとはいえない。原判決が3項製造罪が成立するとしたことに法令適用の誤りはない。
5 不法な公訴受理の主張(原判示第1~第3関係)について
(1) 論旨:原判決は、原判示第1及び第2の各事実における強制わいせつ罪と3項製造罪、同第3の事実における不同意わいせつ罪と児童ポルノ法7条4項所定の児童ポルノ製造罪(以下「4項製造罪」という。)とは、いずれも観念的競合として科刑上一罪の関係にあると判断し、それぞれを一罪として起訴状に公訴事実が記載された各事実について、公訴を棄却しなかった。
  しかし、強制わいせつ罪と3項製造罪の実行行為は、撮影行為の点では重なるものの、BはAに衣服を脱がせる行為をしており、これは強制わいせつ罪の実行行為たるわいせつな行為であるが、3項製造罪の実行行為ではないから、両罪の実行行為は完全には重ならず、一個の行為とはいえない。また、不同意わいせつ罪と4項製造罪の実行行為は、撮影行為及び姿態をとらせる点で重なるものの、記録・保存の部分は重ならず、一個の行為とはいえない。
  強制わいせつ罪と3項製造罪、又は不同意わいせつ罪と4項製造罪とをそれぞれ一個の行為として記載した起訴状記載の公訴事実は、単一性を欠き、訴因が不特定であるから、その公訴は棄却されるべきであった。それをしなかった原審は不法に公訴を受理したものであり、刑訴法378条2号の破棄事由がある。
(2) 判断:原判示第1及び第2の各事実において、性的な意味合いが強い行為は、Aに性的な関心を抱く被告人に提供するために、胸部及び陰部を露出したAの姿態を撮影し、記録・保存した行為である。実母であるBがAの衣服を脱がせた行為は、各わいせつな行為の一部をなすとはいえ、それ自体の性的な意味合いは強くなく、上記性的な意味合いが強い行為をなすための準備的な行為である。このような事案において、Bのした行為を社会的見解上一個のものと評価し、強制わいせつ罪と3項製造罪とがいわゆる観念的競合として科刑上一罪の関係にあるとした原判決の判断が誤っているとはいえない。

  また、原判示第3の事実は、児童の性器等に触るなどの身体にじかに接するわいせつな行為をするとともに、当該行為に係る児童の姿態を撮影して記録・保存するという態様ではなく、Aに胸部及び陰部を露出した姿態をとらせて、これを撮影して記録・保存したというものである。このような事案において、被告人のした行為を社会的見解上一個のものと評価し、不同意わいせつ罪と4項製造罪とがいわゆる観念的競合として科刑上一罪の関係にあるとした原判決の判断が誤っているとはいえない。
  よって、訴因の不特定をいう論旨は、いずれもその前提を欠いており、不法な公訴受理には当たらない。
6 児童ポルノ製造罪の罪数判断に係る法令適用の誤りをいう主張について
(1) 論旨:原判決は、原判示第1から第3までにつきそれぞれ児童ポルノ製造罪が成立するとしたが、同一児童を対象とする数回の製造行為は包括して一罪となる。そうすると、原判示第1から第3までが、いわゆるかすがい現象により科刑上一罪となるから、これらを併合罪とした原判決の法令適用は誤っている。
(2) 判断:原判示第1、第2及び第3の各児童ポルノ製造行為は、1(1)①②のとおり、異なる日に、それぞれAに胸部及び陰部を露出させて、写真を撮影し、記録媒体に記録・保存したという別個の児童ポルノ製造行為である(原判示第1及び第2と第3では行為者や記録装置も異なる。)。同じAを対象とするとはいえ、これらを包括して一罪と評価すべきという根拠はなく、原判示第1、第2及び第3を併合罪とした原判決の判断が誤っているとはいえない。


