児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

14歳と甲県乙県で9ヶ月間に3回の性交をした事案を包括一罪とした事例(某地裁h25)

 奥村が弁護した事件では、淫行3回で罰金30万円になりましたけどね。
 包括一罪説を前提にして、訴因変更で余罪を追加した事案につき、併合罪の主張を用意しているところです。そしたら包括一罪の判例ができるので。

罪となるべき事実
被告人は
a子14が18歳未満の青少年であることを知りながら
専ら自己の性欲を満たす目的で
h26.11.28 甲県で 性交
h27.8.12 甲県で 性交
h27.9.7 乙県で性交
し、もって、青少年と淫行した

法令適用
罰条と包括一罪の処理
判示第一 判示1と2の行為は甲県青少年条例違反30条1項 22条1項に、判示1の3の行為は乙県青少年条例違反57条 38条1項にそれぞれ該当するが両条例の各罰則は いずれも青少年の健全な育成を保護法益とするものであること、最高裁大法廷s60.10.23があきらかにしてしている淫行の意義(限定解釈)を前提とすると、行きずりの青少年に対してその場限りで行う性行為と比較して 交際関係にある特定の青少年との間で性行為を重ねることの方が当罰性が高まるわけではないと解されることなどに照らすと同一の青少年に対して同一の犯意に基づき継続的に反復して淫行に当たる行為をした場合には、その全部を包括して一罪と評価することが相当であるところ、関係証拠によれば 前記の各行為は被告人が偽名を用いたり 同市内に住むようになったと述べたりして 身元を偽って(当初は被告人に好意を寄せていたこともあった)被害者と交際を続け 頻繁に逢瀬を重ねていたというのではないにせよ その交際の家庭で もっぱら自己の性欲を満たす目的で性交することを繰り返していたものであるから 包括して一罪と評価することが相当であり、結局刑法10条により 犯情が重い甲県条例の追で処断する。