児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

「A(当時15歳)が18歳未満の者であることを知りながら、単に自己の性的欲望を満足させるため、同人と性交し、もって、青少年に対しみだらな性行為をした」という青少年健全育成条例違反罪の罪となるべき事実(仙台地裁R01.12.19)

青少年= 六歳以上十八歳未満の者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)という条例の定義なわけだから、「六歳以上十八歳未満の者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)であることを知りながら」を認定しないと、理由不備になるんじゃないかなあ。。


https://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/729011.pdf
(定義)
第十四条 この章から第六章までにおいて、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 青少年 六歳以上十八歳未満の者(婚姻により成年に達したものとみなされる者を除く。)をいう。

仙台地方裁判所
令和01年12月19日
主文
被告人を懲役2年に処する。
この裁判確定の日から4年間その刑の執行を猶予する。

理由
(罪となるべき事実)
 被告人は、
第1 インターネットのアプリを通じて知り合ったA(当時15歳)が未成年であることを知りながら、同人に家出願望があることを利用して同人を誘拐しようと考え、令和元年8月23日頃、C市(以下略)の当時の被告人方において、宮城県内で両親と居住していた前記Aに対し、携帯電話機を利用して、自己の車に寝泊まりすることを了承する旨のメッセージを送信し、家出をして自己の下に来るように誘惑し、前記Aにその旨決意させ、同月24日午後1時30分頃、同市(以下略)付近路上において、同人と合流し、同人を同所付近に駐車中の自動車に乗車させて同車を発進させ、親権者に無断で前記Aを連れ去り、以後、同年9月3日午後9時50分頃までの間、同人を同車内で寝泊まりさせるなどして自己の支配下に置き、もって、未成年者を誘拐し、
第2 同年8月26日午前8時過ぎ頃、当時の前記被告人方において、前記A(当時15歳)が18歳未満の者であることを知りながら、単に自己の性的欲望を満足させるため、同人と性交し、もって、青少年に対しみだらな性行為をした。
(証拠の標目)
(法令の適用)
罰条
  判示第1の行為 刑法224条
  判示第2の行為 青少年健全育成条例(昭和35年宮城県条例第13号)41条1項、31条1項
刑種の選択 判示第2の罪につき懲役刑を選択
併合罪の加重 刑法45条前段、47条本文、10条(重い判示第1の罪の刑に刑法47条ただし書の制限内で法定の加重)
刑の全部執行猶予 刑法25条1項
訴訟費用の不負担 刑訴法181条1項ただし書
(量刑の理由)
 本件において、被告人は、被害者が中学生であることを知りながら、その家出願望を利用して家出するようにそそのかすなどして被害者を誘拐し、さらに、被害者をその性的欲望を満足させる対象としており、被害者の年齢を考慮すると、被告人の行為が今後被害者の健全な育成に悪影響を与える可能性も否定できず、その態様は巧妙かつ悪質で、その結果も軽視できない。
 また、突如、中学生の娘を誘拐された被害者の両親らの動揺や不安は察するに余りあり、被害者の母親が被告人の厳重な処罰を望むのも当然である。
 以上によれば、被告人の刑責は重大である。
 しかしながら、被告人は、本件各犯行時21歳であり、これまで前科、前歴がなく、また、本件各犯行を認め、今後犯罪行為は一切しない旨誓約し、捜査や裁判の手続を経て、現段階においては、内省が深まりつつあることに加え、被告人の母親が今後同居しながら、父親とともに、被告人を指導監督する旨誓約していることなどを考慮し、被告人に対しては、その刑の執行を猶予するのが相当であると判断した。
(検察官上田勇樹、弁護人伊藤佑紀各出席)
(求刑 懲役2年)
第2刑事部
 (裁判官 江口和伸)