児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「妙齢の女性が男性と向かい合わせの位置で、女性のほうから男性の陰部をずぼんの上からさわっているのを現認いたしました」という京都府警の痴漢取締の実例集

2010.11.22 : 平成22年警察常任委員会閉会中 本文


                                     別 紙


             議 事 の 経 過 概 要


┌                                       ┐
│ 渡辺委員長開会宣告の後、渡辺委員長から小林副委員長の欠席報告が行われた。  │
│ 議事に入り、所管事項の調査を行い、閉会した。                │
└                                       ┘




1 開 会
 (1) 渡辺委員長から開会宣告が行われた。
 (2) 渡辺委員長から小林副委員長の欠席報告が行われた。




2 所管事項の調査
  下記のテーマについて、理事者から説明を聴取した後、質疑及び意見交換が行われた。
  ・「鉄道警察隊の活動状況等について」



◯木村地域部次長
 地域部次長の木村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 また、委員の皆様には常日ごろから警察行政の各般にわたりまして格別の御理解と御指導を賜っておりますことを、この機会に改めまして御礼を申し上げます。
 本日は、電車内での痴漢犯罪の予防検挙活動を中心に、鉄道警察隊の活動状況について説明させていただきます。
 御承知のとおり、8月に警察庁がインターネットで電車内での痴漢について意識調査をしましたところ、その結果が10月14日付の新聞に掲載されております。
 その結果によりますと、痴漢被害者の9割が警察に通報や相談をせず、一方、男性の約6割が痴漢に間違われるのではないかと不安に感じているといった調査結果でありました。
 痴漢犯罪は悪質な犯罪であり、検挙とともに犯罪予防、あるいは被害者が届け出をしやすい環境づくりをすることが極めて大切であると考えております。
 それでは、鉄道警察隊の活動状況につきまして、鉄道警察隊長から説明させていただきますので、御議論のほどよろしくお願いいたします。



