リンクが公然陳列かという問題をすっ飛ばして、リンクなしのurlの掲載について有罪になっています。
プロバイダの人に聞かれたんですが、こういう事例です。
たとえば、見知らぬ奴が、
に違法画像を公然陳列していたとして、それを自分のサイトに、
http://d.hatena.ne.jp/(オクムラオオサカ)/xxx.jpg
※カタカナを英語に直してください
と表示したのが、児童ポルノ公然陳列罪の正犯になっています。
判決理由中で、リンクも同様とされています。
この事件では、もとの画像掲載者は罰金、改変url掲載者は懲役。
追記
この判決書は公開しないことになりました。
どうしてもみたいという方は、大阪地検に問い合わせてみて下さい。
追記
森山先生の本を読んでも、正犯か幇助か、提供罪か公然陳列罪かがよくわかりません。
森山野田「よくわかる改正児童買春ポルノ法」P202
事案にもよりますが、児童ポルノ公然陳列罪(第7条第4項)の共同正犯、幇助犯や、児童ポルノを不特定多数の者に提供する罪(第7条第4項)の共同正犯、幇助犯が成立する可能性があります。
たとえば、事案によっては、その児童ポルノサイトにアクセスすることが困難であったのが容易になったとみることができますから、ハイパーリンクを張る行為について、やはり従前とは別に提供の対象が広がり、取得可能性が新たに設定されるという意味で、新たな対象として不特定多数の者に対する提供があったと評価することも可能です。そして、新たな取得可能性が広がったという程度、児童ポルノサイト開設者との意思の連絡の有撫等にもよりますが、不特定又は多数の者に提排する罪の正犯、共同正犯又は幇助犯が成立しうると考えられます。
また、公然陳列罪について、ハイパーリンクを張ることによって、当該サイトヘのアクセスが困難であったのが容易になったのであり、従前とは別に閲覧対象が広がり、認識可能性が新たに設定されるという意味で、新たに公然と陳列したと評価することも可能です。たとえば、会員制の方式をとり、パスワードを入力しなければアクセスできないような児童ポルノの画像について、このパスワード入力の段階を踏まなくても直接画像に到達できるようなリンクを張った場合、新たな公然陳列があったとみることができ、もとの画像の公開者との意思の連絡がない場合は公然陳列罪の単独正犯、意思の連絡がある揚合は公然陳列罪の共同正犯が成立すると考えられます。
また、このように会員以外は画像に到達するのが不可能な場合でなくても、全く手がかりのない状態からアドレスを入力して画像に到達するのは、通常著しく困難であり、これを可能にする点で、不特定多数の者が閲覧するのを容易にしているといえ、もとの画像の公開者との意思の連絡がある場合は公然陳列罪の共同正犯、意思の連絡がない場合は公然陳列罪の幇助犯が成立すると考えられます。
以上のように、児童ポルノ公然陳列罪(第7条第4項)の共同正犯、幇助犯や、児童ポルノを不特定多数の者に提供する罪(第7条節4項)の共同正犯、幇助犯が成立する可能性があります。