児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

強盗致傷罪に性犯罪者処遇の保護観察(千葉地裁H21.9.18)↑→

 古いですが強盗致傷罪の量刑分布グラフを探してきました。(岡山理科大学小島透「統計データからみた量刑の諸問題」(刑法学会第84回大会ワークショップ2 「量刑法」2006年5月28日)) 執行猶予は付かないことはないんですが、グラフでは見えない。

 物干盗。
 罪名と処遇が合いませんが、保護観察の性犯罪者処遇は罪名にこだわらないようなので、適用可能です。
 性犯罪といっていいと思うんですが、財産犯で起訴すると、財産的損害が小さいと、量刑は低くなります。

http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009091801000925.html
【量刑の理由】
 被告の行為は重大な結果に至る恐れがあったが、刑罰は被告の行ったことに対し科すべきもので、現実に生じた結果は約5日間の傷害であり、暴行の危険性を殊更に強調するのは相当でない。
 下着を盗まれた被害者と腕をかまれた被害者と示談が成立している。物事を金で解決しようとする態度も垣間見えるが、給料のほぼ1年分に相当する現金を弁償に充て、十分な損害の補てんがなされている。
 これまで被告は複数回、痴漢行為によって罰金に処せられていながら再び本件犯行に及んでおり、法律を守る意思に乏しいことから実刑に処することも理由があった。だが社会で生活する者からすると、二度と同様の犯罪を繰り返さないように社会が監視し更生させることが重要だ。
 被告の前科、前歴からすると更生の意欲を持ち続けることができるか心配であるため、保護観察所の指導監督下で、性犯罪処遇プログラムを受けさせるなどして更生の道を歩ませるのが相当と判断した。
 【裁判長の説諭】
 今後も更生の意志を継続して持ち続けることが大事。今の気持ちを忘れないようにしてください。

難解な法律論をかまして、迷わせると、軽くなるというのは情けないですよね。まるで、児童ポルノ・児童買春の法廷みたいじゃないですか。