児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

下着露出が刑法犯というのは初耳です。。。【舟橋弁護士】例えば、胸や下半身などの陰部が見えてしまう、または明らかに下着が見えてしまう、などがNGラインと言えるでしょう。布一枚へだててほぼ下着が透けている、というものNGでしょう。こういった場合、刑法でいうところの『公然わいせつ罪』に該当する可能性があります。

 昔から「接吻や乳房を露出する行為は,それのみではわいせつといえないであろう」「接吻や乳房露出などはわいせつ行為ではない。」と解説されています
 軽犯罪法とか迷惑条例とかを検討してみてはどうでしょう。

http://okumuraosaka.hatenadiary.jp/entry/2017/07/12/000000
刑法第一七四条(公然わいせつ)
 公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
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軽犯罪法1条
二十 公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者
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条解刑法
3) わいせつわいせつの語は,本条以外でも用いられており,各条によってその解釈には若干の違いが生じるが本条においては次条の場合とほぼ同様に,性欲を刺激,興奮又は満足させる行為であり,普通人の性的差恥心を害し,善良な性的道義観念に反する行為をいうものと解される。次条注2同参照。
社会におけるいわゆる風俗営業の内容は,時代に応じて変化しているから,本罪に該当するわいせつな行為を指摘し尽くすことは困難である。わいせつの概念も社会と時代につれて変わり得るが,殊更に陰部を露出する行為や,性交又は性交類似の行為を公然と行うことが本罪に該当することは,当分変わらないであろう(注釈(4)282,大コンメ2版( 9113)。これまでにわいせつとされた具体的な例としては,陰部を露出するストリップショー(最判昭25・11・21集4-11-2355,最決昭30・7・1集9-9-1769),張り形を用いて行う性交の実演(最決昭32・5・22集115 1526)' 見物客にのぞかせながら密室内で行う性交の演技(大阪高判昭30・6・10高集85 649)等がある。他方,接吻や乳房を露出する行為は,それのみではわいせつといえないであろう(ポケット412
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ポケット注釈刑法第3版
姦淫は猥褻行為であるが、接吻や乳房露出などはわいせつ行為ではない。入浴のためや美術上のモデルとなるためなど正当理由のある揚合でない限り、全抑制はおおむね狼裂の観念にはいるものと解されてきた。しかし、「猥褻」の概念は社会通念として変化しつつある。特別の姿態をしない単純な全裸は、美術鑑賞に近い場合として猥褻でないと認めてよいことも多くあるであろう。
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池本判事 裁判例コンメンタール刑法
3 わいせつ行為
わいせつ行為は、基本的には後記175 条と向様、いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、かつ普通人の正常な性的基恥心を脅し善良な性的道義観念に反するものである。この程度に至らない身体の一部露出、排尿行為等は軽犯罪法1 条20 号、26号違反となり得るにすぎない。
(2) 否定例
福島簡判昭33・1・18一審刑集1 ・1 ・21 は、いわゆる触り魔のような事案であるが、友性の臀部を着衣の上から数回手で撫でまわした行為の性的行為性を存定し、公然わいせつ罪を無罪としている。
なお、公然性との兼ねあいで、性器を露出してもわいせつ性が存定されることもあり得る(前田各論409、山中各論Ⅱ655) 。東京高判、H17 ・2 ・7く未>は、6 月ド旬の早暁に人通りのない路地で男性が墜に向かいズボンを下ろして陰部を露出した行為につき、ことさらに他人に示したとか性的興奮を満足させるための行為と認められないなどとして、公然わいせつ罪の成立を否定した。

https://www.oricon.co.jp/special/54138/
露出にまつわる犯罪といえば『公然わいせつ罪』が思い浮かぶが、法律的な視点ではどこまでがOKで、どこからがNGなのか? コミケコスプレイヤーや来場者の声とともに、レイ法律事務所の舟橋和宏弁護士に話を聞いた。
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 それぞれ、「行き過ぎた露出はよくない」という意識はあるようだが、置かれた立場によって、微妙な温度差が感じられる。では実際、コスプレの露出はどこまでがOKで、どこからがNGなのか。法律的な視点を舟橋弁護士に語ってもらった。
『公然わいせつ罪』で処罰されると6ヶ月以上の懲役、30万円以下の罰金
――法律的には、どこまでがOKでどこからがNGなのですか?

【舟橋弁護士】例えば、胸や下半身などの陰部が見えてしまう、または明らかに下着が見えてしまう、などがNGラインと言えるでしょう。布一枚へだててほぼ下着が透けている、というものNGでしょう。こういった場合、刑法でいうところの『公然わいせつ罪』に該当する可能性があります。

――逮捕もありうるのでしょうか?

【舟橋弁護士】可能性という意味ではゼロではありません。そして、逮捕されて『公然わいせつ罪』として処罰される場合には、6ヶ月以上の懲役、30万円以下の罰金が課せられ、いわゆる「前科」がつくことになります。