児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

性犯罪

「わいせつ」の定義はしないことにした~「いわゆる規範的構成要件である「わいせつな行為」該当性を安定的に解釈していくためには, これをどのように定義づけるかよりも, どのような判断要素をどのような判断基準で考慮していくべきなのかという判断方法こそが重要であると考えられる。本判決が, 「わいせつな行為」の定義そのものには言及していないのは, このようなことが考えられたためと思われる。」最高裁調査官馬渡香津子

頼まれた原稿には「わいせつの定義、最高裁は先送りした」って書いちゃったけど、定義あきらめたようです。 もう定義できないんですよ。 そこで、わいせつ行為リスト方式ですよ。弁論で主張しましたよ。 強制わいせつ罪の成立と行為者の性的意図の要否 最高…

強制わいせつ罪・強制わいせつ致傷罪と姿態をとらせて製造罪は観念的競合だとした事例(東京高裁H30.1.30)

判例DBに出てますから読んで下さい。 westlaw 1平成30年 1月30日 東京高裁 平28(う)1687号 PowerSort(重要判例順) 0.8 裁判区分 判決 裁判結果 控訴棄却 事件名 保護責任者遺棄致傷、強制わいせつ、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童…

深町晋也 [刑法入門]「性犯罪から学ぶ刑法」法学セミナー2018/04/no、759

基本は性犯罪だそうです。 監護者わいせつ罪の関係もあるので、「わいせつ」の定義書いてよ。 望ましい解釈とは何か? はっきりしない文言を明確にする解釈は、人々の行動の予測可能性を担保するという点で極めて重要である。しかし、明確だからと言って、そ…

法益論から見た強姦罪等の改正案(嘉門) 犯罪と刑罰26号

監護者性交・監護者わいせつの保護法益が理解できないようです。 3監護者であることによる影響力の利用について (1)立法趣旨 第三に、本改正によって監護者であることによる影響力を利用する類型(以下、「監護者類型」と称する)が新しく規定される点が問…

強制わいせつ致傷罪と姿態をとらせて製造罪は観念的競合(東京高裁h30.1.30)だったり併合罪(高松高裁h26.6.3)だったり

公開されている裁判例でも食い違っています。 東京高裁h24.11.1は、ダビング無しの製造罪と強制わいせつ罪(176条後段)でも一個の行為ではないから併合罪としていましたが、東京高裁h30.1.30は「おむつを引き下げて陰茎を露出させた上,その包皮をむくなど…

カラオケB店通路において、正面から抱き付いた上、その着衣の上からでん部を手でつかみ、さらに、同人の顎を手でつかんでその唇に接ぷんし、もって強いてわいせつな行為をしたという事実(否認)につき懲役1年6月執行猶予3年とした事例(横浜地裁h30.1.25)

被害者の供述とその裏付け(防犯カメラ)を検討して信用できると評価して、被告人の供述と客観証拠(メール)との不整合を指摘して、有罪ということになっています。 横浜地方裁判所平成30年01月25日 上記の者に対する強制わいせつ被告事件について、…

女子トイレに、その出入口から侵入し、同トイレ個室内にいたAに対し、やにわにその右こめかみ又は右手の甲に被告人の陰茎の先端を接触させ、という建造物侵入、強制わいせつ被告事件につき、無罪が言い渡された事例(名古屋地裁h30.1.11)

建造物侵入、強制わいせつ被告事件につき、無罪が言い渡された事例(名古屋地裁h30.1.11) 被害者供述の信用性が否定されています。被告人の供述は検討されていません。 名古屋地方裁判所平成30年01月11日 主文 被告人は無罪。理由 第1 本件訴因変更…

保護責任者遺棄致傷、強制わいせつ、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反、強制わいせつ(変更後の訴因 わいせつ誘拐、強制わいせつ)、殺人、強制わいせつ致傷被告事件(東京高裁h30.1.30)はD1lawに掲載予定

強制わいせつ罪(176条後段)と姿態をとらせて製造罪が観念的競合になってるらしい 【判例ID】 28260882 【裁判年月日等】 平成30年1月30日/東京高等裁判所/第6刑事部/判決/平成28年(う)1687号 【事件名】 保護責任者遺棄致傷、…

監護者わいせつ罪で執行猶予(旭川地裁h30.3.2)

性交・性交類似行為を処罰する児童淫行罪だと親子だとまあ実刑で、性交(姦淫・口腔性交・肛門性交)を処罰するのが監護者性交等罪になってこれは5年以上とされたのでこれも実刑で、性交・性交類似行為・姦淫・口腔性交・肛門性交以外の性的行為のみが、監…

わいせつ目的誘拐罪・強制わいせつ罪で逮捕(否認)→青少年条例違反で罰金(鳥取簡裁h30.2.26)