7 不法な公訴受理の主張(原判示第4~第6関係)について
(1) 論旨:原判決は、原判示第4から第6までにおける各不同意わいせつ罪と性的姿態等撮影罪とは観念的競合として科刑上一罪の関係にあると判断し、それぞれを一罪として起訴状に公訴事実が記載された各事実について、公訴を棄却しなかった。
  しかし、両罪の実行行為は、撮影行為の点では重なるものの、性器を露出させ(原判示第4、第5)、乳房を手で触るなどの行為(同第6)は、不同意わいせつ罪の実行行為たるわいせつな行為であるが、性的姿態等撮影罪の実行行為ではなく、両者は完全には重ならない上、両罪の保護法益も異なることなどから、社会通念上一個の行為とはいえない。両罪を一個の行為として記載した起訴状記載の公訴事実は、単一性を欠き、訴因が不特定であるから、その公訴は棄却されるべきであった。それをしなかった原審は不法に公訴を受理したものであり、刑訴法378条2号の破棄事由がある。
(2) 判断:不同意わいせつ罪と性的姿態等撮影罪の保護法益が異なることは、両罪がそれぞれ成立する根拠となっても、いわゆる観念的競合となり得ない理由にはならない。そして、原判示第4及び第5の各事実について、「露出させたCの性器の周辺部を撮影し」たという行為の態様を踏まえ、その行為を社会的見解上一個のものと評価し、両罪がいわゆる観念的競合として科刑上一罪の関係にあるとした原判決の判断が誤っているとはいえない。よって、訴因の不特定をいう論旨は、その前提を欠いており、不法な公訴受理には当たらない。
  原判示第6については、重なり合うのが胸部を撮影する行為のみであり、上衣をまくり上げて乳房を露出させ、乳房を手で触るといったわいせつな行為をすることと胸部を撮影することとは、行為のもつ意味合いが相当異なることなどからすると、両罪が併合罪の関係にあるとの判断もあり得る。とはいえ、起訴状の公訴事実の記載は、「被告人は、(日時略)(場所略)において、同人(C)に対し、同人が前記状態(重度の知的障害を有していることにより同意しない意思を形成することが困難な状態)にあることに乗じ、同人の上衣をまくり上げてその乳房を露出させた上、その乳房を手で触り、さらに、被告人が使用する携帯電話機で、Cの胸部を撮影し、もってわいせつな行為をするとともに人の性的姿態等を撮影した」というものであるところ、これにより、検察官が不同意わいせつ罪及び性的姿態等撮影罪の各罪となるべき事実としてそれぞれいかなる事実を主張しているかは明らかであり、十分に特定されている。したがって、不法な公訴提起として公訴を棄却するには及ばないから、不法に公訴を受理したとはいえない。

3号ポルノの罪となるべき事実に「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態」が明示されていない事例(福岡高裁r7.4.15)

3号ポルノの罪となるべき事実に「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態」が明示されていない事例(福岡高裁r7.4.15)

「被告人がAの乳房及び陰部を直接手指で触って舌でなめる姿態、被告人がAの陰部付近に被告人の陰茎を直接押し当てて腰を振るなどの姿態、被告人がAの陰部に被告人の陰茎を直接押し当てて性交しようとする姿態」だと、性交類似行為と性器接触行為はわかりますが、3号の事実はわかりません。
 理由不備(絶対的控訴理由)だと思います。
 控訴すると検察官は「『被告人がAの乳房及び陰部を直接手指で触って舌でなめる姿態、被告人がAの陰部付近に被告人の陰茎を直接押し当てて腰を振るなどの姿態、被告人がAの陰部に被告人の陰茎を直接押し当てて性交しようとする姿態』は裸に決まっている」と弁解しますが、それなら「裸で」と書いておけということになります。

出典Westlaw Japan
裁判年月日  令和 7年 4月15日  裁判所名  福岡地裁  裁判区分  判決
事件番号  令6(わ)555号・令6(わ)648号
事件名  不同意わいせつ、性的姿態等撮影、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、不同意性交等未遂被告事件
文献番号  2025WLJPCA04156003

 (罪となるべき事実)
 被告人は、別紙記載のAが13歳未満の者であることを知りながら
第1  令和5年12月17日午前11時44分頃から同日午後0時38分頃までの間、福岡市a区(町名及び地番については別紙記載とおり。)の被告人方において、A(判示各犯行当時いずれも10歳)に対し、その乳房及び陰部を直接手指で触って舌でなめ、その陰部付近に自己の陰茎を直接押し当てて腰を振るなどのわいせつな行為をした上、その陰部に自己の陰茎を直接押し当てるなどして、Aと性交しようとしたが、同人が痛みを訴えたため、その目的を遂げず
第2  正当な理由がないのに、前記第1記載の日時場所において、Aに、被告人がAの乳房及び陰部を直接手指で触って舌でなめる姿態、被告人がAの陰部付近に被告人の陰茎を直接押し当てて腰を振るなどの姿態、被告人がAの陰部に被告人の陰茎を直接押し当てて性交しようとする姿態をとらせ、これらを被告人が使用する撮影機能付きスマートフォンで動画撮影した上、その動画データ1点を同スマートフォンの内蔵記録装置に記録させて保存し、もって13歳未満の者を対象としてその性的姿態等を撮影するとともに、児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態、他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの及び衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る記録媒体である児童ポルノを製造し

