児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・不同意性交・不同意わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録・性的姿態撮影罪弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「その首を両手で絞め,「脱げ」と語気鋭く申し向けるなどして,同人を全裸にさせた上,同人の後頭部を手で押さえつけながら,その口腔内に自己の陰茎を入れるなどし,さらに,同人の胸や陰部を直接手指で触ったり,その陰部に自己の陰茎を押し当てるなど」という強制性交の罪となるべき事実(那覇地裁r03.5.24)

「その首を両手で絞め,「脱げ」と語気鋭く申し向けるなどして,同人を全裸にさせた上,同人の後頭部を手で押さえつけながら,その口腔内に自己の陰茎を入れるなどし,さらに,同人の胸や陰部を直接手指で触ったり,その陰部に自己の陰茎を押し当てるなど」という強制性交の罪となるべき事実(那覇地裁r03.5.24)

「全体を包括して刑法177条1罪が成立すると判断した。」というのですが、起訴罪名は強制性交とわいせつ誘拐罪だけだから[同人の胸や陰部を直接手指で触ったり,]の部分は強制わいせつ罪で起訴されていない。 不告不理を検討した方がいい。
 強制性交未遂の場合、姦淫目的で手を引っ張っただけの未遂と、脱がせて裸にして陰茎押しつけて未遂とで量刑が大きく違うので、わいせつ行為が記載されるのですが、実は起訴されていない。

事件番号 令3(わ)73号
事件名 わいせつ略取誘拐,強制性交等被告事件
文献番号 2021WLJPCA05246002
 上記の者に対するわいせつ略取誘拐,強制性交等被告事件について,当裁判所は,検察官井川貴文及び国選弁護人伊東幸太朗各出席の上審理し,次のとおり判決する。
主文
理由

 (罪となるべき事実)
 被告人は,被害者(その氏名は別紙記載1のとおり。当時9歳)を略取誘拐して強制性交等をしようと考え,令和2年7月21日午後5時28分頃から同日午後5時46分頃までの間に,沖縄県内の路上(その所在地は別紙記載2のとおり)において,徒歩で通行中の同人に対し,道案内の依頼を装って声をかけ,同人にその旨誤信させ,その背後から同人が背負っていたランドセルを手で押し,同人を同所付近路上に駐車させた被告人使用の乗用車まで連行して同車後部座席に乗車させるとともに,被告人も同後部座席に乗り込んでドアを閉めて被害者を自己の支配下に置き,同人が13歳未満であることを知りながら,同車内において,その首を両手で絞め,「脱げ」と語気鋭く申し向けるなどして,同人を全裸にさせた上,同人の後頭部を手で押さえつけながら,その口腔内に自己の陰茎を入れるなどし,さらに,同人の胸や陰部を直接手指で触ったり,その陰部に自己の陰茎を押し当てるなどし,もってわいせつ目的で同人を略取誘拐した上,13歳未満の者に対し,口腔性交をした。
 (法令の適用)
 罰条
 判示所為中
 わいせつ略取誘拐の点 刑法225条
 強制性交等の点 包括して刑法177条
 (被告人は,13歳未満の被害者に対し,暴行脅迫を用いて口腔性交するという刑法177条に該当する行為をし,引き続き被害者の胸や陰部を直接手指で触ったり,その陰部に自己の陰茎を押し当てるなどの強制わいせつに該当する行為に及んでいるが,これらの行為は,前記刑法177条該当行為と接着した機会に同一犯意に基づいてされたと認められることなどから,全体を包括して刑法177条1罪が成立すると判断した。)
 科刑上一罪の処理 刑法54条1項後段,10条(わいせつ略取誘拐と強制性交等との間には手段結果の関係があるので,1罪として重い強制性交等罪の刑で処断)
 未決勾留日数算入 刑法21条
 訴訟費用の不負担 刑事訴訟法181条1項ただし書
 (量刑の理由)
 被告人は,被害者に虚言を弄しつつ,自らも被害者のランドセルを押すなどしてほぼ強制的に被害者を自動車内に連れ込んで逃げることの困難な状況下に置いた上,数秒間にわたって首を絞めるという相当程度強度の暴行を加えることで被害者の抵抗を封じ,全裸にさせた上で口腔性交等の行為に及んだ。
 (検察官の求刑・懲役7年)
 令和3年5月25日
 那覇地方裁判所刑事第1部
 (裁判長裁判官 大橋弘治 裁判官 君島直之 裁判官 山本隼人)