◯林鉄道警察隊
 ただいまから説明に参りますが、パワーポイントを使わせていただいてよろしいでしょうか。
 それでは、準備いたします。
 それでは、始めさせていただきます。
 まず最初に、鉄道警察隊について御説明いたします。
 鉄道警察隊は、昭和62年4月1日、国鉄の分割・民営化により鉄道公安制度が廃止され、鉄道に係る公安の維持が警察に一元化され、沖縄を除く都道府県に鉄道警察隊が設置されたものであります。
 京都府警におきましても、当初、外勤課に設置されておりましたが、平成4年8月、警ら部から地域警察へと名称変更によりまして、地域部鉄道警察隊と改編されておるところであります。
 次に、鉄道警察隊の体制であります。
 隊長以下32名であります。うち女性警察官が6名、勤務体制は、毎日勤務者が11名、三交代勤務者が21名となっております。
 毎日勤務者のうち6名、男性3名、女性3名が特務小隊ということで、私服勤務をいたしております。
 三交代勤務については、毎日、7名が24時間勤務に従事しておるところでございます。
 鉄道警察隊の活動拠点は3カ所ございまして、地図にお示ししていますとおり、本隊と新幹線京都駅1階の八条口にございます南警備詰所、ほかにJR福知山駅に警備詰所を置いておるところでございます。
 福知山駅の警備詰所につきましては、体制の関係から、警乗の際、立寄所として運用しておるところでございます。
 続いて、交代制勤務小隊の活動であります。
 交代制勤務は、各小隊が順次に当番、24時間勤務でございます。それから、非番、これは24時間勤務の明けた翌日のことであります。日勤、これは8時間勤務しております。または公休日を繰り返して勤務しておりまして、当隊は1当番7名で勤務しているところであります。
 活動内容でございます。
 警察法第66条に「移動警察等に関する職権行使」というのがございまして、これが最も特徴的なものであるということが言えます。
 これは、中身は二つの警察の管轄にまたがる事案の場合、いずれの管轄でも職権行使ができることを定めております。
 例えば、列車警乗している際に、京都府内を走行中に犯した犯罪について、滋賀県内に入って検挙し、滋賀県内の駅で下車させた場合など、京都府警の警察官であっても初動措置を行い、滋賀県警察に事案を引き継ぐことであります。滋賀県内であっても、この場合は、警察官として職権行使ができるということでございます。
 二つ目は、京都府内の鉄道施設内における警戒警備であり、事案によっては初動措置に当たります。
 例えば、置き石事案や非常ボタンの押し下げの連続発生などに対し、現場で警戒警備に当たっておるところでございます。
 三つ目は、列車警乗であります。これについては後ほど説明いたします。
 四つ目は、鉄道施設内における警衛・警護警備であります。特に、新幹線京都駅においては、皇室の入洛、警護対象者の入洛などが数多くあり、警備部と連携をとり、警衛・警護に従事しているところであります。
 五つ目は、京都駅ビル構内における事案の初動措置であります。
 駅ビル内における商業施設などでの万引き、構内での暴行・傷害事件、各種被害届・遺失拾得願いの受理など、警察署の交番勤務員と同じような活動を行っております。
 また、京都駅は一日の乗降客が60万人とも言われており、観光都市京都の玄関でもあります。京都駅の安全・安心を守るため、朝夕の立哨警戒、終電車後の不審物件の検索、駅構内で音楽を演奏する者や徘回する者に対し、警告指導並びに少年補導に努めておるところでございます。本年の10月21日にも、駅敷地内でギターをかき鳴らし歌っている者に警告しましたが、無視し続けることから、35歳の男を検挙しておるところでございます。
 ここで、先ほど「後ほど説明をする」と申し上げておりました列車警乗について説明いたします。
 列車警乗には、警察庁の指定する行路と京都府指定の行路がございます。警察庁指定の行路につきましては、新幹線は西は岡山まで月10回、東は名古屋まで月10回警乗指定されております。
 在来線につきましては、山陰線と湖西線の特急電車で、山陰線は城崎駅まで月6回、湖西線につきましても、敦賀まで月6回の指定がされております。
 京都府の指定につきましては、JR在来線の東海道線奈良線嵯峨野線であります。それから、京都市営地下鉄近鉄線、京阪線京津線も含みます。阪急線の8行路、月62回の警らを行っておるところでございます。
 いずれも、交代勤務の小隊、特務小隊も合わせて警乗し、各種犯罪の警戒警備に努めておるところであります。
 続きまして、特務小隊の活動であります。
 特務小隊は、6名、うち女性が3名、いずれも私服勤務しております。これにより、駅構内、列車内における窃盗・痴漢・盗撮等、各種犯罪の警戒検挙、それからレディース相談の受理、相談に係る同行警乗、痴漢対策講座の開催、痴漢犯罪追放キャンペーンの開催などを行っているところであります。
 次に、女性警察官によるレディース相談であります。
 このレディース相談につきましては、平成8年7月から特務小隊で受理しておりましたが、本年3月の異動により、交代勤務にも女性警察官が3名配置されまして、24時間の女性警察官による受理体制が整っております。
 相談は、本隊、南警備詰所で受け付けておりますが、電話でも相談に応じておるところでございます。
 事案によりましては、相談に基づいて同行警乗を実施し、被疑者の検挙に努めるほか、助言指導等も行っております。
 痴漢・盗撮の検挙につきましては、犯行の手段や悪質性、内容により強制わいせつも問擬しますが、一般的には、京都府迷惑行為防止条例を適用しておるところでございます。
 痴漢は、出勤・登校時の早朝、盗撮は夕方に数多く発生しているところであります。
 次に、レディース相談と痴漢の検挙状況について表にしております。いずれも、本年の10月末現在の数字であります。
 本年10月末のレディース相談の受理件数は、102件であります。前年対比17件の増加であります。相談に基づく同行警乗件数、助言指導件数、いずれも増加しているところであります。
 検挙につきましては、前年対比で6件減少しておるところでありますが、被害者の処罰意思が希薄なものもあります。被疑者に警告指導するのですが、これにより解決としたものが29件と、これが大幅に増加しているところでございます。
 相談の年齢構成であります。左下の円グラフで示しております。10歳代が58%、20歳代が28%、30歳代が14%の比率であり、10歳代のほとんどが高校生であります。この数字は、言いかえれば被害者の数ということが言えると思います。
