児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

強制わいせつ致傷罪で執行猶予(岡山地裁H22.2.5)

 裁判員はなにで量刑しているのでしょうか?
 行為責任ではなく、再犯危険で量刑するのもどうかと思うのですが、刑事訴訟で再犯危険の資料というと、前科前歴と余罪くらいしかないので、前科前歴余罪がない場合には、そう重視されないです。
 逆に再犯危険あるとして実刑を選択したとしても、行刑によって、この被告人の再犯危険を減少させることができるという自信もないのだから、説得力がないですよ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100206-00000298-mailo-l33
被告(33)に対し、懲役3年、保護観察付きの執行猶予5年(求刑・懲役3年)を言い渡した。
 判決によると、被告は昨年8月、倉敷市内で女子高生(当時17歳)の体を触り、顔を殴るなどして8日間のけがを負わせた。判決は「深く反省し、再犯のおそれがあるとまでは言い切れない」などとして実刑を避けた。
 判決後の記者会見では「性犯罪は裁判員裁判になじまないのでは」との質問に、40代男性裁判員が「性犯罪こそ市民や国民の感情、意見を尊重し、裁判員裁判で裁くべきではないか」と答えた。また、公判で質問のなかった30代女性裁判員は「性犯罪に限らないが、“被告と直接目が合うと怖い”という気持ちがあり、あえてしなかった」と話した。また「保護観察が付いたのはどうしてか」との質問は、地裁側が「裁判員法が禁じる評議の秘密を漏らすことにあたる」として制止した。
 弁護人の妹尾直人弁護士は「市民感覚が反映され妥当」、岡山地検の岩崎吉明次席検事は「被害内容と被告の更生の両方に配慮している」と、ともに評価した。【松井豊、石井尚】