児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

罪数判断も検察官の権限か?

 訴因設定権限は検察官の専権だっていいますけど、旧少年法37条2項の罪数判断も検察官の専権なんですかね?
 その割には、判例には検察官の主張する罪数処理を変更した判決がたくさんありますが、罪数の変更に訴因変更請求も必要ないし、こんな理由付けもないですよ。

東京家裁
訴因の設定,変更等は検察官の権限に属し,原則として,裁判所は自らすすんで検察官に対し訴因変更の手続を促し又はこれを命ずべき責務はない(最高裁昭和30年(あ)第3376号同33年5月20日第三小法廷判決・刑集12巻7号1416頁参照)。
 しかるに,検察官は自らの権限(その際の判断には罪数判断も当然に含まれていると解される。)に基づき,各事件をそれぞれ別の裁判所に起訴し,当裁判所に対しても訴因変更の予定はないと明確に釈明しているところ,かかる検察官の判断が看過できないほど社会正義に反するとは認められず,これにより著しい不正を招来することが明らかであるなどともいうことはできない。