 鉄道会社別につきましては、JRが49件、路線も多いことから、一番多い。次に近鉄、地下鉄の順と載っております。
 線路が長く、通勤時間帯の本数が多いほど痴漢犯罪が多いということも考えられます。いずれにしても、これが京都駅が拠点である路線でありまして、当隊が京都駅にあることから、この3社がたくさん名乗り出てくるんじゃないかなと考えておるところであります。
 次に、鉄道警察隊における京都府迷惑行為防止条例違反の検挙状況であります。
 痴漢につきましては、平成21年は15件の検挙、ことしは24件と、大幅に増加しております。盗撮等と合わせて、全体でも10月末前年対比で10件のプラスと増加しておるところであります。府下における傾向も同じような傾向にあります。
 検挙で、府下全体の鉄道警察隊が占める割合は、平成21年につきましては28%、ことしは約31%を占めておるところであります。
 それでは、ここでレディース相談から痴漢の検挙事例について紹介いたします。
 ここに5例挙げております。
 まず、1例目の事例でございます。
 別件の相談から電車に乗って警戒中であります。地下鉄烏丸線を早朝警戒中、車両ドア付近において妙齢の女性が男性と向かい合わせの位置で、女性のほうから男性の陰部をずぼんの上からさわっているのを現認いたしました。その時点では、被害の男性がすぐ下車したことから、被害を出すかどうかという意思が確認できませんでした。4月8日に同じように警乗いたしましたところ、地下鉄九条駅から同女性が乗車してきたのを発見しまして、見ていましたところ、前と同じ男性にさわるのを現認したということでございまして、被害者に被害意思を確認の上、現行犯逮捕しております。
 取調べによりますと、被疑者は男性でありました。女性の服装はしておりましたけれども、男性であります。これは、性同一障害で女性として男性と触れ合いたかったということを申しております。一つの特異な事例であります。
 2番目の事例は、地下鉄車内で同じ女性を複数回にわたっておしりをなで回すという犯人を目撃した人が鉄道警察隊に通報してきたものであります。約1カ月にわたって警戒警乗しておりましたところ、比較的すいている車内において女性の後方から体を密着させ、左手で被害者のおしりをなで回すのを現認して、現行犯逮捕したものであります。
 被疑者、犯人の26歳の男性は、痴漢は犯罪になるとよくわかっていたと。わかっていたけれども、やめられなかったと供述しております。
 3番目の事例であります。
 これは、JR奈良線で京都駅で下車した際に、男から首筋をなめられたという相談者が、今度はその男がほかの女性をなめておるというのを見つけまして、当隊に相談に訪れております。
 その話を聞きまして同行警乗を行いましたところ、JRの東福寺駅から乗車した女性が京都駅で下車した際に、混乱にまぎれて女性のうなじをなめる男を見つけたということで、これも現行犯逮捕しております。
 被疑者は、若い女性の肌をなめたかったと、そういう欲望がとめられなかったと供述しているところであります。これは、年齢が53歳の男でございます。
 4番目の事例であります。
 被害者が、これは通学する中学の先生のほうから当隊に、生徒が通学途上に電車内でスカートの中に手を入れられたといった相談でございまして、同行警乗を実施いたしましたところ、被害者に接近し、被害者の後方から腰を押しつける被疑者を発見しまして、様子をうかがっていたところ、男の陰部を露出し、被害者のおしりに押しつけるという行為を見つけまして、現行犯逮捕しております。
 被害者は、中学3年生の女子生徒で、被疑者から数回にわたって被害を受けていたということでありました。被疑者は15歳の高校生でありまして、最初は軽くさわる程度であったということでございましたが、だんだんだんだんエスカレートしてきたと供述しております。
 5番目の事例は、これは保護者からの相談でありまして、近鉄電車内で娘が痴漢に遭っていると、これは大久保の交番所に相談に来まして、当隊にそれを引き継いだ事例でありまして、別件で受けておりました痴漢の相談と被疑者が非常によく似ているということで、同行警乗を行いました。
 同行警乗をしておりまして、同被疑者を発見したので、その動向を注目していましたところ、被害者に背後から近づいて、スカートの上からおしりをなで回すのを現認した。これで、39歳の男を現行犯逮捕しております。
 以上が、事例で挙げました痴漢の犯罪でございます。
 次に、このごろ、これも非常に多い盗撮であります。
 ここで、最近の盗撮で使用されております悪質な事例のカメラの写真でございますが、回覧いたしますので、参考にしていただきたいと思います。
 盗撮につきましては、10月末で13件検挙しております。最近では、11月11日にJR奈良線城陽駅でございます。小型特殊カメラをバッグに仕込み、女子高校生のスカートの中を盗撮した悪質な34歳の男を検挙しております。この男は、カメラを4台持っていました。
 最近の盗撮につきましては、カメラ機能つき携帯電話に加えて、ごらんのような特殊な小型カメラがインターネットを通じて容易に入手できることから、安易に犯行に及ぶことが見受けられます。
 また、動画も撮れる携帯音楽プレイヤーも普及しておりまして、よく使用されておるところでございます。
 鉄道警察隊では、これらの痴漢行為等を防止するため、痴漢追放キャンペーンを春は5月1日から同31日まで、また秋には9月1日から同10日までの間、実施しております。
 このキャンペーンには、女子高校や鉄道事業者の協力を得て広報活動を実施しております。
 JR西日本におきましても、本年11月末から12月初旬にかけてキャンペーンに取り組む予定をしておると聞いておりまして、以後、来年の4月、6月にも行うと予定を聞いております。
 次に、被害者になることが多い女子高校等で痴漢対策講座を実施しておりまして、痴漢からの身の守り方、痴漢に遭ったときの対処要領などの指導に努めておるところでございます。
 ことしは、4月、5月の新学期に、高校12校、中学12校、またJR西日本の女性職員に対しても行っており、これについては4,610名が受講しているところでございます。
 今後も、鉄道警察隊は、これらの犯罪から女性を守るため、事業者等と協力し、創意工夫しながら業務に邁進してまいりたいと思っておるところでございます。
 以上、鉄道警察隊の活動概要を説明してまいりましたが、今後とも鉄道警察隊へのより一層の御理解と御協力をお願いいたします。
 以上でございます。



