「児童との対償供与(の約束)し性交等」のパターンにおいては、対償供与(の約束)の時点で、児童であることを認識していなければなりません。
- 児童と約束する
- 児童に対償供与する
という構成要件ですから。
「児童の認識なく対償供与し、その後、児童であると認識して性交等した場合」には、認識以降性交等以前の時点に「対償供与の約束」が認められなければ児童買春罪は成立しません。
といっても、どこかにそういう時点がありますから難しいことはありません
そんなことにこだわる弁護人もいませんし。
実際、地裁の裁判例の「罪となるべき事実」を見ている限りでは、児童買春罪の構成要件を満たさないものも見受けられます。
http://www.zakzak.co.jp/top/2006_01/t2006012108.html
ホテルで中3と分かったが止まらず巡査長、児童買春
少女とは出会い系サイトを通じて知り合い、ホテルで中学3年と分かったという。
ZAKZAK 2006/01/21
第2条(定義)
この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。
2 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
一 児童
二 児童に対する性交等の周旋をした者
三 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者
児童買春罪には未遂処罰規定がないので、実行の着手時期の議論はありませんが、共犯事件では、何を共同すれば共犯になるのかという切り口で争われることもあります。
共犯事件の裁判例の犯罪事実を見れば、実務の大勢をつかむことができます。