この事件は、第一次第一審で共謀共同正犯の訴因が幇助の認定に落ちたのに、検察官が控訴しなかったという凡ミスが最後まで響いて、有罪にするには、訴因を減縮して幇助にするしかなかった。
「掲示板やってるのに無罪はまずいよ〜」というので理由付けはともかく、児童ポルノ事件は有罪。
まあ、前歴関係で厳しかった被告人は実刑を免れた。
http://www.techworld.jp/channels/security/102886/3/
ケース3:「ロリータなんでも」掲示板事件
積極的な運営も“幇助”止まり
名古屋地裁 平成18年1月16日(第一次第一審)
名古屋地裁 平成19年1月10日(第二次第一審)
名古屋高裁 平成19年7月6日
最高裁 平成19年11月9日本件は、「ロリータなんでも」という名称の掲示板の管理者に関する事件である。この事件の管理者も、前回紹介したアルファネット事件の管理者と同様に、積極的に児童ポルノ画像の投稿を呼びかけていたため、有罪になることは自明であったと言えるだろう。
しかしこの事件の場合、各裁判所は、管理者は「正犯」ではなく「幇助(ほうじょ)」犯であると結論付けたのである。第一次第一審は「削除しなかった不作為が幇助行為である」としたのに対し、第二次第一審と第二審は「作為である掲示板開設行為が幇助行為である」とした。主任弁護人は、「放置していた掲示板に勝手に児童ポルノが投稿された『カンボジア児童買春情報掲示板事件』では“正犯”とされたのに、投稿を呼びかけた『ロリータなんでも』が“幇助”となるのはおかしいのではないか」と主張したが、裁判所には受け入れられなかった。
第二次第二審の裁判所は、判決の中で次のように述べている。
同種事件における判断が裁判体ごとに異なる事態は望ましいことではないが、このような場合、上級審による見解の統一が図られ、または多数裁判例の集積により自ずから一定の結論に収束していくこととなろう。
つまり、“裁判所としてもよくわからないんだから仕方ないだろう”といったところだろうか。