児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

1対1のツーショットダイヤル(インターネット上で女性出演者がその姿をウエブカメラで撮影した陰部露出や自慰行為の映像を電子通信回線を利用して即時配信して不特定又は多数の男性客に閲覧させるなどの映像配信システム)が公然わいせつ罪になる理由(某高裁H23)

 1審では反復してるから、1対1でも「公然」にあたると判示しましたが、高裁はそれだとデリヘルが「公然わいせつ」になってしまうというので修正しています。

某地裁H22
ツーショットチャットは公然わいせつ行為にあたらないという主張
→少数であっても不特定であれば足りる 
現に少数であっても不特定又は多数の者を勧誘した結果であったり反復する意図がある場合には結局不特定又は多数の者が認識しうる状態である(最決s31.3.6 裁集刑112号601号 最決s33.9.5 刑集12巻13号2844ページ 大阪高裁s30.6.10 高刑集12巻13号2844号

某高裁H23
ツーショットダイヤルは 公然性がないという控訴理由について
→利用者側が映像を受けるかどうかは利用者の意思にゆだねられているし、女性側はチャット相手方がだれだかわかだないし 入れ替わってもわからない 利用者が増えてもわからないから 不特定又は多数の者が試聴する可能性を排除できないので、公然である
 原判決が 公然性を肯定するにあたり上記と同様の理由の他 本件わいせつ行為が不特定又は多数の者に対して勧誘を行い 反復継続する意図の下になされたことを上げているが、この点は、風営法が「異性の客の性的好奇心に応じて接触する役務提供する営業を、個室を設けて行う携帯もの(2条6項2号)」 と「当該役務を行うものを派遣する携帯のもの(同情7条1号)」に分類した上 いずれも性風俗関連特殊営業として適法な営業として規制対象としていることとの関連性が問題となる
もとより売春防止法や刑法の規定に触れるような行為が許されないことは明らかであり、風営法が刑法174条により禁止されている行為についてその営業方法を規制することによってこれを適法化したものとは解されない(同法1条参照)から、風営法は上記形態の営業は刑法の公然わいせつ行為に該当しないことを前提にしていると言うべきであるところ、これらの営業もまた不特定又は多数の者に対して勧誘を行い、反復継続して行う意図の下になされるものである上、営業として成り立ちうる「異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業」とはどのようなものかを考えたときに 上記役務に公然わいせつ罪においてわいせつ行為とされる行為が含まれないと解するのは甚だ困難である。そうすると、不特定又は多数の者に対して勧誘を行い(勧誘行為を規制するかどうか どのように規制するかは別問題である))、反復継続して行う意図の下にわいせつ行為がなされたとしても行為者において 個室において1人を相手にするなど不特定又は多数の者が認識することができない状況を確保した上で当該行為を行う場合には、公然性が否定されるもとの解するのが相当である(なお原判決が引用する最決S31.3.6は当該事案に照らし上記のような場合について公然性を肯定したものとは言えない) その意味で 所論がいわゆるデリバリーヘルス(風営法2条7項1号)の営業形態と比較して原判決を論難しているのも一理あるものと考えられる

判例番号】 L01110030

       公然猥褻

【事件番号】 最高裁判所第3小法廷決定/昭和29年(あ)第1063号
【判決日付】 昭和31年3月6日
【判示事項】 第一審判決の事実認定にいわゆる数十名の客とは,不特定の客の趣旨であると解せられ,被告人の行為が夜間一定の部屋を密閉してなされたとしても公然猥褻罪の成立を妨げないとした事例
【判決要旨】 原判決挙示の証拠によれば不特定多数の人を勧誘した結果各判示の日判示料亭において集まつたそれぞれ数十名の客の面前で判示の所為に及んだことが認められるので第一審判決事実認定の部にいわゆる数十名の客とは不特定の客の趣旨であると解せられ、従つて右所為がたとえ夜間一定の部屋を密閉してなされたとしても公然猥褻罪の成立を妨げるものではない。
【参照条文】 刑法174
【掲載誌】  最高裁判所裁判集刑事112号601頁

