児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

PCSC協定の実施に関する法律で情報提供される対象について、国内法における罪名は決まってない

 「重大な犯罪を防止し,及びこれと戦う上での協力の強化に関する日本国政府アメリカ合衆国政府との間の協定」「重大な犯罪を防止し,及びこれと戦う上での協力の強化に関する日本国政府アメリカ合衆国政府との間の協定の実施に関する法律」についての相談があったので、調べてみました。
 警察庁にも問い合わせたんですが、日本法の罪名は決まってないようです。
 強制性交・強制わいせつ罪。児童ポルノ・児童買春は入るんでしょうが。

http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2014pdf/20140501035.pdf
具体的には、1)テロリズム又はテロリズムに関連する犯罪、2)拷問、3)殺人、傷害致死又は重過失致死、4)重大な傷害を加える意図をもって行う暴行又はそのような傷害をもたらす暴行、5)恐喝、6)贈収賄又は腐敗行為、7)横領、8)重罪に当たる盗取、9)住居侵入、10)偽証又は偽証教唆、11)人の取引又は密入国、12)児童の性的搾取又は児童ポルノに関連する犯罪、13)麻薬、マリファナその他の規制物質の不正な取引、頒布又は頒布を意図した所持、14)火器、弾薬、爆発物その他の武器の不正な取引又は火器に関連する犯罪、15)詐欺又は欺もう的行為を行う犯罪、16)税に関連する犯罪、17)犯罪収益の洗浄、18)通貨の偽造、19)コンピュータ犯罪、20)知的財産に係る犯罪又は製品の偽造若しくは違法な複製、21)身元関係事項の盗取又は情報のプライバシーの侵害、22)環境に係る犯罪、23)外国人の許可されていない入国・居住又は不適正な入国の助長、24)人の器官又は組織の不正な取引、25略取、誘拐、不法な拘束又は人質をとる行為、26)強盗、27)文化的な物品の不正な取引、28)偽造(行政官庁の文書(例えば、旅券及び旅行証明書)又は支払い手段の偽造を含む)、29)生物学的物質、科学的物質、核物質、放射性物質の不正な取引・使用又はこれらの不法な所持、30)盗取・偽造された物品又は盗取された若しくは不正な文書・支払手段の取引、31)強姦その他の重大な性的暴行、32)放火、33)航空機・船舶の不法な奪取又は公海における海賊行為、34)妨害行為、という犯罪等の 34 類型が附属書Ⅰにおいて規定されている。

[155/159] 186 - 参 - 内閣委員会 - 17号 平成26年05月27日
山本太郎君 新党と名のりながら独りぼっちの山本太郎です。新党ひとりひとり、山本太郎です。よろしくお願いします。
 重大な犯罪を防止し、及びこれと戦う、コンバットする上での協力の強化に関する日本国政府アメリカ合衆国政府との間の協定と、PCSC協定の実施に関する法律案について御質問いたします。
 私は、このPCSC協定、日米指紋照合、情報提供システム協定は、何かこれ、同じ臭いがするものがあったなと思うんですよね。それ思い出したんですけれども、去年大変な問題となりました、多くの国民の反対の意思を押し切って成立してしまった、現在も多くの議論がある、そして私自身これは廃止するべきだと思っております特定秘密保護法と何か似ているところがあるんじゃないかなと思いました。行政機関が市民、国民のコントロールの利かないところで、市民、国民の自由と人権を侵害する協定、法律になるんじゃないかなと心配しております。
 日本弁護士連合会、日弁連ですね、この協定と法案の問題点を大きく分けて六つ挙げられておられます。第一に、日米捜査共助条約の運用状況から見て制度新設の必要性に疑問があること、第二に、自動照会システムであるため自動照会の要件を確認する仕組みとなっておらず、照会の濫用をチェックすることができないこと、第三に、対象犯罪が広範に過ぎると考えられること、第四に、対象となる指紋情報等の範囲が広過ぎること、第五に、提供された指紋情報等が本来の利用目的以外の目的で利用される可能性があること、第六に、提供される情報が将来拡大されるおそれがあること、以上の問題点が克服、解決されない限り本協定の締結は承認されるべきではないと、本実施法案は成立させるべきではないと日本弁護士連合会の意見書には書いてあります。僕もこれを読んだときに、ああ、同じ意見だなと思いました。
 そこで、まず外務省に質問したいと思います。
 この協定、法案は、重大な犯罪(特にテロリズム)を防止し、及びこれと戦うためのものということなんですけれども、この重大な犯罪(特にテロリズム)の中に特定秘密保護法違反、含まれていますか

