児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「海外で児童ポルノ製造 全国初、男を逮捕 警視庁」という報道

 サンケイさん、警視庁の広報のまま出したら間違えますよ。

 製造罪の国外犯としては、手持ちの判決だけでも
神戸地裁H19.3.6 公然陳列目的製造罪
大阪地裁H14.4.26 販売目的製造罪(弁護人奥村徹
阪高裁H14.9.10 販売目的製造罪(弁護人奥村徹
横浜地裁H13.3.7 販売目的製造罪
があります。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110224/crm11022402000001-n1.htm
海外で児童ポルノ製造 全国初、男を逮捕 警視庁
2011.2.24 02:00
 渡航先のフィリピンで当時15歳の少女の裸の写真をデジタルカメラで撮影したとして、警視庁少年育成課と練馬署が23日、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童買春と提供目的製造)などの疑いで、容疑者(64)を逮捕したことが分かった。捜査関係者が明らかにした。国外での児童ポルノ製造が立件されるのは、全国で初めて。
 捜査関係者によると、容疑者はこれまでにフィリピンなどの海外へ複数回渡航しており、平成17年以降、少なくとも計1000日以上滞在。児童ポルノ製造罪の公訴時効は3年だが、警視庁は国外滞在中は時効の進行が停止していると判断し、立件に踏み切った。同容疑者は容疑を認めているという。

 容疑者は、インターネットにブログを開設。渡航先での行動について詳細に書き込むとともに、18歳未満とみられる少女の裸の写真などを多数公開していた。

時事通信は「日本初」とは報じていません。
警視庁が外国で取調ができるのかというのも疑問ですけど。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110224-00000022-jij-soci
フィリピンで15歳少女買春=ブログに写真、被害複数か―64歳男逮捕・警視庁
時事通信 2月24日(木)8時27分配信
 捜査関係者によると、同容疑者は少女の裸などを写真撮影し、インターネットのブログに掲載。愛好家らと画像を交換するなどしていた。数年間にわたって渡航を繰り返しており、複数の少女が被害に遭ったとみられる。
 同法には日本人の海外での行為を処罰する国外犯規定があり、同課は現地に捜査員を派遣し、少女から事情を聴くなどしていた。
 逮捕容疑は2005年、フィリピン・ミンダナオ島のホテルで、現地に住む15歳だった少女に現金を渡す約束をし、わいせつな行為をした上、写真を撮影した疑い。
 捜査関係者によると、容疑者は建設関係の仕事でフィリピンに出張した際に同様の行為を始め、退職後は1〜2カ月ごとに日本とフィリピンを行き来する生活をしていた。 

 共同通信も全国初を外しています。

http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011022401000261.html
逮捕容疑は2005年11月7日、フィリピン・ミンダナオ島のホテルで、当時15歳の少女に日本円で約6千円を渡して買春し、その際に上半身裸の写真を撮影した疑い。
 少年育成課によると、容疑者は「若い子と遊びたかった」と容疑を認めている。押収したパソコンからは他にフィリピン人とみられる少女2人の画像が見つかり、以前開設していたブログでも買春の体験記や少女の写真を掲載していた。
 容疑者の知人の情報提供を受け、警視庁が捜査していた。
 同法が施行された1999年以降、児童買春やポルノ製造などの国外犯の摘発は全国で13件。捜査関係者によると、90年代までは、集団で東南アジアに行く「買春ツアー」が目立っていたが、近年はインターネットで買春場所の情報を集めた上で、個人旅行するケースが多いという。

 13件のうちの、3件は弁護人奥村です。
 日本でやれば捕まるので外国に行ってやるというのは、犯意が強固だし、計画性も明白なので、量刑は重くなります。