児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律7条4項の児童ポルノ公然陳列の共同正犯としての訴因に対し,不作為による従犯の事実を認定する場合に,訴因変更の手続を必要とするとされた事例(名古屋高裁H18.6.26)

http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20060626/1151294117
の話題が、今ごろになって高裁判例集第59巻2号4頁に載るそうです。

 まだ、名古屋高裁でやってるので、話はつきないわけです。
 共謀共同正犯の訴因で幇助を認定した一審判決に検察官控訴がなかったので、差し戻し審は審判対象が「幇助」だけになってしまいました。
 検察官は「掲示板設置行為のみ」を「幇助」とする訴因変更。
 ところが東京高裁H16.6.23(植村裁判長)は「掲示板設置行為から放置行為まで」が作為の正犯とし、最高裁h19も追認したので、
  掲示板設置行為は「幇助」じゃなくて、判例上「正犯の未遂」だから不可罰だ
  プロバイダの民事責任と統一的に、違法画像を見つけて削除しなかった不作為犯と構成すべきだ
などと切り返しているところ。
 なお、流動的。

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=34757&hanreiKbn=02
被告人は,自ら開設したホームページの電子掲示板に児童ポルノ画像を送信して記憶,蔵置させた者らと共謀の上,児童ポルノ画像を公然と陳列したという共同正犯としての訴因に対し,上記の者らが児童ポルノ画像を電子掲示板に送信して記憶,蔵置させ,公然陳列しようとした際,電子掲示板を管理し得る立場にあった被告人は,当該電子掲示板に受信,掲載されているのを発見した児童ポルノ画像が不特定多数の者に閲覧等されるのを防止すべき義務があるのに,あえてこれを放置し,もって,これを幇助したという不作為による従犯の事実を認定する場合には,訴因変更の手続を必要とする。

 これは不意打ちですよね。不意打ち不意打ち。