栗原一紘「ひそかに児童買春児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児菫の保護等に関する法律2条3項各号のいずれかに掲げる児菫の姿態を電磁的記録に係る記録媒体に記録した者が、当該電磁的記録を別の記録媒体に記録させて児童ポルノを製造する行為につき、同法7条5項の児童ポルノ製造罪が成立するか(積極) (最高裁令和元年11月12日決定・刑集73巻5号125頁、判例時報2441号61頁、判例タイムズ1471号18頁、ジュリスト1549号97頁等)警察学論集94巻09号
ひそかに製造罪は、ハメ撮り行為に適用してしまってる例が多く、よく理解されていません。
複製を製造罪に取り込んで最終複製物を没収したいのに、改正でも手当てできなかったところなので、上告しておきました。
1審の検察官・裁判官がお粗末でしたね。
なお、一審において、検察官は、前記①の電磁的記録については児童ポルノ法違反のみが成立すると主張していたが、判決は、前記①の電磁的記録について、児童ポルノ法違反に加えてわいせつ電磁的記録有償頒布目的保管罪の成立も認めた。
(2) これに対し、被告人が控訴し、理由不備訴訟手続の法令違反、法令適用の誤り、事実誤認、量刑不当の主張を行った。
控訴審・名古屋高裁は
○職権判断として、一審判決は、事実②について、検察官がわいせつ電磁的記録有償頒布目的保管罪で処罰を求めず、児童ポルノ法違反のみで処罰を求めた前記⑪の電磁的記録2点につき、前者の罪も成立するとしており、審判の請求を受けない事件について判決をしたから、刑事訴訟法378条3号後段に規定される破棄事由があり、破棄を免れないとし、新たに前記②のとおりの事実を認定した上で(なお、事実②について、検察官は「保管罪」で起訴し、一審判決も「保管罪」の成立を認めていたが、控訴審は「所持罪」の成立を認めた)