児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「過失がないとき」とは、具合的事実ごとに提出された客観的資料の種類、その提出の際の状況及びその確認方法の有無、難易度を総合的に検討して、相会通念に照し、通常可能な調査が適切に尽くされているか否かによって決められることになる(大阪高裁46. 11) ~愛知県青少年保護育成条例の解説

「過失がないとき」とは、具合的事実ごとに提出された客観的資料の種類、その提出の際の状況及びその確認方法の有無、難易度を総合的に検討して、相会通念に照し、通常可能な調査が適切に尽くされているか否かによって決められることになる(大阪高裁46. 11) ~愛知県青少年保護育成条例の解説

「大阪高裁46. 11」じゃ、高裁判例探せないですが、
児童買春罪に過失犯がないことから、18歳未満への性的行為の規制について、有償・無償を問わず、使用者には年齢確認義務を負わせ、非使用者には年齢確認義務を負わせないというのが国法であることが明確になっています。

 各地の青少年条例を分類したことがあります。淫行する際の年齢確認義務は、よくわかりません。

各地の青少年条例における年齢確認義務の内容 57
①両親が示した戸籍謄本も疑えとするもの~香川県・埼玉県 57
②戸籍・住民票まで調査すべきとするもの~山形・福島・愛知・愛媛 60
ア 大阪高裁s46を引用して、この程度の年齢確認義務があると説明する~山形・福島・愛知・愛媛 60
イ 大阪高裁s46には言及しないが、戸籍・住民票まで調査する義務があるという自治体~群馬・埼玉・静岡・香川・沖縄 62
ウ その他公信力のある証明書での確認を求めるもの~宮城・茨城千葉・新潟・石川・兵庫・鳥取・鹿児島 66
③必ずしも証明書までは必要なく、干支や生年月日尋ねれば足りるとするもの~北海道・・岩手・秋田・富山・岐阜・滋賀・京都・奈良・和歌山・島根・岡山・広島・愛媛・高知・福岡・宮崎 69
④通常人ならば青少年でないかと疑いを持つようなときに、相手方に年齢を問う程度のものであり、身分証明書運転免許証等による年齢調査義務まで求めたものではないとするもの~山口県 75
山口県青少年健全育成条例の解説 令和元年7月 75
⑤ 過失犯を処罰しないもの(東京都) 76
⑥ 具体的内容が不明のもの~栃木・徳島・佐賀・熊本・大分 76

https://www.pref.aichi.jp/syakaikatsudo/jole/jobun.pdf
第29条
8 第5条第3項、第6条第3項、第10条第3項、第14条から第15条まで、第17条第2項、第17条の2第1項、第17条の3、第17条の4又は第20条第1項若しくは第2項の規定に違反した者は、当該青少年の年齢を知らないことを理由として、第1項から第4項まで、第5項(第1号、第2号、第7号、第9号及び第10号を除く。)、第6項(第2号を除く。)又は第7項(第2号、第3号及び第7号を除く。)の規定による処罰を免れることができない。ただし、当該青少年の年齢を知らないことにつき過失がないときは、この限りでない。

・・・
愛知県青少年保護育成条例の解説H27
第8項の規定は、青少年の年齢を知らなかったという理由で処罰を免れることがないことを規定したものである。
「過失がないとき」とは、具合的事実ごとに提出された客観的資料の種類、その提出の際の状況及びその確認方法の有無、難易度を総合的に検討して、相会通念に照し、通常可能な調査が適切に尽くされているか否かによって決められることになる(大阪高裁46. 11) 。

青森地裁八戸支部r4.2.2
 3 過失の有無について
   検察官は,Aが18歳以上だと被告人が信じる根拠はなく,被告人が勤務先で18歳未満の青少年と淫行すれば処罰対象であるとの教育を受けていたことからすれば,被告人において,Aの年齢確認に必要な方法を尽くすべき注意義務があったと主張する。
   しかし,Aが18歳以上だと被告人が信じる根拠がないこと自体は,必要な注意義務を尽くしたかどうかの問題であって,注意義務発生の根拠とはならないし,18歳未満の青少年との淫行が多くの都道府県の条例で処罰対象とされていることは公知の事実であり,被告人が受けていた教育内容によって,被告人に特別の注意義務を課すことは相当でない。
   そして,Aの容姿は,一見して18歳未満であると疑うべきということはできず,被告人においてAが18歳未満であると疑うべきといえるようなAの言動があったことを認める証拠もない。
   以上により,被告人において,Aの年齢を確認すべき注意義務があったということはできないから,Aの年齢を確認するのに必要な方法を尽くさなかったということはできない。
 4 結論
   したがって,被告人には,Aが18歳未満であることを知っていたとも,Aの年齢を確認するのに必要な方法を尽くさなかったとも認めることはできず,主位的訴因及び予備的訴因のいずれについても犯罪の証明がないから,刑事訴訟法336条により,主文のとおり判決する。
(求刑・罰金40万円)
  令和4年2月2日
    青森地方裁判所八戸支部
           裁判官 細 包 寛 敏

https://news.yahoo.co.jp/articles/47ede305b9a933a1dea90de5544478a77a664690
13歳の少女にみだらな行為か 48歳の男を逮捕 名古屋の池田公園で知り合う
1/6(金) 2:22配信
青少年保護育成条例違反の疑いで逮捕されたのは愛知県大治町の48歳の会社員の男です。
男は去年8月、自宅で18歳に満たないと知りながら当時13歳の少女にみだらな行為をした疑いが持たれています。
調べに対し男は「19歳か20歳と聞いていた」と容疑を否認しているということです。