児童ポルノ・児童買春・児童福祉法・監護者性交・強制わいせつ・青少年条例・不正アクセス禁止法・わいせつ電磁的記録記録被告事件弁護人 奥村徹弁護士の見解(弁護士直通050-5861-8888 hp3@okumura-tanaka-law.com)

性犯罪・福祉犯(監護者性交罪・強制わいせつ罪・児童ポルノ・児童買春・青少年条例・児童福祉法)の被疑者(犯人側)の弁護を担当しています。専門家向けの情報を発信しています。

みだらな行為=わいせつ行為だという匿名弁護士の回答

 基本的知識なのに、なんかひどい回答だなと思ったら、ウィキペディアからの引用で、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%8F%E3%81%84%E3%81%9B%E3%81%A4
強制わいせつ罪における「わいせつ」概念の解説でした。

http://www.bengo4.com/bbs/176169/?from_search_list=1
男女関係
女子高生のみだらな行為について(13歳以上)2013年04月30日 18時45分

・・・・・・・

弁護士A
ありがとう
みだらな行為とはわいせつ行為をいうと考えます。
法律的には下記の裁判例が参考になります。
キスをする行為について強制わいせつ罪の成否が問題となった事例において「すべて反風俗的のものとし刑法にいわゆる猥褻の観念を以て律すべきでないのは所論のとおりであるが、それが行われたときの当事者の意思感情、行動環境等によつて、それが一般の風俗道徳的感情に反するような場合には、猥褻な行為と認められることもあり得る」とした判例がある(東京高判昭和32年1月22日高刑集10巻1号10頁)。
2013年04月30日 19時38分

「みだらな性行為」「淫行」については、判例の定義があり、各条例についても判例通りだと解説されています。淫行=わいせつ行為ではありません。この点で弁護士Aの回答は誤っています。

最高裁判所大法廷判決昭和60年10月23日
本条例一〇条一項の規定にいう「淫行」とは、広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきではなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいうものと解するのが相当である。

 条例のわいせつ行為についても大阪高裁の判例があり、大法廷判決の趣旨を酌んで、わいせつ行為にも限定が加えられています。青少年条例の「わいせつな行為」は強制わいせつ罪のわいせつ行為よりも狭い概念です。この点でも弁護士Aの回答は誤っています。

阪高裁平成23年6月28日
 しかし,わいせつな行為を処罰の対象とする本条例が憲法31条に違反しないものであることは,昭和60年最高裁判決の趣旨に徴して明らかである。すなわち,もともと,わいせつ行為とは,いたずらに性欲を興奮又は刺激させ,かつ,普通人の正常な性的羞恥心を害し,善良な性的道義観念に反する行為をいうものであり,その内容が不明確であるとはいえない。また,本条例にいう「わいせつな行為」についても,あらゆる性的行為がこれに含まれるものと解すべきではない。本条例は,何人も,青少年に対し,みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない(本条例21条1項)と定めているが,ここにいう「わいせつな行為」についても,本条例が青少年の健全な育成を図り,これを阻害するおそれのある行為から青少年を保護することを目的とする(本条例1条)ことからみて,性的な行為のすべてを禁止する趣旨とは考えられない。この点は,昭和60年最高裁判決がいわゆる淫行条例(福岡県青少年保護育成条例)に定める淫行について加えたのと同様の限定を付して解釈されるべきである。そうすると,弁護人がいうような結婚を前提とする真摯な合意に基づくものであるような場合までこれに当たるとはいえない。以上のとおり,上記条項が犯罪構成要件として不明確であるとはいえず,憲法31条に違反するものでないことが明らかである。

阪高裁平成23年12月21日
(1)各事実に共通の主張論旨は,
(ア)本条例21条1項の「何人も,青少年に対し,みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。」との規定は,13歳以上,特に婚姻適齢以上の青少年との間で,同人の自由意思に基づいて行うわいせつ行為について,婚姻を前提とした真摯な合意に基づく場合も含めて一律に規制するものであって,処罰の範囲が広範にすぎるし,「わいせつな行為」の範囲は不明確で,広く青少年に対するわいせつ行為一般を検挙,処罰するに至らせる危険を有するから,憲法31条に反している,(イ)最高裁判所昭和60年10月23日判決が,本条例21条1項と同様の処罰規定を設けていた条例の「みだらな性行為」との文言について,限定解釈を加えた上で適法と判断していることに照らすと,同条1項の「わいせつな行為」についても同様に限定解釈する必要があるのは明らかであるのに,原判決はこのような限定解釈をせずに漫然と同条1項を適用しており,違法である,として,原判決には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令適用の誤りがある,というのである。
しかし,(ア)の点については,最高裁昭和60年10月23日大法廷判決(刑集39巻6号13頁)は,福岡県青少年保護育成条例10条1項の規定にいう「淫行」とは,青少年を誘惑し,威迫し,欺岡し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか,青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいうものと解するのが相当であり,同規定は憲法31条に違反しないと判示しているところ,その趣旨に照らすと,本条例21条1項にいう「みだらな性行為」はもちろん「わいせつな行為」についても,合理的な限定解釈をすることにより明確性が確保されるというべきであるから,本条例の同規定は憲法31条に違反しない。
イ)の点については,上記各事実の被害児童は,いずれも男児であり,当該各行為に至る経緯,行為態様等にも照らすと,被告人は,被害児童を単に自己の歪んだ性的欲望の対象として扱っているとしか認められない事案であり,原判決が上記各事実について「自己の性欲を満たすため」とそれぞれ摘示するのも,そのような趣旨に基づいたものと解されるから,原判決は,本条例21条1項の「みだらな性行為又はわいせつな行為」について,上記判例の趣旨等に鑑み,青少年の健全な育成の観点から問題性の認められないわいせつ行為を除外する限定解釈をしてその適用を行ったものと解されるのであって,本条項の適用が違憲,違法であるとはいえない。