児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

奈良県は、子どもポルノ単純所持罪を廃止して、児童ポルノ要求行為を禁止する青少年条例改正を行うようです

 
 子どもポルノ所持罪はH27にひっそり削除されていました。あとのきは、全国に先駆けて所持罪を作ったのに、要求行為への対応は遅れています。

児童ポルノ:画像要求に罰金 県、条例改正目指す /奈良
2019.07.02 毎日新聞社
 子どもが脅された上、自分の裸を撮影してスマートフォンなどで送信してしまう「自画撮り」の被害を防ぐため、県は画像の提供を要求する行為に罰金を科す方針を決めた。県議会9月定例会に、条項を盛り込んだ青少年健全育成条例の改正案を提出し、来年4月の施行を目指す。

 児童買春・児童ポルノ禁止法は、18歳未満の裸が写ったわいせつ画像や動画の製造・提供などを禁じているが、画像などを求める行為までは禁止していない。条例改正案では、要求する行為を取り締まり、被害を未然に防ごうと「何人も青少年に対し、児童ポルノ等の提供を求めることを禁止する」の条文を盛り込む。罰金は30万円以下。同様の条例は既に
 全国19都府県で導入されている。

 県によると、2018年に児童ポルノ被害に遭った子どもは7人(前年比3人減)。被害実態の内訳は明らかにしていないが、自画撮りの被害者はここ数年、毎年出ているという。

 被害者の多くが、SNS上で知り合っており、保護者の目も届きにくい上、一度拡散した画像や動画の削除は難しい。そうした現状を踏まえ、県は子どもが画像を送る前に容疑者の取り締まりが可能な態勢が不可欠と判断した。

 ◇深夜外出も規制を強化

 また、改正案では深夜外出に関しても規制を強化する。保護者以外の人が子どもを深夜に正当な理由なく連れ出したり、
 家などに滞在させたりした場合に30万円以下の罰金を科す。従来は、成人から呼び出されたが行動を共にしていなかったり、自分から出かけて他人の家に滞在したりするケースに対応できなかったため、規制を拡大するという。
 県青少年・社会活動推進課の池口潤課長補佐は「未成年を守る法整備がまだ追い付いていないことから、改正案の提出を決めた。改正を機に社会全体で子どもを守る意識が高まればと願う」と話す。【加藤佑輔】

 改正の広報

http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:y-6zzAYAghoJ:www.police.pref.nara.jp/sp/category/1-2-11-0-0.html+&cd=1&hl=ja&ct=clnk&gl=jp
子どもを犯罪の被害から守る条例 [2015年7月15日]
平成26年6月「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」が改正され「自己の性的好奇心を満たす目的での児童ポルノ所持等」の罰則が設けられ、平成27年7月15日に施行されました。この改正に伴い、平成27年7月15日に「子どもを犯罪の被害から守る条例の一部を改正する条例」が施行され「子どもを犯罪の被害から守る条例」のうち「子どもポルノの単純所持」に関する規定が削除されました。

子どもを犯罪の被害から守る条例の一部を改正する条例をここに公布する。
平成二十七年三月二十五日
奈良県知事
奈良県条例第六十六号
子どもを犯罪の被害から守る条例の一部を改正する条例
子どもを犯罪の被害から守る条例(平成十七年七月奈良県条例第九号)の一部を次のように改正する。
第十四条第一項中「第十一条又は第十二条」を「前二条」に改め、同条第二項を削り、第十三条を削る。
第二条第四号を削る。
目次中「第十四条」を「第十三条」に、「第十五条」を「第十四条」に改める。
同条を第十三条とする。
第十五条第一項中「又は第十三条」を削り、同
条第二項を削り、同条を第十四条とす
る。
附則
(施行期日)
1この条例は、平成二十七年七月十五日から施行する。
(経過措置)
2この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による

改正前
(子どもポルノの所持等の禁止)
第13条何人も、正当な理由なく、子どもポルノを所持し、又は第2条第4号アから
ウまでのいずれかに掲げる子どもの姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管してはならない。

https://www1.g-reiki.net/pref.nara/reiki_honbun/k401RG00001081.html
○子どもを犯罪の被害から守る条例
平成十七年七月一日
奈良県条例第九号
子どもを犯罪の被害から守る条例をここに公布する。
子どもを犯罪の被害から守る条例

目次

第一章 総則(第一条―第六条)

第二章 子どもの安全確保に関する施策(第七条―第十条)

第三章 子どもに対する犯罪を助長する行為の規制等(第十一条―第十三条)

第四章 罰則(第十四条)

