児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

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京都府児童ポルノの規制等に関する条例による廃棄命令

今頃気付いて恥ずかしいのですが、廃棄命令の対象は「児童ポルノ(法第2条第3項第3号に掲げる児童の姿態を描写したものにあっては、衣服の全部を着けない姿態を描写したもの又は性器若しくは肛門を描写したものに限る。以下この条及び次条第1項において同じ。)」とされていて、児童ポルノ法の3号児童ポルノの定義よりもさらに絞り込んでいるようです。

京都府児童ポルノの規制等に関する条例〈逐条解説〉平成24年9月 京都府
京都府児童ポルノの規制等に関する条例の解説

(廃棄命令等)
第8条
1知事は、前条第1項の規定に違反して、児童ポルノ(法第2条第3項第3号に掲げる児童の姿態を描写したものにあっては、衣服の全部を着けない姿態を描写したもの又は性器若しくは肛門を描写したものに限る。以下この条及び次条第1項において同じ。)を所持する者に対し、期限を定めて当該児童ポルノの廃棄を命じることができる。
2知事は、前項の規定による命令を行うことができる場合において、児童ポルノを所持する者が当該児童ポルノに記録された児童ポルノ記録(法第2条第3項第3号に掲げる児童の姿態を描写した情報を記録したものにあっては、衣服の全部を着けない姿態を描写した情報を記録したもの又は性器若しくは肛門を描写した情報を記録したものに限る。以下この条及び次条第1項において同じ。)の消去による方法その他の当該児童ポルノの廃棄によらない方法により当該児童ポルノ児童ポルノに該当しないものとするための措置を講じることができると認めるときは、その者に対し、前項の規定による命令に代えて、期限を定めて当該措置を講じるべきことを命じることができる。
3知事は、前条第2項の規定に違反して、児童ポルノ記録を保管する者に対し、期限を定めて当該児童ポルノ記録の消去を命じることができる。
4知事は、前項の規定による命令を行うことができる場合において、児童ポルノ記録を保管する者が当該児童ポルノ記録の消去によらない方法により当該児童ポルノ記録を児童ポルノ記録に該当しないものとするための措置を講じることができると認めるときは、その者に対し、同項の規定による命令に代えて、期限を定めて当該措置を講じるべきことを命じることができる。
5知事は、前各項の規定による命令(以下「廃棄命令等」という。をしようとするときは、京都府行政手続条例(平成7年京都府条例第2号)第13条第1項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
【解説】
本条は、犯罪捜査や行政上の調査の結果に基づいて、児童ポルノの所有者に対し、知事が廃棄命令を出すことができる旨を規定したものである。
児童ポルノが現存することによって、被写体となった児童が永続的に精神的苦痛を感じ、将来にわたって生活に支障を来すことがないよう、第9条の取得・所持が禁止される児童ポルノのうち、性的虐待の程度が高いと認められるものに対して、廃棄命令を出せるようにしたものである。
l 廃棄命令の対象となる画像等は、児童ポルノ規制法第2条第3項第1号から第3号に規定する児童ポルノであり、これらを正当な理由なく所持している場合に廃棄命令を出すこととしている。
ただし、児童ポルノ規制法第2条第3項第3号に規定する児童ポルノについては、そのうち性的虐待の程度が高く、客観的に判断できるものに限ることとし、「全裸若しくはこれに近い状態、性器及び旺門が露出」しているものを廃棄命令の対象としている。
「廃棄命令等」」の「等」とは、本条第2項の「児童ポルノ記録の消去による方法その他の当該児童ポルノの廃棄によらない方法により当該児童ポルノ児童ポルノに該当しないものとするための措置」、本条第3項の「児童ポルノ記録の消去」、本条第4項の「児童ポルノ記録の消去によらない方法により当該児童ポルノ記録を児童ポルノ記録に該当しないものとするための措置」をいう。
具体的には、写真の切り取り・黒塗り・モザイクや児童ポルノ記録データの完全消去・一部加工等をいう。
本条の実効性を担保するため、廃棄命令に従わない場合には、第13条で罰金を科すこととしている。
「全裸」とは、社会習慣上、隠ぺいすることが通常とされている身体の部分の全てが露出している状態をいう。
「これに近い状態」とは、社会習慣上、隠ぺいすることが通常とされている一部分、特に陰部、腎部、大腿部又は胸部について物理的には露出しているといえないが、例えば、薄物をまとっていて透視できるような状態で全裸に近い状態のことをいう。
「性器」とは、陰部(陰毛又は剃り跡を含む)のことをいう。
乳首、腎部はこれに該当しない。
廃棄命令は、知事の名において文書で行う。
廃棄命令を出す場合には、行政及び訴追する側に児童ポルノに該当することなどを立証する責任があることは当然であり、児童ポルノの取得・所持が疑われる者に対して十分な反論の機会を与えるなど、適正な手続を保障する必要があるため、本条第5項において必ず「聴聞」を行わなければならないこととしている。