強制性交罪(177条後段)・不同意性交罪(177条3項)の量刑傾向を説明した高裁判例(大阪高裁r4.10.20)

強制性交罪(177条後段)・不同意性交罪(177条3項)の量刑傾向を説明した高裁判例(大阪高裁r4.10.20)

阪高裁r4.10.20(原審は京都地裁
職権判断
 被害者から中1と聞いたことからただちに被害者が12~13歳と認識していたとするには、合理的な疑いがある、
 証拠の標目の証拠のみでは有罪にできない。証拠に基づかないで事実を認定した違法がある 378条4号にいう判決に理由を付さないものとして破棄を免れない

破棄自判
 証拠に 甲10 捜査報告書と 被告人の公判供述を付加する
酌量減軽 66条71条68条3号

未必的認識があったに留まる
計画性はない
被告人に好意をもった被害者の同意の上で為されたもの
態様も執拗悪質ではない
177後段で犯罪になるという認識が無かった
このような場合 同種事案で実刑となっているのは、
同種前科がある、
児童ポルノ製造の余罪があるもの
犯行に至るまでの猥褻行為が執拗なもの
甘言を弄して性交に至ったものなど 
犯行態様が悪質なものが多くを占めているという量刑傾向を踏まえると、被害者とうの処罰感情が厳しいことを考慮しても執行猶予を選択しうる事案である
前科前歴なし 
若年である 
ハンディキャップがある
客観的事実は認めている
情状証人
2年2月拘束されていて相応の事実上の制裁を受けていること
を考慮すると実刑は躊躇される
保護観察が必要な事案である

 原判決の量刑理由の説示は、前科前歴がない被告人を長期間の実刑に処すには簡略過ぎるものであって、犯情を適切に検討評価しているとは言いがたい上、同種事案の量刑傾向を検討した形跡もうかがえないのであって量刑のあり方として多いに疑問がある
5刑 西田部長