grokと児童ポルノ

grokで児童ポルノ製造?

 顔が実在児童、体は生成された裸であれば、日本法の児童ポルノには該当しない。実在する児童の姿態ではないから
https://okumuraosaka.hatenadiary.jp/entry/2023/08/09/105713
https://okumuraosaka.hatenadiary.jp/entry/2025/12/09/054431


 仮に児童ポルノになったとしても、公開等目的以外の製造行為は処罰されないから、せいぜい、単純所持罪(7条1項)。徹底して削除しておけば処罰されない。


https://news.yahoo.co.jp/articles/1cc069a1192bc7f6fa1ef2b4d8964f44bcfbe23d
具体的には、男子中学生が同級生の女子生徒がSNSに投稿した画像を生成AIで裸の姿に加工し、他の男子生徒に販売した事案などがあったといいます。

専門家は、法律に触れる可能性を指摘します。

インターネット上の犯罪に詳しい 神戸大学 森井昌克名誉教授
「一瞬でも載せてしまって、すぐに消したとしても、その画像は必ずどこかに残っていますので」
「未成年だったら児童ポルノ関係にもなる。非常に重い罪。名誉棄損や侮辱罪というかなり重い罪になる可能性がある」

恐喝の手口として、女を盗撮するように持ちかけられて、盗撮した場合の性的姿態撮影罪の成否

恐喝の手口として、女を盗撮するように持ちかけられて、盗撮した場合の性的姿態撮影罪の成否
 この事件の撮影者は記載されないと思いますが、法文上は、「ひそかに」というのが、児童ポルノ製造(7条5項)と同様に、、「撮影対象者に対象性的姿態等を撮影することを知られないような態様で、」という意味だとすると、隠しカメラを設置して作動させると、女性の承諾があっても、「ひそかに」ということになります。
 ちなみに。軽犯罪法上の「ひそかに」は,「見られないことの利益を有する者に知られることなく」という意味であり,見られる者の認識(承諾)を問題とする文言と解されている(注釈特別刑法第7巻,風俗・軽犯罪編111頁)。



「正当な理由がない」ことを要することとしているのは、医療準則にのっとって行われた撮影行為や、親が子の成長の記録として行う撮影行為を、構成要件の段階で処罰対象から除外するためであるとすると、恐喝の手口に乗った被害者だから盗撮行為につき「正当な理由」があるというのも無理があります。
 結局、性的姿態撮影罪の成立はやむを得ないと思います。情状を酌んで立件しないとか、起訴猶予という結論になるでしょう。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2eb17864ae4d9bdd402842d23db1cadd3611b4ac
 警察によりますと男性は、出会い系サイトで知り合った女から「性行為3人でしよう」などと誘われたということです。
 当日現場に現れた男(26)が男性に女を盗撮するよう持ちかけ、スマートフォンを脱衣場に置くなどして盗撮行為を実行させました。
 その後、女が脱衣所に置かれたスマートフォンを持ち出し、「警察に言うよ」と、盗撮行為を理由に男性を脅迫。男性は示談金名目で、現金100万円を手渡しました。

法務省逐条説明
2) 「ひそかに」撮影する行為(第1号)
「ひそかに」とは、撮影対象者に対象性的姿態等を撮影することを知られないような態様で、という意味である。
本号において「正当な理由がない」ことを要することとしているのは、医療準則にのっとって行われた撮影行為や、親が子の成長の記録として行う撮影行為を、構成要件の段階で処罰対象から除外するためである。