○政府参考人(河野章君) お答え申し上げます。
 この協定におきまして重大な犯罪というのを定義付けておるわけでございますけれども、それは二つのカテゴリーございますが、一つには、死刑、無期又は長期三年以上の拘禁刑に当たる犯罪、それと、もう一つのカテゴリーが長期三年未満一年超の拘禁刑に当たる犯罪であって附属書Ⅰに掲げる犯罪の類型に該当するものと、こういうふうに書いてあります。
 特定秘密保護法におきましては、特定秘密の取扱いの業務に従事する者がその業務により知得した特定秘密を漏らしたときは、十年以下の懲役に処し、又は情状により十年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処するなど、それ以外にも罰則規定はございますけれども、そういった罰則規定を置いておるものというふうに承知しております。
 このように、協定に定めます重大な犯罪の定義、長期三年以上の拘禁刑に当たる違反行為につきましては、この協定におきまして重大な犯罪に該当することになります。
 いずれにしましても、具体的な事案によりまして特定秘密保護法の違反に当たるのかどうか、またいかなる罰則が適用されることになるのかというのは、個別の事案に応じてしかるべく判断されていくことになるというふうに考えております。

山本太郎君 協定第一条、定義では、重大な犯罪とは、死刑又は無期若しくは長期一年を超える拘禁刑に処することとされている犯罪を構成する行為であってこの協定の不可分の一部を成す附属書Ⅰに規定されるもの、この附属書Ⅰには、犯罪又はこれらの犯罪の未遂、共謀、幇助、教唆若しくは予備と書いてあり、さらに、及び死刑又は無期若しくは長期三年以上の拘禁刑に処することとされている犯罪を構成するその他の行為と書いてあります。随分幅が広いなあって感じてしまうのは、これ、僕だけなんですかね。
 現在の日本の法律でこれらに該当する犯罪、幾つあるんでしょうか。法律の条文の数で答えていただけますか。

○政府参考人(河野章君) お答え申し上げます。
 この協定に規定します重大な犯罪というのは、今委員から御指摘ありました長期三年以上というのと、それから長期一年から三年ということに分かれておりますけれども、附属書Ⅰにおきまして、その長期一年から三年につきましては三十四の類型というものを掲げてございます。
 この三十四の類型という書き方になっておりますのは、それはアメリカにおける規定の仕方と日本における規定の仕方、法律の規定の仕方というのが必ずしも一致していないことから、あるいはアメリカにおきましては州と連邦においても違うと。そのような事情もあって逐一、一対一でその法律と対応させるということは極めて煩雑といいますか、非常に膨大な作業になるということもありまして、この犯罪の類型という格好で掲げたものでございます。
 この三十四の犯罪類型というのは我が国の法令における罪名と一対一に対応しているものではございません。この犯罪類型に該当する具体的な事案というのが我が国の法令においていかなる罪名に該当することになるのかというのは、それぞれの個々別々の具体的な事実関係を踏まえて個々の事案ごとに判断されることになるということになります。
 具体的な事案を離れまして、一般論として附属書Ⅰの犯罪類型が我が国においてどのような犯罪に該当するのかとか、あるいは該当する犯罪の数について包括的にお答えをすることは、申し訳ございませんが、困難でございます。

山本太郎君 条文の数は答えられないという一言で終わるような話だったと思うんですけれども、随分と丁寧に御説明ありがとうございました。
 とにかく、一年以上、三十四の犯罪の類型。一年以上というところ、三十四の類型と、そしてそれ以外にも三年以上という部分をくくりにしてざっくり切っているだけだと、その一つ一つの犯罪、どういうものに当たるのかということはまだ一度も数えたことがないんだという話ですよね。
 それでは、条文の数とその法律の条文の一覧表というのを資料請求したいんですけれども、提出していただけますか。

○委員長(水岡俊一君) 河野参事官、質問に答えてください。


○政府参考人(河野章君) 申し訳ございません。
 ただいま申し上げましたとおり、この類型として書いております犯罪につきまして、逐一該当する国内の犯罪というのは何であるかという条文を特定するというのはちょっと困難でございますので、今御指摘いただきましたその一覧表というものを作ることはちょっと困難かと思います。

山本太郎君 まあ面倒くさいということだけなんだと思うんですけれども、そうですか、残念ですね、本当にね。
 協定の附属書なんですけれども、Ⅰには三十四の犯罪類型、先ほどから言っております、というのが示されているんですけれども、日本の法律でどういう犯罪になるのかというのがよく分からないものありますよね。例えば、二番目にある拷問であったり、十九番にあるコンピューター犯罪であったり、三十四番目にある妨害行為、サボタージュ、これ日本ではそれぞれどんな犯罪に当たるのかという部分を説明していただきたいんです。手短にお願いします。

○政府参考人(河野章君) お答え申し上げます。
 全般的な前提は先ほど申し上げておりますので繰り返しませんけれども、今御指摘ありました拷問ということにつきましては、あえて一般論として申し上げれば、傷害罪、刑法で申し上げれば第二百四条、あるいは暴行罪、刑法第二百八条などが該当するのではないかというふうに思われます。それから、コンピューター犯罪につきましては、不正指令電磁的記録作成罪、これは刑法第百六十八条の二でございます。あるいは、不正指令電磁的記録取得罪、刑法第百六十八条の三などがこれに該当し得るだろうというふうに考えております。それから、妨害行為、サボタージュでございますが、これにつきましては建造物損壊罪、刑法第二百六十条、あるいは器物損壊罪、刑法第二百六十一条等に該当する可能性があるというふうに考えております。
 ただ、いずれにしましても、個別具体的な事実関係を踏まえて、個々の事案ごとに該当、何であるかというのを判断することになると考えております。