13歳未満に裸画像を撮影送信させた行為について、「撮影行為はそれ自体強制わいせつ罪を構成すると解される。しかし,被告人が原判示第4の罪に係る行為をした意図は児童ポルノの製造(特に自ら所持等する装置への記録)にあるし,原判示第4の事実には強制わいせつ以外の行為が含まれているのであって,撮影行為はその一部にすぎない。」から全体としては強制わいせつ罪(176条後段)には当たらない(広島高裁岡山支部平成30年8月29日)
最近は、送信させ受信して記録保存するところまで不同意わいせつ罪で起訴されていますが、高裁判例違反です。
事件名 詐欺、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、著作権法違反、私電磁的記録不正作出・同供用被告事件
文献番号 2018WLJPCA03126005
westlaw
岡山地裁h30.3.12
第4 A(13歳未満。以下「A」という。)が18歳に満たない児童であることを知りながら、別表2記載のとおり、平成年月日午後11時15分頃から同月日午前10時43分頃までの間、前後8回にわたり、●●●内の同児童方において、同児童に、その乳房又は陰部を露出させる姿態をとらせ、これを同児童の撮影機能付きスマートフォンで静止画又は動画として撮影させた上、その静止画像データ3点及び動画データ5点を、同スマートフォンから被告人のパーソナルコンピュータに電子メール添付ファイルとして送信させてこれらを受信し、同月日午後11時17分頃から同月日午後零時23分頃までの間、上記被告人方において、同静止画像データ3点及び同動画データ5点を同パーソナルコンピュータに記録させて保存し、もって衣服の全部または一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した。
広島高裁岡山支部平成30年8月29日宣告
原判決岡山地方裁判所平成30年3月12日宣告
主文
原判決を破棄する。
理由
(2) 訴訟手続の法令違反の主張(前記第1・3(2))について
確かに,この主張のとおり,原判示第4の事実のうち,前記(1)の②の撮影行為はそれ自体強制わいせつ罪を構成すると解される。しかし,被告人が原判示第4の罪に係る行為をした意図は児童ポルノの製造(特に自ら所持等する装置への記録)にあるし,原判示第4の事実には強制わいせつ以外の行為が含まれているのであって,撮影行為はその一部にすぎない。そして,起訴状記載の罰条も併せれば,検察官が強制わいせつを起訴したのではないことは明白であって,審理の範囲が定まらないとか,防御に支障が生じるというものでもないから,訴因が不特定であるとはいえない。また,検察官が起訴したのは非親告罪である児童ポルノ製造罪であるから,強制わいせつ罪の起訴であることを前提に親告罪における告訴が欠ける旨の弁護人奥村及び被告人の主張を採用する余地はなく,この点で原判決に訴訟手続の法令違反はない