児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

多機能トイレでAV撮影か 身障者団体がメーカーに「強く自粛を要望します」

 性犯罪・福祉犯罪の犯行現場としては頻出ですよね。密室になっちゃうので重大犯罪の現場としてもよく見かけます
 問われれば建造物侵入罪とか考えますけど

【事件番号】 福岡地方裁判所判決平成27年1月29日
(犯行に至る経緯)
 被告人は,平成26年3月24日午前1時47分ころ,福岡県飯塚市(以下略)所在の「××飯塚店」(以下「××」という。)の多目的トイレにおいて,出会い系サイトを通じて1万5000円を支払って性交する約束をしたAと性交した。被告人は,性交が終わった後,1万5000円を支払わないまま,上記多目的トイレを出て,自己の普通乗用自動車に乗車して発進させ,××の駐車場を出ようとした。
 被告人より遅れて前記多目的トイレを出た上記Aは,××駐車場出口付近で被告人の自動車に追いつき,被告人の自動車のボンネットの前方に立ち,ボンネットを両手で叩くなどした後,助手席ドアの前に立ち,同ドアのドアノブを複数回引っ張り,同ドアの窓ガラスを何度も叩くなどした。
(罪となるべき事実)
 被告人は,
第1 ××駐車場において,同日午前2時4分ころ,A(当時19歳)が自車の助手席ドアノブをつかんでいる可能性が極めて高いと認識しながら同車を発進させ,同ドアノブをつかみながら同車の左側を並走している上記Aに対し,同人が同ドアノブをつかんでいる可能性が極めて高いと認識しながら,同車を同駐車場から前面道路に左折進出させた上,加速しながら福岡県飯塚市(以下略)付近路上まで約33.5メートルにわたり同車を走行させるなどの暴行を加え,同所で同人を路上に転倒させ,そのころ,同所において,同人の右側頭部に同車左側面部を衝突させて,同人に頭蓋骨骨折の傷害を負わせ,よって,同日午前5時25分ころ,同市芳雄町3番83号の飯塚病院において,同人を同傷害に基づく静脈洞破断による失血により死亡させ
。。。
殺人,強制わいせつ致死,死体遺棄被告事件
【事件番号】 熊本地方裁判所判決平成24年10月29日
第1 被告人は,平成23年3月3日午後4時頃,熊本市北区(以下略)にあるA清水バイパス店(以下,「本件店舗」という。)に赴き,間もなくしてゲームコーナーにいた際,幼い女の子が一人で歩き回っているのを見て,小学生くらいの女の子をゲームコーナー奥にある多目的トイレに連れ込んで強姦しようと考えた。被告人は,一人でトイレに向かう女の子四,五人の後を追っては多目的トイレの前で手招きするなどしたが,それらの女の子を多目的トイレ内に連れ込むことができないでいたところ,同日午後7時33分頃,B(平成19年○月○○日生,当時3歳。以下,「被害者」という。)が多目的トイレの方に一人で歩いて行くのを見つけた。被告人は,被害者の体格などから強姦することは難しいものの,その胸や性器に触れることはできると考え,多目的トイレの前で,被害者に手招きをし,被害者を多目的トイレ内に連れ込んだ。そして,被告人は,その頃,多目的トイレ内において,被害者が13歳未満であることを知りながら,その着衣の上から被害者の胸をなで,強いてわいせつな行為をした。
・・・
殺人被告事件
【事件番号】 福岡地方裁判所判決平成23年3月18日
(罪となるべき事実)
  被告人は,平成20年9月18日午後3時30分頃,福岡市a区bc丁目d番eA公園入江散策ゾーン公衆トイレ内に設置された身体障害者用トイレにおいて,B(当時6歳)に対し,殺意をもって,その頚部に布を巻いたビニールホースを巻き付けて絞め付け,よって,その頃,前記公衆トイレ内において,同人を窒息により死亡させて殺害したものである。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160103-00000519-san-life
ビデオの中には、多機能トイレで撮影したとみられるものが散見される。こうしたビデオのまねをして、一部のカップルらがトイレを使っていることはありうるという。

 《多機能トイレを撮影場所とした作品の視聴者による模倣行為を助長・扇動する可能性を否定できません》

 27年5月。身体障害者に対してさまざまなサポートを行う「特定非営利活動法人ノアール」(川崎市)が、アダルトビデオメーカーに向けてインターネット上に公表した要望書は、その可能性に触れたものだ。

 《本来の多機能トイレとしての利用以外は、他のトイレで代用できない利用者にとってマナー違反では収まらない感情があります。(中略)企業倫理の観点から公の施設である多機能トイレでの撮影に関し、強く自粛を要望します》

 ただでさえ数がたりない多機能トイレ。その上、本来その場所で行うべきではない性行為が横行すれば、トイレの使いにくさに拍車を掛けることにもなる。利用者にとっては見過ごせない迷惑行為に当たるだろう。

 要望書は、メーカー側に法令順守(コンプライアンス)を訴える。

 《アダルトビデオメーカー様におかれましては、コンプライアンスに反するようなことを行わずとも素晴らしい作品が制作できると考えております》

 しかし、アダルトビデオメーカーからの反応はない。

■障害者優先の「単機能トイレ」を

トイレは密室だ。

 「健常者が多機能トイレで性行為をしていようと、着替えをしていようと、証明のしようがないのが実情だ。たとえカップルが出てきたとしても、『介助が必要だったので2人で入っていた』と言われれば、何も言えない。しかし、どうしても消化しきれない気持ちが残るのです」