       主   文

    本件上告を棄却する。

       理   由

 弁護人別府祐六の上告趣意一は、第一審判決には所論司法警察員作成南修治供述調書七通の各記載と他の証拠とを綜合して判示事実を認定した旨記載されているが、本件記録には右南修治供述調書は六通しかないから右判決は違法であると主張するけれども、原判決においては、控訴趣意第三点について「司法警察員作成南修治供述調書は六通でなければならないのに第一審判決が証拠としてこれを七通として記載したのは誤であるがこの誤はもとより判決に影響を及ぼすものではない」として論旨を理由なしとして斥けているから右第一審判決における誤は原判決に影響しない。又、上告趣意二は事実誤認の主張に過ぎない。要するに以上は刑訴四〇五条の上告理由に当らない。上告趣意三は、判示の所為は夜間密閉した部屋で特定の客を相手になされたものであるから公然猥□の行為とはいえないというけれども、原付決挙示の証拠によれば不特定多数の人を勧誘した結果各判示の日判示秒亭において集まつたそれぞれ数十名の客の面前で判示の所為に及んだことが認められるので第一審判決事実認定の部にいわゆる数十名の客とは不特定の客の趣旨であると解せられ、従つて右所為がたとえ夜間一定の部屋を密閉してなされたとしても公然猥襄罪の成立を妨げるものではなく、この理由から第一審判決を肯認した原判決は正当であつて論旨は理由がない。記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
  昭和三一年三月六日
             最高裁判所第三小法廷
                    裁判長裁判官 垂  水  克  己
                       裁判官 島        保
                       裁判官 小  林  俊  三
                       裁判官 本  村  善 太 郎

・・・・・・・・・・・・・・・・・
判例番号】 L01310279

       猥違図画陳列被告事件

【事件番号】 最高裁判所第2小法廷決定/昭和33年(あ)第1069号
【判決日付】 昭和33年9月5日
【判示事項】 刑法第175条にいう「猥褻ノ図画ヲ公然陳列シタル」場合にあたる事例
【判決要旨】 観覧料を徴収し、外部との交通を遮断した自宅2階3畳間で観客5名位に対し猥褻映画を上映して観覧せしめた場合、その5名が予ねて力車屋等において上映者の依頼に応じ勧誘案内して来た者である以上、刑法第175条にいう「猥褻ノ図画ヲ公然陳列シタル」場合にあたる。
【参照条文】 刑法175
【掲載誌】  最高裁判所刑事判例集12巻13号2844頁
       最高裁判所裁判集刑事127号83頁
【評釈論文】 警察研究13巻10号97頁

       主   文

 本件上告を棄癩却する。

       理   由

 弁護人五井節蔵の上告趣意第一点は憲法一四条、三一条違反をいうけれども、その実質は単なる訴訟法違反の主張に帰し、上告適法の理由とならない(なお、原判決に所論のような違法のないことは昭和二九年(あ)第一〇七号、同年六月二四日第一小法延判決、集八巻六号九七七頁の趣旨に徴し明らかである。)。同第二点は憲法三八条三項、刑訴三一九条二項、判例違反をいうが、原判決は被告人の自白のほかに数多くの証拠を挙示しており、これらを総合すれば、本件犯罪事実は優に認定することができるのであつて、本件は公判の自白を公判廷外の自白で補強した場合でないのはもちろん、違法な証拠を他の証拠と総合して犯罪事実を忍定した場合でもないから、所論はすべて前提を欠き、採用できない。同第三点は憲法三一条違反をいうけれども、その実質は単なる訴訟法違反の主張を出でないものであつて、上告適法の理由となし難い(なお、この点に関する原判示は相当であるばかりでなく、原判決は自判に当つては刑法一九条一項各号二項の適用を明示している。)。同第四点は判例違反、憲法三一条違反をいう点もあるが、本件所為が刑法一七五条のいう「猥褻ノ図画ヲ公然陳列シタル」場合にあたることは原判決の説示するとおりであるから(大審院、大正一五年(れ)第七三四号、同年六月一九日第四刑事部判決、集五巻二六七頁、昭和三二年(あ)第四四一号、同年五月二二日当小法廷決定、集一一巻五号一五二六頁参照。)、同判決には所論のような違法はなく、違憲の主張は前提を欠き、引用の判例は本件に適切でない。同第五点は憲法一八条違反をいうけれども、その実質は量刑の非難であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
 よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
  昭和三三年九月五日
     最高裁判所第二小法廷
         裁判長裁判官    小   谷   勝   重
            裁判官    藤   田   八   郎
            裁判官    河   村   大   助
            裁判官    奥   野   健   一