  (発言)
◯角替委員
 最近はどうなのでしょう、すりというのはどんな状況なのでしょうか。少なくなっているのでしょうか。



◯堂埜鉄道警察隊副隊長
 すり犯罪につきましては、今回ちょっと資料を用意しておりませんので、次回のときにまた説明させていただきたいと思います。



◯岡本委員
 随分手が込んでいるなと、すごく巧妙になっているというのと、機械が随分と便利になることによって、犯罪を見つけたり、あるいは抑止したりということが非常に困難になってきたなということと、それから若い女性の皆さんのファッションが、シーズンを通じて露出が多くなっているのかなとか、いろいろ要因としてはあって、なかなか対処なさるのが御苦労だなというのがうかがえるのですけれども、そういう社会情勢の中においても、何とかしてそうした悪質な事例というのを防ぎ、あるいはそうしたやからというか、犯罪者を逮捕するというのが皆さんの使命といいますか、役割だと思います。こうして非常に殺伐とした時代になってきている背景というのがあるのかもしれませんが、恐らく多分、事例としてふえているというお話でもありましたし、これからの防ぐ余地といいますか、今、対処なさっている以上に、さらに抑止を働かせるということと、潜在的に多分泣き寝入りされている方もたくさんいらっしゃると思いますので、そうした方々にそういった悲しい思いをさせないためにどういう取り組みの余地があるのでしょうか。
 私なんかですと、先ほど6割の男性はアンケートによると不安を持っていると、自分自身がやってもいないのにそういうことにされてしまうんじゃないかという、私もその一人ですけれども、だから必ず両手はフリーにしておかないということを私は電車に乗るときに心がけているわけですけれども、女性が被害者の主だと思うのですけれども、女性の皆さんのもっと何か対処のしようというのはないのでしょうか。少しの工夫で防げると思うので、そのことを、先ほど学校だったりで啓発をしていただいているけれども、こうなわけで、先ほど申し上げた、そういったさらに防ぐ余地というのはないのかなと思ったものですから、今後の展開といいますか、検討といいますか、そういう余地はあるのでしょうか。



◯林鉄道警察隊
 今出ました痴漢犯罪の防止講座でありますが、これにつきまして、今、女性がほぼ中心の、例えば女子高校とか女子大学とかを使って防ぎ方、そういうものを伝授しておるわけですが、一部男子にも教えてくださいというような事例もございまして、男子にもこんなことをしたらだめなのですよ、犯罪なのですよというのもあわせて行っておるというところであります。
 今、委員さんのほうからありましたが、男性として少しでも当たったらいけないのかなというような疑いも非常に持たれますので、検挙するについては、そのあたりも考慮して、複数回並びに悪質なものについて検挙しておるところであります。



◯岡本委員
 いろいろ警察行政だけで対処するのはなかなか難しいところが正直あると思うのです。女性の皆さんは、多分、潜在的に痴漢に遭われた経験というのは相当おありだと思います。結局、恐らく公式に警察なりなんなりに相談されていない方というのは、潜在的に相当たくさんいらっしゃると思うのです。
 だから、痴漢というものに対する体験というのは、多分、お持ちの方は多いと思います。しかし、にもかかわらず痴漢に遭われてしまうと。
 ということは、そういう人間を育てないようにするというのは少しこっちに置いておいて、そういうことをする人が潜在的に車両の中にいるんだということをわかっていらっしゃるはずなのに、しかしできればしっかり防御していただけるのが一番手っ取り早いのだと思うのですけれども、必ずしもそうなっていないというか、だから私はまず一番最初にこういう犯罪を生まないということを一番手っ取り早く考えるならば、まずそういう被害を受けやすい対象の方に、身の回りのそういうことの起こらないような何かしらの工夫をしていただくのが一番いいのではないかなと思うわけなのですけれども、まずそこに力を入れるべきなんじゃないかなというのが1点、そこが今やっている啓発だけで足りているのか、それともさらに余地があるのかということがまず1点なのですね。
 それと、もう一つは、今回の場合、鉄道ですので、鉄道会社に対する何かしらのお願いできるようなことはないのかという話です。女性専用車両についてもそうだと思うのですけれども、今度は、今までは通勤の時間帯だけだったけれども、路線によっては一日じゅうしましょうということで拡充される路線が大阪のほうであると。そういうこととか、あるいは込み合う時間帯はもっと車両をふやして、人の密接な環境を少し広げられるような、余り込まないような環境をつくれないかとかといったことを鉄道会社と話ができるような、そういう体制というか、環境になっているのかなという、この2点をお尋ねしたいと思います。



