児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

口腔性交罪と製造罪は観念的競合(判示第16の4)、強制わいせつ罪と製造罪は観念的競合(判示第18)としながら、口腔性交罪と製造罪は併合罪(判示第5の1と2等)、強制わいせつ罪と製造罪は併合罪(判示第8等)とした事例(東京地裁R4.8.30)

口腔性交罪と製造罪は観念的競合(判示第16の4)、強制わいせつ罪と製造罪は観念的競合(判示第18)としながら、口腔性交罪と製造罪は併合罪(判示第5の1と2等)、強制わいせつ罪と製造罪は併合罪(判示第8等)とした事例(東京地裁R4.8.30)
 だいたい、性犯罪を伴う場合、ひそかに製造罪は成立しません。
 シッター系の事件で件数が多くなると、観念的競合と併合罪が混在していることがあって、理由齟齬の疑いがあります。併合罪に揃えるか、観念的競合に揃えるかすればいいのに。件数多いので、どっちでも処断刑期は変わりません。

東京高裁H30.1.30高等裁判所刑事裁判速報集平成30年80頁
   強制わいせつ罪と児童ポルノ製造罪の罪数関係について
  (1) 論旨は,原判決は,同一機会の犯行に係る強制わいせつ罪と児童ポルノ製造罪を併合罪としたり観念的競合としたりしており,罪数処理に関する理由齟齬がある,また,上記の両罪は,撮影による強制わいせつと児童ポルノ製造の行為に係るものであり,もともと1個の行為に2個の罪名を付けているだけであるから,いずれも観念的競合とすべきであるのに,併合罪とした原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがある,というのである。
・・・
いずれにせよ,わいせつな姿態をとらせて撮影することによる強制わいせつ行為と当該撮影及びその画像データの撮影機器に内蔵又は付属された記録媒体への保存行為を内容とする児童ポルノ製造行為は,ほぼ同時に行われ,行為も重なり合うから,自然的観察の下で社会的見解上一個のものと評価し得るが,撮影画像データを撮影機器とは異なる記録媒体であるパソコンに複製して保存する二次保存が日時を異にして行われた場合には,両行為が同時に行われたとはいえず,重なり合わない部分も含まれること,そもそも強制わいせつ行為と児童ポルノ製造行為とは,前者が被害者の性的自由を害することを内容とするのに対し,後者が被害者のわいせつな姿態を記録することによりその心身の成長を害することを主たる内容とするものであって,基本的に併合罪の関係にあることに照らすと,画像の複製行為を含む児童ポルノ製造行為を強制わいせつとは別罪になるとすることは合理性を有する。原判決の罪数判断は,合理性のある基準を適用した一貫したものとみることができ,理由齟齬はなく,具体的な行為に応じて観念的競合又は併合罪とした判断自体も不合理なものとはいえない。

併合罪グループ

第5
1 Eが13歳未満の者であることを知りながら、同人と口腔性交をしようと考え、同年3月28日午前3時13分頃から同日午前3時58分頃までの間、茨城県内の宿泊研修施設トイレ内において、同人(当時11歳)に対し、その陰茎を被告人の口腔内に入れるなどし、もって13歳未満の者に対し、口腔性交をし、
2 前記1記載の日時場所において、Eに対し、その陰茎を被告人の口腔内に入れるなどの姿態をとらせ、これをデジタル機器で動画撮影し、同年12月17日午後5時22分頃から同日午後5時23分頃までの間に、前記bマンション×××号室当時の被告人方において、その動画データ5点を前記外付けハードディスクに記録させて保存し、もって児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る記録媒体である児童ポルノを製造し、
・・・
第8
1 Hが13歳未満の者であることを知りながら、同人にわいせつな行為をしようと考え、平成30年8月17日午前3時35分頃から同日午前3時37分頃までの間、山梨県内のホテル内において、同人(当時10歳)に対し、その陰茎を手で弄ぶなどし、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をし、
2 前記1記載の日時場所において、Hに対し、被告人がHの陰茎を手で弄ぶなどの姿態をとらせ、これをデジタル機器で動画撮影し、同年10月28日午後4時15分頃、前記bマンション×××号室当時の被告人方において、その動画データ1点を前記外付けハードディスクに記録させて保存し、もって他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る記録媒体である児童ポルノを製造し、

第15
1 Oが13歳未満の者であることを知りながら、同人にわいせつな行為をしようと考え、令和元年9月11日午後5時7分頃から同日午後5時11分までの間、東京都内の同人方において、同人(当時8歳)に対し、その陰茎を手で弄び、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をし、
2 前記1記載の日時場所において、Oに対し、被告人がOの陰茎を手で弄ぶなどの姿態をとらせ、これをデジタル機器で動画撮影し、その頃から同年11月16日午前0時2分頃までの間に、東京都内又はその周辺において、その動画データ2点を同デジタル機器に装着された前記マイクロSDカードに記録して保存し、もって他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る児童ポルノを製造し、

観念的競合グループ

第16 Pが13歳未満の者であることを知りながら、
4 同年11月7日午後10時25分頃から同日午後10時40分頃までの間、前記P方において、同人(当時6歳)に対し、その陰茎を被告人の口腔内に入れるなどし、ひそかにPの陰茎を露出させる姿態、被告人がPの陰茎を手で弄ぶなどの姿態及び被告人がPの陰茎を口腔内に入れるなどの姿態を前記スマートフォンで動画撮影し、その動画データ5点を同スマートフォンに装着された前記マイクロSDカードに記録して保存し、もって13歳未満の者に対し、口腔性交をするとともに、児童を相手方とする性交類似行為に係る児童の姿態、他人が児童の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの、又は衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る記録媒体である児童ポルノを製造し、
・・・
第18 Rが13歳未満の者であることを知りながら、同月8日午後11時38分頃から同月9日午前0時3分頃までの間、東京都内の同人知人方において、R(当時7歳)に対し、そのズボンを下げさせて陰茎を露出させた上、就寝中の同人の顔面に射精するなどし、陰茎を露出する姿態をとらせ、これをデジタル機器で動画撮影し、その動画データ1点を同デジタル機器に装着された前記マイクロSDカードに記録して保存し、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をするとともに、衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した児童ポルノを製造し、