児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

1対1のチャットでも公然わいせつ サイト運営会社の社長ら逮捕

 弁護士に相談すれば、1対1なら大丈夫とは言わないですよ。

大阪高等裁判所判決昭和30年6月10日
高等裁判所刑事判例集8巻5号649頁
高等裁判所刑事裁判特報2巻12号591頁
 叉公然とは不特定叉は多数人の認識し得べき状態を云うのであつて、必ずしも現に不特定又は多数人に認識せられることを要しないのである。従つて、特定の少数人のみの認識し得る状態においては原則として公然とは云い得ないのであるが、もしそれが現に特定の少数人が認識し得るにすぎない状態にあるにせよ、偶発的に行われたものではなく一定の計画の下に反覆する意図をもつて不特定人を引入れこれを観客として反覆せられる可能性のあるときは上記の趣意から見て、不特定叉は多数人の認識し得べき状態であると解すべきであり、従つてこの場合には公然性を具有するに至るものとしなければならないのである。
ところで、本件について考えて見るに、被告人等は相談の上いわゆる「のぞき」を計画し、街道の通行人中から適宜見物客を誘い、輪タクに乗せて旅館の二階に連れ込み、同所において被告人両名がその客の面前で性交の実演をすることを打合せ、右打合せに基き反覆累行する意図の下に本件の各わいせつ行為が行われたものであることが明らかであるから、所論のようにたとえその性交実演の場所が旅館の密室であり叉その見物客が二名ないし五名の比較的少数人であつたとしても、それが不特定叉は多数人の認識し得べき状態で行われた公然のものであると解せられる・・・
のであり、

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/091002/crm0910021257011-n1.htm
1対1のチャットでも公然わいせつ サイト運営会社の社長ら逮捕
同隊によると、森容疑者は「公然わいせつにあたるかどうかはグレーで、法律上ぎりぎり大丈夫だと思っていた」と話しいる。
 摘発対象となったのは、男女が1対1で利用するサービスだが、不特定多数の人間が会員登録をすることができるため、同隊は公然わいせつにあたると判断した。
 逮捕容疑は、6月23日午後1時半ごろから約15分間にわたり、サイト上で女性会員(50)=同容疑で逮捕、処分保留で釈放=の陰部などを有料で利用者に閲覧させたとしている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091002-00000050-jij-soci
同隊によると、一対一で利用するチャットサイトが同容疑で摘発されたのは初めて。容疑者は容疑を認め、「一対一なのでグレーゾーンだと思っていた」と供述しているという。
 同隊は「誰でも登録すれば閲覧でき、不特定に当たる」としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091002-00000032-mai-soci
チャットは「ツーショット」と呼ばれる女性と男性会員が1対1で画像や音声をやり取りするサービスだが、警視庁は、誰でも会員になれるため公然わいせつに当たると判断した。ツーショットで同容疑を適用したのは全国初という。

ちなみに、動画がメモリーなどに固定されると、法定刑が4倍になる。