児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

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実子に対する強制わいせつ罪(176条後段)と児童ポルノ製造(那覇地裁R06.2.2)

実子に対する強制わいせつ罪(176条後段)と児童ポルノ製造(那覇地裁R06.2.2)
 よくわからないけど、数回の製造罪は併合罪かなあ

【文献番号】25597989

強制わいせつ、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件
那覇地方裁判所令和5年(わ)第285号、令和6年(わ)第1号
令和6年2月2日刑事第1部判決

       調書判決
宣告日 令和6年2月2日
裁判所 那覇地方裁判所刑事第1部
罪名 A  強制わいせつ
   AB 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反
被告人


       判決主文

被告人aを懲役3年に、被告人bを懲役2年に処する。
この裁判確定の日から、被告人aに対し4年間、被告人bに対し3年間、それぞれその刑の執行を猶予する。

罪となるべき事実の要旨
 起訴状及び令和6年1月9日付け追起訴状記載の公訴事実と同一であるから、これらを引用する。
適用した罰条
1 被告人aについて
(1)令和5年法律第66号附則2条1項により同法による改正前の刑法176条後段
(2)刑法60条、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2項、2条3項3号
(3)刑法45条前段、47条本文、10条
(4)刑法25条1項
(5)刑訴法181条1項ただし書
2 被告人bについて
(1)刑法60条、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律7条4項、2項、2条3項3号
(2)刑法45条前段、47条本文、10条
(3)刑法25条1項
(4)刑訴法181条1項ただし書

       理由の要旨

 別紙記載のとおり
(求刑 被告人aにつき懲役3年、被告人bにつき懲役2年)
令和6年2月19日
那覇地方裁判所刑事第1部
裁判所書記官 ○○○○
裁判官 小野裕信

(別紙)理由の要旨
 被告人Aは、令和5年3月から9月にかけて、定期的に性的関係を持っていた被告人Bがラブホテルに連れてきた被告人Bの実子(被害者・当時11歳ないし12歳)に対し、乳房や陰部を直接弄ぶわいせつ行為に及ぶとともに、被告人Bと共謀し、その際を含めて5回にわたり、被害者の胸部等を動画撮影して児童ポルノを製造した。
 強制わいせつの態様は直接性器に触れるなど、侵害の度合いが大きなものであるし、児童ポルノ製造のデータはひとたび流出すれば将来にわたって残り続けるおそれがあるのであって、いずれも被害者の性的自由や自尊心を深く傷つける犯行である。性的満足を得ようとした被告人Aも、対価欲しさに撮影に協力した被告人Bも、厳しく非難されるべきである。
 以上の犯情評価や量刑傾向を前提に、被告人両名ともさしたる犯罪歴が見当たらないことや、公訴事実を認めて反省の弁を述べていること、データ流出はうかがわれないことなども考慮し、主文のとおり判決する。
以上
令和5年検第11659、11660、11784号
起訴状
令和5年11月17日
那覇地方裁判所殿
那覇地方検察庁
検察官 検事 山田与志人
下記被告事件につき公訴を提起する。

       記
公訴事実
第1 被告人aは、被告人bの実子である■(当時11歳)が13歳未満であることを知りながら、同人にわいせつな行為をしようと考え、令和5年3月8日午後9時7分頃から同日午後9時52分頃までの間に、沖縄県浦添市字α××××番地cホテル▽▽▽号室において、入浴後で全裸の状態であった同人の乳房を直接手で触った上、さらに同人をベッドの上に仰向けにして、陰部を直接手指で弄び、もって13歳未満の者に対し、わいせつな行為をし
第2 被告人両名は、共謀の上、前記■(当時12歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら、同年9月5日午後6時24分頃から同日午後7時25分頃までの間に、前記cホテル□□□号室において、同児童の胸部等が露出した姿態を動画撮影機能付き携帯電話機で動画撮影し、その動画データ1点を同携帯電話機の内蔵記録装置に記録させて保存し、もって衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る記録媒体である児童ポルノを製造し
たものである。
罪名及び罰条
第1 強制わいせつ 令和5年法律第66号による改正前の刑法第176条後段
第2 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反 同法第7条第4項、第2条第3項第3号、刑法第60条
令和5年検第12025、12026号
追起訴状
令和6年1月9日
那覇地方裁判所殿
那覇地方検察庁
検察官 検事 山田与志人
下記被告事件につき公訴を提起する。 

       記

公訴事実
 被告人両名は、共謀の上、被告人bの実子である■(当時11歳)が18歳に満たない児童であることを知りながら、別表記載のとおり、令和5年3月8日頃から同年7月5日頃までの間に、4回にわたり、沖縄県浦添市字α××××番地cホテルの各客室内において、同児童の胸部等が露出した姿態を動画撮影機能付き携帯電話機で動画撮影し、その動画データ6点を同携帯電話機の内蔵記録装置に記録させて保存し、もって衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写した電磁的記録に係る記録媒体である児童ポルノを製造したものである。
罪名及び罰条
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反 同法第7条第4項、第2条第3項第3号、刑法第60条
別表
番号 日時(令和5年)                      客室    動画データ
1  3月8日午後9時7分頃から同日午後9時52分頃までの間に  ▽▽▽号室 1点
2  4月5日午後6時52分頃から同日午後7時38分頃までの間に ◇◇◇号室 2点
3  5月5日午後7時54分頃から同日午後8時48分頃までの間に ◎◎◎号室 1点
4  7月5日午後6時27分頃から同日午後7時26分頃までの間に ▲▲▲号室 2点