児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

本件担当の最高裁調査官である馬渡香津子氏は、「『わいせつな行為』該当性を安定的に解釈していくためには、これをどのように定義づけるかよりも、どのような判断要素をどのような判断基準で考盧していくべきなのかという判断方法こそが重要である」と述べている(馬渡香津子「時の判例」ジュリスト1517号[2018年]85頁)。しかし、判断対象の定義を明らかにしないままで判断方法を論じることは、解釈の三段論法に反した非論理的な思考方法である。

 耳なめとか足舐めとか写真送らせるとか、トイレの扉を開けて用便姿を凝視するなどの新型行為については、わいせつの定義が必要です。
 
 控訴事件が来たら毎回聞くことにしていますが、バラバラです。広島高裁なんてわからないことを聞くなと逆ギレです。
① 「性的自由を侵害する行為」(大阪高裁H28.10.27 大法廷h29.11.29の控訴審
② 「一般人の性欲を興奮,刺激させるもの,言い換えれば,一般人が性的な意味のある行為であると評価するものと解されるから,強制わいせつ行為に該当する。」(東京高裁H30.1.30)
③「被告人が~~などしたもので,わいせつな行為の一般的な定義を示した上で該当性を論ずるまでもない事案であって,その性質上,当然に性的な意味があり,直ちにわいせつな行為と評価できることは自明である。」(広島高裁H30.10.23 上告中)
④「わいせつな行為」に当たるか否かは,社会通念に照らし,その行為に性的な意味があるといえるか否かや,その性的な意味合いの強さを個別事案に応じた具体的事実関係に基づいて判断すべきである。(福岡高裁H31.3.15)

















松宮孝明「ロー・クラス 現代刑法の理論と実務:各論(第4回)強制わいせつの罪、住居・秘密を侵す罪」法学セミナー 第780号.
最大判平成29. 11 .29刑集71巻9号467頁(以下、「平成29年大法廷判決」という)は、「行為者の性的意図を同罪の成立要件とする昭和45年判例の解釈は、その正当性を支える実質的な根拠を見いだすことが一層難しくなっているといわざるを得ず、もはや維持し難い。」とした。もっとも、平成29年大法廷判決は、176条にいう「わいせつ」の定義を示すことなく(1)、「行為そのものが持つ性的性質が不明確で、当該行為が行われた際の具体的状況等をも考慮に入れなければ当該行為に性的な意味があるかどうかが評価し難いような行為」については、「行為者の目的等の主観的事情を判断要素として考慮すべき場合があり得る」とも述べている。
(1)本件担当の最高裁調査官である馬渡香津子氏は、「『わいせつな行為』該当性を安定的に解釈していくためには、これをどのように定義づけるかよりも、どのような判断要素をどのような判断基準で考盧していくべきなのかという判断方法こそが重要である」と述べている(馬渡香津子「時の判例」ジュリスト1517号[2018年]85頁)。しかし、判断対象の定義を明らかにしないままで判断方法を論じることは、解釈の三段論法に反した非論理的な思考方法である。