坪井麻友美検事「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律について」(法曹時報66巻11号29頁)
「ひそかに」
「ひそかに」とは,「描写の対象となる児童に知られることのないような態様で」という意味であり,児童が利用する脱衣所に隠しカメラを設置して盗撮するような場合が典型例である。
この要件は,児童を描写する行為の客観的態様についての要件であって,児童の承諾の有無を問題とする要件ではなく,また,当該児童が当該描写を認識しているか否かも間わない。
本項の児童ポルノの製造罪の趣旨は,前記のとおり,かかる行為が児童の尊厳を害し,児童を性的行為の対象とする風潮が助長され,抽象的一般的な児童の人格権を害する等の点にあり,その保護法益が児童のプライパシー権そのものではない上,本項が児童ポルノを製造する行為のうち,盗撮によるものを特に処罰することとした理由が,前記のとおり盗撮が行為態様の点において違法性が高いと考えられたことによるものであるから,本項の罪は児童の承諾の有無にかかわらず成立する。
注18) 「描写の対象となる児童に知られることのないような態様」に当たるかどうかは,一般人を基準に判断することとなる。客観的にこのような態様に当たる場合,通常,被写体となる児童は描写されていることを認識・承諾していない場合が多いと考えられるが,たまたま児童が隠しカメラの存在に気付き,盗撮されることを内心認容していた場合や,撮られる間際にカメラの存在に気付いた場合なども盗撮製造罪は成立し得る。
(注19) 「ひそかに」の他法令での用例としては,軽犯罪法の窃視の罪(同法第1条第23号「正当な理由がなくて人の住居,浴場,更衣場,便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」)があるところ,同法上の「ひそかに」は,「見られないことの利益を有する者に知られることなく」という意味であり,見られる者の認識(承諾)を問題とする文言と解されている(注釈特別刑法第7巻,風俗・軽犯罪編111頁)。軽犯罪法の窃視の罪の保護法益はプライパシー権であって被害者の承諾があれば法益侵害がないと考えられるのに対し,児童ポルノの盗撮製造罪の保護法益及び処罰の趣旨は上記のとおりであるから,両法における「ひそかに」の文言の意義は異なるものと解される。

性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律
(性的姿態等撮影)
第二条 次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
一 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十七条第一項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態
二 刑法第百七十六条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
三 行為の性質が性的なものではないとの誤信をさせ、若しくは特定の者以外の者が閲覧しないとの誤信をさせ、又はそれらの誤信をしていることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
四 正当な理由がないのに、十三歳未満の者を対象として、その性的姿態等を撮影し、又は十三歳以上十六歳未満の者を対象として、当該者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者が、その性的姿態等を撮影する行為
2 前項の罪の未遂は、罰する。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反被告事件(最決r7.12.23)の上告理由

 問い合わせがあったので、概要を載せておきます

https://www.courts.go.jp/hanrei/95271/detail2/index.html
事件番号令和6(あ)504
事件名 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和38年兵庫県条例第66号)違反被告事件
裁判年月日 令和7年12月23日
法廷名 最高裁判所第二小法廷

上告理由第2 法令違反~国法に性的姿態撮影罪ができたので条例の盗撮罪(判示第1)は廃止されたから、免訴にすべきであった 5
1 国法に性的姿態撮影罪ができたので国法と重複する範囲で条例の盗撮罪は廃止された(免訴の主張) 5
2 1審判決 6
3 原判決 9
4 盗撮行為については、国法に取って代わられたとする報道 11
上告理由第3 法令違反~盗撮の犯行場所は「その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」(大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例6条3項2号)に当たらない。 13
1 1審判決は会議室の一角を一時的に衝立等で仕切った領域を、「その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」に当たると判示した 13
2 原判決 14
3 「住居、浴場、便所、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」の「その他人が~~」は例示ではなく並列的記載であること。限定列挙であること 16
軽犯罪法 新装第2版(2013年 立花書房) 17
文書法令作成事務提要 警察庁長官監房企画室 17
稲田輝明木谷明注解特別刑法7-風俗軽犯罪法編第2版-Ⅲ-軽犯罪法 19
法務省刑事局軽犯罪法研究会編著『軽犯罪法101問』(立花書房,1995年5月)60ページ 20
4「その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」の解釈 21
※窃視罪では事務室・物置小屋は除外される 23
乗本正名ほか軽犯罪法第一条逐号解説警察学論集第15巻1号48頁 23
※ 窃視罪では、診察室は、「人が通常衣服を着けない状態でいるような場所」とされる 24
須賀正行『擬律判断・軽犯罪法【第二版】』(東京法令出版,2022年11月) 24
5 訴因変更後の訴因・1審判決について 24
6 原判決 26
7 軽犯罪法1条23号の「人が通常衣服を着けない状態でいるような場所」では、一時的な診察スペースは含まない 27
①「衣服を着けないでいることがほとんど予想されない事務室・物置小屋などは含まれない」乗本正名ほか軽犯罪法第一条逐号解説警察学論集第15巻1号48頁 27
②俵谷 軽犯罪法解説s57 29
③実務のための軽犯罪法解説 30
④植松正軽犯罪法講義s23 31
風俗営業等取締法軽犯罪法 法務総合研究所s47 32
軽犯罪法の解説 橋本裕藏 33
⑦「人の現在する可能性がそもそも考えられない場所などは本号の客体に当たらない。」平野龍一 注解特別刑法7 風俗・軽犯罪編 34
⑧地域実務研究会編軽犯罪法1条23号地域警察官のための初期捜査活動立花書房2005年8月 35