附則

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、子どもの生命又は身体に危害を及ぼす犯罪の被害を未然に防止するため、県、県民及び事業者の責務を明らかにするとともに、必要な施策及び規制する行為を定め、もって子どもの安全を確保することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一 子ども 十三歳に満たない者をいう。

二 学校等 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校、同法第百三十四条第一項に規定する各種学校又は児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第七条第一項に規定する児童福祉施設であって、現に子どもが在籍又は在所するものをいう。

三 保護監督者 親権者、未成年後見人、学校等の職員その他の者で子どもを現に保護監督するものをいう。

(平一八条例一二・平一九条例二五・平二七条例六六・一部改正)

(適用上の注意)

第三条 この条例の適用に当たっては、県民及び滞在者の自由と権利を不当に制限しないように留意しなければならない。

(県の責務)

第四条 県は、子どもの安全を確保するための必要な施策を実施する責務を有する。

2 県は、前項の施策の実施に当たっては、国及び市町村との連絡調整を緊密に行うよう努めるものとする。

(県民の責務)

第五条 県民は、子どもの安全を確保するため、自らが積極的に活動するとともに、県及び市町村が実施する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の責務)

第六条 事業者は、子どもの安全を確保するため、自らが積極的に活動するとともに、その所有し、又は管理する施設及び事業活動に関し、県及び市町村が実施する施策に協力するよう努めるものとする。

第二章 子どもの安全確保に関する施策

(推進体制の整備等)

第七条 県は、市町村、県民及び事業者と連携し、相互に協力して子どもの安全確保を推進するための体制の整備に努めるものとする。

2 県は、子どもの安全を確保するために、第十一条又は第十二条に規定する行為を行う者その他子どもに危害を加えるおそれのある者に関する情報を収集し、活用するものとする。

(助言その他の必要な支援)

第八条 県は、県民及び事業者が実施する子どもの安全を確保するための自主的な活動を促進するため、技術的な助言その他の必要な支援を行うよう努めるものとする。

2 県は、子どもの安全を確保するために市町村が果たす役割の重要性にかんがみ、市町村が子どもの安全を確保するための施策を実施する場合には、技術的な助言その他の必要な支援を行うよう努めるものとする。

(学校等における安全の確保)

第九条 学校等を設置し、又は管理する者は、当該学校等の施設内において、子どもの安全を確保するよう努めるものとする。

2 学校等を設置し、又は管理する者は、子どもが犯罪被害に遭わないようにするための教育を充実するよう努めるものとする。

(通学路等における安全の確保)

第十条 子どもが通学、通園等の用に供している道路及び日常的に利用している公園、広場等(以下「通学路等」という。)を設置し、又は管理する者は、子どもの安全を確保するため、当該通学路等の環境整備に努めるものとする。

2 親権者、未成年後見人、学校等の管理者及び職員、地域住民並びに通学路等の所在する地域を管轄する警察署長は、連携して、通学路等における子どもの安全を確保するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

第三章 子どもに対する犯罪を助長する行為の規制等

(子どもに不安を与える行為の禁止)

第十一条 何人も、道路、公園、広場、駅、興行場、遊園地、観光施設、飲食店、公衆便所その他公衆が出入りすることのできる場所(以下「公共の場所」という。)又は汽車、電車、乗合自動車その他公衆が利用できる乗物(以下「公共の乗物」という。)において、保護監督者が直ちに危害を排除できない状態にある子どもに対し、正当な理由なく、甘言を用いて惑わし、又は虚言を用いて欺いてはならない。

(子どもを威迫する行為の禁止)

第十二条 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、保護監督者が直ちに危害を排除できない状態にある子どもに対し、正当な理由なく、次の各号に掲げる行為をしてはならない。

一 言い掛かりをつけ、すごみ、又は卑わいな事項を告げること。

二 身体又は衣服等を捕らえ、進路に立ちふさがり、又はつきまとうこと。

(禁止行為に係る通報)

十三条 前二条の規定に違反したと認められる者を発見した者は、保護監督者又は警察官に通報するよう努めなければならない。この場合において、通報を受けた保護監督者は、警察官に通報するよう努めなければならない。

(平二七条例六六・旧第十四条繰上・一部改正)

第四章 罰則

第十四条 第十二条の規定に違反した者は、三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

(平二七条例六六・旧第十五条繰上・一部改正)

附 則

この条例は、公布の日から施行する。ただし、第十一条から第十五条までの規定は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行する。

附 則(平成一八年条例第一二号)

この条例は、平成十八年十月一日から施行する。

附 則(平成一九年条例第二五号)

この条例は、平成十九年十二月二十六日から施行する。

附 則(平成二七年条例第六六号)

(施行期日)

1 この条例は、平成二十七年七月十五日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。