わいせつ目的誘拐罪の参考裁判例

わいせつ目的誘拐罪の参考裁判例
 実刑事案の方が多いわけですが、わいせつ行為の程度内容とか誘惑の程度とか支配の程度とかで比較すると執行猶予のパターンもあるようで、結果は懲役2年執行猶予4年でした。

第3 量刑
 単に「わいせつ目的誘拐罪」で括ると実刑事案の方が多いののだが、1/4くらいは執行猶予が付いているようであり、絶対実刑というわけではない。
 上記の事情を総合した上、同種事案の裁判例を参考にすると、被告人には懲役2年執行猶予4年程度の刑がふさわしい。

わいせつ目的誘拐罪について参考にした裁判例
長崎地裁r02.9.3**1懲役1年6月執行猶予
量刑の理由)
 本件犯行態様は,長崎県内に居住していたAを大阪府内の自宅に連れ込み,3日間自己の支配下に置いたというものであり,Aの自宅から遠く離れた場所において比較的長い期間,Aを自己の支配下に置いていた点で態様が良くない。

静岡地裁浜松支部r2.7.10**2懲役1年6月執行猶予
(量刑の理由)
 被告人は、家族と同居する当時14歳の被害者とソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を通じて知り会い、性交をする目的で自宅に来るように誘惑し、自己が運転する車両に乗車させて誘拐するとともに、当時の自宅に連れ込み、わいせつな行為をした上で、避妊具を着けずに性交をした。

大阪地裁h29.7.12**3懲役2年6月執行猶予4年
(量刑の理由)
 被告人は、以前から、障害者支援施設の職員という立場を利用し、施設利用者であった被害者を言いくるめるなどして被告人の行為に応じざるを得ない状況を作出していたところ、本件犯行当日も、そうした状況を利用して被害者が嫌がっているにもかかわらず本件行為に及んだ

青森地裁h30.2.26**4懲役1年6月執行猶予
(量刑の事情)
 被告人は、ソーシャルネットワーキングサービスを通じて家出願望のある女性らと連絡を取り、自宅に迎え入れるなどしていた中で、被害者と知り合い、青森県から遠く離れた神奈川県まで連れ去り、2か月近く自宅に住まわせていたもので

仙台地裁r1.12.19**5 懲役2年 執行猶予
(量刑の理由)
 本件において、被告人は、被害者が中学生であることを知りながら、その家出願望を利用して家出するようにそそのかすなどして被害者を誘拐し、さらに、被害者をその性的欲望を満足させる対象としており、

高松地裁r3.2.24**6 懲役2年執行猶予
 (量刑の理由)
 被告人は,被害者に対し,家に送り届ける旨言ってその旨誤信させ,自己の運転する自動車に乗車させて自己の支配下に置いたもので,その犯行態様は,卑怯で悪質である。また,被告人は,若年の被害者を被害者と被告人しかいない自動車内に25分程度置いた上,乗車場所から約13.9キロメートル離れたいわゆるラブホテルの駐車場まで連れ去っており,

延岡支部r4.2.2*7懲役3年執行猶予
(量刑の理由)
 本件は,教師であった被告人が,その生徒である被害児童とSNSアプリ上で偶然メッセージのやりとりを行うようになったことをきっかけとして,被害児童の好奇心に乗じて,自動車に乗せて,■(省略)■に連れ込み,わいせつ行為に及んだ事案である。

津地裁r3,2,16*8懲役2年保護観察
1 本件は,被告人が,交際相手である被害者との最後のデートの際に,ラブホテルに行って性交することに応じない被害者に対して脅迫・暴行を加え,被害者が乗車する自動車を発進させて略取したというわいせつ目的略取1件の事案である。

札幌地裁r6.2.9*9懲役1年4月執行猶予
(量刑の理由)
 被告人は、被告人との入室を嫌がるAに嘘をつくなどして、強引にカラオケ店の個室内へ2人で入室し、膝や背中を触るなどした上、被害者が抵抗し始めたことを契機に本件犯行に至ったものであり、他人の心情を無視した自己中心的な犯行である。その暴行、脅迫は特別に強度なものとまではいえないが、被害者が恐怖などにより強く抵抗できないことや一定程度閉鎖的な環境であることを認識した上での犯行であると認められ、結果発生に至る危険性が低いわけでもない。


横浜地裁r05.3.20 *10懲役2年6月執行猶予
 (量刑の理由)
 本件は、被告人が、SNSで家出願望を有する被害者(中学生)を自宅に連れ込み、約2週間にわたって自己の支配下に置いた上、この間、同人の陰部を舐めたり、その陰部に自己の陰茎を押し付けたり、自己の陰茎を口淫させたりする等のわいせつな行為に及んだほか(判示第1)、前記期間中に、被害者の胸部が露出した姿態を携帯電話機で撮影、保存して児童ポルノを製造した(判示第2)というものである。