・・・・・・・・・・・
判例番号】 L01020459

       公然猥褻被告事件

【事件番号】 大阪高等裁判所判決/昭和29年(う)第1813号
【判決日付】 昭和30年6月10日
【判示事項】 刑法第174条にいわゆる公然の意義
【判決要旨】 刑法第174条にいわゆる公然とは、不特定または多数人の認識し得べき状態をいい、猥褻行為が現に特定の少数人において認識し得るにすぎない状態にあつても、一定の計画の下に反覆の意図をもつて行われ、不特定人を1室に引き入れ、これを観客として反覆せられる可能性のあるときは、公然性があるものといえる。
【参照条文】 刑法174
【掲載誌】  高等裁判所刑事判例集8巻5号649頁
       高等裁判所刑事裁判特報2巻12号591頁

       主   文

 本件控訴を棄却する。

       理   由

 本件控訴の趣意は、末尾添付の弁護人前堀政幸作成名義の控訴趣意書記載のとおりである。
 控訴趣意第一点について、
 所論は、原判決は被告人の公然わいせつ罪の成立を認め、これに対し刑法第百七十四条を適用した、しかし同条にいわゆる公然とは不特定の衆人に認知せられる状態を云うのであつて、特定の少数人のみが認識し得るに過ぎない状態を云うのではない。従つて本件の場合、その性交実演の場所は公開叉は開放せられていない旅館一美の二階六畳の密室内であり、叉その見物客も一定の料金を支払うことにより特定した最少二名ないし最多五名の比較的少人数であつて、特に原判示の別紙一覧表記載四の場合における見物客は警察職員ばかりの特定の少人数であつたのであるから、かような状況における性交の実演は到底公然とは云えないし、叉たとえそれが反覆する意図の下に行われたものであるとしても、それだけの理由で当然に公然性を具有するに至るいわれはない、従つて、本件被告人等の各所為につき公然わいせつ罪の成立を認めた原判決には理由のくいちがい叉は不備或いは法令の解釈適用を誤つた違法があると云うのである。
 按ずるに、生物は生殖の本能と種族保存の本能を有するのであつて、人類もまた生物の一種としてこの本能に支配せられ、性交によつて永遠の生命を保持するのである。従つて性的行為は社会の存在する根本条件であるから、性的適徳は古来から保護せられて来たのであるが、他面性欲を刺げきし満足せしめる行為が社会の健全な性感情、善良な風俗を害し、社会の秩序を破壊する場合には刑法の干渉を受けることとなるのであつて、刑法第百七十四条もまたこの意味から設けられている規定である。従つて、同条にいわゆる公然の意味も右の趣意に則り解釈せられなければならないのであつて、この趣意を離れ単に文字の末節のみにとらわれた解釈態度は同条本来の使命と目的とを忘却するものといわなければならない。従つてこの見地に立つて同条を解釈すると、同条にいわゆるわいせつの行為とは性欲の刺げき満足を目的とする行為であつて、他人に羞恥の情を懐かしめる行為を云うのであり、叉公然とは不特定叉は多数人の認識し得べき状態を云うのであつて、必ずしも現に不特定又は多数人に認識せられることを要しないのである。従つて、特定の少数人のみの認識し得る状態においては原則として公然とは云い得ないのであるが、もしそれが現に特定の少数人が認識し得るにすぎない状態にあるにせよ、偶発的に行われたものではなく一定の計画の下に反覆する意図をもつて不特定人を引入れこれを観客として反覆せられる可能性のあるときは上記の趣意から見て、不特定叉は多数人の認識し得べき状態であると解すべきであり、従つてこの場合には公然性を具有するに至るものとしなければならないのである。