児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

愛知県内において淫行する際には戸籍・住民票で年齢確認する義務がある~14歳の少女にみだらな行為の疑いで逮捕「18歳と思っていた」と容疑を否認

愛知県内において淫行する際には戸籍・住民票で年齢確認する義務がある~14歳の少女にみだらな行為の疑いで逮捕「18歳と思っていた」と容疑を否認
「「過失がないとき」とは、具合的事実ごとに提出された客観的資料の種類、その提出の際の状況及びその確認方法の有無、難易度を総合的に検討して、相会通念に照し、通常可能な調査が適切に尽くされているか否かによって決められることになる(大阪高裁46. 11)」「客観的な資料として本人の戸籍謄・抄本あるいは住民票等について正確な調査をして、その者の年令を確認すべき注意義務がある」という高裁判例を引っ張ってきていますが、風営法の業者の場合の判例なので、1回性の淫行の年齢確認義務の説明には使えないと思います。淫行するのに戸籍・住民票取ってますか?
 児童買春罪ではこういう規定はありません。
 青少年条例の児童ポルノ要求行為では知情条項を適用しない自治体も多くなっています。

小学校教師(23)が14歳の少女にみだらな行為の疑いで逮捕「18歳と思っていた」と容疑を否認
 警察によりますと男は、今年7月と8月、当時14歳の少女に対して、18歳未満であることを知りながら、瀬戸市内のホテルでみだらな行為をした疑いがもたれています。
 男は「18歳と思っていた」と容疑を否認しているということです。

愛知県青少年保護育成条例の解説H27
第14条
1何人も、青少年に対して、いん行又はわいせつ行為をしてはならない
2 何人も、青少年に対して、前項の行為を教え、又は見せてはならない。
追加〔昭和52年条例8号〕
第29条
1第14条第1項の規定に違反した者は、2年以下の懲役文は100万円以下の罰金に処する。
8 ~~第14条~~の規定に違反した者は、当該青少年の年齢を知らないことを理由として、第1項~~の規定による処罰を免れることができない。ただし、当該青少年の年齢を知らないことにつき過失がないときは、この限りでない。
解説
「過失がないとき」とは、具合的事実ごとに提出された客観的資料の種類、その提出の際の状況及びその確認方法の有無、難易度を総合的に検討して、相会通念に照し、通常可能な調査が適切に尽くされているか否かによって決められることになる(大阪高裁46. 11)。

大阪高等裁判所判決昭和46年11月16日
風俗営業等取締法七条三項但書に規定する年齢不知に関する過失の程度
刑事裁判資料229号413頁
       理   由
 年令に制限のある接客婦などを雇入れる場合において、その言葉や、前歴、容姿、態度あるいは紹介者の言葉だけでは人の正確な年令を知り得ないことはいうをまたないところであるうえ、接客婦として、雇傭されることを希望する者はその希望を遂げようとしてその紹介者は固より本人自身も恰も満一八歳以上であるかのように装い、その年令を偽り、雇主を欺くことの事例の多いことは証人Aの証言からも十分うかがわれるところであり、したがって、単に紹介者および本人の言葉や、容姿、態度、前歴等の外観的事情によってその者が満一八歳以上であると信じただけでは足らず、さらに客観的な資料として本人の戸籍謄・抄本あるいは住民票等について正確な調査をして、その者の年令を確認すべき注意義務があるのであって、右の確認措置を採らないかぎり、その者の年令を知らなかったことについて過失がなかったとはいえないものと解すべきが相当である。