児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

脅迫して撮影送信させたという20代に対する撮影罪

 脅迫があるので、2条2項の撮影罪かなあ。「撮影する」という法文なので、間接正犯なのか。
「刑法第百七十六条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、」というので、不同意わいせつの機会の撮影行為か。
 撮影行為自体がわいせつ行為なので、不同意わいせつ罪も起訴されることがあり、撮影罪とは観念的競合になりそうだな。とすると「三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金」というのは、ちょっと軽い。

性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(令和五年法律第六十七号)
第二条 
1 次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
二 刑法第百七十六条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
3 前二項の規定は、刑法第百七十六条及び第百七十九条第一項の規定の適用を妨げない。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/20230720/6080020053.html
警察によりますと、18日、SNSで知人の20代の女性に「家に押しかける」などと脅迫した上で現金60万円と性的な画像を要求し、実際に女性に画像を撮影させ、自分の携帯に送信させた疑いが持たれています。
女性から被害の届け出を受けた警察が捜査を進めた結果、20日、容疑者を逮捕したということです。
調べに対して容疑を認めているということで、警察は動機や当時の詳しい状況などを調べています。
盗撮や同意のない撮影を防ぐためわいせつな画像を撮影する行為などを「撮影罪」などとして処罰する新たな法律が今月13日から施行されていて、警察によりますと、「撮影罪」の容疑による逮捕は県内で初めてだということです。