誘拐と暴行脅迫が落ちました。 強制わいせつ 容疑で71歳逮捕 鳥取署=鳥取 2018.02.06 読売新聞 10歳代の少女を誘拐してわいせつな行為をしたとして、鳥取署は5日、容疑者(71)をわいせつ誘拐と強制わいせつの疑いで逮捕した。 発表では、容疑者は1…

準強制口腔性交罪で懲役3年6月(甲府地裁平成29年10月19日)

口淫させる行為については、強制わいせつ罪の時代よりは重くなりました。 上記の者に対する準強制性交等被告事件について,当裁判所は,検察官宮上泰明及び弁護人渡部美由紀(国選)各出席の上審理し,次のとおり判決する。 主文 被告人を懲役3年6月に処す…

検察官控訴・検察官上告ではないのに~~村井敏邦「刑事法のなかの憲法(10)強制わいせつ罪の成立に、わいせつ目的を必要とするか」時の法令 第2043号

被告人控訴、被告人上告でした。検察官は趣意書出してないだろ。 http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87256 http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail3?id=86760 強制わいせつ罪の成立についての判例変更 昨年(二○一七年)一一月二九日…

「就寝中だった女子生徒の上半身裸の映像をひそかに撮影、保存して児童ポルノを製造した」というひそかに製造罪の被疑事実

パンツ脱がして撮影とかだと、ひそかに製造ではなく、姿態をとらせて製造罪ですよね。 準強制わいせつ罪に発展する恐れ http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/local/accident/news/20180222/2974510 児童ポルノ製造などの容疑で少年逮捕 県警 2月22日 1…

医師による準強制わいせつ罪(行為否認)で懲役2年実刑(長野地裁H29.12.4)

長野地方裁判所平成29年12月04日 上記の者に対する準強制わいせつ被告事件について、当裁判所は、検察官大川晋嗣並びに国選弁護人山浦能央(主任)及び同米山秀之出席の上審理し、次のとおり判決する。主文 被告人を懲役2年に処する。 未決勾留日数中…

「甲野に対し,「俺は若い男をいじめると興奮するんだ。」などと語気荒<申し向け,ライターの火を同人の顔に近付けて脅迫し,その反抗を著しく困難にして同人の陰茎を自己の肛門内に入れさせ, もって肛門性交した」という強制肛門性交罪の犯罪事実(警察官のための充実犯罪事実記載例第4版)

こういう事件があったんだろうね。 警察官のための充実犯罪事実記載例第4版 【男性による男性に対する肛門性交事例(陰茎を挿入させる)】 被疑者は,強制的に甲野太郎(当時21歳) と性交等をしようと考え,平成○○年○月○日午後○時○分頃,東京都○○区○○7丁目○…

「銭湯浴室内において、同人に対し、いきなりその陰茎を手で弄び、もって強いてわいせつな行為をした」という強制わいせつ事件につき、犯人性に疑いがあるとして無罪とした事例(堺支部h30.1.11)

防犯カメラ映像について犯人として矛盾しない容貌の人物が、被告人以外に少なくとも数名おり(例えば論告要旨別紙3の番号203、220の人物)、これらの者が犯人である可能性を排斥し去ることはできない。」とされています。 大阪地方裁判所堺支部 平成…

陰部触り撮影等したという強制わいせつ罪(176条後段)と、姿態をとらせて製造罪を併合罪にした事例(横浜地裁h29.12.26)

横浜地裁の別の裁判体は観念的競合にしていて、控訴審でも維持されています。それが横浜地裁に伝わりません。 東京高裁は併合罪説だと思ってたんですけど、ちょっと観念的競合説に寄りました。ダビングすると併合罪、そうでなければ観念的競合。 撮影行為を…

強制性交罪(既遂)につき、酌量減軽した上で懲役3年執行猶予5年とした事例(東京地裁h29.11.15)

法定刑は上がりましたが、量刑は変わっていないようです。酌量減軽が多用されることになりそうです。 示談して「告訴を取り下げる」などと述べてもらえば、重視されるようです。 東京地方裁判所平成29年11月15日 主文 被告人を懲役3年に処する。 この…

13歳未満の者に裸画像を送らせる行為の擬律

一昨年くらいまでは、弁護人奥村徹が強制わいせつ罪説を主張して、検察官が「わいせつ行為には当たらない」と反論してましたが、最近の裁判例の流れとしては、強制わいせつ罪(176条後段)と製造罪ですよね。 逮捕容疑は製造罪だけ(被疑者国選非適用)で、…

児童淫行罪と監護者性交罪・監護者わいせつ罪との関係~深町晋也「家族と刑法 家庭は犯罪の温床か?第4回 児童が家庭の中で性的虐待に遭うとき(その2)」書斎の窓 第654号