8 「会議室」は「人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」に該当しないこと 35
(1)「会議室」を、簡易な間仕切りで仕切ったところで、「人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」に該当しない 36
①「会議室のカーテン等で囲われた部分」の概要 37
②「会議室のカーテン等で囲われた部分」は、「人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」ではないこと。 41
9 まとめ 47


上告理由第6 憲法違反・法令違反~条例6条3項2号は軽犯罪法1条23号に反して違憲無効である 4
上告理由第7 判例違反~徳島市公安条例事件判決(最大判昭和50年9月10日刑集29巻8号489頁)に反する 21

父親による0歳児へのわいせつ行為につき監護者わいせつ罪を適用した原判決が破棄された事例(福岡高裁r7/11/27)

0歳への児童ポルノ製造についてはルーティンとして
  「性欲を興奮させ又は刺激するもの」に該当しない
   監護者わいせつ罪とは観念的競合
   製造罪は包括一罪
という主張をして欲しいところです。

 監護者わいせつについては、こういう法文の並びなので、176条3項のみが適用されると解釈します

第一七六条(不同意わいせつ)
3十六歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。
第一七九条(監護者わいせつ及び監護者性交等)
1 十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第百七十六条第一項の例による。
2十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第百七十七条第一項の例による。

今井猛嘉「監護者わいせつ罪及び監護者性交等の罪」法律時報90巻4号(通号1123) 2018年4月
3 本罪と他罪との関係等
最後に、本罪と他罪との関係を通じて、本罪の特徴を(再)確認しておきたい。
第一に、本罪の被害者は、18歳未満の者であって行為者(たる監護者)の監護に係る者(被監護者)である。被監護者に相当する者が13歳未満であれば、当該者に対する性的行為は、「現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて」性的行為がなされたか否かを問わず、強制わいせつ罪(176条後段)や強制性交等の罪(177条後段)が成立する。そのため、本罪の被害者となりうるのは、13歳以上18歳未満の被監護者に相当するものだということになる。
強制わいせつ罪や準強制わいせつ罪、又は強制性交等の罪や準強制性交等の罪が成立する場合には、これらに加えて本罪を成立するわけではない。本罪は、それらの罪の成立が困難な事案に着目し、事案の適正な処理のために、それらの罪と同等の罪質を有するものとして新設された類型だからである。もっとも、個々の事案の証拠関係に応じて、それらの罪又は本罪のいずれで処理するかは、検察官の訴追裁量に委ねられていると解される。

原判決はまだ収録されていません

d1law
判例ID28334004
裁判年月日等令和7年7月17日 / 福岡地方裁判所 / 第4刑事部 / 判決 /令和7年(わ)24号 /令和7年(わ)458号
事件名監護者わいせつ、性的姿態等撮影、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件
出典http://D1-Law.com判例体系
裁判結果有罪
裁判官田野井蔵人





https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2358242?page=5
控訴審で弁護側は・原判決の懲役3年6か月の実刑は重すぎる・執行猶予付きの判決が言い渡されるべきであると主張した。

