児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

送信させる3項製造罪を間接正犯構成によって被告人の単独犯とした事例

 手堅く間接正犯説。
 しかし、ここまで強いると、強要罪ですよね。

阪高裁平成19年12月4日(上告棄却)
所論は,原判示の児童ポルノ製造罪について、当時14歳の被害児童c自身が、携帯電話の内蔵カメラで自分の裸体を撮影し、その画像をメール送信したものであるから被告人に本罪の間接正犯は成立しないのに、被害児童を道具とする間接正犯とした原判決には、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがある、というのである。
しかしながら、関係証拠によれば、被害児童は、被告人との間で、メールのやりとりをしていることを、被告人から告げ口されるのを恐れる余り、被告人の命じるままにするほかないと考えて、画像を送信したものであることが認められるのであって、そのような本件の犯行態様に加えて、被害児童の性別、年齢等諸般の事情に照らすと、被害児童は意思を抑圧されていたと認めるのが相当であり、本件を被告人の単独犯行であるとした原判決に何らの法令適用の誤りもない。
なお、所論は、間接正犯とする場合には、14歳の被害児童が完全に道具となったことを判示しなければならないのに、「同女をして電子メールで送信させて」と判示したにとどまる原判決には理由不備の違法がある、というが、前述のとおり、原判決の「罪となるべき事実」には、本件犯罪に該当する被告人の行為が具体的に特定明示されており、かつ、「法令の適用」の項における記載とも相まって、それが被告人単独による犯行であることが疑問の余地なく示されているといえるから、原判決に理由不備の違法があるなどということはできない。

一審判決
平成21年10月1日被害児童c方において、c(当時14歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら、cをして、同女所有に係る携帯電話機内蔵のカメラを使用してその裸体、陰部等をあらわにした場面を撮影記録し、同撮影に係る画像8枚を、被告人のメールアドレス宛に電子メールで送信させて、上記画像データを同日、いわゆるメールボックスと呼ばれる上記株式会社管理に係るメールサーバーコンピュータの記憶装置であるハードディスク内の被告人に割り当てられた領域に記憶、蔵置させ、もって、衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものをとらせ、これを視覚により認識することができる電磁的記録媒体に描写することにより、同児童に係る児童ポルノを製造した

最近、強要しなくて頼んだとか買った場合にも3項製造罪の単独正犯とする事例が見受けられますが、大阪高裁は間接正犯の成否の問題として検討したということです。