児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

迷惑防止条例と強制わいせつ罪の関係〜痴漢行為

 2/5の公判廷に出てきてるのに、2/16に発覚とは。
 強制わいせつと条例違反罪の境目は不明というか、別々に検討されれうるのでそんなものはない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070216-00000119-jij-soci
出勤途中の電車内で女性の体を触ったとして、東京法務局の統括登記官被告(60)が強制わいせつの現行犯で逮捕、起訴されていたことが16日、分かった。同法務局は同日付で被告を懲戒免職処分にした。
 同法務局によると、被告は昨年11月28日午前7時35分ごろから約10分間、JR京葉線新浦安駅から新木場駅の間で、女性(17)の体に触った。女性と友人が取り押さえ、八丁堀駅で駅員に引き渡した。
 被告は面会した同法務局職員に対し、容疑を否認したが、今月5日、東京地裁の初公判で起訴事実を認めた。同被告は来月末で定年退官の予定だった。 

11/28逮捕→2/5初公判→2/16免職→2/19判決

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070216-00000414-yom-soci
免職となったのは被告(60)で、すでに強制わいせつ罪で起訴され、今月19日に判決が言い渡される。
 同局によると、被告は昨年11月28日朝、JR京葉線の新浦安―新木場駅間の電車内で、当時17歳の女子高生の下着の中に手を入れるなどのわいせつ行為をしたという。
 同局は、被告が当初、犯行を否認していたことから、事実を公表せず、今月5日の初公判で被告が起訴事実を認めたため、懲戒処分とした。

http://knakayam.exblog.jp/2922562/
いわゆる「痴漢」行為に関連して、それが刑法上の「強制わいせつ」罪に当たるのか、都道府県の迷惑防止条例上の「卑猥な言動」に当たるのかが問題になることがあり、その関係をどのように理解すべきなのかという質問がありました。女性の下着を上から触れば条例上の「卑猥な言動」に当たるが、下着の中に手を入れれば刑法上の「強制わいせつ」になるというのが実務上の処理だともいわれているようですが、そんなに簡単なものではないように思われます。
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行為の場所で分けた後、人に対する強制の有無を考慮した上で、重なる場合には、程度によって、相対的に重い刑法犯か、軽い条例違反行為かを区別するということになるでしょう。

東京都公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
第5条(粗暴行為(ぐれん隊行為等)の禁止)
① 何人も、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しくしゅう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。


 強制わいせつは親告罪なんですけど、起訴されるまでに告訴取り下げてもらわないと起訴されて、起訴後に示談・告訴取下しても、起訴は有効。
 罰金刑は選択できません。

 第176条(強制わいせつ)
十三歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

だから、起訴されちゃうとですね、示談は必要ですけど、示談しても、起訴猶予とか罰金というのはないんですよ。懲役刑(実刑・執行猶予)しかない。
 認めるんなら早い方がいんです。