一方、検察側は「現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて」の要件該当性に疑義があると判断し「監護者わいせつ罪」から「不同意わいせつ罪」への交換的な訴因等変更請求を行い、福岡高裁はこの請求を許可した。

福岡高裁
「『監護者わいせつ罪』が成立するためには、単に監護者が被監護者に対してわいせつな行為に及んだだけでは足りず、『現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて』の要件を満たす必要がある」
と指摘した。

そのうえで福岡高裁
・「影響力」とは被監護者の意思決定に作用を及ぼし得る力をいう
・「乗じて」といえるためには、上記影響力を及ぼしている状態でわいせつな行為を行えば足りる
・被監護者が行為者を監護者であると認識していなかった場合など、監護者の上記影響力と無関係にわいせつな行為が行われた場合には、これに当たらない
と判示した。

「乳幼児の発達や発育には個人差もある中、1審判決が娘を生まれて間もない子供であり認知能力が乏しいと認定しながら、各犯行当時の娘が父親を監護者であると認識してわいせつな行為に関する意思決定を行う能力を有していたことの立証もないまま、各監護者わいせつ罪の成立を認めたことは、経験則等に照らし不合理である」
「1審判決は『現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて』の要件の解釈適用を誤り、ひいては事実を誤認したものといわざるを得ず、この誤りが判決に影響を及ぼすことは明らかである」
として、1審判決を破棄し、新たに判決を言い渡すことを決めた。

監護者わいせつ罪と児童ポルノ製造罪は観念的競合にされることが多い

甲府地裁R6.11.6
判例番号】 L07951177
       不同意性交等、不同意わいせつ、性的姿態等撮影、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、監護者性交等(令和5年法律第66号による改正前)被告事件
【事件番号】 甲府地方裁判所判決/令和6年(わ)第116号、令和6年(わ)第161号、令和6年(わ)第194号
【判決日付】 令和6年11月6日
【掲載誌】  LLI/DB 判例秘書登載

千葉地裁R3.5.28
判例ID】 28292090
【裁判年月日等】 令和3年5月28日/千葉地方裁判所/刑事第5部/判決/令和1年(わ)797号/令和1年(わ)1250号/令和1年(わ)2163号/令和2年(わ)146号
【事件名】 監護者性交等、監護者わいせつ、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件
【裁判結果】 有罪
【裁判官】 前田巌 安重育巧美 井上寛基
【出典】 D1-Law.com判例体系
【重要度】 -

名古屋地裁岡崎R6.1.30
神戸地裁R6.8.8

東京都内で、深夜に17歳を同伴した場合

東京都青少年の健全な育成に関する条例の解説 令和元年8月
(深夜外出の制限)
第15条の4
1保護者は、通勤又は通学その他正当な理由がある場合を除き、深夜(午後11時から翌日午前4時までの時間をいう。以下同じ。)に青少年を外出させないように努めなければならない。
2何人も、保護者の委託を受け、又は同意を得た場合その他正当な理由がある場合を除き、深夜に青少年を連れ出し、同伴し、又はとどめてはならない。
3何人も、深夜に外出している青少年に対しては、その保護及び善導に努めなければならない。ただし、青少年が保護者から深夜外出の承諾を得ていることが明らかである場合は、この限りでない。
4深夜に営業を営む事業者及びその代理人、使用人、その他の従業者は、当該時間帯に、当該営業に係る施設内及び敷地内にいる青少年に対し、帰宅を促すように努めなければならない。
第二十六条 次の各号の一に該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
五 第十五条の四第二項の規定に違反して、深夜に十六歳未満の青少年を連れ出し、同伴し、又はとどめた者
第二十八条 ~第十五条の四第二項~の規定に違反した者は、当該青少年の年齢を知らないことを理由として、~~までの規定による処罰を免れることができない。ただし、過失のないときは、この限りでない。