◯林鉄道警察隊
 今おっしゃられた、女性の防御する話、それについて、鉄道会社については、鉄道会社も、JRは特に新聞に出まして、先ほどパワーポイントの中にもありましたみたいに、ことしの11月から12月にかけて、来年の4月と6月にキャンペーンをやると。これにつきましては、警察で言うと近畿間、関西、JR西日本の管内すべて網羅して警察と連携してやるという取り組みをJRはしております。
 ただ、車両をふやせ云々というのは、向こうの営業のこともございまして、こちらからはこんなふうにしていただけませんかという話はできましても、それ以上のことはなかなか、聞いてもらうのは難しいと思います。
 それと、車内における防止というか、女性にはこちらのほうの新谷警部補のほうから直接、講座で場所取りとかといったことについて指導はしております。鉄道の車内で一番被害の多い出入り口付近とかといったところに立たないように等の指導を続けておるところであります。



◯田渕委員
 先ほど冒頭、角替委員からもありましたけれども、鉄道警察隊と言えば、以前はすりとか万引きとか、酔っ払って寝ている人のさいふをとったりといったことが中心かなということで、どの程度、現状はどうなのかなと私も最初に思っていまして、質問されたからあれなのですけれども、御用意されていないということだから、きょうはいいのですけれども、だけれども最近ではこういう痴漢行為というのが鉄道警察隊の仕事として非常に多くなってきているのかなと思います。先ほどの検挙事例を聞いていますと、こういう通報があったり、いろいろなところでの届け出があるので、それを中心にして乗り込んで見張っておったら、こういうことであったから、現行犯で逮捕するということが多いようなのですけれども、それも大事なことなのですが、みずから車両に乗り込んでおられて、初犯であってもぱっと見つけられてそれを現行犯逮捕するという事例はないのでしょうか。
 それと、これは我が女房が、若いころは痴漢行為というか、ストーカーですね。要するに、電車の中で接触というかして、電車をおりてからつけてきて、女房の場合は傘でどつかれて、幸いにして人が顔を出しましたので助かって、私も呼ばれて交番に若いころに一緒に届け出しましたけれども、そういった外まで出向いてストーカー行為、ストーカーだけじゃなくて暴行もありますけれども、そういった事例などはないのでしょうか。



