児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

拉致型強姦2件につき、逮捕監禁罪と強姦罪を観念的競合にすると強姦罪の実行の着手が早まり犯情的に被告人に不利になるので、併合罪である(大分地裁H21.10.27)

 公訴事実には、「無理矢理車に押し込んで車内で強姦する」という一部始終が出てるので、不利にならないです。
 自然的観察とか社会的見解上一個というのにはそこまで考慮するんですか?

 福岡高裁H22.1.20で訂正されています。でも、完全に重なるわけじゃないよね。強制わいせつ罪(後段)と児童ポルノ製造の場合は完全一致を要求して「媒体記録」の部分がはみ出すので併合罪と言うんですよ。

犯罪事実
第1
1 1/1の逮捕監禁
2 同日の強姦既遂
第2 
1 2/1の逮捕監禁
2 同日の強姦既遂

法令の適用
 弁護人が主張するように 逮捕監禁の実行着手時点に強姦の実行着手を認めると 逮捕監禁と強姦は観念的競合になり 科刑上一罪で処断されることになる 
 しかし 強姦の実行に着手した時点を逮捕監禁の実行に着手した時点まで遡らせると 犯情において被告人にとって不利益になることを考えると 訴因変更せずに 強姦の実行に着手した時期を遡らせて認定することは相当では無い 
 よって 姦淫の実行行為と強姦の実行行為は完全に重ならない以上 併合罪となる