【要旨】
本条は、第1項において保護者に対し、深夜に青少年を外出させない努力義務を課し、第2項においてすべての者に対し、保護者の委託又は同意を得た場合その他正当な理由がある場合を除いて、深夜に青少年を連れ出すこと等を禁止した規定である。さらに、第3項においてすべての者に対し、深夜に外出している青少年の保護及び善導を、第4項において深夜に営業を営む事業者等に、その施設内及び敷地内にいる青少年に対し、帰宅を促すことをそれぞれ努力義務として定めている。
【解説】
本条でいう「保護者」とは、第4条の2第1項の「保護者」と同義である。
近年、生活時間帯が深夜に及ぶとともに、深夜に営業する施設も増加したことなどから、青少年が深夜に繁華街を俳個し、コンビニエンスストア内や駐車場の敷地内、店の前の路上でたむろするなどの行動が目立つようになり、また、事件や犯罪に巻き込まれる事例も増えている。これらを背景に、平成16年の条例改正により新設された。
第1項は、本来第一義的に保護者が自覚を持つべき事項であるが、子供が深夜に俳個していたり、無断外泊をしていても、無関心であったり、携帯電話で連絡が取れるから問題がないとしてすぐに迎えに来ない保護者もいるなど、保護者の責任感が希薄化していることから、通勤又は通学その他正当な理由がある場合を除き、深夜に青少年を外出させない努力義務を保護者に課したものである。
これにより、保護者の責任を明確にし、自覚を促すことを目的としている。
ここでいう「正当な理由」とは、勉強又は就労(労働基準法で認められている範囲内に限る。)のように定例的なもの、本人又は保護者・親戚等の病気や事故、旅行先からの帰宅等の突発的又は一時的なものの両方が想定される。
第2項は、保護者の委託を受け、又は同意を得た場合その他正当な理由がある場合を除いて、深夜に青少年を連れ出し、同伴し、又はとどめることを禁止する規定である。保護者の同意等を受けず、また、その他正当な理由がないのに、青少年を深夜に連れ回すことは、まさに犯罪に巻き込まれる危険性があることから、設けられたものである。
保護者の委託又は同意の有無は、例えば、塾等に迎えに行くなど保護者の委託を受けて定例的に行っている場合、毎回必ず確認することまでは要さない。
また、ここでいう「正当な理由」とは、本人又は保護者の急な病気や事故等により、保護者に確認することが不可能な場合、事件や事故等に遭遇した青少年を助ける等、偶発的な理由により、結果として同伴することになった場合等を指す。
「連れ出し」とは、深夜に、青少年を東京都内の住居、居所等から離れさせることであり、その手段等は問わず、携帯電話やメール等での呼び出しであっても該当する。
「同伴」とは、現に同行し、又は同席する等、青少年と同一の行動を取っていることをいい、青少年が単独であると複数であるとは問わない。また、既に深夜に外出している青少年と同伴する場合も含む。
「とどめ」とは、深夜に連れ出している、あるいは深夜に既に外出している青少年が、帰宅の意思を表しているにもかかわらず、それを翻意させ、又は制止することをいい、その手段は問わない。
本条において、本項のみが罰則の対象となるが、罰則を適用されるのは、16歳未満の青少年を連れ出し、同伴し、又はとどめた者に限る。これは、中学生以下と高校生以上とで異なることを考盧したものである。
第3項は子供に対する大人の本来の責任を明確にするためのものである。
第1項及び第2項を受けて、すべての者が、深夜に青少年が外出することは望ましくないとの認識を持ち、そのような青少年と会った場合は、保護するとともに、今後は深夜に外出しないように促すことを求めた規定である。
「保護」とは、深夜外出している青少年が被害に遭わないための未然防止策であり、例えば、飲酒、喫煙、けんか等自身を損ない、又は周囲に迷惑をかける行為をしている場合に、警察や消防などへ通報することが挙げられる。
「善導」とは、深夜外出している青少年に帰宅を促すとともに、犯罪に巻き込まれないため等の注意喚起を促すことである。
なお、保護者から深夜外出の承諾を得ている場合には、やむを得ない場合と考えられることや、保護者が責任をもって行わせていることであるため、必ずしも保護及び善導に努める必要はない。
第4項は、第16条にいう深夜立入制限施設には該当しないが、深夜に営業を営んでいる事業者等は、本条及び第16条の制定趣旨を十分に理解し、協力する必要があるとして、特に、当該営業に係る施設内等にいる青少年に対する帰宅を促す責任があることを規定したものである。
「深夜に営業を営む者」とは、深夜に営業しているスーパーやコンビニエンスストア、ドラッグストアなどの経営者等を想定している。また、帰宅を促す方法としては、掲示や放送等が有効と考えられる