◯新谷鉄道警察隊特務係長
 ストーカーの件につきましては、ことしはありませんが、去年か、その前、西京警察署と合同でつきまといストーカー行為ということで検挙したことがあります。
 その女子高校生は阪急の桂駅から乗りまして、ずっとその駅をつけてくると、烏丸駅から地下鉄に乗りかえるのですが、その地下鉄までつきまとわれ、そして痴漢行為に遭っているということで、もし痴漢行為があれば痴漢で現行犯逮捕するということで同行警乗を続けておりましたが、結局、痴漢では検挙できずに、西京署と合同でストーカーのほうで検挙した事例があります。
 今、もう大学生になられたと思いますが、高校3年生のときに嫌な思いをされて大変だったと思いますが、検挙で解決に結びつけることができました。
 また、先ほどパワーポイントで隊長が紹介しておりました一つ目の事例で、性同一性障害の女性が男性に痴漢行為をしているという、これは私たちが地下鉄のほうで警戒をしておりまして、全く情報はありません。警戒していて、流れに逆行する変な女性がいるなということで動向をずっと注視しておりましたら、これも全く情報はありませんが、男性と正対して左手で男性の陰部をさわっているのを現認しまして、行動確認して、1回ではできませんので、とりあえず男性のほうにさわられたかどうかの被害認識の確認をしまして、「さわられました」ということで捜査の協力のほうをお願いしました。再度、その女性がどこから乗ってくるのかわかりませんでしたので、どこから乗ってくるかということで、竹田駅のほうから順次、早い電車に乗りまして女性を確認しまして、九条駅から乗ってくるのがわかりまして、込み合う京都駅、四条駅、烏丸御池駅、その間で男性が、ちょうど四条駅でおります。そこの、あいたところを女性が流れに逆行して奥へ入って、乗降客が入ってきたとき、ちょうど自分が痴漢行為をする相手の男性の前に立ってさわるのですが、2回目のときに現行犯逮捕しました。スーツを着て、ちゃんと勤め、体格は大きな感じでしたので、かなり体格のいい女性かなと私たちは思って、とりあえず現行犯逮捕ということで、女性ですので、私たち女性が現行犯逮捕しました。男性の被害者については男性特務隊員がさわられたかどうかの被害づけをしまして現行犯逮捕しまして、確か烏丸御池駅でおろしたと思うのです。五条警察署に連れていきまして取調べ室に入れましたら、男性ということがわかりまして、名前は女性の名前を言っておりましたが、運転免許証のことで名前を変更して、本来は男性、戸籍上は男性の名前で、戸籍を変えるのですか、それで名前を変えていたということです。これは私たちは本当に相談ではなく、現行犯ですね、警戒中に見つけたものです。
 しかし、言われますように、満員電車の中というのは、なかなか現認ができないということで、警戒していても難しいです。相談がありましたら、同行警乗、もしくは同じ時間帯にこういう変な人がいるという相談を受けて警戒しまして、現行犯逮捕、比較的相談による現行犯逮捕が多いのも現実です。満員電車なので、警戒に入りましても、なかなか見つけることが難しいというのが現状です。
 以上です。



◯田渕委員
 わかりました。
 満員電車に我々も乗る際は、最近は私らは回数は減っていますが、毎度乗られる男性は、岡本委員じゃないけれども、逆に非常に疑われるんじゃないかということで、手をどうしようかなと、何か持っていない場合は手を上げていたら安全だなということで息をすることがありました。
 そんなことでは、間違って誤認逮捕で非常に気の毒な事例も中にはあるように聞いておりますので、この辺の仕事として逮捕されることについては、非常に慎重にならざるを得ないと。だから、したがって一度じゃなくて、二度、三度と、そういうことがあるような人を考えてつかまえられる、逮捕される、検挙されるということは、わかる気がいたします。
 非常に難しい仕事だなと思うのですけれども、今お話しいただいたけれども、新谷さん、珍しい事例は何かありませんか、今の特徴的なこととか何かがあればお話し願ったらありがたいなと思います。



◯新谷鉄道警察隊特務係長
 盗撮につきましては、盗撮のパワーポイントでも隊長から説明がありましたように、機器については、いろいろなインターネットサイトでも出ておりますので、順次新しい盗撮用具を使って盗撮をしているということで、仕込みと言うのですが、かばんの中に入れて、かばんを差し出す行為、それをこの11月に入って検挙した事例なのですが、高校の先生から「JR奈良線で女子生徒が盗撮されたみたいです」という相談が城陽警察署のほうにありました。11月8日に被害があって、10日に届け出をいただいて、それを即、11日、次の日に行きまして検挙できました。上着が同じで下の服装は違ったのですが、ちょっとおかしな動きをする男が、電車に乗っておりまして、その男をつけたら、かばんの中をさわりまして、かばんを一たん下に置きまして、そしてそれをミニスカートの女子高校生のところに、携帯電話とか特殊カメラを出すんじゃなくて、かばんごとスカートの下に置きました。よく見ましたら、何人かで乗っているのですが、そのレンズの先が見えましたので、仕込みです。全くレンズの先しか見えないのですが、これはもう盗撮に間違いないということで、城陽駅でおろしました。
 すると、城陽駅で現行犯逮捕しまして、城陽警察署のほうに連れていきましたら、私たちは気づかなかったのですが、ほかに3台小型特殊カメラが出てきまして、同時に靴の上のほうにも、同じような形なのですが、靴のところにも小型特殊カメラを入れていて、それが作動していて、ちょうど実際、かばんのほうに入れていた分につきましては、作動していなかったので、保存はされていなかったのですが、靴のほうに入れていた小型カメラのほうは作動していまして、下着が写っておりました。
 それから、そのかばんの中にまだあと2台特殊小型カメラがあって、計4台、実際、私たちが見たのはかばんのところのレンズしか見えなかったのですが、所持品検査をしたら4台出てきました。これも珍しい、4台というのは初めてです。これは盗撮です。
 痴漢は、先ほどなめたというのが、私はことしに入ってはこれが一番珍しいと。夏でしたので、若い女性がこの辺の肩、襟ぐりの大きな服で、この肩のちょうどこの辺が見えるのです。その53歳の痴漢の男は、髪の毛を一つにくくってうなじが見える女性が、JR奈良線の京都駅に着いて、ホームにおりたところを後ろから舌を出してべろっとなめたのを現認しまして、さらにまた後ろのおりたところで一回なめて、もう少し行ったところで同じ女性を2回なめたのです。それで、もう現行犯逮捕したのです。今まで私は2年半になりますが、こういうのは初めてでした。なめるというのは、これは特異な事例だと思います。さわるとか、押しつけとかはあるのですけれども、若い女性をなめるというのは珍しいケースだったと思います。
 以上です。



