判決聞いた。
でも管轄違いとか二重起訴はない。
児童ポルノ製造罪は包括一罪。
詳細な理由はわからない。
「姿態をとらせ」を認定しなかった訴訟手続の法令違反で破棄された。
弁護人も検察官も???。
同じ事件の表裏一体で続編の判決が、東京高裁H18.1.10。
追記
破棄の決め手は、3項製造罪の裁判例集めでした。
閲覧だけなので、報告書にした。
製造罪の罪数については、名古屋高裁金沢支部平成17年6月9日(被告人上告)を否定した。なんと同じ裁判体の東京高裁H15.6.4(被告人上告中)も否定した。迷走を始めた。
追記
破棄理由は「理由不備」。原判決は構成要件である「姿態をとらせ」を認定せずに有罪とした。条文を確認せずに、起訴状を写すとこんなことになる。起訴状に「姿態をとらせ」が記載されていないことにだれも気づかなかった。だれも児童ポルノ法の条文を見なかったわけだ。
こんなのは指摘するだけだから、とにかく原判決をあちこち叩くと稀に当たる。奥村弁護士は毎日こんなことばかり考えている。
今回は、製造罪金沢支部の控訴理由を使い回して東京高裁でヒット(なぜか金沢支部ではアウト)。
第378条〔同前−絶対的〕
左の事由があることを理由として控訴の申立をした場合には、控訴趣意書に、訴訟記録及び原裁判所において取り調べた証拠に現われている事実であつてその事由があることを信ずるに足りるものを援用しなければならない。
四 判決に理由を附せず、又は理由にくいちがいがあること。
第397条〔原判決破棄の判決〕
第三百七十七条乃至第三百八十二条及び第三百八十三条に規定する事由があるときは、判決で原判決を破棄しなければならない。
②第三百九十三条第二項の規定による取調の結果、原判決を破棄しなければ明らかに正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる。
原判決が破棄されるとどうなるか。
被告人控訴なので、495条2項2号で、控訴申立後の未決勾留日数(約5ヶ月)が全部算入される。
第495条〔未決勾留日数の法定通算〕
①上訴の提起期間中の未決勾留の日数は、上訴申立後の未決勾留の日数を除き、全部これを本刑に通算する。
②上訴申立後の未決勾留の日数は、左の場合には、全部これを本刑に通算する。
一 検察官が上訴を申し立てたとき。
二 検察官以外の者が上訴を申し立てた場合においてその上訴審において原判決が破棄されたとき。
③前二項の規定による通算については、未決勾留の一日を刑期の一日又は金額の四千円に折算する。
④上訴裁判所が原判決を破棄した後の未決勾留は、上訴中の未決勾留日数に準じて、これを通算する。
破棄自判で刑期も4ヶ月短縮されたので、合計9ヶ月短縮。
刑期が半分以下になった。被告人は法廷では理解できなかったが、拘置所仲間が教えてくれる。
普通の弁護士ならたんまり報酬をもらうところだろう。
判決書見せてもらったお礼にちょいちょいと控訴趣意書を起案しただけだ。