姿態をとらせてといのだから、姿態をとらせて製造罪(7条4項)が正解です。5項の法文が「前二項に規定するもののほか」となっているので、ひそかに製造罪は成立しません。
大分簡裁や新潟地裁にも間違った略式命令・判決があります。
間違える検察官・裁判官がいると思って、わざと大阪高裁で聞いてあります。
某地裁某支部h28
A子(17)が、18歳に満たない児童であることを知りながら 大阪市北区西天満の被告人方において、平成30年10月19日頃 同児童を上半身裸にして乳房を露出させ、ひそかにその姿態をカメラ機能付き携帯電話で撮影してその電磁的記録を同携帯電話本体に記録させ、もって、ひそかに衣服の一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激する姿態をとらせて これを電磁的記録にかかる記録媒体に描写することにより、同児童にかかる児童ポルノを製造した
法令適用
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条5項 2項 2条3項3号
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(H26改正後)
第七条(児童ポルノ所持、提供等)
4前項に規定するもののほか、児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様とする。
5前二項に規定するもののほか、ひそかに第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様とする。
大阪高裁平成28年10月26日
強制わいせつ,児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件
主 文
原判決を破棄する。
3 第10,第12及び第13の各2の事実における法令適用の誤りの主張について
論旨は,第10,第12及び第13の各2の製造行為は,いずれも盗撮によるものであるから,法7条4項の製造罪ではなく,同条5項の製造罪が成立するのに,同条4項を適用した原判決には,法令適用の誤りがある,というものである。
しかしながら,法7条5項は「前2項に規定するもののほか」と規定されているから,同条4項の罪が成立する場合には同条5項の罪は成立しないことが,法文上明らかである。所論は,法7条5項に「前2項に規定するもののほか」と規定されたのは立法のミスであってこの文言に特段の意味はないとした上で,法7条5項の罪と他の児童ポルノ製造の罪との関係は前者が後者の特別法の関係だと主張する。しかし,法7条5項の罪が追加された法改正の趣旨を考慮しても所論のように「前2項に規定するもののほか」に意味がないと解する必要はなく,法7条5項の罪が特別法の関係にあるとの所論は,独自の見解であって,採用できない。いずれも法7条4項の罪が成立しているとした原判決の法令適用に誤りはない。
平成28年10月31日
大阪高等裁判所第2刑事部
裁判長裁判官 後藤眞理子
裁判官 杉田友宏
裁判官 樋上慎二