◯田渕委員
 ありがとうございました。
 そういう一般的に変態と言いますね、行為をされる方について、これは厳しく取り締まっていただく。本当に、特に女性が被害を受けているわけで、こんなことがないように頑張っていただきたいと思うけれども、一方で、逮捕されまして、起訴されて有罪になるのかどうか、どの程度の罰になるのかわかりませんが、そういう方々を矯正するというのもやらないと、また後でやるというようなことになって、これは警察だけでは対応できないことであろうと思いますけれども、非常に考えるべき点があろうなと思います。
 以上で終わります。



◯木村地域部次長
 お二人の委員から先ほどすりについての御質問がございましたけれども、すりというのは非常にプロがやる犯罪でありまして、これにつきましては、刑事の中に捜査三課、ここに移動係というのがありまして、ここがこれを専門にやっておりますので、先ほど鉄道警察隊のほうで資料をちょっと持っていないといった発言をさせていただきました。申しわけございません。



◯新井委員
 今の話、大体、京都府迷惑行為防止条例に基づいてやっていただいているのですが、少しわからないのですが、先ほどあった陰部を露出するとかといったことになれば、軽犯罪法の公衆わいせつなんかにも当たると思うのです。しかし、今、主には迷惑防止条例でやっていただいておるのですが、そこの使い分けというか、罰則の程度によっても、僕はよく知らないのですけれども、罰則がどうなっているのかという点で、それからまた鉄道車外の犯罪で言うと、今の条例で言えば、京都府域を超えた場合、先ほどの警察法の関係で言えばいけるとしても、同条例のほうは適用範囲が基本的には京都府内となってくると思うのですけれども、そこらの使い分けというのはどうなっているのでしょうか。



◯堂埜鉄道警察隊副隊長
 使い分けと言いますか、先ほど言いましたように、鉄道警察隊の業務の中で、京都府で発生した分について大阪府でおろしたということであれば、大阪で出動しても、京都府迷惑行為防止条例(迷防条例)を適用して検挙します。実際、京都でも、大阪とか滋賀県において、迷防条例違反で4件の検挙をしております。
 [軽犯罪法との関係は、軽犯罪等、併合罪という関係であれば、一緒に行うとしても、大体迷防条例一本で処理しております。](※[ ]内の部分については、後日、「軽犯罪法との関係で、適用法令については、事例ごとに具体的に判断しております。」と訂正)



◯新井委員
 その場合に、罰則規定などは少し違うと思うのですけれども、そこらの関係はどう判断されているのですか。



◯林鉄道警察隊
 軽犯罪法は過料でございまして、至って軽くなります。迷防条例でいきました場合、痴漢の場合は50万円以下の罰金に処されます。そのぐらいの差がありますので、ほとんど迷防条例ということで検挙しています。



◯家元委員
 先ほどもお話がありましたけれども、きょう、痴漢に対する取締りのことを重点にお話を聞かせてもらいましたが、鉄道という一つの限られた場所の中ではありますけれども、一般犯罪もあると思うわけです。その一般犯罪に対する対応というものはどのようにされるのですか。



◯林鉄道警察隊
 一般犯罪につきましても、警察官でありますから、当然対応しておるところであります。
 一般犯罪につきましては、制服で検挙、またその場合は引き継ぎは七条警察署、それと場所によりますが、南警察署ということで処理しておるところであります。
 京都駅構内には七条署の北交番所がございまして、そこも共同になるというような処理の仕方をしてまいっております。



◯家元委員
 先ほどの説明の中で、福知山に刑事課ですか、何か鉄道警察の班があるというようなお話を聞きましたけれども、そういう鉄道警察と一般の警察との連携といいますか、協調といいますか、そういうことは絶えずできておるわけですか。