ところで、本件について考えて見るに、記録によると、昭和二十八年三月頃被告人矢守及び原審相被告人塔筋、吉岡、小海等は相談の上いわゆる「のぞき」を計画し、塔筋がこれを被告人奈佐及び原審相被告人余里に打ち明けてその承諾を得、右塔筋、吉岡及び小海等が街道の通行人中から適宜見物客を誘い、輪タクに乗せて余里の経営する旅館一美の二階に連れ込み、同所において被告人矢守及び右奈佐の両名がその客の面前で性交の実演をすることを打合せ、右打合せに基き反覆累行する意図の下に本件の各わいせつ行為が行われたものであることが明らかであるから、所論のようにたとえその性交実演の場所が旅館の密室であり叉その見物客が二名ないし五名の比較的少数人であつたとしても、それが不特定叉は多数人の認識し得べき状態で行われた公然のものであると解せられるのであり、叉原判示の別紙一覧表記載四の場合についても、その連れ込んだ見物客がたまたま被告人等を検挙する意図の下に内偵していた警察職員であつたと云うに止まり、その連れ込み方法、被告人等の意図等において同表記載一、二、三の場合と何等異るところはなかつたのであるから、それが同様公然性を具有するものと認め得べきこと多言を要しない。所論は要するに刑法第百七十四条の真意を正解せず独自の見解を開陳するびゆう論であるから採用しない。よつて以上と同趣旨の下に被告人の公然わいせい罪の成立を認めた原判決は正当であつて、原判決には所論のような違法はないから、論旨は理由がない。
 同第二点について、
 所論は、原判示の別紙一覧表記載一、二、三の犯罪事実、特にその構成要件である公然性の点については、被告人の自白以外にこれを認め得べき補強証拠がない、しかし原審相被告人等の自白は被告人の自白の補強証拠とはなり得ないから、これ等自白のみによつて右一、二、三の事実を認定した原判決には憲法第三十八条第三項及び刑事訴訟法第三百十九条第二項に違反した違法があると云うのである。
 しかし、原判決はその判示の別紙一覧表記載一、二、三の事実を認める、証拠として被告人自身の司法警察員及び検察官に対する各供述調書中の自白以外に原審相被告人塔筋佐太郎、奈佐シナ、小海雅一、吉島定治、余里都美等の検察官に対する各供述調書中の自白を掲げているのである。しかして被告人の自白を補強する証拠は、それによつてその自白の真実であることを肯認され得るものであるかぎりその種類には何等法定の制限がないのであるから、共同被告人の供述(自白)といえども右の要件を具えるかぎり補強証拠とすることができる(最高裁判所昭和二三、七、一四大法廷判決、同昭和二四、五、一八大法廷判決参照)のであり、しかも記録によると、右原審相被告人等の各供述は、被告人等の自白の真実性を肯認せしめるに足るものと認めるに十分であるから、これ等の証拠を綜合して判示事実を認定した原判決には所論のような違法はない。
 同第三点について、
 所論は、原判示の別紙一覧表記載の一、二、三の事実に関し被告人及び原審相被告人等が警察員及び検察官に対し為した各自白は、同人等が取調官の意を迎え殊更にその供述内容を一致せしめようとした虚偽の供述であるから、これを証拠とした原判決には事実の誤認があると云うのである。
 しかし、原判示の別紙一覧表記載一、二、三の事実はその挙示の証拠を綜合して十分認め得るところであり、所論に鑑み、記録を精査するも被告人及び原審相被告人等の警察官及び検察官に対する供述は真実に反するものとは認めがたく、叉それが公判廷における供述と相反するからとて直ちにその信用性を失うものではなく、原審の証拠の取捨選択には少しも反経験則、反論理法則の点はないから原判決には所論のような違法はない。論旨は理由がない。
 よつて、刑事訴訟法第三百九十六条に従い、主文のとおり判決する。
(裁判長判事 松本圭三 判事 山崎薫 判事 西尾貢一)