先月 このテーマで原稿書きましたが、強姦罪・強制わいせつ罪=性的自由に対する罪という単純な理解では、監護者○○罪が説明できないので、学説紹介してごまかしておきました。 深町先生は176後段、177後段も福祉犯だという理解のようです。 深町晋也「家族と…

家出願望がある14歳を誘い出して拐取し性交するように要求し、性交に応じさせたことにつき、児童淫行罪の成立が認めた事例(津地裁h29.3.22)

未成年者誘拐,児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反,児童福祉法違反,道路交通法違反被告事件 津地方裁判所判決平成29年3月22日【判示事項】 理 由(犯罪事実) 第1 被告人は,携帯電話機等のアプリケ…

公然わいせつ事件につき、立ち小便だったという弁解について、原判決の認定は,被告人が立っていた位置や陰茎を露出した目的について論理則,経験則等に照らし不合理な認定をしたことによるものであり,事実を誤認したものとして原判決を破棄して無罪とした事例(高松高裁h29.11.2)

見せつけてない事案です。 公然わいせつ罪のわいせつ行為,すなわち行為者の性欲を刺激興奮又は満足させる動作であって,普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反する行為である 高松高裁平成29年11月 2日 事件名 公然わいせつ被告事件 上記の…

同僚の女性に覆いかぶさったり押さえ付けたりして体を触ったという強制わいせつ事件につき、「宴会芸」の弁解

去年の大法廷判決(h29.11.29)が、性的意図完全不要とせずに「刑法176条にいう「わいせつな行為」に当たるか否かの判断を行うための個別具体的な事情の一つとして、行為者の目的等の主観的事情を判断要素として考慮すべき場合はあり得るが、行為者の性的…

9/30と10/15の12歳との淫らな行為が青少年条例違反で罰金50万円とされた事例

刑法177条後段の関係で、13歳未満の者という認識が立証できなかったものと思われます。 おおざっぱにいえば、刑法は12歳未満であれば強制性交罪、13歳以上であれば放任としていているところを、違う立法趣旨の青少年条例で13歳以上18歳未満のところを規制し…

併合審理の利益(横浜地裁h30.2.14と横浜地裁h29.12.26)

別の事件として、別々に起訴されていて、弁護人も別らしいので、併合審理の利益に気付かないかもしれません。 両方の事件で、被告人の情状(特に前科関係)が考慮されていて二重評価になっているので、常套手段としては両方控訴して、できれば同じ部で審理し…

強制わいせつ罪・青少年条例違反の無罪判決(仙台地裁H30.2.8)

児童・青少年は、親にバレると、性犯罪被害者として振る舞おうとすることがあります。 LINEの履歴や画像については、各県警に配備されている解析ソフトで解析していますので、任意開示させてください。 携帯・スマホが被告人に還付されることがありますが捨…

季刊刑事弁護「児童淫行罪・監護者性交罪と私」原稿

季刊刑事弁護「児童淫行罪・監護者性交罪と私」原稿 一応脱稿第1 はじめに 1 第2 児童淫行罪 2 1 保護法益 2 2 主体 2 3 行為 2 (1)淫行 2 (2)「させる」 2 4 児童淫行罪の3パターンと量刑傾向 2 ①児童を雇用して売春させるパターン 2 ② 師弟関係に基…

(当時22歳。以下「A」という。)が泥酔していたため抗拒不能であるのに乗じ,同人を姦淫したものである。」という準強姦事件について犯人性が否定された事件(さいたま地裁H29.10.26)

さいたま地方裁判所平成29年10月26日第4刑事部判決 判 決 上記の者に対する準強姦被告事件について,当裁判所は,検察官秦智子並びに私選弁護人中原潤一(主任),同神林美樹及び同山本衛各出席の上審理し,次のとおり判決する。 主 文被告人は無罪。…

「早期退院に必要な行為であるかのように装って同人にわいせつな行為をしようと考え」という医師による準強制わいせつ事件・否認・実刑(長野地裁h29.12.4)

こう言う場合は性的意図が必要だということになるんでしょうか 長野地方裁判所平成29年12月4日刑事部判決 判 決 上記の者に対する準強制わいせつ被告事件について,当裁判所は,検察官大川晋嗣並びに国選弁護人山浦能央(主任)及び同米山秀之出席の上…

かつて 強制わいせつ罪(176条後段)と姿態をとらせて製造罪は併合罪とされたが(東京高裁H24.11.1)、最近観念的競合に戻りつつある(東京高裁H30.1.30)

かつて 強制わいせつ罪(176条後段)と姿態をとらせて製造罪は併合罪とされたが(東京高裁H24.11.1)、最近観念的競合に戻りつつある(東京高裁H30.1.30) 判タの裁判官の報告書で、複製なければ観念的競合、複製あれば併合罪というのがあって、そっちに向か…