児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

男子小学生の水泳画像の3号ポルノ該当性

 乳首を性器等(2条2項)というならば、2条3項3号の「児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され」に該当するようです。

 「殊更に」で外れると解説されています。

坪井麻友美「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律について」(法曹時報66巻11号29頁)
要件
「殊更に」
「殊更に」とは,「意図的に」「確定的認識を持って」などという
(注10)意味に使われるのが通常であるが,本号の「殊更に」の文言は,被写体の児童や撮影者の主観的意図に係る要件として規定されたものではなく, 問題となる写真や映像等(以下「写真等」という。)の内容が性欲の興奮又は刺激に向けられていると評価されるものであることを要求する趣旨の文言である。
例えば、自宅の庭で水浴びをしている裸の幼児のごく自然な姿が撮影された写真等で、あって,その画像の客観的状況から,内容が性欲の興奮又は刺激に向けられていると評価されるものではない場合には, これまでは「性欲を興奮させ又は刺激させるもの」という要件の該当性判断において基本的に3号ポルノに該当しないとされてきたと考えられるが,今後は, この「殊更に」以下の要件によっても,基本的には3号ポルノに該当しないこととなるものと考えられる。
「『殊更に』性的な部位が露出され又は強調されているもの」に該当するかどうかは, 当該写真等に描写された内容, より具体的には,児童の性的な部位の露出の有無及び着衣の状況,当該部位の描写が当該写真等全体に占める割合,描写されている児童のポーズ等を総合的に考慮して判断されることになると考えられる。

「性的な部位」
「性的な部位」とは, 「性器等若しくはその周辺部,陰部又は胸部」であるところ, ここにいう「性器等」とは, 「性器,肛門又は乳首」をいう(第2条第2項参照)。
「強調」
「露出」のみでは,性的な部位が下着等で一応覆われてはいるが,強調や誇張されている場合が含まれないことから,性的な部位の「強調」も対象とすることとされた。
これにより,下着等を身に着けることで性的な部位が露出されていない場合で、あっても,殊更に性的な部位が強調されていると認められれば児童ポルノに該当し得る(ただし,後記(3)アに留意。)。