児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者わいせつ・不同意わいせつ・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 sodanokumurabengoshi@gmail.com)

性犯罪・福祉犯(監護者わいせつ罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

兵庫県青少年愛護条例の解説の変遷


 解説の変遷をみると、「みだらな性行為」の説明は最判S60を受けて限定的になっているのですが、「わいせつな行為」については、従前のままの古い判例が引用されていることがわかります。
 最判S60の趣旨は当然「わいせつな行為」にも適用されるにもかかわらず、そのままです。

兵庫県少年愛護条例解説(s42.11)p19
l 第1項は、青少年に対してなされるみだらな性行為、わいせつな行為の禁止規定である。

2 「みだらな性行為」とは、児童福祉法に規定されている「淫行」と同意義である。すなわち、窓会な常識を有する一般祉会人からみて不純とされる性行為をいい、結婚を前提としないもつばら情欲を満足させることを目的とする性行為もこれに当たり、性交類似行為でわいせつな行為の範囲をこえるものも含まれる。

3「わいせつな行為」とは、いたずらに性欲を興奮または刺激させ、かつ普通人の正常な性的差恥心を害し善良な性的道義観念に反する行為をいう。

兵庫県少年愛護条例解説S62
3 「みだらな性行為」とは、いわゆる「淫行」と同意義であり、具体的には青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し、又は困惑させる等その心身の未成熟児乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為・青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為の行為をいう(福岡県条例違反事件最高裁昭和60年10月23日判決)。
4 「わいせつな行為」とは、いたずらに性欲を興奮または刺激させ、かつ普通人の正常な性的差恥心を害し善良な性的道義観念に反する行為をいう。(埼玉県条例違反事件東京高裁昭和39年4月22日判決)。
5 第1項の例としては、成人が結婚の意思もないのに青少年を言葉巧みに誘って、単に自己の性的欲望壱満足させるためだけにしたみだらな性行為及び青少年の性器をもてあそぶなどしたわいせつな行為がこれにあたるが、婚約中の青少年又はそれに準ずる真しな交際関係にある青少年との関係で行われる性行為等、社会通念上およそ処罰の対象として考え難いものはこれらに該当しない。

兵庫県少年愛護条例の解説 h21
2 「みだらな性行為」とは、青少年を誘惑し、威迫し、若しくは困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為、又は青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為のことをいう。
3 「わいせつな行為」とは、いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、かつ普通人の正常な性的差恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為をいう。
4 第1項の例としては、成人が結婚の意思もないのに青少年を言葉巧みに誘って、単に自己の性的欲望を満足させるためだけにしたみだらな性行為及び青少年の性器をもてあそぶなどしたわいせつな行為がこれにあたるが、婚約中の青少年又はこれに準ずる真撃な交際関係にある青少年との関係で行われる性行為等、社会通念上およそ罰則の対象として考えがたいものは、これらに該当しない。