児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「撮影」「差し向け「設置」」岡山県迷惑行為防止条例

「撮影」「差し向け「設置」」岡山県迷惑行為防止条例
 岡山のトイレ盗撮の略式命令を閲覧しました。
 設置して撮影した場合は、撮影罪のみのようです。
 設置して数人撮影した場合はAB特定されても撮影罪単純一罪のようです。


岡山県迷惑行為防止条例解説2017
条例13条
3何人も、正当な理由がないのに、事務所、学校、病院、公衆浴場その他の多数の者が集まり、又は利用する施設のうち、人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所にいる者の姿態をのぞき見し、又は写真機等を用いて撮影し、若しくは撮影する目的で写真機等を差し向け、若しくは設置してはならない。
・・・
撮影する」
写真機等を使用して、被写体をフイルム又は電磁的記録媒体に記録する行為をいう。
撮影する方法は、秘匿、公然を問わず、撮影した時点で既遂となる。
※「撮影する」行為の解釈上の既遂時期
既遂時期は、
.光学カメラは、フィルムを感光させたとき
ポラロイドカメラは、印画紙を感光させたとき
デジタルカメラ、ピデオカメラ及びデジタルカメラ付き携帯電話は、光の強弱等を電気的に変換し、記憶装置(メモリ)又は外部記録媒体に保存(一時的な保存を含む。)したとき
である。
なお、「一時的な保存を含む。」とした理由は、デジタルカメラ付き携帯電話や一部のデジタルカメラには、撮影のスイッチを押した時点では、本体内の記憶装置(メモリ)に一時的に保存されるにすぎず、その後、保存又は登録等した場合に再生可能となる型式の物があるが、一時的に保存した場合であっても、そのまま電源を切ったり又は保存しないを選択しない限り、長期にわたり本体内の記憶装置(メモリ)に留め置き、閲覧することが可能であり、再生可能な状態の保存と同等の効果があるからである。
光学カメラでフイルムが入っていない場合やポラロイドカメラで印画紙が入っていない場合は、フィルム等を感光させることができず撮影には当たらないが、撮影しようとした行為が、性的差恥心を著しく害し、不安を覚えさせるような方法で行っていれば、本項第3号の「卑わいな言動」に該当するか否かを検討することとなる。また、デジタルカメラ等にあっては、外部記録媒体がない場合であっても、本体内の記憶装置(メモリ)等に保存できる型式であれば、前述のとおり「撮影する」と解する。
(力)「撮影する目的」
人の通常衣服で隠されている下着又は身体を撮影する目的、つまり盗撮目的のことをいう。
(キ)「差し向け」『設置」
「差し向け」とは、写真機等をスカートに差し入れる行為等をいう。
「設置」とは、写真機等を撮影可能な状態で設置することをいう。
現実に録画中でなくても撮影可能な状態の写真機等を差し向け又は設置した時点で既遂となり、その時点で犯罪は完了する。
つまり、撮影する目的で、撮影可能な状態の写真機等を「差し向け」又は「設置」すれば、画像が撮影されなかった(できなかった)としても、第2号違反となる。
※実務上における「撮影」「設置」「差し向け」の判断基準
○「撮影」とは、人の下着等を撮影した画像が保存(一時的な保存を含む。)されている場合
○「差し向け」とは、撮影可能な状態のカメラを人の下着等に向けたが、撮影した画像が保存されていない(できなかった)場合
○「設置」とは、人の下着等を撮影する目的で撮影可能な状態のカメラを置いた場合