◯林鉄道警察隊
 鉄道警察隊の兼務者として各署に兼務ということで、大体、駅交番の警察官を指定をしておりまして、また今の迷防条例につきましては、各警察署、ここの生活安全課と連携をいたしまして処理をしておるということであります。
 一般犯罪につきましては、当然、刑事課、ここと処理を一緒にしております。



◯角替委員
 所管のことに外れているかどうかということもちょっと気にはなるのですが、盗撮なのですが、盗撮をした物を例えばインターネット上にアップするだとか、あるいはそれを売買して、例えば暴力団なんかの資金源にしていくだとか、何かそういうことの広がりとか展開というようなことはあるのでしょうか。あるいは、何か予測されたりということになるのでしょうか。その辺は所管は外れてしまいますか。



◯林鉄道警察隊
 所管は外れます。現実には、インターネットに流しておる者もおるようであります。



◯松岡副委員長
 私もJR奈良線と地下鉄に乗ってこちらの府庁のほうへ来るのですが、警察隊の京都駅南警備詰所の前を時たま通らせていただきまして、今、いろいろな説明を受けまして、鉄道警察隊の活動がよくわかりました。ありがとうございます。
 1点、女性警察官によるレディース相談はかなり有効だと思いますし、女性の方も相談がしやすいということで相談件数もふえていると思うのですが、この広報活動を、こういう女性警察官によるレディース相談をやっていますよというような活動は主にどのようにされているのでしょうか。



◯新谷鉄道警察隊特務係長
 大きな広報活動としましては、キャンペーンを年2回やっておりますので、ことしは京都駅前で2回広報啓発活動を、春につきましては、警察音楽隊にも来ていただきまして、また女子高校生にも来ていただきまして、キャンペーンということで広報活動、レディース相談の紹介、届け出ということで、しております。秋もやりました。
 それと、大体4月、5月、6月に痴漢対策講座というのを学校のほうから依頼がありまして、大概は女子中・高校が多いのですが、そちらのほうで痴漢対策講座の終わりには必ずレディース相談の紹介もさせていただいております。
 また、府警のホームページにもレディース相談を登載させていただいておりますので、そちらからレディース相談を知って相談しましたという方もおられますし、また京都駅南警備詰所にはレディース相談の看板を上げておりますので、そこの前を通られた方がレディース相談ということで、直接、隊のほうにお見えになる方もおられます。
 以上です。



◯松岡副委員長
 マスコミ媒体とか、行政機関でも、たまにそういう広報的なことをされているし、効果もあろうかと思うのですが、満員電車等による車内アナウンスというのはかなり抑止効果が高いかなという思いで、たまにされているかもわからないのですが、鉄道事業者さんにも御協力をいただいて、よくそこの鉄道を利用していただくためには、鉄道事業者も特に気持ちよく快適に乗っていただくという企業努力をしていただかなければと思います。その辺をうまく活用していただけたら、もっともっと効果が上がるのかなということも思いますし、限られた32人の方でやっていただいているということで、主に相談等、情報をいただいた方を逮捕するようなお仕事が中心になろうかと思いますので、できたらそういうところに力を入れていただいたらありがたいなと思っているのですが、この点について見解だけお聞かせいただきたいと思います。



◯林鉄道警察隊
 鉄道事業者の協力については、当然でございまして、今後も求めていきたいと思っております。特に被害の多いJR、近鉄、地下鉄に求めていくようにします。よろしくお願いします。



◯松岡副委員長
 また、御尽力いただきますことをお願い申し上げまして、終わりたいと思います。



◯渡辺委員長
 御発言も尽きたようでありますので、これをもちまして所管事項の調査を終了いたします。
 本日は、本当にいろいろと御準備いただきまして御教示いただき、ありがとうございます。皆様方の地道な活動をお教えいただきまして、これからもまた本当に検挙される方についてはまだ氷山の一角かと思います。いろいろな意味で心の傷になっておられる方、だれにも言えずに悩んでおられる方もいらっしゃるかと思いますので、私どもも皆様方の御活動についていろいろな場面で御紹介もしながら、そして皆様方の御理解を得ていくように、また私どももそれなりに頑張ってまいりたいと思います。
 理事者の皆様方におかれましても、本日、各委員の皆さんから出されました御意見や御見解等につきまして、今後の府政の推進に当たり、そして安心・安全なまちづくりのために十分御留意いただきまして、府民のためになお一層の創意工夫をされますようにお願いを申し上げたいと思います。
 本日はありがとうございました。




3 その他
  発言なし




4 閉 会
  渡辺委員長から閉会宣告が行われた。