児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

迷惑条例違反+製造罪の事案(長野地裁)

 撮影行為が未遂だと、迷惑条例違反で、既遂だと、製造罪なんですか?
 撮影既遂も迷惑条例違反ですよね。製造罪とは観念的競合。
 結局、常習卑猥行為(条例14条2項)の常習一罪で、かすがいになって、被害者何名いても、科刑上一罪です。
 わざと条例違反を起訴しないで、かすがいを外して、併合罪加重することは許されないので、撮影既遂について条例違反が起訴されていなくても、処断刑期の上限は懲役3年でなければならない。
 罪数論というのは、日陰者ですが、じわっと効いてきますから、弁護人はきっちり調べて主張しておいてもらいたいですね。

http://www.shinmai.co.jp/news/20070815/KT070814FTI090007000022.htm
被告は2005年8月22日ごろ、長野市のJR長野駅東口駐車場に止めた乗用車内で、女子高校生=当時(15)=の裸体などをデジタルカメラで撮影、画像をパソコン内に保存した。06年6月17日ごろにも、同市若里のショッピングセンター駐車場の乗用車内で、女子高校生=同(16)=の裸体などを撮影し保存した。
 同被告は、6月に長野市内の路上で女子高校生(16)にみだらな言葉で写真撮影を求めたとして、県迷惑防止条例違反の罪で起訴されている。

 なお、デジカメ→PCの過程に「姿態とらせて」はありません。実行行為なのか身分なのかわからないまま適用されて有罪になっています。

http://www6.pref.nagano.jp/d1w_savvy/HTML_TMP/svhtml1820817250.0.Mokuji.0.0.DATA.html#MOKUJI_22

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
(卑わいな行為の禁止)
第4条 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、みだりに、他人を著しくしゆう恥させ又は不安を覚えさせるような仕方で、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
(1) 他人の身体に、直接又は衣服等の上から触れる行為
(2) 衣服等で覆われている他人の身体又は下着をのぞき見し、又は撮影する行為
(3) 前2号に掲げるもののほか、他人に対する卑わいな言動
(罰則)
第14条 第4条の規定に違反した者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
2 常習として第4条の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。