児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

8/2のわいせつ送信頒布罪と、8/9のわいせつかつ児童ポルノの頒布・提供罪とは併合罪(大阪地裁r03.09.21)

 児童ポルノ罪の個人的法益を強調して併合罪になるのは奥村説なので、判例は反対です。
 判例によれば、わいせつ頒布罪は包括一罪なので、それで架橋されて、判示第1と第2は科刑上一罪になります。かすがい現象

裁判年月日  令和 3年 9月21日  裁判所名  大阪地裁  裁判区分  判決
事件番号  令3(わ)2413号
事件名  わいせつ電磁的記録等送信頒布,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件
文献番号  2021WLJPCA09216003
出典
エストロー・ジャパン
 上記の者に対するわいせつ電磁的記録等送信頒布,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下「児童ポルノ法」という。)違反被告事件について,当裁判所は,検察官高橋亮,私選弁護人田中格各出席の上審理し,次のとおり判決する。
 (罪となるべき事実)
 被告人は,
 第1  令和2年8月2日午後4時49分頃から同日午後4時52分頃までの間,兵庫県伊丹市〈以下省略〉の被告人方(当時)において,不特定の者であるAに対し,被告人が使用する携帯電話機から,ソーシャルネットワーキングサービス「Twitter」のダイレクトメッセージ機能を使用して,女性器を露骨に撮影したわいせつな電磁的記録である静止画データ4点をAの携帯電話機に送信し,その頃,同携帯電話機に受信させ,2000円相当のアマゾンギフト券を使用する権利を取得することで販売し,もって電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録を頒布した。
 第2  同月9日午前6時34分頃から同日午前6時46分頃までの間,前記第1記載の被告人方において,不特定の者であるBに対し,被告人が使用する携帯電話機から,「Twitter」のダイレクトメッセージ機能を使用して,衣服の一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録である静止画データ1点及び女性器を露骨に撮影したわいせつな電磁的記録である静止画データ3点をBの携帯電話機に送信し,その頃,同携帯電話機に受信させ,他の静止画データの代金を含めて5000円相当のアマゾンギフト券を使用する権利を取得することで販売し,もって電気通信回線を通じて衣服の一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を不特定又は多数の者に提供するとともに,電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録を頒布した。
 第3  同年10月中旬頃,大阪市〈以下省略〉にあるホテル「a」406号室において,別紙記載のC(当時16歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら,Cに対し,現金1万5000円の対償を供与して,Cと性交し,もって児童買春をした。
 (証拠の標目)
 (法令の適用)
 罰条
 判示第1の所為 刑法175条1項後段,前段
 判示第2の所為のうち
 児童ポルノ電磁的記録提供の点 児童ポルノ法7条6項後段,前段,2条3項3号
 わいせつ電磁的記録等送信頒布の点 刑法175条1項後段,前段
 判示第3の所為 児童ポルノ法4条
 科刑上一罪の処理
 判示第2 刑法54条1項前段,10条(1罪として重い児童ポルノ電磁的記録提供の罪の刑で処断)
 刑種の選択
 判示第1,第2の各罪 懲役刑及び罰金刑を選択
 判示第3の罪 懲役刑を選択
 併合罪の処理 刑法45条前段
 懲役刑につき 刑法47条本文,10条(刑及び犯情の最も重い判示第3の罪の懲役刑に法定の加重)
 罰金刑につき 刑法48条1項,2項(判示第3の罪の懲役刑と併科し,判示第1及び第2の各罪所定の罰金の多額を合計)
 労役場留置 刑法18条(5000円を1日換算)
 刑の全部執行猶予
 懲役刑につき 刑法25条1項(3年間)
 (量刑の理由)
 大阪地方裁判所第15刑事部
 (裁判官 松田道別)