児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

強制性交(177後段)2件で執行猶予(佐賀地裁R3.5.27)

 公務員。示談200万
 量刑DBの「部類」で量刑されますから、軽い部類の裁判例を集めて、軽い部類になるような情状立証をすることになりますね。

裁判年月日 令和 3年 5月27日 
裁判所名 佐賀地裁 裁判区分 判決
事件名 強制性交等被告事件
文献番号 2021WLJPCA05276008
主文
 被告人を懲役3年に処する。
 未決勾留日数中40日をその刑に算入する。
 この裁判が確定した日から5年間その刑の執行を猶予する。
理由
 (罪となるべき事実)
 被告人は,別紙記載の者(以下「A」という。)が13歳未満の者であることを知りながら,Aと性交しようと考え,以下の行為に及んだ。
 第1 令和3年1月5日午後10時2分頃から同月6日午前1時44分頃までの間,福岡県久留米市〈以下省略〉「aホテル」405号室において,Aと口腔性交及び性交した。
 第2 同月6日午後7時36分頃から同月7日午前9時56分頃までの間,福岡市〈以下省略〉bホテル501号室において,Aと口腔性交及び性交した。
 (証拠の標目)(括弧内の番号は検察官請求の証拠番号を示す。)
 判示事実全部について
 ・ 被告人の公判供述
 ・ 聴取結果報告書抄本(甲1)
 ・ 捜査報告書(甲2)
 判示第1の事実について
 ・ 被告人の警察官調書(乙3)
 ・ 捜査報告書(甲5)
 判示第2の事実について
 ・ 被告人の警察官調書(乙4)
 ・ 捜査報告書(甲4)
 (法令の適用)
 罰条
 判示各行為について いずれも刑法177条後段
 併合罪の処理 刑法45条前段,47条本文,10条(犯情の重い判示第1の罪の刑に法定の加重)
 酌量減軽 刑法66条,71条,68条3号
 未決勾留日数の算入 刑法21条
 刑の執行猶予 刑法25条1項
 訴訟費用 刑訴法181条1項ただし書(不負担)
 (量刑の理由)
 被告人は,SNSを通じて当時小学6年生のAと知り合い,Aから一方的に好意を告げられて交際を開始した上,Aから積極的に性行為に誘われて,判示の性行為に及んだ。被告人は,当時刑務官として矯正教育に携わる立場にあったのに,Aの年齢や精神的未熟さを顧みることなく,誘われるまま,安易に性行為に及んだもので,結局は自己の性欲を満たすために犯行に及んだといわざるを得ず,そのいきさつに酌むべき事情は乏しい。犯行態様に粗暴な点は見られないものの,被告人は犯行に際し避妊をしておらず,Aの身体に妊娠等の重大な影響を与える危険性があった。本件がAの将来の健全な成長に悪影響を及ぼす可能性は高い。以上によれば,被告人の刑事責任は軽いものではないが,同種事案の中で重い部類に属するとまではいえない。
 その上で,被告人は,Aの母に対し200万円を支払って,示談を成立させている。これに加え,被告人に前科前歴がないこと,公判廷に至ってもAの精神的未熟さに対する認識が乏しい面がうかがえるものの,当初から事実を素直に認め,Aには二度と会わない旨述べて被告人なりに反省の態度を示していること,父が被告人を監督する旨誓約していることなどを考慮すると,被告人に対しては,酌量減軽をした上で,今回に限りその刑の執行を猶予するのが相当と判断した。
 (求刑・懲役5年)
 佐賀地方裁判所刑事部
 (裁判長裁判官 今泉裕登 裁判官 西村彩子 裁判官 神尾元樹)