児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「いずれ必要だから携帯電話持たせてモラルを教える」という理由づけ

 電話会社側・コンテンツ業者側の主張なので、「どうして持つ必要があるのか」の理由が説得力がない。せいぜい「塾帰りの連絡」「犯罪申告」「所在確認」。コミュニティサイトの必要性は聞こえてこない。

http://mainichi.jp/life/edu/mori/news/20090216ddm004100004000c.html
いずれは使う携帯、親子で実情学ぼう 有害情報から子どもを守る取り組み
 全国webカウンセリング協議会の安川雅史理事長は「子どもはネットにつながらない携帯は欲しがらない。今の親は子どもに簡単に流されてしまうから、機能を限定してもあまり意味がない。必要なことは使い方をしっかり教えることだ」と話している。

[ニュースが気になる!]携帯の学校持ち込み禁止 業界模索、安全面の配慮 読売新聞社 2009年2月15日
 文部科学省が小中学校への持ち込みを禁止する通知を出したことで、学校から携帯電話を締め出す動きが相次いでいる。これに対し、携帯電話会社など通信関連業界は「教育現場とケータイの共存」を目指したいとし、模索を続けている。
 私立のはつしば学園小学校(堺市)と奈良学園小学校(奈良市)は、ほとんどの児童に全地球測位システム(GPS)機能付き携帯電話端末を持たせている。
 不審者に出くわした時、ランドセルの肩ベルトに取り付けた携帯電話のひもを引っ張ると、不審者を撮影し、居場所などの情報とともに学校や保護者に写真付きのメールを送ることができる。中部日本電気ソフトウェア(愛知県日進市)が、このシステムを開発した。
 児童が登下校ルートから外れると、学校と保護者に自動的にメールが届く機能もあり、奈良学園小も4月から導入する。遠距離通学の児童も多いはつしば小は「マナーなどをきちんと教育すれば、携帯を利用する利点の方が大きい」という。
 子供から携帯電話を取り上げようとの動きに、通信業者や携帯端末メーカーは「子供に安全なケータイ」を実現しようとする。
 携帯電話を禁止する理由には「子供が携帯を通じて有害情報に触れたり、ネットいじめに加担したりする危険が増す」ことがある。NTTドコモなどは1月30日から順次、18歳未満が所有する携帯電話について、有害情報に触れないようフィルタリング(閲覧制限)機能を強化している。ただ、クラブ活動に必要な掲示板が見られないなど使い勝手が悪く、まだまだ不十分だ。

 いずれ必要だから携帯電話持たせてモラルを教えるとか、社会人になってメールとかwebとか使えなくて困るというのですが、それだと、

  • いずれ自動車に乗るから、小中学生にも自動車を運転させて、安全な運転を教える
  • いずれパチンコするから、小中学生にもパチンコを体験させて、安全なパチンコを教える
  • いずれたばこを吸うから、小中学生にもたばこを体験させて、安全な喫煙を教える
  • いずれ飲酒するから、小中学生にも飲酒を体験させて、安全な飲酒を教える

という理由付けにも使えるので、妙ですね。どうして携帯電話だけは使わせる必要があるのか?
 大人でもメール使えない人もいくらでもいるのに。そっちの方が購買力はあるで。
 もっと操作を簡単にして、必要なときに練習すればできるでしょう。
 そろそろ持たせている親にはある程度のリスク(犯罪被害)を甘受すべきだという主張をしてみます。そういう条例も増えてきたので。


 子どもに刃物持たせると危ないけれど、持たせないと使い方がわからないということで、肥後守みたいなで鉛筆削らせるところからやるみたいなところで収束すると思います。GPSとメールと通話という入門機が原則。