児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

青少年条例違反と3項製造罪(姿態とらせて製造)の関係

 大阪府条例の解説では「わいせつ行為」に撮影を含むそうです。刑法176からもそういえそうです。
 「わいせつ行為」して「性行為」に進むと、包括一罪になるでしょうから、児童ポルノ製造罪を立てるとしても、青少年条例違反の性行為とは混合的包括一罪にすべきではないか。観念的競合といってもいいような気がします。
 もっとも、条例と重複するということで、児童ポルノ法のみ適用されるという考え方もあります。

大阪府青少年健全育成条例
(みだらな性行為及びわいせつな行為の禁止)
第二十八条 何人も、次に掲げる行為を行ってはならない。
一 青少年に金品その他の財産上の利益、役務若しくは職務を供与し、又はこれらを供与する約束で、当該青少年に対し性行為又はわいせつな行為を行うこと。
二 専ら性的欲望を満足させる目的で、青少年を威迫し、欺き、又は困惑させて、当該青少年に対し性行為又はわいせつな行為を行うこと。
三 性行為又はわいせつな行為を行うことの周旋を受け、青少年に対し当該周旋に係る性行為又はわいせつな行為を行うこと。
四 青少年に売春若しくは刑罰法令に触れる行為を行わせる目的又は青少年にこれらの行為を行わせるおそれのある者に引き渡す目的で、当該青少年に対し性行為又はわいせつな行為を行うこと。

 東京都条例は「性交又は性交類似行為」に限定しているので、奥村説では製造罪とは併合罪
 もっとも、東京高裁H17.12.26とか札幌高裁H19.3.8は、児童淫行罪(性交又は性交類似行為)と製造罪は観念的競合というので、青少年条例違反の「性交又は性交類似行為」とも観念的競合か?

東京都青少年の健全な育成に関する条例
(青少年に対する反倫理的な性交等の禁止)
第十八条の六 何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。

 条例の規定を調べないで法律作った人の責任ですね。