児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

わいせつ図画罪について2年6月が求刑された事例(宇都宮地裁H19.1.10)

 法定刑を越える(併合罪加重された)求刑が目を引きます。
 店ごとに販売と所持が包括一罪になりますが、同一市内の本店と支店とで販売・所持すると併合罪とされる事例が多いようです。
 弁護人も古い知識で「わい図画だから、最高でも2年ですよ。」なんて説明していると「求刑懲役3年」「懲役3年に処する」なんて言われて恥をかきます。
 池本裁判官は、児童ポルノのみの事件では1回ごとに併合罪にしているはずです。上限は7年6月です。

わいせつDVD販売目的所持 被告に有罪判決 宇都宮地裁=栃木(読売新聞) - 2007年1月11日
 被告に懲役2年執行猶予4年(求刑・2年6月)、わいせつDVDとビデオテープの没収を言い渡した。
 判決によると、被告らは昨年8月下旬、販売店「」や系列店などで、わいせつDVD1万4689枚とビデオテープ2934本を販売するために所持するなどした。

刑法
第175条(わいせつ物頒布等)
わいせつな文書、図画その他の物を頒布し、販売し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処する。販売の目的でこれらの物を所持した者も、同様とする。

 なお、現行法では、「又は」ですから懲役刑と罰金刑とを併科できません。
 改正案では併科可能です。

http://www.moj.go.jp/SHINGI/030704-1.html
第二  わいせつ物頒布等の罪(刑法第百七十五条)の改正
 一  わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科するものとすること。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も同様とすること。
 二  有償で頒布する目的で、一の物を所持し、又は一の電磁的記録を保管した者も、一と同様とすること。