児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

児童淫行罪と準強姦罪

 性行為自体は固いとして、逮捕容疑の準強姦は、「里親里子の関係で反抗できない関係に乗じて」みたいな抗拒不能だったんだと思いますが、それだと、そういう関係が立証できないと無罪になります。
 児童淫行罪だと、里親里子の関係があれば、そういう支配関係を背景に性行為すれえば足りるので、立証は容易です。一罪の起訴で余罪も処罰されるので、量刑も遜色有りません。
 弁解としては、「強姦だから、『児童が淫行した』『淫行させた』とは言えない」というのがありますが、そういう裁判例もあるのですが、主張するのに勇気が要ります。
 

児童福祉法
第34条〔禁止行為〕
何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
六 児童に淫行をさせる行為

第60条
第三十四条第一項第六号の規定に違反した者は、十年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

刑法
第177条(強姦)
暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。
第178条(準強制わいせつ及び準強姦)
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
2 女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した者は、前条の例による。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110512-00000039-mai-soci
容疑を一部否認したことなどから、福岡地検準強姦罪の立証は困難と判断。より刑罰の軽い児童福祉法(淫行<いんこう>させる行為)違反で福岡地裁に起訴した。
 捜査関係者によると、男は2月上旬、自宅で少女に性的暴行をしたとして3月下旬に逮捕された。
 少女が入所していた児童養護施設では、公的な里親制度とは別に、一般的に「週末里親」と呼ばれる事業を実施。週末やお盆などに家庭の温かみを経験させようと、施設がボランティアで受け入れ先になってくれる家庭に児童を預けていた。
 厚生労働省によると、公的な里親は「児童虐待の前歴がない」などの条件を満たす必要があり、数日間の講習や児童養護施設での実習などが義務づけられている。しかし、施設の「週末里親事業」では独自に里親を募り、こうした取り組みは全国で広がっている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110512-00000134-yom-soci
虐待や経済的理由で家庭の養育が難しい子どもたちが最後のよりどころとする里親から性的虐待を受けていたことに福祉関係者は衝撃を受けている。
 関係者によると、男は2月上旬、自宅で少女に対し、わいせつな行為をした疑いが持たれている。容疑を一部否認し、福岡地検準強姦罪の立証は困難として、児童福祉法(淫行させる行為)違反で福岡地裁に起訴した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110512-00000128-jij-soci
男は容疑の一部を否認。福岡地検児童福祉法違反(淫行)罪で起訴した。
 捜査関係者によると、男は2月上旬、自宅で少女にわいせつな行為をしたとされる。
 少女は県内の児童養護施設に入所しており、数年前から月に数回、「里親」のボランティアをしていた男の元に週末だけ預けられていたという。